著者
安藤 仁介 岩沢 雄司 金 東勲 西井 正弘 薬師寺 公夫 坂元 茂樹 村上 正直 小畑 郁 中井 伊都子 徳川 信治 北村 泰三 初川 満
出版者
(財)世界人権問題研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」の自由権規約委員会は、締約国の提出する政府報告を審査し、勧告を含む総括所見を採択して、そのフォローアップを求める慣行を確立した。本研究は、各締約国が、これらの勧告を受け入れているかいないか、また、各国に固有の文化的・社会的・宗教的構造が、それにどのように影響を与えるかを比較検討し、自由権規約の保障する人権を実現するためには、どのような課題が存在するかを分析した。
著者
笹田 栄司 村上 裕章 鈴木 秀美 亘理 格 赤坂 正浩 林知 更
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

「裁判の公開」原則の定める非公開要件は極めて厳しい。そうしたなか立法化されたプライシー及び営業秘密の保護を理由とした公開停止を検討し、その合憲性を支える理論について、公序概念拡張説とともに、例示説の立場から憲法82条と32条を組み合わせた解釈を検討すべきとの知見を得た。さらに、目下の立法課題である情報公開訴訟におけるインカメラ審理について、上記知見を用いた憲法上の基礎づけを行い、その適用範囲及び実体的要件について立法化に向けた提言を行った。
著者
岡 美智代 恩幣 宏美 川村 佐和子 村上 みち子 山名 栄子 上星 浩子 高橋 さつき 越井 英美子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

患者、看護職、医療費削減という3方向に効果のある患者教育プログラムを学ぶための、看護職向けの学習システムの開発と評価を目的とした研究を行った。その結果、6ステップからなるEASE(イーズ)プログラムの学習システムを開発した。またその学習システムの効果として、患者のセルフマネジメント行動の向上、看護職の適切な発話内容が明らかになった。医療費の試算では、676億6144万円の削減効果が見いだされた。
著者
金崎 俊彦 楢崎 千尋 峯 洋二 松岡 三郎 村上 敬宜
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.72, no.723, pp.1717-1724, 2006-11-25
被引用文献数
11 17

The effect of hydrogen on fatigue crack growth behavior of four stainless steels has been investigated from the viewpoint of martensitic transformation. The crack growth rates in hydrogen-charged SUS304 and SUS316 were accelerated. The crack growth rate in hydrogen-charged SUS316L was slightly higher than uncharged SUS316L. However, the crack growth rate in SUS405 hardly changed in comparison with uncharged specimens. The matensitic transformation on fatigue fracture surface was detected by X-ray diffraction both in hydrogen-charged and uncharged specimens of SUS304, SUS316 and even in SUS316L. However, the fracture surface of SUS316L, in which the crack growth rate was increased slightly by hydrogen, showed less martensitic transformation than that of SUS304 or SUS316. It is presumed that martensitic transformation in the vicinty of fatigue crack tip contributed to the effect of hydrogen on crack growth rate. Fatigue tests of SUS304 and SUS316L, which were pre-strained at -70℃ to enhance a martensitic transformation, were carried out to study the influence of hydrogen and martensite on crack growth. Crack growth rate was remakably increased by hydroggen in not only pre-strained SUS304 but also in pre-strained SUS316L. The hydrogen content of pre-strained hydrogen-charged specimen was much higher than unstrained hydrogen-charged specimens due to the increase in martensite through which hydrogen diffuses much easier and faster than through austenite. The slip bands around crack tip in the hydrogen-charged specimens were less and more discrete than that in the uncharged specimens.
著者
柳井 晴夫 椎名 久美子 石井 秀宗 前田 忠彦 池田 輝政 箱田 裕司 繁桝 算男 荒井 克弘 村上 隆 市川 伸一
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

研究期間は2003年4月から2006年3月までの3年間であった。まず、一年目の2OO3年12月に、全国国公私立の教員2,5000名を対象にした、大学生の学習意欲と学力低下に関する調査を実施した。この調査は、2002年に本研究の研究代表者が実施した学生調査(柳井、2003)との比較を可能にするよう調査項目が設計され、被験者となった教員も学生調査と同一の大学に所属する教員が選ばれた。調査回収数は11,481名でこの数は全国の大学の教員(教授・助教授に限定)数の11.6%に相当する。上記の調査結果を2004年6月までに分析し、その結果報告に関する研究会を2004年7月に開催した。2004年度には、上記の調査結果の分析の他、東北大学、九州大学、名城大学に所属する分担者が、それぞれの大学における大学生の学力低下を示すデータを分析し、2005年8月に開催された研究会において、九州大箱田裕司氏より、「卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化」、名城大学池田輝政氏より、「大学初年次調査からみた学力問題」についての研究発表があった。2006年2月には、長崎県の教育センターで開催された「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」を共催し、研究代表者(柳井)と研究分担者(渡部・石井)が2004年に実施した全国教員に対する学習意欲・学力低下に関する調査結果を発表した。2006年2月下旬に、研究会を開催し、3年間の研究のまとめとなる報告書作成のための打ち合わせを行い、下記の目次による報告書(全部で258頁)を作成した。さらに、2004年の教員調査の際に自由記述欄に記載されていた内容を、大学の設置形態(国立、公立、私立)、学部別に並べて記載した小冊子「大学生の学習意欲と学力低下に関する実証的研究」を補足資料として作成した。報告書の内容は以下の通りである。第1部 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果第1章 総合報告第2章 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果の分析-第3章 教員所属専攻別の分析第4章 学力低下の内容分析一非対称多次元尺度構成法を用いた分析第5章 長崎教育センター「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」-入試改善の視点を踏まえて-第2部 実証データを用いた学力低下の分析第6章 日本語基礎能力の経年変化第7章 卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化第3部 学力低下問題再考-今後の課題第8章 教育接続からみた日本の学力低下問題再考第9章 今後の大学教育の在り方をめぐって-終わりにかえて
著者
広木 正紀 岡本 正志 村上 忠幸
出版者
京都教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

探究学習の観点と環境学習の観点から、小中学生の理科学習に重要と考えられる活動を、国内外から発掘・収集するとともに独自にも開発し、各活動をモジュールの形に整えた。それらモジュール群全体を系統的に整理する諸視点を探すと共に、それら視点間の関係を検討した。以上を踏まえ、探究学習の観点と環境学習の観点を2本の柱とした、新しい理科カリキュラムの骨組み案を試作した。
著者
氏家 等 朝倉 敏夫 村上 孝一 山田 伸一 池田 貴夫 會田 理人
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

日本時代から現在に至るサハリン朝鮮民族の生活文化の変遷について、サハリン州や帰還者の住む韓国安山市において、約30名のサハリン朝鮮人の方々から基礎的情報を収集し、記録にとどめてきた。その結果、朝鮮文化のなかでも、オンドルや頭上運搬のような日本時代ないしソ連時代初期に失われた文化要素が少なくない一方で、日本→ソ連→ロシア時代を通じて、(1)日本時代を経験した多くの朝鮮人がウズベキスタンの朝鮮人から餅米を取り寄せ、臼と杵を使って餅を掲き続けてきたこと、(2)ロシア人の墓とは対照的に朝鮮人の墓は盛り土の前に墓石を立てる朝鮮半島方式を守ってきたこと、(3)還暦の行事を朝鮮方式で行い続けてきたなど、継続して守ってきた文化があったことを確認し、食文化や精神文化に関する文化要素は残り、住生活、衣生活などにおいてはその継承が難しかったことを明らかにした。一方、サハリン朝鮮民族は、多様な民族的関係史のなかで、韓国スタイル、北朝鮮スタイル、日本スタイル、ロシア・スタイルをそれぞれ重層的に取り入れた多重化したライフスタイルを構築してきた。また、ペレストロイカ以降の自由主義経済の展開を通じ、韓国人、北朝鮮人、沿海州の朝鮮人、中国人、日本人との交流関係が定着し、そのライフスタイルはより多角化の傾向にあることがわかってきた。日本時代を経験した朝鮮人、ソ連時代に生まれ育ち多くを社会主義経済下で過ごした朝鮮人、ペレストロイカ前後に生まれ育ち多くを自由主義経済下で暮らした朝鮮人など、世代間でそのライフスタイルの指向に違いが見られる事実も浮かび上がっている。韓国安山市等に帰還した元サハリン在住者の間では、周囲にロシア文化を流入させ、韓国文化を拒否する人々が相次ぐなどの課題も生じている。これら新たに生じた課題に踏み込むことにより、サハリン朝鮮民族の文化に対する理解がより深まることとなる。
著者
松葉 祥一 河野 哲也 廣瀬 浩司 村上 靖彦 本郷 均 加國 尚志
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、2008年に生誕100年を迎えるモーリス・メルロ=ポンティの哲学とくにその身体論に焦点をあて、これまでの研究を総括するとともに、新たな展開の可能性を探究することにある。彼の身体論は、哲学にとどまらず、社会学、精神医学、心理学、美学、教育学、看護学などの分野に刺激を与えてきた。近年さらに認知科学や脳科学、ロボット工学などの分野にも影響を与えている。そこで本研究では、2008年11月25・26日立教大学における国際シンポジウムを始め講演会や研究会、書籍などを通じて、こうした彼の身体論研究の深まりと広がりを総括し、新たな発展のための基盤を築いた
著者
村上 由則 諸冨 隆 村井 憲男
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.35-42, 1993-01-30

2名の血友病児において、血友病性関節内出血と気象変動との関連を検討した。関節内出血の度数を月ごとに加算したところ、他の月と比較して4〜6月に出血が集中することが明らかになった。また、対象児の出血動態と気象要素との関連を分析したところ、平均気温の日間較差が、出血となんらかの関連をもつことが確認された。出血が特定の関節領域に集中しその度数が増大する悪化期には、出血の始発日前後1〜2日に気温の低下が観察された。この気温の低下傾向は、特定関節の出血以前に先行する出血がある場合に顕著であることも併せて明らかとなった。出血の少ない安定期や逆に出血が多発する頻発期には、気温の変動と出血との関連は明確ではなかった。これらの結果から、気温の変動は血友病性関節内出血に対し影響を及ぼすが、その影響は関節の破壊状況により異なることが示唆された。
著者
石田 亨 村上 陽平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.675-682, 2010-06-01
被引用文献数
1

Wikipediaなどの集合知を形成する取組みが,Web上での知識の集積に大きく寄与し始めている.現在進んでいる集合知の形成が,文章,写真,動画などを組み上げていくコンテンツ指向の集合知であるのに対し,本論文で扱うのはサービスを組み上げるサービス指向の集合知である.サービス指向の集合知は,これまでもいくつか試みられているが,Wikipediaのような典型的な成功例はまだ現れていない.本論文ではWebサービスを要素として集合知を形成する枠組みをサービスグリッドと呼び,大学や研究機関などの非営利組織を中心とする公共的なサービスグリッドの制度設計を試みる.特に,サービス提供者,サービス利用者,サービスグリッド運営者という3種のステークホルダーの立場から,それぞれ(1)知的財産権,(2)応用システム,(3)連邦制運営について議論を深める.
著者
大志万 直人 吉村 令慧 藤 浩明 塩崎 一郎 笠谷 貴史 藤井 郁子 藤 浩明 塩崎 一郎 笠谷 貴史 山崎 明 藤井 郁子 下泉 政志 村上 英記 山口 覚 上嶋 誠 新貝 雅文
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本海の鳥取県沖の海域と陸域での観測を連携させた電場・磁場観測を実施した。観測は、1)鳥取県と兵庫県の県境付近沖の海域を含む測線と、2)隠岐諸島周辺海域の日本海を含む測線で実施した。これらの測線に沿って、海域では海底磁力電位差計、および海底地電位差計を用いた観測を、また、陸域では、長周期電場・磁場観測を実施した。得られた広域比抵抗構造モデルによると、陸域では上部地殻が高比抵抗領域、下部地殻が低比抵抗領域として検出された。さらに日本海下深部に低比抵抗領域が見出された。
著者
村上 隆 小暮 敏博
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

先カンブリア時代の大気中の酸素の濃度変化は、地球化学的課題のみならず、生命の進化と密接に関連し、近年盛んに研究が行われている。古土壌(paleosol)と呼ばれる、当時の風化を受けた岩石は大気中の酸素の情報を含む。しかし古土壌は風化後、例外なく続成・変成作用を受けた弱変成岩であり、当時の風化過程は未だに理解されておらず、従って、古土壌から推定される大気酸素の濃度は常に曖昧さを伴う。我々は当時の風化条件を室内で模擬し、実際の古土壌のデータと比較することで、当時の鉱物-水-大気の相互作用を明らかにすることを研究目的とした。35-25億年前の大気中の二酸化炭素と酸素を想定し、二酸化炭素の分圧は1atm、酸素分圧は3x10(-5)atm以下の条件で、グローブボックス内でFe-rich biotiteを試料としてバッチ式の溶解実験を行った(非酸化的実験)。比較のため、同様な実験を現在の大気の雰囲気下で行った(酸化的実験)。酸化的実験では溶出したFe(II)が即座にFe(III)となり、Fe(III)が生成する、またこのため、溶液中ではFeは殆ど検出されない。非酸化的実験では溶液中のFe濃度が比較的多く、Fe(II)を含むvermiculiteが二次鉱物として、生成した。この結果を25億年前の古土壌と比較したところ、古土壌中でのFe(II)とFe(III)の分布変化、またchloriteのFe/Mg比変化が一致し、先カンブリア時代における風化時の鉄の挙動は、われわれの実験結果から予想されることがわかった。またflow throughタイプの溶解実験から、溶解速度は、非酸化的条件では酸化的条件より、3から4倍、早い、また、この溶解速度にFe(II)は影響しないことがわかった。
著者
疇地 宏 藤岡 慎介 重森 啓介 村上 匡克 長友 英夫 中井 光男 白神 宏之 乗松 孝好 門野 敏彦 藤田 尚徳 長井 圭治 萩行 正憲
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は衝撃点火方式によるレーザー核融合の原理実証を行うものである。この原理を実証するためにはレーザー核融合用の燃料の一部を5g/ cm^3まで圧縮しながら1000km/ sまでの高速に加速できなければならない。第一に、米国海軍研究所のNIKEレーザーを用いて、燃料片を1000km/ sまで加速するという目標を達成した。また圧縮しながら加速するという実験にも成功し、大阪大学激光XII号で0. 5-0. 7g/ cm^3で、370km/ sまでの加速に成功した