著者
石井 淳蔵 嶋口 充輝 栗木 契 西川 英彦 松井 剛 村下 訓 水越 康介 岸谷 和広 清水 信年 宮内 美穂 金 雲鎬 棚橋 豪 小田部 正明 山本 奈央 吉田 満梨
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、マーケティング競争下におけるデザイン戦略の重要性について、近年注目されつつある「ロバストデザイン」を核概念として、理論的・歴史的・実証的な研究が実施された。その主要な研究成果として、デザイン概念についての再構築が行われるとともに、競争優位性をもつデザイン戦略の現実と意義、そしてその背景としてのマーケティング競争のメカニズムが明らかにされた。
著者
松井 洋 中村 真 堀内 勝夫 石井 隆之
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.51-70, 2006-03-15

本研究の目的は日本の「子ども」の特徴について比較文化の視点から検討することであり,特に非行と非行を抑制する要因について明らかにすることである。そのため非行許容性と恥意識,道徳意識の関係について検討する。この目的のため,日本とトルコの中学・高校生1488人を対象に調査を行った。調査結果は,日本の中高生はトルコの中高生と比較して,道徳意識が低く,非行的行為に対して許容的という傾向があった。非行許容性,虞犯許容性,犯罪許容性については,日本の中学女子は男子より許容的であった。道徳意識は,日本よりトルコ,高校生より中学生,男子より女子が高いと言うという傾向があった恥意識について,自律的恥意識と他律的恥意識は,概ねトルコが日本より高く,男子より女子,高校生より中学生が高い傾向があった。しかし,他者同調的恥意識は,男子より女子,高校生より中学生が高いという傾向は前2者と同様だが,他の恥意識とは異なり,トルコより日本が高かった。非行許容性を従属変数とした重回帰分析の結果は,日本の生徒では非行許容性は他律的恥意識によって説明され,また,他律的恥意識が強いほど非行を許容しないと考えられ,そして,道徳意識が強いほど非行を許容しないという関係である。しかし,トルコの中高生の非行許容性は道徳意識によって説明され,恥の意識とは関係が無いということが言える。これらのことより,非行許容性の背景となる個人の態度には文化差があると考えられる。そして,トルコの中高生では,恥の意識より,良い悪いという道徳意識が非行的行為と関係が深いと言える。他方,日本の中高生では,良い悪いという判断より,他者を意識した「恥」の意識がより重要である。しかし,日本の中高生は,他者同調的恥意識は強いが,非行許容性と関係の深い他律的恥意識はトルコに比べて弱いという問題が明らかとなった。
著者
松井 洋 有元 典文 中里 至正 中村 真
出版者
川村学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

1.目的;本研究の主な目的は5つある。それらを要約すると;1)第1の目的は、社会的迷惑行為についての構造を明らかにすることである。2)第2の目的は、日本の若者の社会的迷惑行為に対する態度を、アメリカ、トルコの若者と比較することである。3)第3の目的は、社会的迷惑行為に対する態度と恥意識との関係について検討することである。4)第4の目的は、社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感の比較をおこなうことである。5)第5の目的は、社会的迷惑行為に対する態度について、中学生と高校生、男子と女子との比較をおこなうことである。2.方法;1)被験者:被験者は、日本、アメリカ、トルコの中学生及び高校生と、日本の大学生である。2)手続:質問紙法による調査を三回おこなった。3.結果と考察;1)因子分析法による検討の結果、社会的迷惑行為に対する態度は非行的態度、道徳意識、恥意識とは独立した態度であることがわかった。2)トルコの被験者は最も強い社会的迷惑行為に対する自意識と罪悪感を示した。アメリカの被験者は最も弱い恥意識と罪悪感を示した。日本の被験者はその中間であった。3)恥意識は社会的迷惑行為の抑制要因として機能することが示唆された。4)社会的迷惑行為の種類によって、恥意識と関係が深いものと罪悪感と関係が深いものがあることがわかった。5)社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感は中学生と高校生、男子と女子の間に違いがあるということがわかった。
著者
松井 洋
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.55-68, 2004-03-15

社会的迷惑行為について,以下のように調査を行った。調査1.では,日本,アメリカ,トルコの中高生を対象におこなった調査内容について,非行許容性,道徳意識,恥意識などを含めた因子分析を行った結果は,社会的迷惑行為に対する中高生の意識は,非行許容性,道徳意識,恥意識と同一の意識ではなく,これらからある程度独立した意識であることを示していた。他方,社会的迷惑行為に対する意識は,日本では自律的な恥意識と,アメリカでは道徳意識と関係が深いことがわかった。社会的迷惑行為に対する態度を3カ国の間で比較すると,三カ国の中で,アメリカの中高生は社会的迷惑行為について,もっとも,「悪い」,「恥ずかしい」と感じるブレーキが弱い。反対にトルコはもっとも抑制的で,多くの社会的迷惑行為を「悪い」または「恥ずかしい」と感じる傾向がある。日本の中高生は,アメリカと比べると,社会的迷惑行為に厳しいが,トルコほどではない。また,社会的迷惑行為についての態度には国による違いがある。調査2.では,日本の中学生と大学生を対象に調査を行った。まず,社会的迷惑行為についての経験と恥意識について因子分析を行った結果,社会的迷惑行為はいくつかの種類に分けることができ,また,恥の意識が社会的迷惑行為を抑制し得るということがわかった。
著者
松井 宏樹 東条 敏
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.36-45, 2005-11-01

We propose a multi-agent system which learns intervention policies and evaluates the effect of interventions in an artificial foreign exchange market. Izumi et al. had presented a system called AGEDASI TOF to simulate artificial market, together with a support system for the government to decide foreign exchange policies. However, the system needed to fix the amount of governmental intervention prior to the simulation, and was not realistic. In addition, the interventions in the system did not affect supply and demand of currencies; thus we could not discuss the effect of intervention correctly. First, we improve the system so as to make much of the weights of influential factors. Thereafter, we introduce an intervention agent that has the role of the central bank to stabilize the market. We could show that the agent learned the effective intervention policies through the reinforcement learning, and that the exchange rate converged to a certain extent in the expected range. We could also estimate the amount of intervention, showing the efficacy of signaling. In this model, in order to investigate the aliasing of the perception of the intervention agent, we introduced a pseudo-agent who was supposed to be able to observe all the behaviors of dealer agents; with this super-agent, we discussed the adequate granularity for a market state description.
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介 平良 直
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、特定の場所をめぐる宗教的集合記憶と観光的文化資源との多様な関係の在り方を検討するために、長崎県の平戸市根獅子町、新上五島町、山形県出羽三山、沖縄、中米グアテマラを対象とした調査を実施した。伝承された宗教的集合記憶は、ツーリズムを梃子にした集落の再生の試みの進展に伴って再編成されつつあり、その動きに大きな影響を持っているのがメディアと世界遺産指定である。また、聖地の持続的な管理とツーリストの倫理的行動を要請している。
著者
松井 知己 吉瀬 章子 宮代 隆平 宮本 裕一郎
出版者
中央大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

1.一様な巡回トーナメント問題に関する近似法 本拠地間の距離が一様な巡回トーナメント問題に対し、移動距離(回数)最小化問題に対するトーナメントスケジュールの作成法を、平成18年度国際会議の論文特集号(Lecture Notes in Computer Science)に本年投稿し、採択された。本手法は,カークマンスケジュールと呼ばれる特殊なスケジュールを改変することで,2重総当たり戦の移動回数最小化問題の良質な解を構築する.本手法によって、最適解に非常に近い解が得られることを,理論的に保証した.提案手法により,2重総当たり戦の移動回数最小化問題について,チーム数22,28,34,40,46の場合には既存の世界記録を凌駕する新たな解が得られ,さらに得られた解は最適解であることを保証することに成功した。2.半正定値計画緩和に基づく試合場決定問題の解法試合場決問題について、半正値計画緩和と、形計画緩和に基づく解法の提案を行った。(この結果は、Pacif1c Joumal of Optimizationに採択されている。)両手法について、1重と2重総当たり戦の両方の問題に適用する計算実験を行った。その結果、1重総当り戦では、線形計画緩和に基づく方法は、殆どの問題例において最適解を生成する事が確認された。2重総当たり戦では、線形計画緩和に基づく方法では、劣悪な解しか得られないことが判明した。これに対し半正定値計画緩和に基づく方法は、どの問題例でも高品質の解を生成することが確認された。半正定値計画緩和は、計算時間の短縮が検討課題として残されている。
著者
和泉 潔 後藤 卓 松井 藤五郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

定期的に発表され決まった形式を持つテキスト情報を対象とした長期市場動向分析のためのテキストマイニング手法を、実データによる運用テストで評価する手法を開発した。2008年1月から2009年5月の1年5カ月間の国債市場で評価したところ、年率平均に換算して、4.9%~88.05%の高いリターン成績を示すことができた。
著者
大川 克哉 小原 均 栗田 由紀 福田 達也 Khan Zaheer Ulla 松井 弘之
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.129-134, 2006-03-15
被引用文献数
1

ジャスモン酸誘導体であるn-propyl dihydrojasmonate (PDJ)のニホンナシ'豊水'に対する摘果効果とその作用機構について調査した.1996年には,満開17日前,12日前,満開日および満開7日後の4時期に500,1000および2000ppm PDJを,1998年には満開18日および14日前の2時期に500および750ppm PDJを花そうに散布処理した.PDJ処理は落果を誘起し,摘果効果を示した.その摘果効果は処理時期が早いほど,また処理濃度が高いほど高く,500〜750ppmの濃度で満開17〜18日前に処理すると適度な摘果効果が得られた.これらのPDJを処理した果そうでは,果そうあたりの着果数が0〜2果の果そうの割合が約64%となり,無処理果そうの16%と比べて著しく高くなった.さらに,落下した果実の花序軸上の位置についてみると,PDJを処理した果そうでは,基部から1〜3番目の果実が落下しやすい傾向があり,特に1および2番目の果実では約90%の果そうで落下が認められた.果重,果肉硬度,糖度および酸含量には処理間で大きな差は認められなかった.花柱内での花粉管伸長はPDJ処理花と無処理花とで差は認められなかったものの,満開時における胚珠の発育状態について観察したところ,PDJ処理花では胚のうが萎縮した異常な胚珠が多く認められた.これらのことから,PDJはニホンナシ'豊水'に対して開花前に処理すると高い摘果効果を示すことが明らかとなり,摘果剤として実際栽培で利用できる可能性が示唆された.また,PDJが落果を誘起する原因は,胚珠の正常な発育を阻害することによる受精阻害に起因するものと考えられた.
著者
松井 正典 廣瀬 敬 肥後 祐司 舟越 賢一 真下 茂 佐多 永吉 入舩 徹男
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

高温での圧力スケールとして良く用いられるMgO,NaCl,Ar,Au,Ptについて、それらの常温常圧~高温高圧における温度-圧力-体積関係を、放射光高温高圧X線回折、高温高圧下における弾性波速度測定、衝撃圧縮実験、分子動力学法を用いた計算機シミュレーション等に基づいて、高精度で求めた。加えて、地球マントル遷移層から下部マントル、コア上部を想定した、温度1000~3000K、圧力20~150GPaにおける、高信頼度の圧力スケールを求めることに成功した。
著者
上北 恭史 花里 利一 稲葉 信子 松井 敏也 小野 邦彦 箕輪 親弘
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は2006年5月27日に起こった地震によって被災したインドネシア共和国ジャワ島中部の世界遺産プランバナン遺跡群及びその周辺の石造による組積造建造物遺産の破損メカニズムと修復計画策定の手法の開発を行うものである。研究は、1)常時微動測定と亀裂変位測定をシバ祠堂を中心に行い、2)シバ寺院内部構造解明のため、植民地時代に修復された記録をオランダの国立図書館にて調査を行い、3)遺跡公園の観光マネジメントの調査を行った。研究の結果、シバ祠堂は構造的に安定していることが明らかになった。またシバ祠堂に内部構造を示す歴史的資料はオランダにも現存していないことがわかったが、一部の資料からシバ祠堂の内部はコンクリートで補強されていることが想定される。そして遺跡公園を訪れる観光客の多くはプランバナン遺跡の中心であるロロ・ジョングラン寺院に集中して訪れているため、災害時の避難のためのガイドラインが必要なことが明らかになった。
著者
村山 祐司 山下 清海 森本 健弘 兼子 純 呉羽 正昭 松井 圭介 仁平 尊明 山下 亜紀郎 田林 明 手塚 章
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本プロジェクトでは,人文地理学者が培ってきた豊富なフィールドワークの経験や蓄積にもとづき,暗黙知とされてきたフィールドワークを体系的に考察することにより,方法論の「ホワイトボックス」化に挑んだ.研究そのものを遂行するノウハウや研究論文の論旨を組み立てる方法などに注意を払いつつ,データを系統的に取得・蓄積・管理・分析・可視化・伝達する汎用的な方法を探究した.さらに,GISデータ解析のポータルサイトを立ち上げ,時空間データベースの活用実験を行うとともに,空間解析を主体としたフィールドサイエンスの確立に向けて議論を重ねた.本研究の成果はウェブで公開した.
著者
馬渕 充啓 小沢 健史 高田 真吾 豊岡 拓 松井 慧悟 佐藤 聡 新城 靖 加藤 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.459, pp.179-184, 2009-02-26

組織外部の利用者が持ち込んだPCを用いて組織のネットワークを利用することを許可する場合,利用者の利便性を向上させることと管理者による管理コストを低減することを同時に実現することは非常に難しい.従来の手法では,管理者は,利用者を特定するために利用者登録を行う必要がある.これらの管理作業は管理者しか行うことができないため,管理者が不在の場合に利用許可を得ることができないという問題がある.我々は,この問題を解決するために,利用者に対して利用許可を発行するための管理権限を,管理者から組織内部の利用者へ委譲することを可能にするアクセス制御メカニズム(CaNector)を提案する.提案手法では,管理権限委譲を実現するためにケーパビリティに基づくアクセス制御を用いている.CaNectorに対する全ての操作はWebブラウザから行うことが可能であり,利用者は特別なソフトウェアのインストール等を行うことなく持ち込みPCを用いてネットワークを利用することが可能である.この論文では,CaNectorを筑波大学システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻所属のソフトウェア研究室においてテスト運用した結果について報告する.
著者
立脇 洋介 松井 豊 比嘉 さやか
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.29, pp.71-87, 2005-02-28

In this study, we review 217 Japanese articles about romantic love. Most of the articles are based on questionnaires completed by university students, and fall within the domain of social psychology. The following shifts in Japanese ...
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。