著者
山田 茂
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.964-969, 1992-07-15

従来より日本では ソフトウェア開発のテスト工程における代表的な品質評価法の一つとして テスト実施時間と発見・除去されたソフトウェアエラー数の関係を ゴンペルツ曲線に代表されるS字形成長曲線により記述し ソフトウェア内の潜在エラー数の推定やテスト項目数の消化率をはじめとするテスト進捗度の確認が行われてきた本論文では この決定論的モデルとしてのゴンペルツ曲線モデルを テストにより発見される総エラー数に対して確率則を導入することにより再構築し ソフトウェア信頼度成長モデルとしての汎用性を高めるここで 導入される確率則は ソフトウェア信頼性モデルによく採用され 有望視されている非同次ポアソン過程(NHPP)である従来のゴンペルツ曲線に修正を加えた上でNHPPの平均値関数 すなわち任意のテスト時刻までに発見される総エラー数の平均値に適用し 新たに期待残存エラー数 ソフトウェア頼度 MTBF (平均ソフトウェア故障時間間隔)などの信頼性評価尺度を導出するこれらの定量的尺度は 従来のゴンペルツ曲線モデルでは導出でき通かつたものであるさらに ゴンペルツ曲線に基づくNHPPモデルの信頼性評価例も示す
著者
西島 千陽 千葉 剛 佐藤 陽子 山田 浩 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.106-113, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
17
被引用文献数
11

サプリメントによる健康被害の未然・拡大防止には,現時点で発生している有害事象を短期間に全国レベルでできるだけ多く収集し,行政的対応を検討する取り組みが求められる.そこで全国的なオンライン調査により,消費者から直接情報を収集して有害事象の把握を試みた.有害事象としては下痢に着目し,4つの調査会社で実施した.その結果,軽微な症状が多いが痛みや吐き気を伴う事例もあること,下痢経験者の8割以上はどこにも報告していないこと,関与する原材料として植物エキスが疑われることが明らかとなった.有害事象の経験頻度に調査会社間で誤差はあるが,オンライン調査はサプリメントによる有害事象の発生を全国レベルで短期間に把握できる有用な方法と考えられた.
著者
奥野 拓 高橋 正輝 山田 亜美 川嶋 稔夫
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.199-206, 2014-12-06

公立はこだて未来大学では,函館市中央図書館と連携して歴史資料の登録から公開までの業務をサポートするデジタルアーカイブCMS を開発し,デジタル資料館として運用している.蓄積された膨大な歴史資料のファインダビリティを改善し,多目的に活用する目的で,LOD 化に取り組んでいる.他の歴史コンテンツと関連付けるため,日付,人物,場所をリソースとして抽出し,絵葉書資料RDF データセットを作成している.また,歴史的エピソードを仲介させることにより,間接的に関連する絵葉書資料を閲覧できるシステムを構築している.さらに,デジタル資料館の歴史資料を引用して特集コンテンツを作成するデジタルテーマ展や,市民が歴史資料にアノテーションを行う市民編纂SNS,様々な歴史資料RDF データセットを利用する観光アプリの構築を検討している.
著者
江利川 滋 山田 一成
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.139-149, 2018
被引用文献数
1

<p>This study examined the inhibiting factors of satisficing response on multiple-answer format (MA) in volunteer panel Web surveys. Data were based on two Web surveys in the Tokyo metropolitan area (one of 2,257 Japanese adults in March 2014, and the other of 519 Japanese adults in October 2017). The results revealed the following: (a) respondents endorsed fewer options and took less time to answer MA than forced choice format (FC); (b) an acquiescence tendency was not found for almost all the items in FC; and (c) satisficing responses were not inhibited by the number or properties of items. Results (a) and (b) suggest that MA may encourage satisficing response strategies. Furthermore, these tendencies can be seen not only in attitudinal (judgment-type) questions, but also behavioral (recall-type) questions. These results indicate the strength of satisficing response behaviors, so the use of FC is recommended in volunteer panel Web surveys.</p>
著者
山田 康治 山根 庸平
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.224-227, 2016-05-20 (Released:2016-12-27)
参考文献数
6

固体でありながらその中を高速で移動することができるイオンをもつ固体を固体電解質と呼び,特に室温付近で導電率が10−3 S cm−1以上のものを超イオン伝導体と呼んでいる。このようなイオン伝導性固体は安全性を高めたリチウムイオン二次電池や燃料電池の固体電解質として大いに期待されている。同時に,これらのイオンの伝導機構は様々な実験手段で研究されており,固体材料科学の興味あるテーマになっている。
著者
山田 哲雄 倉沢 新一 笠原 久弥 林 淳三
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.23-33, 1996-03-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
62

本研究は, エネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事条件下での5日間の運動 (1時間または2時間/日) 時におけるナトリウム (Na), カリウム (K), カルシウム (Ca), マグネシウム (Mg) およびリン (P) 出納の変動を検討するために行われた.健康な男性5名が被験者となった. 実験は6日間の安静期に続くおのおの5日間の第1運動期および第2運動期から構成された.運動期には, 60%V02maxを目標強度とした自転車エルゴメーターによる60分間 (第1運動期) または120分間 (第2運動期) の運動が負荷された.付加エネルギー摂取量は, 付加運動によるエネルギー消費量に応じて計算された.安静期のレベルを上回るNa, K, CaおよびMgの汗中排泄量の増加分は, これらの摂取量の増加分を下回った. 尿中排泄量の減少によるNaとPの体内保留が観察されたが, K, CaおよびMgの出納は変化しなかった. 尿中アルドステロン排泄量と血清副甲状腺ホルモン (PTH44-68) は, わずかに増大した. 以上のことから, 運動時におけるエネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事方法がこれらの無機質については理にかなっていることが示唆された.
著者
小川 宣子 オガワ ノリコ Ogawa Noriko 山田 和 ヤマダ ヤスシ Yamada Yasushi 山中 なつみ ヤマナカ ナツミ Yamanaka Natsumi
出版者
中部大学生物機能開発研究所
雑誌
生物機能開発研究所紀要 (ISSN:13464205)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.75-84, 2013-03

鶏卵の摂取が血中コレステロール濃度に及ぼす影響について,摂取方法をふまえて評価することを目的とし,鶏種の違いと熱変性が卵白の血中コレステロール上昇抑制作用に及ぼす影響を調べた.白色レグホーン,岐阜地鶏,奥美濃古地鶏の卵白を高コレステロール食とともにラットに10日間摂取させた結果,血中LDL-コレステロール濃度は各々49,72,61 mg/100ml となった.比較としてカゼインを摂取させたラットの106 mg/100ml に比べて有意に低く,いずれの鶏種の卵白も血中コレステロール濃度の上昇を抑制し,これら3鶏種においてはその作用に差はないことが示された.白色レグホーン種の卵を殻付きのまま85℃まで加熱したゆで卵の卵白と生卵白について同様に比較した結果,熱変性した卵白も生卵白と同様に血中コレステロール濃度の上昇を抑制した.さらに,全卵として摂取した場合の卵白と卵黄の相互作用を検討したところ,卵白の摂取は肝臓におけるコレステロールの分解を促進すること,卵黄の摂取はコレステロールの吸収を抑制することが示唆された.しかし,全卵として卵白と卵黄をともに摂取させたラットでは,コレステロールの吸収抑制は認められたが,コレステロールの分解促進は認められなかった.
著者
佐藤悠士朗 櫨原弘貴 添田政司 山田浩嗣
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

再振動締固めは,コンクリートの施工において耐久性を向上できる工法の一つである。再振動締固めはできるだけ遅い時間に行なうと良いとされているが,明確な再振動締固めを行う時期の検討は少ない。本研究では,再振動締固めを行うタイミングの指標として, N式貫入深さを用いて,再振動締固め時期の違いがコンクリートの長期品質に及ぼす影響について検討を行った。その結果,再振動時期の遅いN式貫入深さ100mmの際に,再振動を行うことでコンクリートの比抵抗や透気係数の改善が確認された。また,塩分浸透の抑制および鉄筋腐食の抵抗性の向上にも効果的な方法であり,これらの効果は,長期材齢においても確認することができた。
著者
朝山 奈津子 森田 学 山田 高誌
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.114, pp.59-73, 2015-10

20世紀初頭にイタリアで興隆したピアノ伴奏付独唱歌曲は従来、事典項目や音楽通史においていささか表面的に「ドイツ・リートの影響下で」確立したジャンルとされてきた。しかしその影響関係は、実際の響きや音楽形式からも、このジャンルに取り組んだ作曲家たちや詩人たちの創作活動からも、けっして自明ではない。そこで本論文は、両者の関係性を問い直した上で、このジャンルに対するドイツの影響を指摘しようと試みる。
著者
松井 哲也 山田 誠二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.C-G92_1-10, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)
参考文献数
24

The PRVAs, product recommendation virtual agent, are the agents that take part in the clerks on the onlineshopping. For their aims, it is very important for the PRVAs to be trusted by users. However, trustworthy the PRVA design was not be studied yet. In this paper, we suggest the user’s trust transition model that is consisted by two parameters. One parameter is user’s emotion, and the other is agent’s knowledge. We suggested the transition operators that transited these two parameters by executing when the PRVAs recommend. Emotion transition operators are agent’s smile and gestures. Knowledge transition operators is long product recommendation text. We carried on three experiments to estimate these model and transition operators. In experiment 1, we executed no transition operators. In experiment 2, we executed emotion transition operators and added knowledge transition operators in the latter half. In experiment 3, we executed knowledge transition operators in the first half and added emotion transition operators in the latter half. As a results, it is discovered that transition operators and a transition model are effective. In experiment 1, there are no transition in the participants’ trust state. In experiment 2, the participants’knowledge perceived and trust for agent transited after executing knowledge transition operators. In experiment 3, the participants’ emotion transited after executing positive emotion operators, however, trust didn’t transited. From these result, we concluded that trust is based on each of the user’s emotion and the agent’s knowledge.
著者
山田 浩
出版者
フジメディカル出版
雑誌
Functional food (ISSN:18823971)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.96-99, 2008
被引用文献数
2
著者
山本 多香子 田村 葉子 中島 優子 黒木 美智子 山田 豊子
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.89-94, 2010-05-31

A 看護短期大学3 年生を対象に「輸液・輸液ポンプ管理」の臨地実習(以降実習)前学内演習,および受け持ち患者の輸液(抗生物質)準備を実施した.演習後の学生レポート結果では【輸液準備に対する知識と練習不足の自覚】【確認行為の自覚】【看護技術体得に対する動機づけ】【作業環境に対する意識付け】【輸液ポンプ管理への理解】【輸液療法中の患者への配慮】の6 カテゴリを形成した.実習後のアンケート結果では『実習にむけて練習した』28 名,『一つ一つ作業順序を確認した』42 名,『作業環境を整えた』33 名であった.『輸液ポンプ使用中患者を受け持った』は38 名であり,そのうち『アラーム音が鳴った経験』30 名,『アラーム音の原因を確認できた』27 名であった.実習前の学内演習において輸液・輸液ポンプ管理に関する知識・技術の確認は,実習にむけて学習の動機づけとなり,実習中の確認行動につながり意義があったといえる.