著者
田口 正樹 佐々木 健 林 信夫 加納 修 大月 康弘 小川 浩三 松本 英実 鈴木 直志 新田 一郎 櫻井 英治 粟辻 悠 西川 洋一 佐藤 公美 小林 繁子 神寳 秀夫 佐藤 雄基 佐藤 彰一 石部 雅亮
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

前近代の西洋と日本について、法律家を中心に、公証人、弁護人、軍人、商人など多様な専門家を取り上げて、専門家と専門知を存立・機能させる環境、専門家と専門知が権力構造において占める位置、専門家間の組織形成とネットワークの広がりといった側面を検討して、専門家と専門知の発展を国制史に組み込んだ。ドイツの研究グループとの学術交流により、専門家に関する文化史的視点を補強して、その意味でも従来の国制史の枠を広げた。
著者
高橋 則人 鶴 浩幸 江川 雅人 松本 勅 川喜田 健司
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.706-715, 2005-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1

【目的】施設入所高齢者の風邪症状に及ぼす間接灸の効果を、少数例においても臨床試験が可能な単一被験者研究法 (n-of-1 デザイン) を用いて検討した。【方法】老人保健施設入所中の高齢者2名に対し、16週間にわたって試験を行なった。試験は介入期間8週と対照期間8週をランダムに割付けるn-of-1無作為化比較試験 (n-of-1RCT) デザインで行なった。介入期間の間接灸は週3回、大椎穴と左右風門穴に各3壮ずつ行なった。評価は風邪の有無および風邪症状に関する項目を4ないし5段階評価にて行なった。【結果】風邪の有無に関する項目では介入期間と対照期間との間に有意な差を認めなかった。また風邪症状に関する項目においても、介入期間と対照期間との間に有意な差を認めなかった。【考察・結語】今回の試験では間接灸の風邪症状に対する効果は認められなかった。その要因としては、治療 (刺激) 部位や刺激量の不足、および被験者の生活環境の影響、さらに今回のような風邪症状等の研究に対するn-of-1 RCTデザインの適性の問題などが考えられた。
著者
松本 尚之
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本発表では 、在日アフリカ人の間で2000年を前後して隆盛を極めた服飾ビジネスについて、特にナイジェリア出身者の事例を通して報告する。対象とするビジネスは、アメリカのポピュラー文化(ヒップホップ)の流行を背景として生まれたもので、彼らが携わるエスニック・ビジネスのなかでも日本人を対象とした点に特徴がある。服飾ビジネスの概要と変遷を論じ、ポピュラー文化のグローカル化と移民の関係について考察を行いたい。
著者
松本 達郎 平野 弘道
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.102, pp.334-"342-1", 1976-07-15

北海道の白亜系産アンモナイトには保存のよいものが少なくないので, 殻の色彩の跡が残っているものはないかとかねてから留意していたが, この程6個体の例が見出された。それは天塩山地南西部の羽幌から小平にかけてのサントニアンの細砂泥岩中のもので, いずれもTexanitinaeに属する。Protexanits (Protexanites) bontanti shimizui MATSUMOTO 4個, Protexanites (Anatexanites) fukazawai (YABE et SHIMIZU) 1個, Paratexanites (Parabevahites) serratomarginatus (REDTENBACHER) 1個の実例には, どれも巻きの方向に平行する色帯があるが, 色帯の数, 位置, 幅, 間隔の相対的の幅などが種類により異なること, 1種の中では変異は僅かあるが, ほぼ一定していること, 第1・2種の色帯が類似するのに対し, 第3の種のそれはかなり異なることが注意される。色素は最外層部に集中しているようである。なお事実の記載に加えて, アンモナイトの殻の色模様一般に関して若干の論議を試みる。
著者
松本 行弘
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.27-36, 2009-03-23

多くのスクリプト言語において多言語テキスト処理は Unicode を固定的な内部文字コードとして採用しているが,その場合,Unicode 以外の文字集合で表現されたテキストを処理するためには文字集合間の変換が必要になり,文字集合間の互換性や文字集合における歴史的な事情などによりさまざまな問題を引き起こす可能性がある.そこで筆者が開発しているスクリプト言語 Ruby に対して,固定的な内部文字集合を持たない文字集合独立方式を採用し,文字集合間の変換をできるだけ行わないテキスト処理機能を実装した.本論文で述べる Ruby の多言語テキスト処理機能は,Unicode を固定的な内部文字集合とする他スクリプト言語 (Perl および Python) と比べて,テキスト処理におけるプログラムの簡潔さおよび性能において劣らない実用的なものであることを示す.本論文で述べる多言語テキスト処理機能は Ruby バージョン 1.9 として公開されている.Many scripring languages of present days use Unicode as their universal internal character set to manipulate multilingual text processing. But due to character set compatibility and other historical issues, text conversion to/from the universal character set may cause various problems. We designed and implemented character set independent multilingual processing, which avoids character set conversion as much as possible. We show that multilingual text processing in Ruby is practical in both productivity and performance, comparing other scripting languages, e.g. Perl and Python. The work described in this paper is publicly available in Ruby version 1.9.
著者
松本 義久
出版者
公益社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.57-64, 2014 (Released:2015-03-06)
参考文献数
15

DNA double-strand break (DSB) is considered most deleterious among radiation-induced DNA damages and most relevant to the biological effects of radiation. In eukaryotic cells, DSB is repaired mainly through two pathways: non-homologous end-joining (NHEJ) and homologous recombination (HR). These repair pathways seem to play complementary roles. NHEJ is considered less accurate than HR, but HR is available only in late S and G2 phases in vertebrates. Recent studies elucidated how cells choose one from these two pathways depending on the circumstance: cell cycle phase, complexity of DNA damage and chromatin structure.
著者
馬場 謙治 荻野 敏 松本 達始 石田 稔 柴田 忠良
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.563-571, 1993-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
36
被引用文献数
1

ラット腹腔肥満細胞を用いて, ヒスタミン遊離に対する温熱の影響について検討した。ヒスタミン遊離刺激物質としては, DNP-Asを抗原とする特異的刺激とcompound 48/80, substance-Pなどの非特異的刺激を用いた。43℃, 10分から15分問の温熱処理により, ラット肥満細胞からの特異的および非特異的刺激によるヒスタミン遊離は抑制され, その効果は5時間以上持続する結果が得られた。
著者
石井 照久 川邉 聡子 今野 大樹 松本 勇紀 目黒 耕平 立花 希一 望月 一枝 ISHII Teruhisa KAWABE Satoko KONNO Hiroki MATSUMOTO Yuuki MEGURO Kouhei TACHIBANA Kiichi MOCHIZUKI Kazue
出版者
秋田大学教育推進総合センター
雑誌
秋田大学教養基礎教育研究年報 (ISSN:13449311)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-12, 2011-03-31

我々の身近に存在する「マンガ」を秋田大学生がどのように読んでいるのかをアンケート調査した。その結果,男子学生はほとんど少女マンガを読まないが,女子学生のほとんどが少年マンガを読んでいることが判明した。すなわちマンガ文化の接し方にジェンエンダーが存在することが判明した。その要因を考察するとともに,男子学生・女子学生それぞれに好かれているマンガの特徴色作品を解析することによって明らかにした。本報告は,秋田大学教養基礎教育科目「総合ゼミ」の講座EI文化にみられる性」において,平成22年度I期の授業で展開された成果報告でもある。
著者
松本 典久
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
人文科学 (ISSN:09117210)
巻号頁・発行日
no.24, pp.45-108, 2009

はじめにチョムスキーの生い立ちペンシルヴェーニア大学社会批評家としてのチョムスキー無政府主義者チョムスキー逆風のなかでグローバリゼーションへの対応9.11事件
著者
木浦 幹雄 大平 雅雄 上野秀剛 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.204-215, 2010-01-15

本論文は,動的なインタフェースを持つWebサイトにおけるユーザ行動の把握を支援するシステムWebjigを提案するものである.従来システムは,Webブラウザに表示される内容に着目しないため,動的に変化するWebサイトにおけるユーザ行動の把握が難しいという問題があった.本論文で提案するWebjigは,WebサイトのDOM(Document Object Model)を解析することで,Webブラウザに表示されている内容の動的な変化を記録・可視化することができる.実務経験者を被験者とした実験の結果,従来システムでは発見できなかったWebサイトの問題点を発見することができた.In this paper, we propose a recording/visualization system of user behaviors on a dynamic Web site for usability evaluation. Several existing systems only record histories of user's operations without output displayed on a Web browser. Hence, understanding of user's behavior in a dynamic Web site is quite difficult. Our system called Webjig records sequential changes of browser output by analyzing DOM (Document Object Model) used in aWeb site. Using three subjects with over 5 years industrial experience of Web site development, we experimentally evaluated the effectiveness of the Webjig. As a result, we have observed that developers could found usability issues from user behaviors recorded by Webjig.
著者
髙橋 一揮 藤沢 拓也 佐藤 光 菊地 優太 鈴木 沙斗美 松本 栞 沖 侑大郎 石川 朗 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0578, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】足踏み運動は,麻痺の改善や歩行能力改善など運動の中に多く取り入れられている。しかし,その運動強度に関して詳細な検討はなされていない。そのため,本研究では1分間当たりの足踏み回数(以下,ステップピッチ)と上肢支持の有無を変数として運動強度を中心に呼吸循環応答を検討することとした。【方法】対象者は健常若年成人女性13名であった。測定は運動負荷試験と足踏み運動とし,それぞれ別日に実施した。運動負荷試験は自転車エルゴメータを用いたramp負荷試験(10W/min)とした。一方,足踏み運動は股関節屈曲角度を45度と設定して算出した高さに紐を張り,対象者には紐に軽く触れるまで脚を上げるよう指示し,鏡を使用してフィードバックを促した。足踏み試験の設定条件はステップピッチ60・90・120(以下,P60・P90・p120)の3条件と上肢支持(手すり)の有無の2条件の計6条件としてランダムにて実施した。なお,ステップピッチはメトロノームを用いてコントロールし,上肢支持の手すりは大転子の高さとした。測定プロトコールは各条件の足踏み運動を3分間,休憩3分間を繰り返した。データは酸素摂取量を中心に呼吸循環パラメータを呼気ガス分析装置にて測定し,各条件終了直前の30秒間を平均化して代表値とした。統計処理は,R(3.2.1)を使用し,呼吸循環パラメータに関して上肢支持の有無による2要因について2元配置分散分析を,host-poc testとしてHolm法を用い,有意水準は5%未満とした。【結果】運動負荷試験の結果,平均最高酸素摂取量は23.3±3.4mi/kg/min,平均ATは12.2±2.1ml/kg/minであり,比較的低体力層であった。足踏み運動の結果では,酸素摂取量にてステップピッチと上肢支持の有無には有意な主効果が認められたが,交互作用は認められなかった。多重比較では,P60・P90・P120間にいずれも有意差が認められ,P60では上肢支持無が有に対して有意に高値を示した。他の呼吸循環パラメータも類似傾向を示した。また,各条件におけるMETsと%ATでは上肢支持の有無による違いは小さく,P60(約2.5METs/約75%),P90(約3.0METs/約85%),P120(約3.5METs/約100%)であった。また,歩行率から算出した健常者の相対的平均歩行速度でのMETsと比較したところ,いずれのステップピッチにおいても足踏み試験が低値であった。【結論】本研究は対象が若年成人女性であったが,体力は60歳男性に相当していた。この対象者において,ステップピッチが増加することにより有意に呼吸循環応答が増大したが歩行に比して低負荷であったこと,ならびに,おおよそATレベルまで運動として容易に実施できる可能性を示した。よって,ステップピッチを変数とすることで合目的であり運動耐容能改善の方法となりうることを示唆した。
著者
堀場 直樹 藤田 将典 山口 正孝 松本 享 中田 和彦
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.292-304, 2018 (Released:2018-10-31)
参考文献数
54

目的 : 本研究の目的は, 安全で操作性の良い, 一般歯科医師にも広く普及するような根管消毒薬を, 行政機関から認可を得やすいと考えられる食品添加物を用いて開発することである. 材料および方法 : 被験材料として, 3種類の精油を含む9種類の既存食品添加物, 2種類の精油を含む3種類の天然香料基原物質, ならびに1種類の指定食品添加物の計13種類の食品添加物を用いた. 各抽出物の抗菌効果はEscherichia coli, Lactobacillus casei, Enterococcus faecalisに対して, カップ法と液体希釈法を用いて検討した. 結果 : カップ法では, 原液の精油および柑橘種子抽出物 (GSE) 以外の食品添加物には抗菌効果は認められなかった. 精油ではオレガノの抗菌効果が最も強く, 次いでタイムであった. 液体希釈法では, 鉄抽出物含有アスコルビン酸とプロタミンは, E. coliに対して強い抗菌作用が認められた. L. caseiとE. faecalisに対しては, 強い, あるいは弱い抗菌作用を認めた. アスコルビン酸単独およびGSEも, L. caseiとE. faecalisに対して抗菌作用を示した. 結論 : アスコルビン酸を含む食品添加物は, E. coliなど3種の通性嫌気性菌に対して抗菌効果が認められた. このことは, これらの食品添加物が根管消毒薬として有用となる可能性を示唆している.
著者
松本 豊寿
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.97-112, 1962-03-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
13

近世城下町は典形的な身分制都市であり特権都市である.前者から士庶居住区分制が問題となり,後者からは都市域の特権的分化が検討されねばらない. 侍町と町屋は対立する都市域であるとともに経済的には結合せんとする性質をもつ.街村状町屋と団塊状町屋を基本系列とし,これと侍町が結合して最終的には,江戸で代表される4段階と8つのタイプが設定される.これら類型群は同時にまた発達段階をも示すものである.特権都市としての城下町では営業の地域的独占制とそれと関連する同業町の成立が当面の課題となる.とくに特権町人と結ぶ中心街区の町座や株組織の結成は重要で,ここに城下町の中の城下町としての封建的都心が形成される.城下町都心は機能の専門化=同業者集住と機能の複合化=業種の多様性という相反する両面をもち,それをみたすために都心部の膨脹と大型化が促進される.封建的都心には当然のこととして地域差が存在するが,他面城下町自体の大小も問題となる.小城下町では都心と非都心部の地域構造上の断層が著しくなく,それだけ都心の成長と発達はルーズである.
著者
森 也寸志 金子 信博 松本 真悟
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

人工マクロポアという疑似間隙構造を土壌内に作るとき,充填物に縦方向に長い繊維を使い,充填率30%であったときに最も効果的に下方浸透を促すことができた.土壌カラム実験では,土壌水分と有機物量に逆相関がみられ,栄養塩をよりも水分が有機物分解に影響すること,また,土壌下方にある有機物は酸素が遮断され,かつ水分が減ると上方移動が不能になるため分解を免れる傾向にあり,根や浸透有機物の分解が逆に促進されることはなかった.亜熱帯土壌では畑圃場で地表流の発生が抑制され,結果的に農地土壌の流亡が抑制されることがわかった.このため,分解が優勢な高温化でも有機物については保全傾向が見られた.