著者
白石 公彦 伊藤 博道 沢田 征洋 白地 孝 溝口 実 川野 芳郎 松本 博 安倍 弘彦 谷川 久一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.656-662, 1982-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
20

69歳男性,上腸間膜動脈血栓症のため広範囲小腸切除術を受け約6ヵ月後退院したが,術後9ヵ月を経過した時点で体重減少および全身倦怠感を主訴として当科入院となった.入院時軽度の黄疸および下肢の浮腫を認め,圧痛を有する軟らかな肝を右肋骨弓下一横指触知した.臨床検査より消化吸収障害を示唆する所見が得られ,肝生検にて著明な脂肪肝が認められ,またMallory体も散見された.患者は約2年6ヵ月前より断酒しており,低栄養により脂肪肝を来たしたと思われた.入院後も患者の栄養状態は徐々に悪化し,12ヵ月後に嚥下性肺炎のため死亡した.剖検肝組織に於ては肝生検時に比して脂肪変性は軽減し,Mallory体は増加して見られた.
著者
石橋 康久 松本 雄二郎
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
真菌と真菌症 (ISSN:05830516)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.188-192, 1985-09-20 (Released:2009-12-18)
参考文献数
13

わが国における角膜真菌症について検討するため1983年1月より12月までに角膜真菌症と診断された症例の有無, およびそれらがどのように診断, 治療されているかなどについてアンケート調査を行なった. 対象は昭和59年2月現在で日本眼科学会の専門医制度の研修施設に認定されている619施設である.1. 回答は344施設 (55.6%) より得られた344施設のうち症例のあったものが97施設 (28.2%) で合計176症例であった. これらの日本における分布を示した.2. 角膜真菌症と診断された176例のうち角膜実質の鏡検によるものが12.5%, 培養によるものが13.1%, 鏡検および培養によるものが21.0%, 経過および治療などによるものが53.4%であった.3. 治療に用いられた薬剤はピマリシンが最も多く82.4%であり, 次いでアムホテリシンB32.4%, 5-FC12.5%であった. その他ミコナゾール, ナイスタチン, ケトコナゾール, クロトリマゾールが少数使われていた.4. 診断については88.1%が難しい. 7.6%が容易であると答えた. 治療については難しいが93.3%であり, 容易であるが3.2%であった. 眼科用の抗真菌剤の必要性についてはほとんどが必要であると回答した.
著者
窪田 悟 岸本 和之 合志 清一 今井 繁規 五十嵐 陽一 松本 達彦 芳賀 秀一 中枝 武弘 馬野 由美 小林 雄二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.1215-1220, 2011-08-01 (Released:2011-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1 3

The preferred viewing distances for high definition television LCDs were measured as a function of the screen size, screen luminance and content of the displayed pictures. Although the screen size is the most dominant parameter, both it and the screen luminance significantly influence the preferred viewing distance, while the content of the displayed pictures does not. The ratio of the viewing distance preferences to the screen height (H) decreases with the size of the screen. The preferred viewing distance for a 24-inch display is a 5.9 H for a screen luminance (peak white luminance) of 200cd/m2. Similarly, that for a 65-inch display is a 3.9 H. The preferred viewing distance for a screen luminance of 200cd/m2 can be described Using the following empirical equation: D = (2.73 S + 75) /S. This is where D is the preferred viewing distance in screen height and S is the diagonal screen size in inches, where S is larger than or equal to 24 and smaller than or equal to 65. In this paper, these results are compared with the field survey data of the practical viewing distances in home environments. We also discuss the optimum screen size and viewing conditions of high definition television LCDs in actual home environments.
著者
松本 元成
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Db1213-Db1213, 2012

【はじめに、目的】 廃用症候群の理学療法は、廃用に至る疾患が多岐にわたり、その障害像も多様である。その為臨床上正確な予後予測は、困難であることが多い。しかし廃用症候群に対して理学療法を実施する場合、「介入による改善の可能性」や「改善に要する見込み期間」の記載が義務つけられており、診療報酬上も正確かつ早急な予後予測が要求されている。本研究の目的は、廃用症候群患者のリハ開始時における因子の中から、最終的なFIM利得に影響する因子は何かを検討し、正確な予後予測の一助を作成することである。【方法】 対象は、平成22年4月1日から平成23年7月31日までに、当院一般病棟より回復期リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)に転科された廃用症候群の患者46名で、その内死亡退院、状態悪化による一般病棟への転科、入院期間が1週間以内、リハ開始1週間以内の血液データが不明なものは除外した38名である。対象者の年齢、入院からリハ開始までの日数、入院日数、回リハ病棟におけるFIM利得、リハ開始時の嚥下能力(藤島のグレード)、リハ開始より1週間以内の血清アルブミン値(以下、ALB)を診療録より後方視的に調査した。統計処理はFIM利得と各因子との相関をSpearmanの順位相関係数を用いて分析した。平成23年の全国回復期リハ連絡協議会の報告によれば、廃用症候群患者のFIM利得の全国平均は10.4点である。それに則り、FIM利得が11点以上の群を改善群、10点以下を非改善群の2群に分類し、Mann-WhitneyのU検定を用いて各因子について分析した。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究はヘルシンキ条約に則り、臨床研究に関する倫理指針を遵守した。また個人が特定できる情報は削除し、個人の同定を不可能とした。【結果】 対象の平均年齢は81.7±7.8才、リハ開始までの平均日数は7.5±6.4日、平均入院日数は87.5±34.0日であった。分析の結果、FIM利得とリハビリ開始時の嚥下能力(r=0.39)、およびFIM利得と入院からリハ開始までの日数(r=0.24)とに正の相関を認めた。FIM利得改善群は16名、非改善群は22名であった。改善群のリハビリ開始時の嚥下能力の平均は9.3±1.2、非改善群は5.95±4.23で2群間に優位な差を認めた(p<0.05)。その他の項目においては、改善群と非改善群とで有意な差を認めなかった。【考察】 リハ開始時の嚥下能力は、FIM利得との相関があり、また改善群と非改善群において優位な差を認めた。リハ開始時の嚥下能力とADLの回復に関連があることが示唆された。今回の研究ではFIM利得とALB値との相関や、群間におけるALB値に優位な差を認めなかった。ALB値には半減期があり、血液データ上、開始時に低栄養と思われる状態であっても、嚥下能力が保たれていれば、栄養確保しつつ負荷量に配慮した理学療法を実施することにより、ADLの改善が期待できる。リハ開始時の嚥下能力を把握することは廃用症候群の予後予測に有用である可能性があると考える。介入当初より他職種との連携を図り、PTにおいても摂食嚥下面の評価介入を行う必要性があることも示唆される。また、入院からリハ開始までの日数とFIM利得に相関を認めた。疾患の重症度が高く、臥床期間が長期化することで、ADLの回復を妨げられること、および早期のリハ介入がADLを向上させる可能性を示唆するものと思われる。【理学療法学研究としての意義】 廃用症候群の予後予測において、FIM利得を用いてその傾向を明らかにすることを試みた。リハ開始時の嚥下能力とリハ開始までの日数を把握することが予後予測の一助となることが示唆された。開始時の嚥下能力とリハ開始までの日数は、リハ介入当初より、容易に把握することが出来るため、臨床的にも簡便な指標となり得ると考える。
著者
遠藤 いず貴 石井 伸昌 大橋 瑞江 松本 一穂 内田 滋夫
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.321-329, 2017

<p>TRU廃棄物の地層処分生物圏評価において,気体の<sup>14</sup>Cの植物体への移行が考慮されていない。気体の混合に寄与する風を評価するため,2つのイネ科植物群落の3測定高で風速を測定した。両群落のバイオマスは同じだったが,群落-2に比べて群落-1の草丈は78%であり,群落密度は2倍だった。群落上に対する群落内の風速は密な群落(群落-1)で制限された。群落密度が群落内の気体の滞留および植物への<sup>14</sup>Cの移行に影響することが示唆された。</p>
著者
松本 華歩 村上 真菜 栗原 一貴
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2017-EC-43, no.8, pp.1-8, 2017-03-03

お酒の割り方やコーヒーの甘さなどの味の好みは,人それぞれこだわりがある.しかし,自分の好みぴったりで割合を調節したり,気分や体調によって味を変えたりして飲むことは難しい.そこで本研究では,二つの液体の混合比を任意に調整して飲める水筒である ChanJar を提案する.ChanJar とは,change と jar を組み合わせた造語である.ここで,change は「変える」,jar は「瓶」という意味で用いている.ユーザ評価の結果,システムの有効性や改善点の必要性について確認した.また味覚と感情の関係性についての調査を行い,ChanJar を遠隔地から操作することで,操作者による,使用者への味覚による感情伝達の可能性を示すことができた.さらに,既存のウェアラブルシステムやセンサーを組み合わせることによる,健康管理システムやエンタテインメントシステムとしての可能性を論ずる.
著者
松本 じゅん子 野坂 俊弥 北山 秋雄 多賀谷 昭
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.74-75, 2009-08

駒ヶ根市内で聞こえる音の中で、心地よく感じる音とそれらの音が聞こえる場面を調べ、駒ヶ根市の音風景を提示することとした。駒ヶ根市内に1年以上住んだ経験のある大学生73名を対象に、駒ヶ根市内で聞こえた音で心地よく感じたものやその音が聞こえた場面などをインタビューによって調べた。その結果、駒ヶ根市の音の風景には、こまくさ橋の川の音や、対象者の通う大学構内の風の音、鳥の声、鐘の音、大学周辺地域の水の流れる音の風景などが挙げられることが考えられた。
著者
赤澤 陽一 上山 浩也 永原 章仁 中川 裕太 松本 紘平 稲見 義宏 松本 健史 今 一義 八尾 隆史 渡辺 純夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.10, pp.1968-1975, 2014-10-05 (Released:2014-10-05)
参考文献数
22

66歳女性.上部消化管内視鏡で体上部後壁に17 mm大の胃粘膜下腫瘍(SMT)を認め,PET-CTで体下部大弯に別病変として30 mm大のFDGの集積を認めた.CT gastrography(CTG)では上記検査で指摘し得なかった8 mm大のSMTをさらに診断できた.病理組織診断ではGIST,神経鞘腫,壊死組織とそれぞれ異なる組織像であった.CTGが胃SMT診断に有用であった貴重な症例であったため報告する.
著者
岩田 隆浩 南野 浩之 佐々木 健 小川 美奈 並木 則行 花田 英夫 野田 寛大 松本 晃治 今村 剛 石原 吉明 鶴田 誠逸 浅利 一善 劉 慶会 菊池 冬彦 Goossens Sander 石川 利昭 河野 宣之 高野 忠
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.135-150, 2009 (Released:2012-03-28)
参考文献数
16

SELENE Main Orbiter (KAGUYA) has separated two small sub-satellites; (1) the Relay Satellite “OKINA (Rstar)”, and (2) the VLBI Radio Satellite “OUNA (Vstar)”. These sub-satellites started to perform 4-way Doppler measurements using Relay Satellite Transponder (RSAT) and multi-frequency phase-delay differential VLBI using VLBI Radio Sources (VRAD) for lunar gravity mapping. We have developed the frequency conversion system, multi frequency S/X-band vertical dipole antenna, and light weighted S-band patch antenna to perform these missions. Simple structured release mechanism has also been developed and confirmed its performance by ground test and orbital demonstration using micro-Lab Sat. Initial check out were executed and properties of satellite bus equipments, onboard mission instruments, and observation systems including ground stations were evaluated. Electric power and thermal control subsystems have shown that they conduct as designed and inspected in the ground tests. The release mechanisms have given the spin which can maintain the stability of the satellite attitudes. Communication functions of mission instruments conform to the link budgets. These results suggest that OKINA and OUNA have enough performances to produce efficient data by RSAT/VRAD gravity observations.

1 0 0 0 佐渡流人行

著者
松本清張著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1965

1 0 0 0 点と線

著者
松本清張著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1987