著者
木村 和保
出版者
北海道ポーランド文化協会, 北海道大学スラブ研究センター
巻号頁・発行日
pp.vi-vii, 2013-10-20

「ポーランドのアイヌ研究者 ピウスツキの仕事 : 白老における記念碑の序幕に寄せて」研究会報告集
著者
相川 佳子 松田 聡 川上 和彦 中井 勝彦 木村 浩三 野中 雅彦 尾田 典隆 新井 賢一郎 松永 篤志 今村 茂樹
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.53-57, 2019 (Released:2019-01-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1

保存的治療で改善をしない慢性裂肛患者への局所用カルシウムチャンネルブロッカー軟膏(以下ニフェジピン軟膏)の有効性と安全性に対する検証的臨床研究を行った.慢性裂肛患者40例に対してニフェジピン軟膏を使用し,疼痛(Face Scale;以下FS)と肛門内圧(以下MRP)を評価した.評価対象は32例であった.疼痛FSは,排便時・安静時共に治療前後で有意に低下した.手術に移行した症例を無効群,それ以外を有効群とすると,その有効率は87.5%であった.無効群のMRPは有効群に比べ有意に高かったが,治療前後でのMRPの有意な低下は認めなかった.副作用は1例に頭痛を認めた.ニフェジピン軟膏の機序として,肛門局所の平滑筋を弛緩させ,MRPを低下させ,創治癒を促進すると考えてきた.しかし,本研究で疼痛の有意な改善を認めたが,MRPは低下しなかったことから,MRP以外に疼痛を改善する要素がある可能性が示唆された.
著者
千葉 茂樹 木村 純一
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.126-156, 2001 (Released:2008-08-30)
参考文献数
54
被引用文献数
2 2

Bandai volcano is located in the southern part of Tohoku-Honshu arc, Japan, and has been active from about 300 ka. Most recently, the volcano erupted in 1888 and the phreatic eruption caused volcanic body collapse and produced huge debris avalanche deposit. Here we present new data of the tephrochronology and volcanic geology of Bandai volcano and discuss its growth history. The tephra-loam association in this area consists of the Hayama and the Mineyama Loam Formations. Sixty-three layers of tephra are recognized in the Mineyama Loam Formation, and seventy-seven layers of tephra in the Hayama Loam Formation. The volcanic activity is classified into seven stages based on tephrochronology: Stage 1: 300 ka≤(presumed age), Stage 2: 300-280 ka, Stage 3: 250-230 ka, Stage 4: 170-85 ka, Stage 5: 75-57 ka, Stage 6: 36-28 ka, Stage 7: 24-0 ka. Pyroxene andesite lavas and tephras are eruptions of Bandai volcano throughout its activity, and more than 13 large avalanche deposits are found in Stages 2, 5, 6, and 7 including 1888 debris avalanche. Modes of eruptions were almost sub-plinian with lava effusions from Stages 2 to 3, whereas sub-plinian was subsequently followed by vulcanian with lava effusions from Stages 5 to 7. Sub-plinian eruptions occurred in the earliest phase of Stages 5, 6, and pumice falls with occasional pumice flows were associated. Stage 4 consists of two eruption types. Large debris avalanches were commonly produced related with the sub-plinian eruption, except for 1888 eruption. Bandai volcano is a complex of at least five stratocones, and resurge of volcanic activity caused collapse of pre-existed volcanic body. This cyclic feature is considered to be the behavior of the volcano.
著者
木村 恵 古本 良 遠藤 圭太
出版者
森林遺伝育種学会
雑誌
森林遺伝育種 (ISSN:21873453)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.78-84, 2019-04-25 (Released:2019-04-25)
参考文献数
29

シードバンクとは種子を施設内に保存する方法で、成長すると大型になる森林遺伝資源の保存に特に有効である。一方で、効率的な収集と保存のためには対象種の生活史、種子の乾燥耐性や発芽条件などの様々な情報が必要だが、遺伝資源の中でも野生種ではこれらの情報が限られるため困難である。本論文ではシードバンク事業による遺伝資源の持続的な活用を目指し、イギリスの王立キュー植物園で行っているミレニアムシードバンクおよび日本国内のシードバンク施設(農業生物資源ジーンバンク、絶滅危惧種の種子保存、林木ジーンバンク)を紹介し、野生種を扱う上での課題について考察した。野生種の保存には効率的な収集と種子特性に対応した適切な保存処理が必要である。予測モデルや簡易実験などの新しい手法の活用が期待される。また、国内外のシードバンク施設の連携によって、保存に関わる様々な情報をデータベース化し活用することで、収集と保存の効率化とコレクションの品質向上が期待できる。こうした連携の実現を目指した準備が必要である。
著者
木村,和孝
出版者
日本理科教育学会事務局
雑誌
日本理科教育学会関東支部大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
no.48, 2009-11-01

小学校・中学校の課程で学習する力学分野の項目として、小学校では力と道具の関係、中学校では、運動とエネルギーがある。これらの内容は、その後に行う中学・高等学校過程での物理分野の基礎的な概念形成に必要不可欠なものである。中でも、重要な学習内容として、力の表現(合力と分力)が挙げられる。本発表では、生徒から出たに都上生活の経験についての質問「砂浜で台車を押して時よりも引いたときの方が簡単に運べた」といった内容を基に、力学的学習内容の理解について、日常生活に用いられる台車の運搬を通して、押す場合と引く場合で加える力に違いがあることを確認し、その結果から分力の考え方を理解することを目的とした学習実践について報告する。
著者
木村 雅史
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.33-43, 2017-12-26 (Released:2019-01-28)
参考文献数
21
被引用文献数
2

本稿の目的は,アーヴィング・ゴフマンの「状況の定義」論の観点から,「いじり」と呼ばれるコミュニケーションのあり方について扱ったメディア・テクストを分析することで,テクストが提供している「いじめ」と「いじり」の区別や関連性に関するカテゴリー適用の方法を記述・考察することである. ゴフマンの「状況の定義」論は,①「状況の定義」と自己呈示の関連性に着目している点,②人々の「状況の定義」活動を記述する枠組(「状況の定義」の重層性や移行関係)を提供している点において,独自のパースペクティブをもっている.本稿では,ゴフマンの「状況の定義」論の観点から,「いじめ」と「いじり」をめぐる「状況の定義」活動の記述・考察を行った.メディア・テクスト分析の結果,状況やオーディエンスの変化が,「いじめ」/「いじり」定義の維持や変化,それぞれの定義における意味世界の形成,参加者の自己呈示やその読みとられ方に影響を与えていることが明らかになった.本稿で分析したメディア・テクストは,それぞれ方法は異なるものの,「いじめ」カテゴリーと「いじり」カテゴリーの区別や関連性について,オーディエンスにカテゴリー適用の方法を提供している.
著者
木村 宏
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.8, no.6, pp.432-443,482, 1957-02-25 (Released:2009-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

Some ports of Yoda River had gradually changed since ancient times. Through the study of the transportations process, I have made it clear that the function of P. Yoda was most important in the middle ages, and consider that the changes of the economic location by Historic-Geographical Research.The welfare of P. Yodo can be divided into five stages as follows.1) The transpartation of Yodo R. and the Locatian of “Yodo” in pre Nara Era [710∼784. A.D.]2) The change of main road and the beginning of the P. Yodo in the first period of Heian Era [794∼907. A.D.]3) The comparative consideration about the function of P. Yodo and P. Yamazaki[_??__??__??_]4) The enlargement of P. Yodo's hinterland and change of P. Yamazaki's functions.5) The divided process of P. Yodo's fuction. The centre point of problem lies in the function of P. Yodo and P. Yamazaki.Two port competed to obtain the hinterland of Miyako Kyoto in the first period, but P. Yodo is more developed by the forwarding agents (Toimaru)[_??__??_]of Shoen[_??__??_].With the advancement of the Shoen at P. Yodo consequently P. Yamazaki, P. Uji[_??__??__??_], P. Kizu[_??__??_]had been on the decline. Since P. Fushimi[_??__??_]had established (about A.D. 1594) and set up marine products market (Sakkoba)[_??__??__??_]in Osaka P. Yodo has gradually been declined.
著者
大塚 攻 長谷川 和範 木村 妙子 三宅 裕志 近藤 裕介 飯田 健 Honorio Pagliwan Ephrime Metillo
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1-4, pp.93-98, 2017-11-27 (Released:2018-01-11)
参考文献数
39

ウロコガイ科二枚貝ベッコウマメアゲマキScintilla philippinensis Deshayes, 1856の生体がフィリピン・パラワン島で採集されたが,外套膜とその膜上の突起,足を用いてウミウシ類及びカニ類に擬態と考えられる行動が観察された。ウミウシ類型の場合,外套膜を変形させて形態を似せる。カニ類型の場合には形態的類似性だけでなく足も用いて行動も真似る。ウロコガイ上科は他の動物に共生することで知られるが,擬態に関する知見は少ないので,今後のより詳細な研究が待たれる。
著者
木村 美恵子 横井 克彦 糸川 嘉則 増田 徹 平池 秀和
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

近年、免疫能の低下が問題である癌や感染症も栄養状態が大きく関与している可能性が指摘されるようになってきた。他方、必須微量栄養素の1つであるマグネシウムを欠乏させた動物では、著明な脾臓や胸線の肥大、リンパ球こ増加、カテコールアミンやセロトニンの代謝異常が認められることを明らかにしてきた。これまでのこれらの研究成果に注目し、今回は、マグネシウム栄養と免疫能の関連を明かにするため、免疫応答能に及ぼすマグネシウム欠乏の影響について検討した。マグネシウム欠乏飼料で1または2週間飼育したラット及び正常飼料で飼育した対照群ラットの脾細胞および腹くうマクロファージ(MΦ)を無菌的に採取し、脾細胞はマイトジェン(ConA,LPS)刺激による幼若化反応及びサイトカイン(IL-2,IL-3)活性、腹くうMΦはIL-1,IL-6活性を測定した。また、脾細胞からT細胞を分離して、MΦと混合培養して、それぞれの機能をさらに詳細に検討した。マグネシウム欠乏飼料で飼育したラットの脾細胞のConAにたいする幼若化能は正常飼料摂取群に比較して、著しく低下していた。LPSにたいする反応性はConAのような大きな変化は認められなかった。脾細胞のサイトカイン産生能は、ConA反応性の低下が認められたに関わらず、マグネシウム欠乏群のIL-2値がやや高値であった。MΦのサイトカイン産生能はIL-2,IL-6ともにマグネシウム欠乏群で高値の傾向があった。脾T細胞とMΦの相互作用では、T細胞自体はマグネシウム欠乏と対照群の間で差が認められなかったが、マグネシウム欠乏群のMΦはConAにたいする反応性を補助する能力が低下していた。以上、マグネシウム欠乏による免疫応答能低下の影響が確認された。
著者
栗本 享宥 苅谷 愛彦 目代 邦康 山田 隆二 木村 誇 佐野 雅規 對馬 あかね 李 貞 中塚 武
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

岐阜県北西部から中央部にかけて走る庄川断層帯は,1586年天正地震の起震断層帯として強く疑われている断層帯であり,4条の活断層から成る.その最南端部である三尾河断層の南に移動体体積が2.2×107m3の大規模地すべり地が存在する.これは伝承で「水沢上の大割れ」と呼ばれ,天正地震で生じたとされてきた.しかし,当地すべりに関する地形学・地質学的な観点からの詳しい検討はなかった.演者らは,当地すべりを水沢上地すべり(以下ML)と命名し,現地踏査と1 m-DEMデータから作成した各種主題図(地形陰影図など)に基づく地形判読と現地で採取した試料の年代測定および年代値の分析を基礎として,MLの地形・地質特性や発生時期,誘因を検討した.やや開析された円弧状の滑落崖は北東方向に開き,その直下に地すべり移動体が分布する.移動体末端の一部は直下の河川(吉田川)を越えて対岸の谷壁斜面に乗り上げる.また移動体の一部は比高40~50 mの段丘状地形を成す.滑落崖,移動体の形状はそれらが複数回の地すべりで形成されたことを示唆し,地表面には地すべりに起因する大小の凹凸地形が発達する.地すべり移動体は不淘汰・無層理の安山岩角礫と細粒の基質から成り,礫にはジグソークラックが発達する.Loc. 1の左岸側露頭では移動体構成物質中に,地すべり移動時に巻き込まれたと推定されるクロボク状表土の破片が認められる.この破片に含まれる木片2点の較正年代(2δ)はcal AD 1492~1645の範囲に及ぶ.また,地すべり移動体が吉田川を堰き止めて生じた層厚約2 mの湖沼・氾濫原堆積物も確認できる.この湖沼・氾濫原堆積物の下限の約90 cm上位から採取した直径約20 cmの丸太材の外周部の14C年代はcal AD1513~1618であり,細胞セルロース酸素同位体比年輪年代測定によってAD1615~1620頃と推定された同材の枯死年代とは調和的である.以上のように,MLの規模や地すべり移動体と堰き止め湖沼・氾濫原堆積物の層相および年代から,MLの誘因は強震動が第一に想定される.試料の年代からみて,誘因が1586年天正地震であった可能性は高まったといえる.ただし歴史地震学において提唱されている天正地震の本質から,本震と考えられる1586年1月18日の地震でMLが形成されたか否かといった問題について,なお検討を加える余地がある.同時に1596年慶長伏見地震との関係についても検討の対象となる.
著者
木村 貴子
巻号頁・発行日
2021-03

国宝・薬師寺吉祥天画像は「麻布」に描かれているが、それが日本古来の麻である苧麻と大麻のどちらなのかは、はっきりと分かっていない。この研究では伝統的な手法を用いて、二つの麻布の再現を自ら試み、それぞれの素材の絵画材料としての特性を明らかにすると共に、最終的にその仏画に用いられた麻布が苧麻である可能性が高いことを示すまでの過程をまとめたものである。
著者
木村 周平 小西 公大 伊藤 泰信 内藤 直樹 門田 岳久 早川 公
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究はソーシャルデザイン実践について、生活・地域・教育の領域において、それを推し進める「準専門家」(後述のようにアドバイザーやコンサルタント、研究者等を含む)の実践に着目して研究することで、ソーシャルデザインに対して文化人類学からどのような関わり方が可能なのかについての知見を提示することで、人類学や近接学問領域の蓄積、さらに公共的な実践に対して貢献しようとするものである。
著者
木村 主幸 葛西 扶美夫 有澤 準二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.124, pp.95-100, 1997-06-20
参考文献数
24

磁場の生体影響を検討する目的で、一定時間静磁場内で培養した細胞のヘルペスウィルスに対する感染性の変化について検討した。その結果、細胞を4時間磁場内で培養するとその後のウィルス感染に対して抵抗性を示す因子の出現を誘発する可能性が示唆された。具体的には、アフリカミドリザルの腎臓細胞由来である Vero-BV細胞を4時間450mTの静磁場内においた後、この細胞に単純ヘルペスウィルスを感染させると磁場暴露を受けた細胞がその後のウィルス感染に対してさほど強くはないが抵抗性を示すことが確認された。また、この抵抗性は磁場暴露を受けた細胞そのものよりもこの細胞を培養していた培養液中に存在することが判った。これらの知見は、磁場暴露が細胞に対して抗ウィルス性の液性因子産生を誘発する可能性を示したものと考えられる。