著者
高須 遼 中村 啓信 岸本 泰士郎 狩野 芳伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1J4OS13a04, 2022 (Released:2022-07-11)

メンタルヘルスは社会的に重要な問題である。近年、メンタルヘルスの問題はインターネット上の活動と密接に関係している。そこで我々は、Twitterユーザーがメンタルヘルス問題を抱えているかどうかを分類するシステムを開発した。特定のパターンに合致するアカウントはメンタルヘルス問題を抱えている可能性が高いと仮定し、この仮定に基づいてポジティブな例とネガティブな例を100万件規模で収集した。また、キーワードに依存する先行研究とは異なり、メンタルヘルスに特化したキーワードを含まないユーザの発話を分類する可能性を検討するため、そのようなキーワードを含むツイートはデータセットから排除した。BERT、LSTM、SVMを学習させ、分類性能を比較した。BERTについては、大規模ツイートデータを用いた事前学習を行った。BERTが最も高い性能を示し、Accuracy 0.83, Recall 0.8, Precision 0.88,F1-score 0.84という実用レベルの高い分類性能を達成した。文脈情報の重要性とともに、一般的な発話からメンタルヘルス不調を推測しうることを示した。
著者
川名 三知代 砂見 緩子 岸本 成史 渡邊 真知子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.143, no.3, pp.281-295, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)
参考文献数
47

Although the need for homecare medicine for children is increasing in Japan, few studies have focused on the role of pharmacists in this area. The purpose of the present study was to clarify the practice process of pharmacists in pediatric homecare medicine and develop a practice model. Three pharmacists with experience in homecare medicine for children participated in semi-structured interviews. The data were analyzed using the modified-grounded theory approach (M-GTA). The analysis generated 8 categories and 21 concepts. The practice of pharmacists in homecare medicine for children is the pharmacotherapy management process, and it aims at “enabling the transition from hospital to home for children and continuity of their homelife with family” in collaboration with other professions. Above all, the two concepts of “optimization of prescription and device selection to enable the hospital-to-home transition” and “optimization of prescription and device selection for ensuring patient safety” form the core of clinical decision making in the pharmacotherapy management process. By integrating these two optimization concepts, the transfer of patients to home can be undertaken smoothly, leading to safer pharmacotherapy in the lives of patients and their families. Furthermore, pharmacists considered clinical decision making from two perspectives: “the child’s growth-based approach” and “homelife-based approach.” The foundation of these practice processes comprised “professional responsibilities” and “consideration of families’ feelings.”
著者
髙尾 堅司 石盛 真徳 金政 祐司 谷口 淳一 岸本 渉
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-14, 2005 (Released:2005-08-26)
参考文献数
45

本研究では,社会的状況が人々の状況に対する満足度の規定因に及ぼす影響を検討した。模擬社会ゲーム(SIMSOC)を用いて,大学生を対象に実験を行った。模擬社会においては,2つの富裕地域(緑地域・黄地域)と2つの困窮した地域(青地域・赤地域)がある。参加者は,4つの地域にランダムに振り分けられた。各セッション後,参加者は地域内における決定手続きの公正さ,地域内の分配の均等さ,地域間の保有資源の均等さ,さらに状況に対する満足度についての評定を求められた。その結果,状況への満足度において時期と地域の交互作用が認められ,状況への満足度は状況要因と地域要因によって影響を受けることが明らかになった。この結果は,状況に対する満足度は状況要因と地域要因によって異なっていることを示している。
著者
岸本 徹
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.659-664, 2018-09-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2

“香り”は食品や飲料のおいしさを決定づける大きな要素である.そのためビールの香りに関する多くの研究が進められ,さまざまな特徴に寄与する香気成分が明らかにされてきた.これまでビールの香りの研究においては,その特徴への「寄与度が高い」香気成分に着目されてきた.一方で,ビール中で大多数を占める寄与度が小さい香気成分群の役割については,ほとんど考察されてこなかった.本解説では,ビール香味への香気成分の寄与について,これまでの報告から紹介するとともに,一方で,寄与度が小さい大多数の香気成分群の寄与について,筆者らが得た知見をもとに紹介する.
著者
岸本 遧 用皆 依里 米川 聡
出版者
特定非営利活動法人 産学連携学会
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.2_7-2_12, 2022-06-30 (Released:2022-08-02)
参考文献数
3

鹿児島大学では研究支援を行うURAが社会導出支援を行う産学連携コーディネーターと同一の組織内でより強固に協働できる体制を構築した.本稿ではURAの業務のうち,研究力の評価分析と各種研究支援事業の企画立案のための『研究IR』,研究の礎である科研費への応募数と採択率を向上させるための『科研費申請アドバイザー制度』,総合大学の強みを生かすべく,異なる分野が融合した研究シーズの創出を支援する『異分野融合研究創出支援』について紹介する.
著者
鈴木 門之 岸本 桂子 中西 弘和 福島 紀子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.373-387, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

We conducted a survey on veterinarians regarding the use of anticancer drugs in veterinary medicine and instructions to owners. Two-hundred veterinary hospitals were randomly selected from 438 hospitals, in Yokohama and Kawasaki City, Kanagawa, using a questionnaire, by visit distribution, and by mail recovery. The recovery rate was 62.5% (n = 125). In total, 103 veterinarians (82.4%) had anticancer drug use experience, 99 (96.1%) had injectable drug administration experience, and 81 (78.6%) had oral administration experience. In total, 97.0% of veterinarians used cyclophosphamide and vincristine, 90.9% used doxorubicin. As a precaution for oral drug administration and excrement disposal of anticancer drugs after administration, approximately 50% of veterinarians instructed the owners to “wash your hands well” and “wear gloves.” With regard to injections (n = 99), 86.7% of veterinarians answered it was under an “open environment,” 8.1% used “Luer Lock” syringe, and 67.7% prepared the vial product with “negative pressure.” With regard to protective equipment used during preparations, “single latex gloves,” “mask” was more than 50% respectively. With regard to the first learning experience about anticancer drugs, 24.8% learned when they were in university and, 70.4% learned after graduation. With regard to experience after graduation, 53.4% answered that they “took a workshop” ; the “Veterinary System Society” was the main workshop organizer and the “veterinarian” was the main instructor. In total, 66.9% wished to attend a workshop on anticancer drugs. Considering the results of this study, human medicine and veterinary medicine need coordination, and it is important to provide training and education.
著者
高田 伸弘 藤田 博己 安藤 秀二 川端 寛樹 矢野 泰弘 高野 愛 岸本 壽男
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第61回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.22, 2009 (Released:2009-06-19)

昨2008年7月に, 仙台市内東半部を貫流する小河川の梅田川堤防で散歩を日課とした住民が紅斑熱を発症, 特異的検査で北アジア共通Rickettsia heilongjiangensis(Rhj)の感染が強く示唆されたため, 同地区のネズミ相やマダニ相など感染環の調査を行った.同年9, 12月および本年1月の現地踏査では, まず, 梅田川中流堤防ではドブネズミおよびハタネズミの2種しか得られなかったが, ドブネズミそして植生から得られた北方系チマダニ種からRhjが高率に証明され, 同時にドブネズミ1頭の肺からは好酸球性髄膜脳炎起因性の幼虫移行症として注目される広東住血線虫Angiostrongylus cantonensis(Ac)の生虫体が見出された.梅田川がじきに七北田川に注ぐ地点の堤防では何故かネズミは捕れなかったが, 続く下流の仙台港近い河川敷ではようやくアカネズミが見出され, 一部は紅斑熱抗体を保有, またフトゲツツガムシの寄生もみた.以上から本地区のネズミ相の特性として, 梅田川周辺は市街化まもなくて郊外要素も残るに関わらず全国的普通種アカネズミが不在または超希薄という近年では稀な環境であるらしいこと, しかしそこではハタネズミと共存するドブネズミがAc(おそらく東京圏と北海道の間の東北地方では初記録)の感染環を維持し, 同時にRhj媒介チマダニ幼若期の吸血源にもなっているらしいことが挙げられる.とは言え, 重要な病原体の感染環が, 概ね密度は高くないネズミ相の中で如何に維持されているものか, 詳細な調査によって検証する必要があり, 2~3月には市内を貫流する広瀬川や名取川地区でも比較調査を予定しているので, 結果を合わせ報告する. 本調査は2008年度厚労科研(略題:リケッチア症の実態調査と警鐘システム構築)によった.<研究協力者:岩崎恵美子(仙台市副市長), 広島紀以子ほか(同市衛研)の各位>
著者
森田 学 鶴見 真由美 平岩 弘 坂田 真理子 岸本 悦央 近藤 充宏 渡邊 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.205-210, 1987-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

歯口清掃による歯の動揺度の改善を, より客観的に評価することを日的として, 動揺度測定装置 (TMC-01) を考案し, 臨床応用を試みた。この装置は, 歯を水平方向に移動させるのに必要な荷重を連続量 (g) で表示するものである。外来患者20名 (被検歯総数216本) を対象に, 来院時毎に, 徹底した歯口清掃と歯間部の清掃を主日的とした刷掃指導を行った。動揺度は, 初診時, 2週, 4週, 8週後にTMC-01を用いて測定し, 同時にプラーク付着状態も診査した。その結果, (1) 動揺歯の荷重平均は, 初診時101g, 2週後141g, 4週後147g, 8週後157gであり, 短期間のうちに著明な改善が認められた。 (2) 2週後で74%, 8週後で85%の動揺歯に改善が認められた。 (3) 初診時, 79g以下の力で動揺を示した歯は, 2週以後の改善傾向が減少したが, 809以上の力で動揺を認めた歯は, 期間全体を通じて改善した。以上より今回用いた装置は, 動揺度の測定に応用できる可能性が示唆された。
著者
森山 倭成 岸本 秀樹 木戸 康人
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.35-61, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
46

肥筑方言における主語は,生起する環境が主節か埋め込み節かにかかわらず,ガ格の代わりにノ格で標示させることが可能である。先行研究では,肥筑方言のノ格主語が,ガ格主語とは異なり,主語移動(A-移動)を起こさず,vP内に留まると主張されてきた。しかし,本論では,肥筑方言のノ格主語は,vP内に留まるのではなく,TPとvPの間に挟まれたAsp(ect)Pの指定部位置へ主語移動を起こすことを論じる。このことを示すために,まず,未確定代名詞束縛とサー感嘆文に関する言語事実から,ガ格主語はTP指定部位置に移動する一方で,ノ格主語はガ格主語よりも低い構造位置で認可されることを示す。次に,vP分裂文に関するデータから,ノ格主語が主語移動を受けてvP指定部よりも高い位置に移動することを示す。特に,vP分裂文のデータはノ格主語が動詞句内に留まることができないことを示す強い経験的な証拠を提供する。
著者
岸本 肇
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-32, 2009-03-20 (Released:2018-12-04)

第一次世界大戦中、日本に囚われていたドイツ兵捕虜のスポーツ活動の中でも、特にサッカー交流を取り上げ、その事実・背景と教育遺産について論じた。その内容は、おおむね、下記のごとくである。 1.似島、青野原および名古屋の捕虜収容所にいたドイツ兵のサッカー交流が、史料により確認されている。 2.交流相手は、主として、中学校、師範学校・高等師範学校であった。 3.サッカー試合を含む文化・スポーツ交流は、彼らの解放が近くなった1919 年に集中している。 4.ドイツ兵捕虜収容所があった自治体における、コンサート、スポーツ行事、展覧会の催行により彼らの諸活動を再現するとりくみ、および学校でドイツ兵捕虜の足跡を題材にした教材づくりや授業をする実践は、地域教育や平和教育、国際交流教育の観点から評価できる。
著者
岸本 惠實
出版者
日本中国語学会
雑誌
中国語学 (ISSN:05780969)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.266, pp.63-78, 2019

<p>與漢語研究的情況相似,西文資料在日語史研究中起到了重要的作用。日語研究所用的西文資料大致分為從 16 世紀中葉至 17 世紀中葉的天主教資料和 17 世紀以後的西學資料兩種。前者有較長的研究史,並一直以來作為研究音韻史、語法史的資料受到學界重視。使用天主教資料的研究近年擺脫了傳統日語研究的框架,與其它語言、其它研究領域的協作日益加深,催生了新的研究成果。比如新興學科傳教語言學,將天主教資料看作是出自傳教士之手的一種本地語言資料,不僅將之與歐洲資料,甚至還與在亞、非、南美洲傳教地印行的本地語言資料進行比較研究。</p>
著者
岸本 覚
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

18世紀中期~19世紀初頭は、武家に限らずさまざまな個人や集団が祖先への崇敬を具体的に形に表した時期である。本研究では、薩摩藩島津家と長州藩毛利家を事例として、明治維新期の藩祖神格化の特徴を考察した。その結果、西欧文明やキリシタンへの脅威に対抗するかたちで、明治維新期における藩祖の神格化を進行することが明らかになった。さらに、そこには神仏分離過程および戦没者追悼儀礼など明治政権の宗教政策全体を見渡す視点が関係することも指摘した。
著者
岸本 千佳司 Chikashi Kishimoto
雑誌
AGI Working Paper Series
巻号頁・発行日
vol.2015-13, pp.1-65, 2015-07

本研究の課題は、台湾ファウンドリ企業(主に TSMC、一部 UMC を念頭に置く) の技術能力、具体的には、1柔軟・高効率の生産システムの構築、および2プロセス(関 連)技術の開発について、筆者自身の面談記録や『公司年報』のような原資料を活用し、 その詳細に踏み込むことである。既存研究では、1990 年代以降、台湾ファウンドリ(特に TSMC)が先発企業との技術 ギャップを急速に埋めていったのは、半導体製造装置の大モジュール化・標準化が進ん だことを背景に、こうした歩留まりが高く加工時間が短い最先端装置を積極的に導入し たことによるところが多く、しかも、その資金的負担は台湾の投資優遇制度によりかな りの程度軽減されたということが指摘されている。本研究は、それを重要な要因と認めつつも、その後の台湾ファウンドリ(特に TSMC) の持続的発展については、技術能力構築の独自の取組みがあったことを明らかにする。 即ち、プラットフォーム戦略による多品種少量生産への対応、工場の自動化・ICT 管理 の活用、その前提の装置・ツール等の標準化推進、日常的な改善、経験・ノウハウの全 社的共有の仕組み、研究開発と量産部門の連携による迅速なプロセス量産立ち上げなど である。また、プロセス関連技術でも、先端ロジックの 1~3 年ごとの世代交代実現、 システム LSI 向けのロジック以外の特殊プロセス拡充、近年の後工程・実装分野への進 出と先端トランジスタ研究の実施などがある。しかもこれらの取組みが、専業ファウン ドリというビジネスモデルの要請に沿って、技術的潮流の変化を踏まえつつ高度化する 顧客ニーズを満たすために、全体最適化を考慮して進められてきたことを明らかにする。なお、技術能力の分析に際しては、藤本隆宏教授の「能力構築競争」の枠組みを参考 にしそれを簡略化した形で、「表層の優位性」(生産性・品質・コスト管理や技術開発力、 オペレーション能力のレベルの高さを反映すると思われる表面に表れた事象)と「優位 性の土台」(表層の優位性の背後でそれを支える活動や仕組み、それに影響する事業戦 略やビジネスモデル)の 2 層から整理した。
著者
牧之段 学 岸本 年史
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.93-97, 2018 (Released:2019-11-01)
参考文献数
24

自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)患者における血漿炎症性サイトカインの発現量増加や脳内マイクログリアの活性化といった免疫系異常の報告が相次いでいる。一方,brain-derived neurotrophic factor(BDNF)やneuregulin-1(NRG1)といった神経栄養因子は,ニューロンの生存やシナプス機能に影響を与えるため,統合失調症やASDの病態に関与していると考えられてきた。活性型マイクログリアではBDNFやNRG1の発現量が増加することから,マイクログリアが活性化されているASD患者脳ではマイクログリア由来のBDNFやNRG1が過剰となっている可能性があり,これらの異常な分子機能がASDの病態生理に関与しているかもしれない。
著者
岸本 肇
出版者
東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-32, 2009-03-20

第一次世界大戦中、日本に囚われていたドイツ兵捕虜のスポーツ活動の中でも、特にサッカー交流を取り上げ、その事実・背景と教育遺産について論じた。その内容は、おおむね、下記のごとくである。 1.似島、青野原および名古屋の捕虜収容所にいたドイツ兵のサッカー交流が、史料により確認されている。 2.交流相手は、主として、中学校、師範学校・高等師範学校であった。 3.サッカー試合を含む文化・スポーツ交流は、彼らの解放が近くなった1919 年に集中している。 4.ドイツ兵捕虜収容所があった自治体における、コンサート、スポーツ行事、展覧会の催行により彼らの諸活動を再現するとりくみ、および学校でドイツ兵捕虜の足跡を題材にした教材づくりや授業をする実践は、地域教育や平和教育、国際交流教育の観点から評価できる。
著者
野地 駿吾 岸本 達也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.451-458, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
3

近年、AIを活用した数多くのサービスが存在していて、その結果として、新たな画像認識システムが発展してきている。しかしながら、都市の街路空間において、そこで直接撮影された写真とAIを用いた顔認識システムを併用してその都市の地理的特徴を分析した研究はほとんどない。そこで、私たちは渋谷を中心に歩行者の行動を分析する調査を行った。調査の結果、渋谷を中心とした都市の街路空間の特徴を、年齢、性別、感情、密度の面から明らかにすることができた。この結果は、より良い都市デザインを作成するために使用できるのと同時に、また、ある特定の街路空間にいる人々の特徴をモニタリングするこの新しい方法が有効であることを示した。
著者
長谷川 健 柴田 翔平 小林 哲夫 望月 伸竜 中川 光弘 岸本 博志
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.187-210, 2021-09-30 (Released:2021-10-29)
参考文献数
57

Based on detailed fieldwork, petrological and paleomagnetic investigations, we present a revised stratigraphy of deposits from the 7.6 ka eruption at Mashu volcano and the formation process of its summit caldera, eastern Hokkaido, Japan. As previously described, the eruption products consist of an initial phreatomagmatic unit (Ma-j) and the overlying three pumice-fall layers (Ma-i, -h, and -g), which are in turn overlain by pyroclastic-flow deposits (Ma-f). In the present study, we divide Ma-f into 4 subunits: Ma-f1/2, Ma-fAc, Ma-f3a and Ma-f3b in descending order. Ma-f3b is a valley-ponding, pumice-flow deposit with limited distribution. Ma-f3a comprises clast-supported facies (fines-depleted ignimbrite: FDI) and matrix-supported (normal ignimbrite) facies, the two changing across topography. The FDI is characterized by a gray, fines-depleted, lithic-breccia-rich layer with materials incorporated from the substrate. Impact sag structures from large (>50 cm) dacite ballistic blocks were recognized at the base of the Ma-f3a within 10 km from the source. Ma-fAc is a minor eruption unit consisting of accretionary lapilli. Ma-f1/2 is a most voluminous (8.8 km3), widely distributed and weakly stratified ignimbrite. Both Ma-f3a and Ma-f1/2 can be classified as “low aspect ratio ignimbrite (LARI)”. Dacite lithic fragments are ubiquitously observed throughout the sequence and are not considered to be juvenile; they have distinctly different chemical compositions from the pumice fragments in the early pumice-fall (Ma-g~Ma-i) and pyroclastic-flow (Ma-f3b) deposits, but those of pumice clasts in the late pyroclastic-flow units (Ma-f3a and Ma-f2) lie between the two on a FeO*/MgO vs. SiO2 diagram. The 7.6 ka caldera-forming eruption of the Mashu volcano was initiated by Plinian fall (Ma-j~-g), and then, a small-volume high aspect ratio ignimbrite (Ma-f3b) was deposited by a valley-confined pyroclastic flow that was generated by partial column collapse. After that, a violent pyroclastic flow was generated probably during a strong explosion of a dacite lava edifice on the summit of Mashu volcano. This flow emplaced Ma-f3a. The caldera collapse that followed the explosion generated a climactic pyroclastic flow that emplaced Ma-f1/2. Ma-f3a flow was extremely fast. Ma-f1/2 flow was related to sustained flow due to low settling velocity and high discharge volume. These are supported by field observations and numerical simulation that shows the ability of the flow to surmount high topographic obstacles and spread widely. The 7.6 ka caldera-forming process of Mashu volcano was driven not only by subsidence of roof block but also by violent explosions.