著者
東 豊 美根 和典 早川 洋 金沢 文高 土田 治 久保 千春
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.473-482, 1995
参考文献数
12
被引用文献数
5

This paper reports nine serious cases of non-ulcer dyspepsia (NUD) treated by systemic family therapy, and also discusses the connection between the patients symptoms and their family dynamics. About 90% of the patients revealed significant improvement by this therapy. This study also discusses the therapist's effective involvement in the therapeutic process. Generally, problems arising due to familial causes have to be viewed at two different levels. The first is that of content. That is, the specific problem as identified by either the patients or their family members. The second is that of context which is the web of interrelationships and other related circumstances within the family which are infiuenced by the belief that there is a problem. Systemic family therapy thus places greater emphasis on changing the dynamics within the family which are influenced by the belief that there is a problem. Systemic family therapy thus places greater emphasis on changing the dynamics within the context. In the representative three cases reported here in the therapist ostensibly addressed the content, each in a different way. In the first case the therapist "denied the existence of the specific family relationship problem identified by the patient and the family members." In the second representative case the therapist "acknowledged the patient's family relationship problem but denied its relation to the patient's symptoms, " In the third case the therapist "acknowledged the patient s famlly relationship problem and also acknowl edged its relation to the patient's symptoms." Thus the therapist adapted three different stances. In each of the representative three cases, however, the therapist actually attempted to change the dynamics within the patient's familial context. The reason for using different therapeutic approaches in the three cases was that in each case the strength of the patients' and/or their family members' belief in the existence of a family relationship problem differed. The therapist, therefore, had to deal with each patient and his/her family members in a different way in order to establish a harmonious optimum therapeutic relationship.
著者
渡辺 知樹 横山 義之 早川 健
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2019年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.830-831, 2019-03-01 (Released:2019-09-04)

近年,生体に近い柔らかさを持つソフトロボットに注目が集まっている.しかし,マイクロスケールにおける生物を模倣したソフトロボットはほとんど研究されていない.本研究は,生物がもつソフト-リジッド複合構造に着目し,蠕動運動を模倣したマイクロゲルロボットの作製を目的とする.本稿では,犠牲層プロセスを用いることにより,独立したマイクロゲルロボットの作製に成功したのでそれを報告する.
著者
山口 真由美 宮之下 さとみ 原田 由美子 藤満 幸子 山田 クリス孝介 渡辺 健太郎 トム ホープ 小早川 真衣子 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

本研究の目的は電子カルテがもたらした看護への影響を探ることである。2回のワークショップを開催し、A大学病院で電子カルテと紙カルテの双方を利用したことがある看護師としての経験年数が14~30年の看護師7名と、電子カルテのみしか利用したことがない看護師としての経験年数が3~7年の看護師4名が参加した。ワークショップでは、入院から退院までの業務内容や扱われる情報を整理し、質的に分析することで紙カルテと電子カルテとを比較した。その結果、入院から退院までの業務は「入院時」、「入院後」、「退院時」の3つの段階に分けることができ、各段階における業務内容や扱われる情報について、紙カルテと電子カルテとで共通する内容と、電子カルテ導入後の変化が見出された。電子カルテの導入によって、必要な時に必要な情報を速やかに検索できることや正確で速い情報伝達、業務の標準化・テンプレート化等、業務の見方や内容など紙カルテと比べ多くの変化が起こっていたことが明らかになった。今後は患者や職員間の直接的なやり取りや振り返りの機会を補完しうる、情報共有と価値観の醸成を支援するような看護サービスシステムが必要である。
著者
早川 明夫
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 = Bulletin of Institute of Educational Research (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.16, pp.111-119, 2007-12-01

3代将軍徳川家光によって制度化されたとされる参勤交代のねらいは、大名の経済力・軍事力を抑制・削減して幕府に反抗できないようにするためである、こうした理解が教育現場に相当定着している。しかし、学会においてはこのような見方は一般的ではない。参勤交代が、大名にとって大きな経済的負担となっていたことは事実である。しかし、これは参勤交代の結果であって、この制度が設けられた目的ではない。そこで、先学諸氏の研究成果を踏まえて、現行の小中高の教科書には、参勤交代についてどのように記述されているのかを調べ、参勤交代の授業における留意点を示してみたい。
著者
水野 紀子 河上 正二 早川 眞一郎 渡辺 達徳 小粥 太郎 久保野 恵美子 米村 滋人 中原 太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、先端的医療・医学研究の実施に際して、患者・被験者等の利益を保護し、生命倫理の観点から逸脱した行動を規制しつつ、適正な範囲での先端的医療・医学研究の発展を可能にすべく、その法的規律を明確化することを目指した。アドホックな個別の利益衡量ではなく、民法の一般法理論との関連において、生殖補助医療やヒト生体試料の法的地位などの具体的問題について分析・検討して,解決に向けた具体的指針を提供した。
著者
瀧川 幸司 佐藤 充徳 柳 麻子 浅岡 壮平 山下 伸夫 中西 良孝 萬田 正治 柳田 宏一 早川 博文
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.37-41, 1997-04-30
被引用文献数
1

放牧地における糞食性コガネムシ類(以下,フン虫と略)の牛糞処理活動が牛糞消失量と不食過繁地の存続期間に及ばす影響について検討した。1994年7月に黒毛和種繁殖牛を輪換放牧しているイタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)主体の草地に新鮮放牧牛糞1kgを置き,糞塊へのフン虫飛来を人為的に妨げた無フン虫区,糞を自然状態にしたフン虫区および対照区として無糞区を設けた。糞設置日に早川式ザル法により1kgの牛糞塊に飛来したフン虫を採集し,その個体数を記録した。糞設置後1週間目の糞の消失量を求めるとともに,糞設置後の牛糞塊面積の変化を調べた。糞塊周辺の草丈を測定し,その経日変化を検討した。調査は1994年7月から1995年5月まで行った。1kgの牛糞塊には平均726.6頭のフン虫が飛来し,その中で牛糞を土中に埋め込む能力を持つゴホンダイコクコガネとカドマルエンマコガネは7.2%であった。糞設置後1週間目の糞の乾物消失率については,無フン虫区で6.9%,フン虫区で23.0%であり,フン虫区が有意に高かった(P<0.01)。糞塊面積については,無フン虫区で日間差がほとんど認められなかったものの,フン虫区では糞設置後6日目に有意に増加した(P<0.05)。しかし,いずれの糞塊とも糞設置後282日目には消失していた。糞設置後20日目における草丈はいずれの処理区とも対照区と比べて高く(P<0.01),この時期に不食過繁地の形成が認められた。糞設置後20-300日目では,各処理区間の草丈に有意差は認められず,いずれの区の草丈も漸減した。無フン虫区およびフン虫区における不食過繁地は,いずれも280日間存続した。これらのことから,フン虫は1週間で新鮮牛糞の約4分の1を消失させるものの,不食過繁地の存続期間に及ぼす影響はほとんど認められないことが示唆された。
著者
早川 勝 ハヤカワ マサル Hayakawa Masaru
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.1-32, 2009-02-28

論説(article)2004年に発効したイタリア会社法の改正法は、会社法の現代化を目指して、企業グループに関する規制を導入した。これは、1965年のドイツ株式法コンツェルン法以来の画期的立法である。イタリア方式は、ドイツ法と異なり、企業グループを一律として捉え、従属会社に生ずる損害の補償の方式について独自性がある。
著者
早川 華代
出版者
奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科
雑誌
人間文化総合科学研究科年報 (ISSN:09132201)
巻号頁・発行日
no.36, pp.84-74, 2021-03-31

Gukansho (Jottings of a Fool) by Jien regards the Hogen Disturbance as the beginning of 'the age of warriors'. After that, it is common knowledge that the power of Sekkanke (the family which produced regents and chief advisers to the Emperor) was so weakened that it was divided into three branches, the Konoe, the Matsudono and the Kujo. This report describes the origin and history of Mumyozoshi, the oldest critique of literature in Japan. It is a classic work dating back to the early Kamakura Period, whose author is estimated by many specialists, even though they have no certain proofs, to be Shunzeikyo no Musume, who was known as a waka poet. The critique had a deep relation with the Kujo family. Yoshitsune Kujo appeared in it, above all, as the leader of poetry circles. It is said that a manuscript was dedicated to Sumiyoshi Taisha Shrine (Osaka City, Osaka Prefecture). We can't imagine it nowadays but the shrine was also worshipped as the god of waka poetry scince the Heian era. The Kujo family believed in God of Sumiyoshi to improve themselves in Waka and to prosper their family. Taking this fact into account, we attempt to analyze problems of Mumyozoshi from the viewpoint of their belief in Sumiyoshi.
著者
鬼塚 克忠 陳 佩杭 TONG Peihua 根上 武仁 早川 慶
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.287-295, 2008-01-09 (Released:2008-01-09)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

佐賀県の吉野ヶ里墳丘墓は「版築状」に構築されており,この構築技術は古代中国から伝わったと考えられる。著者らは黄河流域における二千年前に構築された十数箇所の盛土遺跡を訪ね,その構築技術の特徴と地盤工学的特性を調査した。山東省・龍山文化時期の城子崖遺跡の城壁は厳密な意味での「版築」で構築された盛土遺跡の一例である。城子崖遺跡の調査結果から,「版築技術」は黄土をかなり高い密度に突固めることが可能であり,水に弱い黄土の欠点を補えることが分かった。黄河流域における版築盛土構造技術の出現は黄土の特異な地盤工学特性に大きく関係していると考えられる。
著者
廣田 敦士 市川 淳 早川 博章 西崎 友規子 岡 夏樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.231-242, 2019-06-01 (Released:2019-12-01)
参考文献数
18

Humans and animals prefer immediate reward rather than delayed one. In other words, a future reward is felt discounted. The speed of discounting is expressed with the parameter K, which is called discount rate. Problems related to time discounting often occur in everyday life. For example, if we put up with purchasing a product by impulse, we may succeed in savings as a future reward. On the other hand, if we purchase a product by impulse, we will get a satisfaction and an effect of product as an immediate reward at the expense of a future reward. This study focused on embodied cognition for adjusting discount rate easily and solving problems mentioned above. Our experiment revealed that a high-power posture tended to reduce discount rate, which means that savings will be easier to succeed. This occurred only under condition where the reward is small.