著者
西下 智 長谷川 聡 中村 雅俊 梅垣 雄心 小林 拓也 藤田 康介 田中 浩基 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0428, 2014 (Released:2014-05-09)

【目的】肩関節は自由度が高く運動範囲が広いが,関節面が小さいため回旋筋腱板(腱板)の担う役割は重要である。肩関節周囲炎,投球障害肩などに発生する腱板機能不全では棘上筋,棘下筋の柔軟性低下が問題となることが多く,日常生活に影響を及ぼすこともある。柔軟性向上にはストレッチング(ストレッチ)が効果的だが,特定の筋の効果的なストレッチについての研究は少ない。棘下筋に関しては即時効果を検証するような介入研究もされているが,棘上筋ではほとんど見当たらない。棘上筋の効果的なストレッチは,複数の書籍では解剖学や運動学の知見をもとに,胸郭背面での内転(水平外転)位や伸展位での内旋位などが推奨されているが定量的な検証がなされていない為,統一した見解は得られていないのが現状である。Murakiらは唯一棘上筋のストレッチについての定量的な検証を行い最大伸展位での水平外転位が効果的なストレッチであるとしているが,これは新鮮遺体の上肢帯を用いた研究であり,臨床応用を考えると生体での検証が必要である。これまで生体における個別のストレッチ方法を確立できなかった理由の一つに,個別の筋の伸張の程度を定量的に評価する方法が無かったことが挙げられる。近年開発された超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能を用いることで,計測した筋の伸張の程度の指標となる弾性率を求める事が可能になった。そこで今回我々はせん断波エラストグラフィー機能によって計測される弾性率を指標に,効果的な棘上筋のストレッチ方法を明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は健常成人男性15名(平均年齢23.4±3.1歳)とし,対象筋は非利き手側の棘上筋とした。棘上筋の弾性率の計測は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用い,棘上筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率を求めた。計測誤差を最小化出来るように,計測箇所を肩甲棘中央の位置で統一し,2回の計測の平均値を算出した。弾性率は伸張の程度を表す指標で,弾性率の変化は高値を示す程筋が伸張されていることを意味する。計測肢位は,下垂位(1st),90°外転位(2nd),90°屈曲位(3rd),最大水平内転位(90Had),45°挙上での最大水平内転位(45Had),胸郭背面での最大水平外転位(20Hab),45°挙上での最大水平外転位(45Hab),最大水平外転位(90Hab),最大伸展位(Ext)のそれぞれの肢位にて被験者が疼痛を訴える直前まで他動的に最大内旋運動を行った9肢位に,更に安静下垂位(Rest)を加えた計10肢位とした。統計学的検定は,各肢位の棘上筋の弾性率について一元配置分散分析および多重比較検定を行い,有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言を順守し,所属機関の倫理委員会の承認(承認番号E-1162)を得て行った。対象者には紙面および口頭にて研究の趣旨を説明し,同意を得た。【結果】全10肢位のそれぞれの弾性率(平均±標準偏差,単位:kPa)はRestが26.2±10.9,1stが21.2±8.0,2ndが37.0±13.7,3rdが28.3±11.2,90Hadが29.3±9.5,45Hadが37.1±16.7,20Habが34.0±13.1,45Habが83.3±35.4,90Habが86.0±34.1,Extが95.7±27.6であった。統計学的にはRest,1st,2nd,3rd,90Had,45Had,20Habに対して45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値を示した。Rest,1st,2nd,3rd,90Had,45Had,20Habそれぞれの肢位間では,1stと2ndとの間にのみ有意差が見られ,その他は有意差が無かった。45Hab,90Hab,Extそれぞれの肢位間には有意な差は無かった。【考察】棘上筋のストレッチ方法は,Restに対して弾性率が有意に高値を示した45Hab,90Hab,Extの3肢位が有効であることが示され,有効な3肢位は全て伸展領域の肢位であった。しかしながら,同様に伸展領域の肢位である20Habには有意差は認められなかった。全肢位中,45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値で,かつ,20Habに有意差が見られなったことから考えると,棘上筋のストレッチ方法はより大きな伸展角度での水平外転・内旋もしくは,最大伸展位での内旋が効果的であることが明らかとなった。この結果は新鮮遺体での先行研究を支持するものであった。しかし書籍などで推奨されていた胸郭背面での水平外転位のストレッチについては水平外転よりもむしろ伸展を強調すべきであることが明らかとなった。【理学療法学研究としての意義】これまで新鮮遺体でしか定量的な検証が行えていなかった棘上筋のストレッチ方法について,本研究では弾性率という指標を用いる事で,生体の肩関節において効果的な棘上筋のストレッチ方法が検証できた。その運動方向は,より大きな伸展角度での水平外転・内旋もしくは,最大伸展位での内旋であることが明らかとなった。
著者
草野 拳 西下 智 中村 雅俊 梅垣 雄心 小林 拓也 田中 浩基 梅原 潤 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1366, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】腱板筋は肩関節の動的安定性に強く関与しており,自由度が高く運動範囲が広い肩関節において重要な役割を果たしている。棘下筋や小円筋などの腱板筋の柔軟性が低下することで,可動域制限や疼痛により日常生活動作が制限されることもある。筋の柔軟性低下や可動域制限に対してはストレッチング(ストレッチ)が用いられている。臨床で多く行われているストレッチにスタティックストレッチ(SS)があり,筋の柔軟性を向上させるためには,適切な肢位で十分な時間SSを継続する必要がある。棘下筋の効果的なSS肢位に関する報告は解剖学や運動学の知見をもとに幾つかあるが,確立されていない。新鮮遺体を用いて棘下筋に対するストレッチ研究を行ったMurakiらによると,棘下筋が最も伸張される肢位は挙上位での内旋,または伸展位での内旋である。この結果をもとに生体における検証を行った我々の研究においても,伸展位での内旋が最も効果的であるという結果が確かめられている。しかし実際にSS前後での柔軟性の変化については検証されていない。そこで本研究では,計3分間の伸展,内旋方向SSが棘下筋の柔軟性向上,内旋可動域拡大に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。そのなかで,SSを30秒刻みで行うことでSS間における柔軟性の時間的な推移を見ることにした。【方法】対象筋は健常成人男性16名(平均年齢22.7±1.6歳)の非利き手側の棘下筋とした。筋の硬さの程度を表す指標である弾性率の計測は,超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用いた。弾性率は低値を示す程筋が柔らかいことを意味する。計測部位は棘下筋上部で統一し,筋腹に設定した関心領域の弾性率を3回計測し,その平均値を算出した。計測肢位は腹臥位にて母指を第7胸椎に合わせた肢位とした。SSは腹臥位にて肩甲骨を上から圧迫し固定した状態で,結帯肢位から母指を脊椎に沿わせて他動的に肩関節伸展,内旋運動を行った。運動強度は被験者が疼痛を訴える直前までとし,SS30秒,計測30秒の間隔で6セット行った。計測はSS介入前(Pre),各SS間(SS1,SS2,SS3,SS4,SS5),SS介入後(Post)で行い,計7回計測した。また,PreとPostに腹臥位にて,外転90°(2nd)での内旋角度をデジタル角度計で3回計測し,その平均値を算出した。統計学的検定は,測定ごとの棘下筋の弾性率について一元配置分散分析および多重比較を行い,またPreとPostの2nd内旋角度間で対応のあるt検定を行った。有意水準は5%とした。【結果】測定ごとの弾性率(平均±標準偏差,単位:kPa)はPreが12.0±5.1,SS1が10.4±4.1,SS2が9.5±3.4,SS3が9.7±3.9,SS4が9.3±3.5,SS5が9.1±3.4,Postが8.6±3.3であった。また2nd内旋角度(単位:°)はPreが58.4±7.5,Postが62.6±5.9であった。統計学的には,多重比較によりPreに対しSS1,SS2,SS3,SS4,SS5,Postで有意に弾性率の低下が見られた。対応のあるt検定により,Preに対しPostで有意に2nd内旋角度の拡大が見られた。【考察】PreとPostの比較より,計3分間の肩関節伸展,内旋方向SSによって棘下筋の柔軟性は向上し,可動域の拡大も得られることが明らかとなった。さらに30秒ごとに弾性率の変化を見ることで,30秒のSSにより弾性率が低下し,30秒と3分のSSでは弾性率に変化が見られないことが明らかとなった。弾性率を指標に下肢でストレッチ研究を行った我々の研究では,腓腹筋の柔軟性の向上には2分以上のSSが必要であることが明らかとなっているが,それに対し棘下筋ではより短いSS時間で柔軟性が向上したと考えられる。これは棘下筋の筋断面積が腓腹筋に比べ非常に小さいことが理由として考えられる。【理学療法学研究としての意義】これまでストレッチ前後での柔軟性の変化が検証されていなかった棘下筋に対し,先行研究で最も効果的であるとされている伸展,内旋方向SSを3分間行うことによって棘下筋の柔軟性は向上し,内旋可動域も有意に拡大することが明らかとなった。また,このSSにより30秒で棘下筋の柔軟性が向上していることが明らかとなった。
著者
季 翔 正木 光裕 梅垣 雄心 中村 雅俊 小林 拓也 山内 大士 建内 宏重 池添 冬芽 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0486, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】近年開発された超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能で測定される弾性率は,筋の伸張性を反映することが報告されている(Maïsetti 2012, Koo 2013)。そのため,この弾性率を指標として個別の筋の伸張の程度を定量的に評価することが可能となった。臨床において筋・筋膜性腰痛や背部筋の過緊張に対する運動療法として,背部筋のストレッチングがよく用いられている。背部筋のなかで脊柱起立筋は脊柱の伸展,同側側屈,同側回旋,多裂筋は脊柱の伸展,同側側屈,反対側回旋の作用を有する。そのため,脊柱起立筋は脊柱の屈曲,反対側側屈,反対側回旋,多裂筋は脊柱の屈曲,反対側側屈,同側回旋で伸張される可能性が考えられる。しかし,どのような肢位で脊柱起立筋や多裂筋が最も効果的に伸張されるかについては明らかではない。本研究の目的は,せん断波エラストグラフィー機能で測定した弾性率を用いて,脊柱起立筋と多裂筋の効果的なストレッチング方法を明らかにすることである。【方法】対象は整形外科的および神経学的疾患を有さない健常若年男性10名(年齢22.9±2.3歳)とした。なお,腰痛を有する者は対象から除外した。筋の弾性率(kPa)の評価には,せん断波エラストグラフィー機能を有する超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)を用い,各筋の筋腹に設定した関心領域のせん断速度から弾性率を求めた。なお,弾性率の値が高いほど筋は硬く,伸張されていることを意味する。対象筋は左腰部の脊柱起立筋(腰腸肋筋)および右腰部の多裂筋とした。測定部位は脊柱起立筋が第3腰椎棘突起の7cm外側,多裂筋が第4腰椎棘突起の2cm外側とした。測定肢位は①安静腹臥位(以下,rest),②正座の姿勢から体幹を前傾し,胸腰推を40~45°屈曲した肢位(以下,屈曲),③ ②の胸腰推を40~45°屈曲した肢位からさらに胸腰推を30°右側屈した姿勢(以下,屈曲右側屈),④ ②の胸腰推を40~45°屈曲した肢位からさらに胸腰推を30°右回旋した姿勢(以下,屈曲右回旋)とした。なお,本研究においては多くのストレッチング肢位をとることで筋の柔軟性が増加し,弾性率に影響が生じる可能性を考慮し,ストレッチング肢位は上記②~④の3条件のみとし,測定の順序はランダムとした。また,②~④の肢位では,できるだけ安楽な姿勢をとらせるために腹部にストレッチポールを挟んだ。なお,胸腰推の角度は日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会による測定法に準じた。統計学的検定には,Bonferroni法による多重比較検定を用いて,測定肢位による弾性率の違いを分析した。なお,有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者には研究内容について十分な説明を行い,同意を得たうえで実施した。【結果】左脊柱起立筋の弾性率については,屈曲右側屈(20.8kPa),屈曲(13.7kPa)がrest(5.0kPa)よりも有意に高かった。また,屈曲右側屈が屈曲,屈曲右回旋(9.2kPa)よりも有意に高い値を示し,屈曲と屈曲右回旋との間に有意な差はなかった。右多裂筋の弾性率については,屈曲(30.7kPa),屈曲右回旋(30.2kPa)屈曲右側屈(17.6kPa)がrest(5.7kPa)よりも有意に高かった。また,屈曲右側屈が屈曲,屈曲右回旋よりも有意に低い値を示し,屈曲と屈曲右回旋との間に有意な差はなかった。【考察】せん断波エラストグラフィー機能による弾性率を用いて背部筋の伸張の程度を調べた結果,脊柱起立筋においては,脊柱屈曲位で反対側側屈することが最も効果的なストレッチング方法であることが明らかとなった。脊柱起立筋は,脊柱屈曲位,脊柱屈曲位で反対側側屈することで筋を伸張することができ,また,脊柱屈曲位で反対側側屈することは,脊柱屈曲位や脊柱屈曲位で反対側回旋することよりもより効果的に伸張することができることが示唆された。脊柱屈曲位で反対側回旋させるよりも反対側側屈させるほうが,脊柱起立筋を伸張させるのに効果的である理由としては,脊柱起立筋の側屈モーメントアームは回旋モーメントアームよりも大きいことが影響していると考えられる。また,多裂筋は特に脊柱屈曲位および脊柱屈曲位で同側回旋において伸張されることが示唆された。この脊柱屈曲位と脊柱屈曲位で同側回旋との間には有意差がみられなかったことから,同側回旋を加えなくても脊柱を屈曲するだけで多裂筋は効果的に伸張することができると考えられた。脊柱屈曲位で同側回旋を加えても多裂筋に影響を与えなかった理由として,多裂筋は回旋作用を有するが,回旋モーメントアームは小さいことによるものと考えられる。【理学療法学研究としての意義】本研究によって,脊柱起立筋は脊柱屈曲位でさらに反対側側屈を加えることで,多裂筋は脊柱を屈曲することで,より効果的に伸張できることが示唆された。
著者
林 拓児 石川 定 河村 隆史 中川 大樹 川平 和美
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.129-132, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

〔目的〕通所リハビリテーション利用中の慢性期脳卒中片麻痺者に対して促通反復療法(治療的電気刺激・振動刺激併用)を低頻度で施行し,片麻痺上肢の麻痺改善効果を検討した.〔対象と方法〕通所リハビリテーション利用中の慢性期片麻痺者43名を対象に,麻痺側の上肢と手指に30分間,週2回の低頻度で12週間,治療を実施した.実施した治療法により伝統的な片麻痺治療法群と促通反復療法群に分け,上田式12段階片麻痺機能テスト法による評価をもとに,治療前後の麻痺の程度,改善度,有効率(改善人数/対象者数)を2群間で比較した.〔結果〕促通反復療法が伝統的な片麻痺治療法よりすべての指標において有意に高い麻痺改善の効果を示した.〔結語〕促通反復療法は低頻度でも有効な慢性期脳卒中片麻痺の治療法として今後の発展が期待できる.
著者
林 拓也
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.73-84, 2017 (Released:2017-12-01)
参考文献数
35

This study focuses on workers' differentiation in occupational cognition based on the subjective evaluation of distance between self and various occupations. Data from a Web survey conducted in 2013 are used. The sample consists of males or females in labor force between 20 and 59 years old. In the analyses I applied the Reduced K-means cluster analysis and 2 to 10 clusters of respondents were extracted. I adopt the 6 cluster solution with 4 dimensions. These clusters are interpreted in terms of affinity to occupations; (1) high status, (2) low status, (3) routine manual (male dominated), (4) high autonomy (male dominated), (5) personal service with professional, technical skills (female dominated), and (6) nonmanual in bureaucratic organization (female dominated). Then, I analyze the relationships between the cluster membership and several occupational traits of respondents to examine the differentiation of occupational groups. Implications of findings are discussed in terms of social class and gender segregation.
著者
小林 拓夢 鈴木 浩 服部 哲 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-5, 2013-03-11

ライフログとは,毎日の出来事などをデジタルデータに記録することであり,ログを見直すことで,これからの行動に役立てることもできる.Twitter は,日々何か思ったことや,出来事などをつぶやくサービスであり,筆者は,先行研究において Ttwitter のツイートを利用したライフログシステムを試作した.このシステムは,システム利用者に関連のあるツイートを自動取得し,ライフログとして見やすい形で表示することができるものである.評価は良好であったが,ツイートのタグ付けを自動で行ってほしいという意見が多かった.また,Twitter に関連する分類は盛んに行われているが,Twitter ユーザの分類であったり,ハッシュタグの分類であったり,ユーザ個人が利用するタグ付け手法は提案されていない.そこで,本研究では Twitter のツイートの自動タグ付けできる 「ツイートの自動タグ付け」 を提案する.本研究では,Twitter のツイートを形態素解析し,はてなキーワードと,はてなキーワードカテゴリデータベースを使用することで,ツイートの自動タグ付けを実現した.タグ付けされるカテゴリは,食・コンピュータ・スポーツ・映画など17種類で,ユーザはカテゴリ別に過去のツイートを検索し,一覧で表示することもできる.評価実験からツイートを自動タグ付けすることができ,検索方法を変更することでライフログとして有用なツイートを容易に検索することができることが分かった.また,本システムの課題や改善点も見つかった.Life-log is a memory of daily happenings. It is kept in digital data. When you review the life-log you can help you to action in the future. Twitter is service of tweets that are full of daily happenings, thinking and places. Authors have developed a life-log system using the tweets Twitter in previous studies. That system can Automatically obtain the tweets and can easy-to-see twitter's tweet. Many opinions on the evaluation were good but some opinions said want to automatically tagging tweets. In addition, related to Twitter classification has been done, but that are classification of Twitter user or hash tag. Tagging for tweet has not been proposed. In this paper, we propose "automatic tagging of Twitter's tweet". In this study was achieved. This study has morphological analysis of Twitter tweets and use "Hatena keyword" and "Hatena keyword category database" tags are 17 types, such as movies, sports, computer, food categories and user can also search past tweets by categories, displayed in a list. The evaluation shows This system can be tagged automatically tweets and be able to easily search for tweets. In addition, we also found issues and improvement of this system.
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 梅垣 雄心 小林 拓也 武野 陽平 市橋 則明
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101053, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】ハムストリングスのストレッチング方法は主観的な伸張感により,近位部を伸張するには股関節屈曲位での膝関節伸展,遠位部を伸張するには膝関節伸展位での股関節屈曲が推奨されている.しかし,これら2種類のストレッチング方法の違いが近位部と遠位部の伸張性に及ぼす影響について客観的な指標を用いて比較した報告はなく,科学的根拠は乏しいのが現状である.そこで本研究は剪断波超音波診断装置を用いて,これら2種類の異なるストレッチング方法がハムストリングスの各部位における伸張の程度に及ぼす影響を検討し,ストレッチング方法の違いによって近位部と遠位部を選択的に伸張できるかを明らかにすることを目的とした.【方法】対象は整形外科的疾患を有さない健常男性15名(年齢23.8±3.2歳)とし,利き脚 (ボールを蹴る) 側の半腱様筋(ST)と大腿二頭筋長頭(BF)を対象筋とした.対象者をベッド上背臥位にし,骨盤後傾を防ぐために反対側下肢をベッドから下ろして骨盤を固定した状態で他動的に股関節90°屈曲位から痛みを訴えることなく最大限,伸張感を感じる角度まで膝関節伸展を行うストレッチング(KE),膝関節完全伸展位から痛みを訴えることなく最大限,伸張感を感じる角度まで股関節屈曲を行うストレッチング(SLR),股関節90°屈曲・膝関節90°屈曲位の安静時の3条件での筋の伸張の程度を評価した.筋硬度の測定には超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製 Aixplorer)の剪断波エラストグラフィ機能を用いて,STとBFそれぞれ大腿長の近位1/3(近位),1/2(中間),遠位1/3(遠位) の筋硬度を無作為な順番で測定した.筋は伸張されると筋硬度が増すことが報告されているため,伸張量の指標として筋硬度を用いた. 統計学的処理は,STとBFにおける各部位の安静時とKE,SLRの条件間の違いをScheffe法における多重比較を用い検討した.また安静時に対するKEとSLRの変化率を求め,各部位におけるKEとSLRの変化率の違いと近位,中間,遠位の部位による違いについてScheffe法における多重比較を用い比較した.なお,有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】対象者には研究の内容を十分に説明し,研究に参加することの同意を得た.【結果】STの筋硬度について近位部は安静で39.6±31.8kPa,KEで398.4±125.8kPa,SLRで354.3±109.4kPa,中間部は安静で61.0±23.2kPa,KEで507.9±71.5kPa,SLRで472.6±81.5kPa,遠位部は安静で66.5±29.3kPa,KEで504.3±103.6kPa,SLRで478.4±151.2kPaであった.BFにおける近位部は安静で30.6±12.8kPa,KEで361.4±91.8kPa,SLRで343.3±92.6kPa,中間部は安静で45.4±32.3kPa,KEで386.4±147.6kPa,SLRで392.3±98.8kPa,遠位部は安静で54.1±22.4kPa,KEで490.5±112.3kPa,SLRで425.8±109.5kPaであった.多重比較の結果,STとBFともに近位,中間,遠位部の全ての部位において安静条件と比較してKEとSLRで有意に高値を示した.また安静時に対するKEとSLRの変化率を比較した結果,STとBFの全ての部位においてKEとSLR間で有意差は認められなかった.安静時からの変化率について近位,中間,遠位の部位間で比較した結果,STとBFのKEとSLRともに部位による有意差は認められなかった.【考察】本研究の結果,KEとSLRの2つのストレッチング法はともにSTとBF両筋の全ての部位を伸張することが可能であった.さらに,KEとSLR間では全ての部位で有意差が認められなかったことより,どの部位でも両ストレッチング方法による伸張の程度に違いはないことが明らかとなった.また,近位,中間,遠位部の比較においても有意差が認められなかったことより,部位による違いはないことも明らかとなった.これらの結果より,二関節筋であるSTとBFを伸張する場合にはKEとSLRの方法による違いはなく,両ストレッチングとも全ての部位において同じ程度のストレッチング効果が得られること,すなわちこれらストレッチング方法の違いによって近位部と遠位部を選択的に伸張することは困難であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】股関節を屈曲した状態から膝関節を伸展するストレッチングと膝関節完全伸展位から股関節を屈曲するストレッチングの両ストレッチング手技ともにハムストリングスの近位部,遠位部を一様に伸張する効果があることが明らかとなった.
著者
水野(松本) 由子 小室 寛子 小縣 拓也 浅川 徹也 林 拓世
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.61-72, 2012-04-01 (Released:2014-08-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2

情動ストレス刺激直後における脳波の経時的変化を定量的に評価した。被験者は健常成人22名で, 心身状態をCornell Medical Index (以降, CMI) を用いて評価し, 領域I を健常群, 領域II, III, IVをCMI 高値群に分類した。被験者には, 安静, 快, 不快の視聴覚動画像刺激を提示し, 180 秒間にわたって脳波を測定した。十分な休息を挟みながら, 各刺激提示を3試行, ランダムな順序で実施した。1試行180 秒間のうち, アーチファクトを除いた152 秒間について, α帯域の平均スケログラム値 (ウェーブレットスペクトル値) を求め, 3試行分の平均値について, 測定部位ごとに, 刺激間, 被験者間の比較を行った。さらに, 実験開始前の安静閉眼の無負荷状態を基準値とし, 4 秒ごとの相対平均スケログラム値を求め, 刺激後の経時的変化を回帰分析を用いて定量化した。その結果, 健常群ではCMI 高値群と比較して, 情動刺激に対する反応が大きく鋭敏であった。健常群のスケログラム値は, 安静刺激では無負荷状態と同値に近づき, 不快刺激では増加した。心身状態の違いにより, 情動ストレス負荷後の脳波の経時的変化に違いがみられた。
著者
石井 俊行 林 拓磨
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.335-346, 2015 (Released:2016-02-24)
参考文献数
13

The purpose of this study is to demonstrate the efficacy of students solving science problems involving amounts per unit while guiding them to pay enhanced attention to units and the results of their abilities to solve science problems, regardless of the presence of such units in examination questions.The results of the study reveals the following:1) Students improved not only in solving science problems on amounts per unit but also in being able to solve other science problems they had not studied, by guiding students to pay enhanced attention to units.2) In general, it is important to comprehend the meaning of units in order to understand science concepts. Teachers must guide students to pay enhanced attention to unit dimensions and comprehend the meaning of units so that they are able to solve science problems more easily.Therefore, it is essential for teachers to instruct students more carefully on units.
著者
鴨 宏一 村松 歩 多屋 優人 横山 浩之 浅川 徹也 林 拓世 水野(松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.193-201, 2013-08-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究では携帯端末による情動刺激下での脳波を用いた脳機能の評価を目的とした。被験者は健常成人24 名で,Cornell Medical Index(CMI),日本版State-Trait Anxiety Inventory(STAI),簡易ストレス度チェックリスト(SCL)によって心身状態を評価し,心理検査低値群と心理検査高値群に分類した。情動刺激は,情動的視聴覚セッション(安静,快,不快)と情動的文章セッション(快文章,不快文章)を用意し,携帯端末からの視聴覚刺激として被験者に提示し,脳波を計測した。脳波は離散フーリエ変換を行い,パワースペクトル値を算出した。α2 帯域の結果から,心理検査高値群は不快刺激および不快文章刺激時に側頭部でスペクトル値が高値を示した。以上より,携帯端末による情動刺激が精神安定度と関連して,脳機能の反応に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
片山 耕大 魲 洸平 寿野 良二 木瀬 亮次 辻本 浩一 岩田 想 井上 飛鳥 小林 拓也 神取 秀樹
出版者
Springer Nature
雑誌
Communications Biology
巻号頁・発行日
no.4, 2021

振動分光法を駆使した薬剤効能測定法の開発 --アセチルコリン受容体を標的とした神経疾患の治療薬開発への期待--. 京都大学プレスリリース. 2021-12-01.
著者
瀬尾 和哉 佐藤 充 鎌田 圭介 小林 拓人
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2020 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp.A-3-1, 2020 (Released:2021-06-01)

We developed a new suit for Tokyo 2020Olympic and Paralympic cycling road races. Several clothes were tested by using a truncated cone wrapped with cloth in the wind tunnel. On the basis of the drag measurements, several pilot suits were made. They were tested by using a full-scale mannequin which can pedal the bike in the wind tunnel. Finally, we succeeded in developing the new suit for Tokyo 2020Olympic and Paralympic cycling road races, which is superior to Beijing model.
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 梅垣 雄心 西下 智 小林 拓也 藤田 康介 田中 浩基 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

<b>【はじめに,目的】</b>臨床において,腸腰筋の短縮による股関節伸展制限や股関節屈曲拘縮は問題となることが多く,腸腰筋の伸張性を維持・改善するためにストレッチングがよく行われている。ストレッチングの基本的な方法は筋の作用と反対方向へ伸張することであり,腸腰筋のストレッチングとしては股関節を伸展する方法がよく用いられている。しかし,腸腰筋には股関節屈曲作用に加えて,腸骨筋では股関節外転および内旋,大腰筋では股関節内転および外旋作用があると報告されている。そのため,股関節伸展に加えて股関節の内・外転もしくは内・外旋を加えることで,より腸腰筋は伸張される可能性が考えられる。近年,せん断波エラストグラフィー機能により,組織に伝わるせん断波の速度を測定し,組織の硬度(弾性率)を算出することが可能になり,弾性率は筋の伸張の程度を反映していることが報告されている。そのため,この弾性率は腸腰筋のような深部筋の伸張程度を非侵襲的に評価できる有用な指標とされている。本研究の目的は,股関節伸展に股関節内・外転や内・外旋を加えることで腸腰筋をより伸張できるかどうかを明らかにすることである。<b>【方法】</b>対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常若年男性10名(平均年齢23.6±2.2歳)の利き脚(ボールを蹴る)側の腸腰筋とした。対象者をベッド上,背臥位にて安静にした安静時と,ストレッチング肢位は反対側の股関節を最大屈曲することで骨盤を後傾位に固定し,検査側の膝関節は大腿直筋の伸張の影響を考慮し,軽度屈曲位とした状態を基準とした。その後,対象者が痛みを訴えることなく最大限耐えうる角度まで他動的に股関節伸展する条件(伸展)と対象者が最大限耐えうる角度まで股関節内転,外転,内旋・外旋した状態から最大限股関節伸展する条件(内転,外転,内旋,外旋)の計5条件とし,安静を加えた6条件の施行は無作為の順番で行った。腸腰筋の弾性率(kPa)の評価は,SuperSonic Imagine社製超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能を用い,大転子の高さの鼠径部で腸腰筋を同定し,測定を行った。弾性率の測定は各条件2回ずつ行い,その平均値を解析に用いた。弾性率は筋の伸張の程度と高い相関関係を示すことが報告されており,弾性率が高いほど,筋は伸張されていることを意味している。統計学的検定は,各条件における腸腰筋の弾性率をBonferroni補正におけるWilcoxon符号順位検定を用いて比較した。なお,有意水準は5%未満とした。<b>【倫理的配慮,説明と同意】</b>本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て(承認番号E-1162),文書および口頭にて研究の目的・趣旨を説明し,同意を得られた者を対象とした。<b>【結果】</b>腸腰筋の弾性率は安静時24.6±19.4kPa,伸展71.7±45.0kPa,内転60.9±27.2kPa,外転78.3±45.1kPa,内旋115.8±49.9kPa,外旋93.5±45.7kPaとなった。統計処理の結果,安静時に対して伸展,内転,外転,内旋,外旋のすべてのストレッチング条件で有意に高値を示した。また,伸展の弾性率と比較すると,内旋では有意に高値を示したが,内転と外転および外旋では有意差は認められなかった。<b>【考察】</b>本研究の結果,安静時と比較して全てのストレッチング条件で弾性率は有意に増加したことから,本研究で用いたストレッチング肢位はいずれにおいても腸腰筋を伸張することが可能であることが明らかとなった。また,伸展と比較して内旋で有意に増加したことから,一般的によく用いられている腸腰筋のストレッチング法である股関節伸展方向へのみのストレッチングよりも股関節伸展に内旋を加えることで,より腸腰筋を伸張できることが示唆された。その理由として,腸腰筋のなかで大腰筋は股関節外旋作用を持つと報告されており,股関節伸展に内旋を加えることで大腰筋がより伸張された可能性が考えられる。一方,他の肢位で腸腰筋がより伸長出来なかった理由として,腸骨筋は安静時には外転の作用があるが,内転すると内転作用に変化するため,内転することで腸骨筋が緩んだ可能性が考えられる。また,股関節伸展に外転・外旋を加えると腸骨大腿靭帯が伸張されるため,股関節伸展に外転や外旋を加えたストレッチング条件の最終可動域では腸腰筋よりも腸骨大腿靭帯が伸張され,腸腰筋の弾性率の増加にはつながらなかった可能性が考えられる。<b>【理学療法学研究としての意義】</b>臨床において腸腰筋のストレッチングは股関節伸展が用いられることが多いが,股関節伸展に内旋を加えることで,より効果的に腸腰筋を伸張することができることが示唆された。
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
林 拓也
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.334-349, 1997-12-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
28

本稿では, 現代日本において, 地域における機会の格差がどの程度個人の地位達成に影響を及ぼしているのかを分析する。データは, 1995年に実施されたSSM全国調査における25~59歳男性サンプルを用いた。方法上のアプローチとしては, (1) 地域区分に関して, 機会の多寡を反映するように, 六大都市/大都市周辺都市/地方中核都市/その他地方都市/村・町という区分を用い, (2) 地域移動の可能性も考慮に入れ, 前住地による格差を対象とし, (3) 地域移動者と非移動者とを比較する視点から分析を行った。学歴達成については, 地域格差が特に非移動者において顕著であり, 大都市およびその周辺都市の出身者が高い学歴を示す。また, 地域移動は高等学歴へのアクセス手段であることが示唆される。その変動を見るために, 出生コーホート別に分析を行った結果, 若いコーホートにおいてその格差が再び拡大していた。初職達成においては, 学歴達成の場合と異なった形の地域差が見られ, 職業威信スコアで見た場合, 教育地が大都市の者が最も低いスコア, 地方都市の者が最も高いスコアを示していた。ただし, これは地域における機会ではなく, 出身階層や教育機関の特性など他の要因によるものである。
著者
梅垣 雄心 中村 雅俊 武野 陽平 小林 拓也 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101963, 2013

【はじめに、目的】臨床現場において、ハムストリングスのストレッチングは多くの場面で用いられている。近年、ストレッチングの効果に関して多く報告されているが、ストレッチング法について検討した報告は少なく、特に内外側ハムストリングスの選択的なストレッチング法について、科学的根拠は示されていない。理論的に筋のストレッチングは筋の作用と逆方向へ伸張すべきであり、ハムストリングスは股関節伸展・膝関節屈曲作用に加え、内側は股関節内旋、外側は外旋作用を有していることから、内側は股関節屈曲・外旋位から膝関節伸展、外側は股関節屈曲・内旋位から膝関節伸展の他動運動が効果的なストレッチングになると考えられる。その一方で股関節屈曲・膝関節伸展に股関節外旋を加えることで外側を、内旋を加えることで内側を選択的に伸張できるという報告もあり、統一された見解は得られていない。そこで、本研究では筋は伸張されると硬くなるという先行研究に基づき、超音波診断装置と弾力評価装置を用いて筋硬度を測定し、筋の伸張量の指標とした。本研究の目的は股関節屈曲・膝関節伸展に股関節の内旋と外旋を加えることが、内・外側ハムストリングスの伸張量に与える影響を明確にすることである。【方法】対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常男性17名(平均年齢24±3.4歳)の利き脚(ボールを蹴る)側の大腿二頭筋(以下:BF)及び半腱様筋(以下:ST)とした。ストレッチング肢位は、背臥位でベッド側方から非利き脚をたらし、ベルトで骨盤を固定した。試行は股関節90°屈曲、膝関節90°屈曲位(以下Rest)、股関節 90°屈曲・最大内旋からの膝関節伸展(以下IR)、股関節90°屈曲からの膝関節伸展(以下NOR)、股関節90°屈曲・最大外旋からの膝関節伸展(以下ER)の4試行とし,IR、NOR、ERでは痛みを訴えず、最大限伸張する角度まで他動的関節運動を行い、その時の膝関節伸展角度と筋硬度を測定した。 筋硬度の評価はテック技販製弾力評価装置(弾力計)と、SuperSonic Imagine社製超音波診断装置の剪断波エラストグラフィ機能 (以下:エラスト)を用いた。弾力計では圧力20NでRestのみ2回測定し、その平均値を算出した。IR、NOR、ERは1回の測定値を使用した。エラストでは全て1回の測定値を使用した。測定位置は,坐骨結節と外側上顆を結ぶ線の中点の位置でBFを、坐骨結節と内側上顆を結ぶ線の中点の位置でSTを触診しながら測定を行った。統計学的解析では、BFとSTにおける筋硬度値と膝関節伸展角度をそれぞれ各条件間でWilcoxon検定を用いて比較し、Bonferroni補正を行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には研究の内容を説明し、研究に参加することの同意を得た。【結果】BFでは、弾力計の値はRestに比べ、IR,NOR,ERが有意に減少し、エラストの値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に増加しが、両筋硬度ともIR、NOR、ERの間に有意な差は認められなかった。STでは、弾力計の値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に減少し、ERに比べ、IR、 NORが有意に減少したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。エラストの値はRestに比べ,IR,NOR,ERが有意に増加し、ERに比べIR、NORが有意に増加したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。膝関節伸展角度は、NORで-21.5±12.2、IRは-31.5±7.2、ERは-36.5±8.8であり、NORはIR,ERに比べ有意に高値を示し、IRはERに比べ有意に高値を示した。【考察】本研究では、 BFはIR,NOR,ERの間で伸張量に変化がなかったことから、BFの伸張量を股関節内外旋の動きにより、コントロールすることは困難であることが示唆された。一方、STはERに比べIR、NORの方が有意に伸張されたことから、大きな外旋の動きを加えた場合より、股関節内外旋の動きを加えない場合や大きな内旋の動きを加えた場合の方が、STは伸張されやすいことが示唆された。この理由として、内側ハムストリングスの股関節内旋作用、外側ハムストリングスの外旋作用というのは解剖学的肢位での作用であり、股関節屈曲や最大内外旋することによって作用が変化している可能性が考えられる。また、ERにおいて、NORやIRと比較して膝関節伸展角度が有意に小さく、BFが伸張されていないことから、ERではハムストリングス以外の要素が優先的に膝関節伸展を妨害しており、その結果としてBFが伸張されなかった可能性も考えられる。【理学療法学研究としての意義】ハムストリングスのストレッチングにおいて、股関節内外旋の動きを加えることでより伸張することは難しいことが考えられ、ハムストリングスのストレッチングにおいては股関節内外旋の動きを大きく加える必要はないことが考えられる。
著者
福島 正子 小林 拓美 竹山 恵美子 早川 保昌
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.682-686, 1990-09-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

弱酸性食品であるビールに金属アルミニウムが長時間接触した場合,食品がどのような影響を受けるか,その腐食傾向と食品中のアルミニウム溶存量を測定することにより検討した.まずビールによる金属アルミニウムの腐食傾向を自然電極電位の経時変化及び分極曲線で測定したところ,ビールはアルミニウムを局部腐食より全面腐食しやすいということがわかった.次に市販ビール中に溶存するアルミニウムを原子吸光分光光度計で定量した場合,缶からビール中にアルミニウムが溶出することがわかった.その際溶出量は3ケ月以上の室温保存で有意に増加することが認あられた.また5℃で保存したものより室温保存した市販缶ビールの方がアルミニウム溶存値は高いという結果が得られた.