著者
山崎 潔 鈴木 一幸 佐藤 公彦 大内 健 吉成 仁 磯崎 一太 中舘 一郎 班目 健夫 吉田 俊巳 柏原 紀文 佐藤 俊一 村上 晶彦
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.724-729, 1991
被引用文献数
15 6

漢方薬が原因と推定された劇症肝炎の1例を経験した.症例は62歳男性.痔核治療のため漢方薬(金鵄丸)の服用を開始したところ,6週間後に倦怠感と尿濃染が出現した.服用中止により一旦症状の消失をみたが,服薬再開後5週間で上記症状が再出現,黄疸の出現をみ入院となった.凝固能低下が著明で(PT 28%, HPT 19%),種々の治療にもかかわらず,4週間後多臓器不全の状態で死亡した.剖検肝は495gと萎縮著明で,肝組織像は広範性肝壊死を示した.金鵄丸による薬剤性肝炎は本例を含め9例が報告されている.その特徴は,金鵄丸が原因との認識が遅れたため反復服用により肝炎の繰り返しをみる例が多いこと,発疹,好酸球増多がみられないことであった.本例は,漢方薬により劇症肝炎を来した初めての報告である.漢方薬の使用が増加しているおり,漢方薬によっても本例のごとき重症肝障害が惹起されうることに注意すべきである.
著者
竹岡 貞巳 太田 光保 梶原 誠司 村上 敦 ポメランツ イリス レディー スダーカ・M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.620, pp.25-32, 2001-02-02

製造上の欠陥に起因してフリップフロップ間に生じるタイミング的な故障にはセットアップエラーを生じる故障とホールドエラーを生じる故障の2通りがある。本論文では、ホールドエラーを生じる故障であるショートパスディレイ故障という概念について述べる。またその故障モデル、ロバストおよびノンロバストテストにおけるパス活性化条件を提案し、ノンロバストテストにおけるテスト生成手法の実験結果を示す。
著者
伊東 祐郎 酒井 たか子 三枝 令子 谷部 弘子 村上 京子 中村 洋一
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究の特色と意義本研究は、テスト開発過程に不可欠なテスト理論(「古典的テスト理論」と「項目応答理論」)を導入し、統計的分析を加えることによって、これまで日本では認識の低かった試験問題の精度を向上させられる実証的研究を行い、項目プール実現化へ向けての基盤研究を行った。また、テスト開発における項目プール化は、日本ではほとんどそのための研究が行われておらず、本研究を通して得られた知見は、今後のテスト開発の新たな方法として、具体的な形で多くの大学等で応用できるものとなった。本研究を通して開発したシステムは、次のような5つの機能を持つものである。(1)蓄積機能:作成した問題項目を、コンピュータ内に蓄積し、保存することができる。また、問題項目のほかに、過去の試験結果のデータや項目分析結果も蓄積できるので、将来の問題項目作成を効率よく行うことができる。(2)抽出機能:出題領域や評価対象領域、また困難度などの条件に基づき、必要な数の項目を抽出して試験問題を構成・作成することができる。(3)組み替え機能:抽出条件が同じでも、設問の組み合わせや選択肢の組み合わせが可能となるので、異なる試験問題を作成することができる。(4)加工機能:蓄積・保管されている試験や問題項目を、測定目的に応じて編集・加工・削除することができる。また、既に蓄積されている項目を基礎に、全く新しい問題項目を作成することができる。(5)製版機能:抽出された問題項目を、パソコン上でレイアウト・編集ができる。
著者
向阪 信一 洞口 公俊 齋藤 直樹 上條 和彦 黒越 治 村上 克介
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.90, no.11, pp.808-815, 2006-11-01
被引用文献数
6

For stable mass production of vegetable seedlings with good quality, a commercial greenhouse nursery needs a supplemental lighting system that is not affected by light fluctuations under natural solar conditions. Therefore, a practical plant nursery covering a 12 ×24 m area, and using a supplemental lighting system, was developed for the growth of vegetable seedlings. The developed lighting system had 400-W mercury-free, high pressure sodium lamps with reflectors, which produced a red radiation to far-red radiation photon flux(R/FR PF)ratio of 1.1. This is similar to that of solar radiation. And over about 60 µml m-2 s-1 of PPFD was realized for stable and healthy gronth of vegetable seedlings. By using a simulation model of horizontal distribution of PPFD on two cultivation beds(each bed area: 4.6 × 22.6 m) under 100lamps, it was found that the system had high uniformity of lighting on the two beds. Observed value of illulninance and PPFD and unifomity also satisfied the planned specifications. By repeating a seedling growth experiment using various plants in this greenhouse,it is expected that the practical and effective use of this supplemental lighting system will be possible in rainy seasons or in the late winter period.
著者
飛佐 学 田尻 一裕 村上 研二 下條 雅敬 増田 泰久
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.149-157, 2003-06-15

ファジービーンの刈取り語の再生に関与する諸要因と再生機構との関係を明らかにするため,生育温度及び刈取り高さが再生過程における乾物生産,窒素固定能,貯蔵養分などの推移に及ぼす影響について検討した。野外で1/10,000aポットに栽培したファジービーンを播種後28日目に,昼夜温一定の20℃, 25℃および30℃の環境調節実験室に入れ,播種後47日目に地際から7.5cmまたは15cmの高さで刈取った。刈取り後全ての処理区で乾物重の一時的な減少がみられ,根の減少は13日目まで続いたが,その後増加した。刈取り後28日目における植物体乾物重は15cm刈区が7.5cm刈区より1%水準で有意に高く,15 cm刈区においては25℃および30℃区は20℃区より5%水準で有意に高かった。これは葉面積比が高かったことから,刈取り後の葉面積の展開速度の差によるものであった。全非構造性炭水化物(TNC)含有量,根粒重,窒素固定能についても刈取り直後に減少し,特に,7.5cm刈の全温度区と15cm刈30℃区で減少が著しかった。このことから,ファジービーンは高刈りをすれば刈取り後の貯蔵養分量が多く,再生速度も高く,また,生育適温とされる25-30℃では,貯蔵養分の消費は多いが,その後の再生は速いことが示された。
著者
村上 恭子 伊豫 美由紀 白石 有佳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.76, pp.43-48, 2000-08-05
被引用文献数
4

楽譜専用の点字エディタ"B'Score(びーすこあ)"の開発を行ってきた。ユーザは点字を、キーボードで6点入力、またはツールバー上のボタンで楽譜の記号を選んで入力し、編集することができる。またこのソフトは点字楽譜の規則に則して入力エラーを検出し、エラー箇所とその理由を指摘することができる。点字の知識がないユーザに点字楽譜について解説するチュートリアルもついている。今後は、ユーザに適切なエラーメッセージを抽出する機能、辞書や点字→五線譜変換規則の拡充を行っていく必要がある。We have developed a Braille editor for music score called "B'Score". Two Braille input methods are supported. One is 6-points input on keyboard, another is music symbols on tool-bar buttons. This software detects the input errors and notifies the users of the error column and the reason why it is incorrect. By reading the tutorial in this software, the users who have no knowledge of Braille music score can learn about it. In future, we will find the methods to pick up the most suitable error messages for the situations so that the users can correct the errors quickly.
著者
久保 博嗣 村上 圭司 藤野 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.194, pp.7-12, 1997-07-25
被引用文献数
7

本報告では, 時間分散の大きな伝送路下で, 少ない状態数で良好なビット誤り率(BER)特性を実現することを目的として, sortingを回避した簡単化リスト出力ビタビ等化器を提案する. 時間分散の大きな伝送路に対して, 生き残りパスの総数を一定とした場合,リスト出力ビタビ等化器が有効であるが, sortingにより処理遅延や回路規模が増大する. 本報告では, (1)リストにおける下位のパスの選択に不確定性を許容すること, (2)選択したパスを尤度順に並べる必要をなくすことにより, 処理遅延および回路規模の抑圧が可能であることを示す. 次に, 周波数選択性フェージング下で, 従来のリスト出力ビタビ等化器と比較して, 提案手法の特性がほとんど劣化しないことを, 計算機シミュレーションにより明らかにする.
著者
奥山 嘉昭 村上 卓弥 村津 文武 浅井 伸一 佐藤 直樹 中本 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.21, pp.111-118, 2004-03-04
被引用文献数
5

PDAなどの携帯端末の発展によって,利用者が移動する毎に公衆無線LANアクセスポイント・車内無線LANなど様々な無線LANネットワークに接続する形態が現実のものとなっている.しかし,従来の携帯端末では,無線LANに接続するための設定が煩雑である上,ユーザのニーズにあったネットワークを自動で選択し,接続しているとは言い難い,そこで本稿は,無線LANに接続するための設定簡略化と,ユーザのニーズにあったネットワークに自動的に接続を行うためのデータ管理方式について提案する.ユーザのニーズに応じて複数の無線LANネットワークの設定の中から適切なネットワーク設定をダウンロードし,適切なネットワークに自動的に接続を行うことでユーザの無線LANネットワーク設定/接続時の負担を減らすことができる.Mobile terminal users connect several wireless LAN network, such as public, office and home wireless LAN progress of PDA. However, it is troublesome for the present mobile terminal user to setup mobile terminals to connect with wireless LAN. Also it is impossible for the terminal to select the most suitable network which the user requires. This paper introduces automatic configuration method for wireless LAN and data management method for automatic network selection. By using these methods, user can connect wireless LAN network easily and terminal connects automatically to network which user requires.
著者
中島 周 安藤史郎 フィン ・トン・ハン 村上 和隆 篠﨑 雅英 黒澤 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1371-1384, 1993-06-15
被引用文献数
3

本論文では、LANまたはISDNで接続されたパーソナルコンピュータを用いてマルチメディアのプレゼンテーションを行うシステム、リアルタイムプレゼンテーションシステム(RealTime Presentation system:RTP)について、その設計思想、各機能の実現方法、試行結果を述べる。RTPではオーバヘッドプロジェクタ(Over Head Projector:OHP)を使ったプレゼンテーションをモデルとし、そこで使われる各機能を分散環境で実現している。参加者はOHPシートに相当する複数枚のマルチメディアシートを共有し、ぺ一ジめくり、注釈付け、テレポインティング、新しいシートの作成を行うことができる。マルチメディアシートは、テキスト、イメージ、グラフィックス、音声を含み、プレゼンテーションの前に発表者によって準傭される。任意のアプリケーションのウィンドウイメージを取り込み共有するウィンドウコピーの機能を利用することにより、発表中にスキャナやビデオカメラから入力したイメージデータを利用することも可能である。相手の顔や表情をリアルタイムで確認するために、動画と音声を圧縮し、ISDN回線を通して伝送、再生する機能も提供している。さらに、動画と音声を自分や相手のマシンにデジタルで保存、再生することもできる。
著者
田畑 美織 松本 延幸 村上 康郎 水上 智 松本 勲
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.206-211, 2004 (Released:2005-03-31)
参考文献数
20

突発性難聴64例に星状神経節ブロック(SGB)と上頸神経節(SCG)近傍への低反応レベルレーザー照射を併用したところ(SGB+C2レーザー群), SGB単独の62例(SGB群)と比較して治療成績が向上した. 治療効果の判定は, 初診時とほぼ安定状態に達した時点の聴力を比較し, 治癒, 著明回復, 回復, 不変に分類した. その結果, SGB群(治癒 : 11%, 不変 : 27%)に比べSGB+C2レーザー群(治癒 : 30%, 不変 : 8%)で聴力改善度は有意に上昇した(p<0.01). 固有蝸牛動脈より末梢にはSCGからの交感神経線維が分布しており, SCGへのレーザー照射併用により, SGB単独よりさらに広範な交感神経線維が遮断されたものと思われる.
著者
村上 和人 近藤 隆行 鈴木 健志 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.51, pp.63-70, 1994-05-20
被引用文献数
4

似顔絵生成問題は、顔の物理的表現から個人性特徴の知覚的記述・表現を抽出し、これを改めて物理的に生成する問題として捉えることができる。筆者らは、これをコンピュータによる実現する一つの試みとして、顔の物理的な個人性特徴を抽出するための「平均顔」と、その特徴の知覚的記述を獲得するための「中割り法」によるズレの誇張法、などを基本原理とした似顔絵師システムPICASSOを開発してきた。これまでのPICASSOでは、主に、二次元的な扱いで上述の特徴抽出と誇張メカニズムを実現してきた。本論文では、これを三次元に拡張し、三次元立体表示による「似顔絵レリーフ」をはじめとした簡易な三次元似顔絵生成を実現するための一手法について提案する。
著者
尾上 洋一 村上 巧啓 高柳 幹 岩谷 雅子 萱原 昌子 足立 陽子 松野 正知 足立 雄一
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1207-1215, 1995
被引用文献数
6

6〜16歳の気管支喘息児51名において4種のゴキブリ特異IgE抗体をRASTおよびCAP-RASTにて測定した. ゴキブリ特異IgE抗体陽性率はRASTでクロゴキブリ17.6%, チャバネゴキブリ29.4%, ワモンゴキブリ19.6%, ヤマトゴキブリ15.7%であり, CAP-RASTではクロゴキブリ, チヤバネゴキプリとも15.7%であった. また, この4種のゴキブリRASTを陰性と陽性に分けて検討すると相関関係が認められた. クロゴキブリおよびチャバネゴキプリ虫体と糞のRASTは相関関係を認め, 2名のゴキブリ陽性患児血清を用いた. immunoblot法では虫体と糞に共通の感作抗原分画を認めた. ゴキブリ抗原吸入誘発試験では既時型の気道反応を示し, RAST抑制試験ではゴキブリ抗原によりダニRASTは抑制されなかった. 以上より小児気管支喘息においてゴキブリはダニとは異なる吸入性アレルゲンとして注目すべきと考えらられた.
著者
中吉 功 山井 成良 松浦 敏雄 安倍 広多 村上 孝三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.71, pp.91-96, 1997-07-25
被引用文献数
1

本稿では,管理の容易な広域分散ファイルシステムPNFS(roxy/Private Network File Syste)を提案する.PNFSでは,proxyにおいて利用者情報の自動取得・変換機能を提供することにより,利用者が遠隔地にアカウントがあれば,管理者の手を煩わせることなく遠隔地のファイルを共有することができる.このファイル共有やファイルアクセスにおいては,暗号化技術によりセキュリティを高めている.また,PNFSの評価についても述べる.In this paper, the design and implementation of PNFS, a secure private network file system is introduced. On PNFS, each user who has an account on a remote machine can mount remote files without the assistance of the system administrator. PNFS also provides message encryption/authentication facilities in order to enhance the security level of NFS. The evaluation of PNFS is also discussed.
著者
村上 泰子 大城 善盛 生嶋 圭子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.17-31, 1998-03
被引用文献数
1

本稿は, 小規模大学の図書館で実施されているグループ(学生)を対象とした, 利用者教育の実態調査報告である。過去2年にわたって規模別に実施してきた一連の調査のしめくくりにあたる。これまで同様アンケート調査法を採用し, オリエンテーションとそれ以外の利用指導に二分し, それらの指導内容, 方法, 規模, PRの方法等ついて調査した。結果は268館中105館が図書館独自のオリエンテーションを実施し, 132館がオリエンテーション以外の利用指導を実施していた。大規模大学, 中規模大学の調査結果との比較により, 小規模大学の特徴として次の2点が明らかになった。ひとつは図書館ツアーの実施率が高いことであり, もうひとつはオリエンテーション以外の利用指導で, 中規模大学に見られたオリエンテーションのレベルと専門的指導のレベルとの両極化傾向が見られなかったことである。この他, 国公立と私立, 関東と関西, 首都圏および京阪神地区とその他, 医歯薬系とその他の比較も試みた。