著者
西岡 直子 中川 真次 木村 浩子 森本 遥 中野 貴文 山﨑 佳歩 小谷 廣信
出版者
日本赤十字社和歌山医療センター
雑誌
日本赤十字社和歌山医療センター医学雑誌 = Medical journal of Japanese Red Cross Wakayama Medical Center (ISSN:13419927)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.67-72, 2017-03-31

平成26年4月の特定共同指導において「再指導」という結果を受けたことから、特定共同指導ワーキング(以下、WGという)を立ち上げ、指摘事項について協議を行った。医療情報管理課は、カルテ監査及び医学管理料(以下、管理料という)の監査を担当した。診療報酬点数表より管理料の算定要件を精査し、医師による管理料算定の徹底を院内に周知した。管理料オーダの中で、算定要件を満たしているものを「適正」、満たしていないものを「不適正」とし、不適正オーダについて日々督促を行い、毎月開催されたWGで適正率ならびに不適正オーダに対する督促数、不適正オーダの修正数等を報告した。その結果、平成27年2月の個別指導では、「経過観察」となった。管理料の監査については、個別指導後も日々行っており、平成28年5月の管理料の適正率は98%であった。個別指導後も、高い適正率は保っているものの不適正オーダの未修正オーダも残存しているので、再督促の徹底が急務である。
著者
川島 文治 木村 靖弘 西垣 誠
出版者
一般社団法人 ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.5-20, 2010-03-15 (Released:2011-03-31)
参考文献数
3

八汐ダム調整池では,熱水変質と大規模岩盤クリープが主な生成要因と考えられる高角度の開口割目を主体とする割目のネットワークが形成され,極めて深部まで連続するミズミチが分布する。止水対策に向けて実施した試験グラウチング等の結果,湛水した状態の調整池底部において地下水位以下で注入を実施した場合,注入圧力に加え,セメント粒子の限界沈降速度より大きな浸透流速を活用して,主な開口割目に対して効果的なグラウチングが図られ,減水効果が確認されている。本論文では,このような注入メカニズムに対して定性的な考察を行ったものである。
著者
冨田 雅之 前田 重孝 木村 高弘 池本 庸 大石 幸彦
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.247-249, 2002-04

69歳男.血塗れで倒れているところを発見され,陰茎が切断され,左上肢も受傷していた.創部の応急処置を行い,患者の不穏が強いため,ハロペリドールを投与し,陰茎は低温保存した.左上肢は橈側浅指屈筋腱が断裂し,下腹部が著明に膨満,超音波で膀胱内に著明な尿貯留を認めた.尿閉に対し緊急に膀胱瘻を増設後,創部を処置した.自傷の可能性もあり,陰茎再吻合は困難と判断し,家族とも相談の上,断端形成術を施行した.創部の経過は良好で尿道の留置カテーテルは術後16日目に抜去した.自己陰茎切断症は極めて稀な疾患で,自験例を含め24例のみであるSelf-mutilation of the penis is extremely rare. A 69-year-old man was admitted after having amputated his own penis completely from its root. He had no history of psychiatric illness, but his physical condition on admission was abnormal. We performed urethrocutaneostomy, rather than replantation of the penis, because of the danger that he would reinjure himself. The patient was treated by a psychiatrist under a diagnosis of alcoholic dementia. To our knowledge, this is the 24th case of self-mutilation of the penis reported in the Japanese literature.
著者
工藤 暢宏 岡田 智行 木村 康夫
出版者
群馬県農業技術センター
雑誌
群馬県農業技術センター研究報告 (ISSN:13489054)
巻号頁・発行日
no.8, pp.83-88, 2011-03

冬あじさい「スプリングエンジェル」シリーズは、台湾や中国南部に分布する常緑性のカラコンテリギ(Hydrangea scandens spp. chinensis)とアジサイ(H. macrophylla)との種間雑種である。カラコンテリギを種子親、アジサイ園芸品種「チャーミングブルーリング」を花粉親として交配し、交配後の肥大胚珠を培養して得た雑種実生より選抜された品種である。「スプリングエンジェル」シリーズには、八重変化咲きの「スプリングエンジェル ピンクエレガンス」、花色(がく片色)がパステルプルーの「スプリングエンジェル ブルーエレガンス」、花弁にフリンジ(fringe) が人る「スプリングエンジエル フリルエレガンス」の3品種があり、いずれも、常緑性で、厳寒期(1~2月)に大輸の花を咲かせる特性をもつ。
著者
木村 直弘 KIMURA Naohiro
出版者
岩手大学教育学部
雑誌
岩手大学教育学部研究年報 (ISSN:03677370)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.81-106, 2009-02-28

日韓文化の比較研究で知られる李御寧イオリョンは、日本語について次のように指摘している。 ごく日常的な言葉でも、日本語を習う時にいつも苦労するのは、日本語はあまりに厚化粧していて素顔の意味が隠されていることだ。要するに、言葉の表と裏のズレである。激しい場合には、言葉自体の意味とそれが示していることが、まるっきり反対のことがあるからである(1)。 韓国語ではなるべく事実を「包み」込まないで伝えようとするのに対し、日本語の場合、物事を示すというよりはそれを「包む」といった感覚が強いと主張する李は、この相違の由来を日本における「包み文化」と「奥の美学」に措定する。「隠すことによってその特性をあらわす」前者は必ずしも日本の専売特許ではなくアジア一般に見られる特徴でもあるが、特に日本の場合、それは「形式論理では割り切れないパラドックスを生かした文化(2)」として特徴づけられる。「包む」ことによって「奥」を創出する後者も同様であり、「包むことによって、奥に隠すことによって、そして逆に心が表にあらわれるパラドックス(3)」の上に成り立っている。そして、それは「日本人らしさ」の要因のようにみなされている「慎ましさ」(「包む」=「慎む」)や「奥床しさ」が根差す文化的基底と言いうる。 前稿(4)では、喪葬という霊魂にかかわる両義的時空間に介在する哭声とその騒音性に着目し、そこに付された儀礼的機能の変遷に焦点をあてて論じたが、「つつみ隠す」という国風文化的心性と古代以来の「言霊思想」や、竹筒に通ずる「つつむ」構造を持った鼓つづみについての考察を割愛せざるをえなかった。そこで、この小論では前稿を補足するものとして、慎つつむ=「包む」というすぐれて日本的な表現方法について、楽器の象徴論や、「ツツミ」に関連する「ウツ」「コト」といった言葉の意味論、そしてそこに看取できる境界的な可逆性、往還性といった視座から光をあてることを目的としている。
著者
海津 浩一 村田 裕斗 光延 裕紀 植西 亮介 日下 正広 木村 真晃
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00550-17-00550, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

In order to ensure the safety of passengers in the event of an accident, side member and crash box are mounted on automobiles. Cylindrical tubes, rectangular pipes and hat-shaped members have been examined as structural members that subjected to an axial compressive load. However, these structures have problems that the initial peak load is very high and the load rapidly decreases due to buckling during crushing. To solve the problems, we proposed a cellular solid with mimetic woody structure as a new structural member. Some woods have no initial sharp peak load and have a plateau region which the load is constant in the relationship between the load and the displacement, when the impulsive load are applied to them. We considered that those features were suitable for structural members like a side member or a crash box. The basic cell was a square block with a side length of 10 millimeters and it had a hole in the center. The cellular solid was constituted by combining some basic cells. Therefore, a homogeneous cellular solid was fabricated by making small holes in the aluminum cube. From results obtained from the impact crushing test and simulation by the FEM software LS-DYNA®, it was demonstrated that the proposed cellular solid had crushing characteristics similar to the wood, and the energy absorption characteristics were influenced by the shape and arrangement of the cells. As a result, it was shown that the results of experiment and analysis substantially corresponded. Since the load during crushing depended on the shape and arrangement of the cells, the possibility of controlling the energy absorption characteristics was shown.
著者
谷 裕基 中嶋 秀人 山根 一志 大西 宏之 木村 文治 花房 俊昭
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.581-584, 2014-07-01 (Released:2014-08-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は66歳の女性である.約1ヵ月の経過で小脳性運動失調と意識障害が増悪し,頭部MRI FLAIR強調画像で脳幹の腫大,および中脳,橋,小脳脚,右小脳半球,右後頭葉に高信号をみとめた.造影MRIでは橋に造影効果を有する多発性の点状病変をみとめ,右後頭葉にも造影病変をみとめた.ステロイド薬により臨床症状と画像所見は急速に改善したが減量後に再燃した.右後頭葉の生検で血管周囲にT細胞を主とする炎症性細胞浸潤をみとめchronic lymphocytic inflammation with pontine perivascular enhancement responsive to steroids(CLIPPERS)と診断した.ステロイド薬増量と維持によりこれらの病変は消失し寛解した.MRIで高度脳幹浮腫を呈する疾患としてCLIPPERSを考慮する必要がある.
著者
木村 和男 菅原 準二 三谷 英夫 Kazuo Kimura Junji Sugawara Hideo Mitani 東北大学歯学部 東北大学歯学部 東北大学歯学部 Department of Orthodontics Tohoku University School of Dentistry epartment of Orthodontics Tohoku University School of Dentistry epartment of Orthodontics Tohoku University School of Dentistry
出版者
東北大学歯学会
雑誌
東北大学歯学雑誌 = Tohoku University dental journal (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.51-61, 1989-06-30
被引用文献数
5

頭部X線規格写真は, 時を変えて同一個体を撮影する場合, 頭部固定を全く同一条件に設定することが難しい。とくに正面写真では, 耳桿を中心とした頭部の上下方向の回転によりX線像が著しく変化するという欠点を有する。すなわち, 中心X線軸とフランクフルト平面が一致している場合のX線像と, そうでない場合のX線像とでは, 顎顔面頭蓋を構成する各骨影像の位置および形態が変化し, 読影を困難にしている。正面頭部X線規格写真に関する研究で, 頭部回転に伴うX線像変化について述べた報告は, 本橋ら1)のものをみるのみであり, 顎顔面頭蓋を構成する各骨について, 詳細に検討した報告例は見あたらない。そこで本研究では, 耳桿を中心とした頭部の上下方向の回転により, 顎顔面頭蓋を構成する各骨が, 正面写真でどのようなX線像変化をおこすのかを解明することを目的として, ヒト乾燥頭蓋骨のX線像解析を行った。研究は, ヒト乾燥頭蓋骨1体を用い, 個々の骨を各縫合部において順次分離し, その度ごとに中心X線軸とフランクフルト平面が平行な場合と, フランクフルト平面を上・下10^^。ずつ回転させた場合の正面頭部X線規格写真撮影を行った。それらを順次重ね合わせ, 消失した影像を追跡することにより各骨の影像を認識し, 頭部回転に伴う各骨の位置および形態変化を分析した。
著者
武村 俊介 松澤 孝紀 木村 武志 利根川 貴志 汐見 勝彦
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

本研究では,紀伊半島沖で発生する浅部超低周波地震のモーメントテンソルインバージョンを行った.南海トラフで発生する浅発地震では,厚く堆積した海洋堆積物(以下,付加体)が表面波の励起および伝播に大きな影響を与える(例えば,Furumura et al., 2008; Nakamura et al., 2015; Guo et al., 2016).そこで,付加体内の地震波速度構造モデルはTonegawa et al. (2017)による推定結果により構築し,付加体下の構造は全国1次地下構造モデル(Koketsu et al., 2012)としたTakemura et al. (2018)の3次元不均質構造モデルを採用し,差分法による地震動シミュレーション(Furumura and Chen, 2004; Takemura et al., 2015)によりGreen関数を評価した.Green関数計算のための震源をフィリピン海プレート上面に0.1°毎に設定し,震源時間関数は継続時間t秒のcosine関数を仮定した.陸域に敷設されたF-netの速度波形に周期20-50秒のバンドパスフィルターをかけ,モーメントテンソルインバージョンを行った.観測波形の再現性をVariance Reductionで評価し,Variance Reductionが最大となる解を探索し,浅部超低周波地震のモーメントテンソル,継続時間,セントロイド位置および時刻を推定した.手法の妥当性を検討するため,海底地震計記録を用いて推定されたSugioka et al (2012)の浅部超低周波地震に対し,本手法を適応した.本研究のモーメントテンソルインバージョンは,使用した帯域や手法の違いにより継続時間やセントロイド時刻に違いがあるが,Sugioka et al. (2012)と同様のセントロイド位置に同様な低角逆断層が最適解として得られた.一方で,全国1次地下構造モデルを仮定してモーメントテンソルインバージョンを行ったところ,異なる位置に高角逆断層が最適解として得られた.以上のことから,海底地震計の記録がない場合でも,適切な3次元不均質構造を仮定することで正確なモーメントテンソル解が得られることがわかり,DONETなどの海底地震計敷設以前の浅部超低周波地震の活動評価の高度化に資すること可能であると考えられる.謝辞F-netの広帯域速度波形記録を使用しました.スロー地震学のスロー地震データベースよりSugioka et al. (2012)のカタログをダウンロードしました.地震動計算には地球シミュレータを利用しました.
著者
渡辺 徹也 戸田 常紀 梶 龍児 木村 淳
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.611-616, 1996-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
20

今回我々は, 阪神大震災被災による心的外傷から, 重度の脱水, 高Na血症を来したPTSDの1例を経験した。本例はclomipramine hydrochlorideの点滴静注とbromazepam投与を行ったところ著しい改善を認めたので, 若干の考察を加えて報告する。