著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
中村 雅俊 池添 冬芽 梅垣 雄心 西下 智 小林 拓也 田中 浩基 藤田 康介 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0402, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】スタティックストレッチング(SS)は筋の柔軟性の改善を目的として広く用いられている。SSが筋の柔軟性に与える影響については,関節可動域(ROM)を指標として検討されることが多い。しかし,ROMは対象者の痛みに対する慣れなどの影響があるため,近年では関節を他動的に動かした時に生じる受動トルクあるいは受動的トルクと関節角度との関係(角度―トルク曲線)から求めた筋腱複合体(MTU)全体のスティフネスを柔軟性の指標として用いることが推奨されている。我々は腓腹筋MTUを対象にSSが受動トルクに及ぼす影響を経時的に検討し,腓腹筋の柔軟性を増加させるには最低2分間以上のSS時間が必要であることを報告した(Man Ther, 2013)。しかし,筋の柔軟性を増加させるために必要なSS時間については対象筋によって異なる可能性が考えられる。そこで本研究は臨床においてSSを行う機会が多いハムストリングスを対象筋とし,5分間のSSがハムストリングスMTUに及ぼす影響を経時的に検討し,ハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間について明らかにすることを目的とした。【方法】対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常若年男性15名(平均年齢23.4±2.2歳,股関節90°屈曲位での膝最大伸展角度-33.4±6.1,最大膝伸展時の受動的トルク40.6±11.4Nm)の利き脚(ボールを蹴る)側のハムストリングスとした。スティフネスの評価は等速性筋力測定装置(Biodex社製Biodex system 4.0)を用い,背臥位にて骨盤を軽度前傾位に固定した状態で,股・膝関節90°屈曲位から痛みが生じる直前まで角速度5°/秒で他動的に膝関節を伸展させた際に得られる膝屈曲方向に生じる受動トルクの計測を行った。この受動トルクと膝関節角度との角度―トルク曲線を求め,先行研究に従って最終10%の角度範囲の傾きをスティフネス(Nm/°)と定義した。SSは等速性筋力測定装置を用い,スティフネスの測定と同様に股関節90°屈曲位で膝関節を伸展していき,痛みが生じる直前の膝関節角度で1分×5回(計5分間)のSSを行った。SS開始前(SS前)とSS開始後1分毎にスティフネスの評価を行った。なお,SS開始後のスティフネスの評価,すなわち最終10%の角度範囲での角度―トルク曲線の傾きの算出については,SS前と同様の角度範囲を用いた。統計学的処理は,SS前とSS後1分毎のスティフネスについて,一元配置分散分析とScheffe法における多重比較検定を用いて比較した。有意水準は5%未満とした。なお,結果は全て平均±標準誤差で示した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て(承認番号E-1877),文書および口頭にて研究の目的・主旨を説明し,同意が得られた者を対象とした。【結果】ハムストリングスのスティフネスはSS前:1.23±0.24Nm/°,SS後1分:1.14±0.17Nm/°,SS後2分:1.08±0.16Nm/°,SS後3分:0.90±0.18Nm/°,SS後4分:0.83±0.16Nm/°,SS後5分:0.74±0.11Nm/°であった。一元配置分散分析の結果,スティフネスに有意な変化が認められ,多重比較の結果,SS前と比較してSS後3,4,5分目で有意に低値を示した。さらに1分目と比較して4,5分目,2分目と比較して5分目で有意に低値を示した。【考察】本研究の結果,スティフネスはSS前と比較してSS後3,4,5分目で有意に低値を示したことから,SS開始後3分目以降でハムストリングの柔軟性向上効果が得られることが示された。我々は腓腹筋の柔軟性を増加させるためには最低2分間のSSが必要であることを報告しており,ハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間と乖離がある。その要因としては,筋の断面積の違いと耐えうる最大の受動的トルク,つまりSS強度に違いがあることが関連していると考えられる。筋の断面積ではハムストリングスの方が腓腹筋よりも大きく,SS強度に関しては腓腹筋の方がハムストリングスよりも強かった(腓腹筋:49.4±12.4Nm,ハムストリングス:40.6±11.4Nm)。これらの結果より,ハムストリングスは腓腹筋よりも断面積が大きく,弱い強度でのSSしか行えなかったため,柔軟性を増加させるためには腓腹筋よりも長い時間である3分間のSS時間が必要になった可能性が考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法分野においてSS介入を行うことが多いハムストリングスの柔軟性を増加させるために必要なSS時間を検討した結果,最低3分のSS時間が必要であることが示唆された。
著者
林 拓也
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.25-52, 1999-06-25 (Released:2009-11-06)

The first purpose of this paper is to analyze the historical factors of the Japanese magnetic recorder (tape recorder and video tape recorder [=VTR]) industry, which developed in the 1950s, and identify the characteristics of the industry. The second purpose is to examine the point at issue, that “the development of the tape recorder industry contributed to the VTR industry.” I first pay attention to the beginning of the development of magnetic recorders in Japan and next analyze the activities of Japanese companies (i.e, Sony, Matsushita, JVC, and Toshiba) from this time.The television industry, the most famous in the Japanese electronic industry, has a pattern of growth of catching up with and surpassing Western countries, but the magnetic recorder industry is different. This industry expanded to meet the demands of Japanese broadcasters who required tape recorders to record their programs. Sony was the only company that first took up the challenge to develop tape recorders. There was no objection from other companies because there was only a small consumer market and only a professional market for tape recorders in the world in the 1950s. As for VTRs, Japanese companies were the only ones to develop helical scan (a technique later adopted by Beta and VHS) VTRs in the world. This means that there were not only products for them to market like tape recorders, but also to develop. These are the characteristics of the Japanese magnetic recorder industry that differ from the television industry.This paper analyzes the point at issue that “the development of the tape recorder industry contributed to the VTR industry” from the viewpoint of technology, staff, and experience in the development of products. It was found that the contribution of the tape recorder industry was of little consequence because of the time lag between the common use of the tape re-corder and VTRs. But in actuality, Japanese companies developed magnetic recorders at almost the same time. Therefore, it is difficult to generalize the point at issue.
著者
林 拓世@水野
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.7, pp.1874-1885, 2008-07-01

日常生活からのストレスは慢性化しやすく,時に重大な疾病を引き起こすが,評価方法については未発達段階である.本研究では,情動ストレス負荷時における生理学的信号解析として,脳機能と自律神経機能の客観的評価を行った.被験者は健常成人22名とし,大学生用ストレス自己評価尺度によりストレス群と非ストレス群に分類した.測定には脳波と心電図を用い,情動ストレス負荷として安静刺激,快刺激,不快刺激の視聴覚動画像刺激を用いた.脳波周波数解析の結果,両群ともに不快刺激は安静刺激及び快刺激と比較して,相対パワースペクトル値が高値を示した.更に不快刺激は,ストレス群では相対パワースペクトル値が有意に経時的減少を示し,非ストレス群では有意な一時的,または継続的な増加を示した.自律神経機能では,非ストレス群はストレス群と比較して反応性がより高く,特に非ストレス群では安静刺激は他の刺激と比較して副交感神経機能が有意に高かった.これらのことから,ストレスと脳機能の間に関連性が示され,更にストレス時における脳機能活動は生体抵抗性と類似した傾向を示すことが分かった.
著者
梅垣 雄心 中村 雅俊 武野 陽平 小林 拓也 市橋 則明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101963, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】臨床現場において、ハムストリングスのストレッチングは多くの場面で用いられている。近年、ストレッチングの効果に関して多く報告されているが、ストレッチング法について検討した報告は少なく、特に内外側ハムストリングスの選択的なストレッチング法について、科学的根拠は示されていない。理論的に筋のストレッチングは筋の作用と逆方向へ伸張すべきであり、ハムストリングスは股関節伸展・膝関節屈曲作用に加え、内側は股関節内旋、外側は外旋作用を有していることから、内側は股関節屈曲・外旋位から膝関節伸展、外側は股関節屈曲・内旋位から膝関節伸展の他動運動が効果的なストレッチングになると考えられる。その一方で股関節屈曲・膝関節伸展に股関節外旋を加えることで外側を、内旋を加えることで内側を選択的に伸張できるという報告もあり、統一された見解は得られていない。そこで、本研究では筋は伸張されると硬くなるという先行研究に基づき、超音波診断装置と弾力評価装置を用いて筋硬度を測定し、筋の伸張量の指標とした。本研究の目的は股関節屈曲・膝関節伸展に股関節の内旋と外旋を加えることが、内・外側ハムストリングスの伸張量に与える影響を明確にすることである。【方法】対象は下肢に神経学的及び整形外科的疾患を有さない健常男性17名(平均年齢24±3.4歳)の利き脚(ボールを蹴る)側の大腿二頭筋(以下:BF)及び半腱様筋(以下:ST)とした。ストレッチング肢位は、背臥位でベッド側方から非利き脚をたらし、ベルトで骨盤を固定した。試行は股関節90°屈曲、膝関節90°屈曲位(以下Rest)、股関節 90°屈曲・最大内旋からの膝関節伸展(以下IR)、股関節90°屈曲からの膝関節伸展(以下NOR)、股関節90°屈曲・最大外旋からの膝関節伸展(以下ER)の4試行とし,IR、NOR、ERでは痛みを訴えず、最大限伸張する角度まで他動的関節運動を行い、その時の膝関節伸展角度と筋硬度を測定した。 筋硬度の評価はテック技販製弾力評価装置(弾力計)と、SuperSonic Imagine社製超音波診断装置の剪断波エラストグラフィ機能 (以下:エラスト)を用いた。弾力計では圧力20NでRestのみ2回測定し、その平均値を算出した。IR、NOR、ERは1回の測定値を使用した。エラストでは全て1回の測定値を使用した。測定位置は,坐骨結節と外側上顆を結ぶ線の中点の位置でBFを、坐骨結節と内側上顆を結ぶ線の中点の位置でSTを触診しながら測定を行った。統計学的解析では、BFとSTにおける筋硬度値と膝関節伸展角度をそれぞれ各条件間でWilcoxon検定を用いて比較し、Bonferroni補正を行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には研究の内容を説明し、研究に参加することの同意を得た。【結果】BFでは、弾力計の値はRestに比べ、IR,NOR,ERが有意に減少し、エラストの値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に増加しが、両筋硬度ともIR、NOR、ERの間に有意な差は認められなかった。STでは、弾力計の値はRestに比べ、IR、NOR、ERが有意に減少し、ERに比べ、IR、 NORが有意に減少したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。エラストの値はRestに比べ,IR,NOR,ERが有意に増加し、ERに比べIR、NORが有意に増加したが、IRとNORには有意な差は認められなかった。膝関節伸展角度は、NORで-21.5±12.2、IRは-31.5±7.2、ERは-36.5±8.8であり、NORはIR,ERに比べ有意に高値を示し、IRはERに比べ有意に高値を示した。【考察】本研究では、 BFはIR,NOR,ERの間で伸張量に変化がなかったことから、BFの伸張量を股関節内外旋の動きにより、コントロールすることは困難であることが示唆された。一方、STはERに比べIR、NORの方が有意に伸張されたことから、大きな外旋の動きを加えた場合より、股関節内外旋の動きを加えない場合や大きな内旋の動きを加えた場合の方が、STは伸張されやすいことが示唆された。この理由として、内側ハムストリングスの股関節内旋作用、外側ハムストリングスの外旋作用というのは解剖学的肢位での作用であり、股関節屈曲や最大内外旋することによって作用が変化している可能性が考えられる。また、ERにおいて、NORやIRと比較して膝関節伸展角度が有意に小さく、BFが伸張されていないことから、ERではハムストリングス以外の要素が優先的に膝関節伸展を妨害しており、その結果としてBFが伸張されなかった可能性も考えられる。【理学療法学研究としての意義】ハムストリングスのストレッチングにおいて、股関節内外旋の動きを加えることでより伸張することは難しいことが考えられ、ハムストリングスのストレッチングにおいては股関節内外旋の動きを大きく加える必要はないことが考えられる。
著者
西下 智 簗瀬 康 田中 浩基 草野 拳 中尾 彩佳 市橋 則明 長谷川 聡 中村 雅俊 梅垣 雄心 小林 拓也 山内 大士 梅原 潤 荒木 浩二郎 藤田 康介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】肩関節は自由度が高く運動範囲が広いが,関節面が小さいため回旋筋腱板(腱板)の担う役割は重要である。肩関節周囲炎,投球障害肩などに発生する腱板機能不全では棘上筋,棘下筋の柔軟性低下が問題となることが多く,日常生活に影響を及ぼすこともある。柔軟性向上にはストレッチング(ストレッチ)が効果的だが,特定の筋の効果的なストレッチについての研究は少ない。棘下筋に関してはストレッチの即時効果を検証する介入研究が行われているが,棘上筋ではほとんど見当たらない。棘上筋の効果的なストレッチは,複数の書籍では解剖学や運動学の知見をもとに,胸郭背面での内転(水平外転)位や伸展位での内旋位などが推奨されているが定量的な検証がなされていないため,統一した見解は得られていないのが現状である。棘上筋のストレッチ肢位を定量的に検証したのはMurakiらのみであるが,これは新鮮遺体を用いた研究であり,臨床応用を考えると生体での検証が必要である。これまで生体における特定の筋のストレッチ方法を確立できなかった理由の一つに,特定の筋の伸張の程度を定量的に評価する方法が無かったことが挙げられる。近年開発された超音波診断装置のせん断波エラストグラフィー機能を用いることで,計測した筋の伸張の程度の指標となる弾性率を求める事が可能になった。我々はこれまでに様々な肢位での最大内旋位の弾性率を比較する事により「より大きな伸展角度での水平外転・内旋もしくは,最大伸展位での内旋」が棘上筋の効果的なストレッチ方法であると報告(第49回日本理学療法学術大会)したが,最大内旋を加える必要性については未検証であった。そこで今回我々は,効果的な棘上筋のストレッチ方法に最大内旋が必要かどうかを明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は健常成人男性20名(平均年齢23.8±3.1歳)とし,対象筋は非利き手側の棘上筋とした。棘上筋の弾性率の計測は超音波診断装置(SuperSonic Imagine社製)のせん断波エラストグラフィー機能を用い,棘上筋の筋腹に設定した関心領域の弾性率を求めた。計測誤差を最小化できるように,計測箇所を肩甲棘中央の位置で統一し,2回の計測の平均値を算出した。弾性率は伸張の程度を表す指標で,弾性率の変化が高値を示すほど筋が伸張されていることを意味する。計測肢位は,上腕の方向条件5種と回旋条件2種を組み合わせた計10肢位とした。方向条件は下垂位(Rest),胸郭背面での最大水平外転位(20Hab),45°挙上での最大水平外転位(45Hab),最大水平外転位(90Hab),最大伸展位(Ext)の5条件,回旋条件は中間位(N)と最大内旋位(IR)の2条件とした。統計学的検定は各肢位の棘上筋の弾性率について,方向条件と回旋条件を二要因とする反復測定二元配置分散分析を行った。なお統計学的有意水準は5%とした。【結果】全10肢位のそれぞれの弾性率(平均±標準偏差,単位:kPa)はRestNが8.9±3.1,RestIRが7.3±2.5,20HabNが11.9±5.3,20HabIRが10.9±4.3,45HabNが27.1±11.0,45HabIRが28.0±13.8,90HabNが22.6±7.8,90HabIRが27.3±10.8,ExtNが31.0±7.2,ExtIRが31.8±8.4であった。統計学的には方向条件にのみ主効果を認め,回旋条件の主効果,交互作用は認めず,中間位と最大内旋位に有意な違いがなかった。方向条件のみの事後検定ではRestに対して20Hab,45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値を示し,更に20Habに対して45Hab,90Hab,Extの弾性率が有意に高値を示した。【考察】棘上筋のストレッチ方法はこれまでの報告同様,Restに比べ20Hab,45Hab,90Hab,Extが有意に高値を示した事,また,20Habに比べ45Hab,90Hab,Extが有意に高値を示した事から,伸展角度が大きい条件ほどより効果的なストレッチ方法であることが再確認できた。しかし,回旋条件の主効果も交互作用も認めなかったことから最大内旋を加えることでの相乗効果は期待できない事が明らかとなった。この結果は新鮮遺体での先行研究が推奨する最大伸展位での水平外転位を支持するものであった。このことから書籍などで推奨されていた胸郭背面での水平外転位のストレッチについては水平外転や内旋よりも伸展を強調すべきであることが明らかとなった。【理学療法学研究としての意義】本研究では弾性率という指標を用いる事で,生体の肩関節において効果的な棘上筋のストレッチ方法が検証できた。その肢位はより大きな伸展角度での水平外転もしくは最大伸展位であったが,最大内旋を加えることによる相乗効果は期待できないことが明らかとなった。
著者
林 拓人 前田 敦司
雑誌
第56回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.121-130, 2015-01-09

従来のクラスベース・オブジェクトシステムは,メソッドをクラスに格納するものと総称関数に格納するもの(メソッドがクラスに属すものと総称関数に属すもの)とに分けられる.本論文はこれらのいずれとも異なり,環境にメソッドを直接格納する新しいオブジェクトシステムを提案する.クラスや総称関数といった枠を廃し,クラス名とメソッド名の組をキーとして環境にメソッドを直接格納する.これにより変数に対して行えるあらゆる操作がメソッドに対しても自然に行えるようになり,従来の方式に比べシンプルな仕組みで柔軟なオブジェクト指向プログラミングが可能となる.提案する手法の有用性を実証するため,このオブジェクトシステムを搭載する独自言語Suzuの処理系を実装した.Suzuの特徴を生かすプログラム例として言語内DSL(Domain Specific Language)の構築例を挙げる.従来のオブジェクトシステムにおける類似した概念等との関連についても議論する.
著者
西井 修 竹内 亨 高橋 稔 岡村 隆 柳沼 〓 小林 拓郎
出版者
日内分泌会誌
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.108-116, 1986

Eight women with normal term pregnancy were i.v. administered 10 mg Metoclopramide (M), dopamine antagonist, before and during labor. Serum prolactin (PRL), TSH, GH and cortisol levels were measured at -30, 0, 30 and 60 minutes after M administration by specific radioimmunoassay. Basal serum PRL levels before labor, 287.5&plusmn;28.6 ng/ml (mean&plusmn;S.E.), significantly declined during labor to 237.0&plusmn;22.4 and 216.4&plusmn;22.9 ng/ml (p<0.05 at both) at 0 and 30 minutes before M administration, respectively. The increments in serum PRL at 30 and 60 minutes after M administration during labor (209.5&plusmn;33.9 and 120.0&plusmn;27.1 ng/ml, respectively) were not significantly different from those before labor (202.1&plusmn;48.7 and 89.9&plusmn;30.1 ng/ml, respectively), suggesting that the decline in serum PRL levels during labor is not due to the dopaminergic control. Basal serum TSH and GH levels were not significantly changed by labor and M administration either before or during labor. Serum cortisol levels tended to increase during labor, but these changes were not significant. The data suggest that the PRL releases from the pituitary during labor are not controlled by the dopaminergic mechanism.
著者
柳沼 つとむ 岡村 隆 宮田 礼輔 高橋 稔 竹内 亨 西井 修 小林 拓郎 泉 陸一
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.354-358, 1984
被引用文献数
1

陣痛中および分娩時における種々のストレスに対する母体の反応としての交感神経,副腎髄質機能と副腎皮質機能の光進状態を知るために,尿中のアドレナリンとノルアドレナリン濃度と血清中のコーチゾル濃度の経時的変化を調べた.アドレナリンは,陣痛発来前の妊娠38~41週の6.53±0.75(SE)μg/lから陣痛発来後の入院時と入院後4時間までは著明な変化はないが,子宮口8~10cm開大時と胎児,胎盤娩出直後には,夫々54.72±16.37と78.16±15.36μg/lと有意に上昇し(p<0.005),娩出の翌朝には24.14±6.66μg/lと著しく低下した(p<0,025),ノルアドレナリンの陣痛発来前の濃度は89.13±9.43μg/lであり,アドレナリン程著明な上昇ではたいが,子宮口8~10cm開大時と娩出直後に高値を示し(夫々198.25±35.18と215.83±34.76μg/l,p<0,005),アドレナリンと反対に娩出の翌朝もたお高値に留った(212.77±44.51μg/l).血清コーチゾル濃度は,陣痛発来前の52.02±6.11μg/dlから,陣痛発来後の入院時そして胎児,胎盤娩出直後(175.62±11.19μg/dl,p<0.005)と次第に上昇し,娩出の翌朝には46.84±3.88μg/dlと元の濃度に戻った.尿中のカテコールアミン濃度のこれらの経時的変化は,血漿中のこれらの濃度の経時的変化(文献)より遅れて現われるが,その傾向は極めて類似している.従って陣痛,分娩中に尿中のカテコールアミン濃度を経時的に測定することは,これらのカテコールアミン分泌状態を知るために役立ちうると考える.これらのホルモン濃度の経時的変化は,文献的諸事実を考慮して,アドレナリン分泌が精神的ストレスの,ノルアドレナリン分泌が肉体的ストレスの,そしてコーチゾル分泌がストレスの主た反応であるとして,十分理解されうる.
著者
吉田 直浩 浅川 徹也 林 拓世 水野 (松本) 由子
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.91-99, 2011-02-10 (Released:2011-12-13)
参考文献数
30
被引用文献数
4

The aim of this research was to evaluate the autonomic nervous reaction using photoploethysmography under the emotional stimuli. Twenty healthy adults (11 males and 9 females) with a mean age of 25.0±5.0 were assessed for their psychosomatic states using Cornell Medical Index (CMI) and classified into two groups: group I (healthy) and II-IV (neurotic tendency). The photoplethysmography under emotional stimuli using the audiovisual video footages for 40 seconds and during recalling the contents of the footages soon after the stimuli for 180 seconds was measured. These series were repeated three times. The emotional stimuli consisted of "positive stimuli" and "negative stimuli". The "positive stimuli" such as relaxed and pleasant stimuli could evoke a positive feeling, while the "negative stimuli" such as unpleasants #1 (human-relation problem) and #2 (fear) stimuli could evoke a negative feeling. Pulse waves from photoplethysmography were analyzed for estimating the pulse wave amplitude, reflection index (RI). and pulse wave length, and these values of two groups were compared using analysis of variance (ANOVA). The results showed that the pulse wave amplitudes of group I under and after the positive simuli were significantly larger than the amplitudes under and after the negative stimuli, respectively. On the other hand, there was no obvious difference of the pulse wave amplitudes of group II-IV between the positive and negative stimuli. RI of group I during and before the stimuli was smaller than the base line, and RI under the unpleasant #2 stimuli was smallest in all the stimuli. However, RI of group II-IV under the unpleasant #2 stimuli was largest in all the stimuli. The pulse wave length under the unpleasant #1 stimuli was significantly larger than the other stimuli, and the pulse wave length after the stimuli was significantly smaller than the base line. These results suggested that the autonomic nervous reaction under emotional stimuli would be regulated based on the psychosomatic states.
著者
小風 尚樹 中村 覚 纓田 宗紀 山王 綾乃 小林 拓実 清原 和之 金 甫榮 福田 真人 山崎 翔平 槙野 翔 小川 潤 橋本 雄太 宮本 隆史 菊池 信彦 後藤 真 崎山 直樹 元 ナミ 加藤 諭
巻号頁・発行日
pp.1-57,

2018年4月15日に開催された「2018 Spring Tokyo Digital History Symposium」のイベントレポート。シンポジウムは、歴史研究においてデジタル技術を駆使する際のいくつかの指針を提示すべく、歴史研究者・アーキビスト・エンジニアの学際的協働に基づくワークショップTokyo Digital Historyが主催した。 本シンポジウムでは、歴史研究が生み出されるまでの4つのプロセス、すなわち「情報の入手」「情報の分析」「情報の表現」「情報の公開」に着目し、それぞれに関連の深いデジタル技術や知識を提示した。さらに、それらを活用した具体的な歴史学的実践例を提供した。このシンポジウムおよびTokyo Digital Historyは、学際的協働を必要とする人文情報学プロジェクトの好例であるとともに、歴史研究の分野においては画期的な試みである。
著者
山田 健仁 岡林 拓矢 鶴山 浄真 御旗 寛
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
徳山工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:24325627)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.7-11, 2016-12-01

A growth monitoring in horticulture has become an important technology for an efficiency of agricultural work, a quality improvement and a safety of an agricultural products. Recently, in order to achieve environmental monitoring efficiently corresponding to a scale of a greenhouse, sensor network technology using a network communication has become a major technique. In this study, we propose a sensor network system which is suitable for the management and operation of a local heating stainless steel foil tape heater in the efficient growing of the strawberries. The system is constructed by a gateway used the Linux-OS based Raspberry Pi computer, and small sized sensor modules which include a ZigBee wireless device.
著者
林 拓也 岡田 直紀
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.413, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

【背景・目的】 福島第一原子力発電所の事故後、大量の137Csが放出され森林に沈着した。菌類子実体中には高濃度の137Csが集積し、属間で集積の程度が異なることが報告されている。その要因のひとつとして、土壌中の菌糸の垂直分布の違いが指摘されている。この点を確認するため本研究では安定同位体を用いて菌糸の土壌中垂直分布と子実体中放射性セシウムの吸収源を推定することを試みた。【方法】 福島県川内村の広葉樹林(原発より約20km)にて外生菌根菌と腐生菌、合わせて約90試料と、リター層と腐植層および鉱質土壌を2 cmごとに深さ30 cmまで採取した。子実体試料は乾燥後に粉砕、土壌試料は風乾し、それぞれの安定同位体比(δ13C、δ15N、δ34S )および137Cs濃度を測定した。【結果】 土壌のδ13C、δ15N、δ34Sはいずれもリター層と腐植層で最も小さく、鉱質土壌では深くなるにつれて大きくなった。子実体中の安定同位体比と137Cs濃度は属間および種間で差が見られた。腐生菌よりも外生菌根菌の方がより深い土壌層に菌糸が分布することが安定同位体の値から示唆されたが、子実体中の137Cs濃度とは必ずしも対応していなかった。
著者
水野 松本 由子 田中 康仁 林 拓世 岡本 永佳 西村 治彦 稲田 紘
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 = Transactions of the Japanese Society for Medical and Biological Engineering : BME (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.11-24, 2010-02-10
参考文献数
32
被引用文献数
2

The aim of this research was to assess the physiological signals which were relevant working efficiency under mental workload. Eleven healthy subjects were examined. In the first step, their mood status and stress level were evaluated with questionnaire methods:&ldquo;Profile of Mood States (POMS)&rdquo; and &ldquo;Stress Self Rating Scale (SSRS)&rdquo;, respectively. In the second step, electroencephalography (EEG) and photoplethysmography under the mental workload tasks in four auditory stimuli (silent circumstance, white noise, classical music, and up-tempo music) were measured. The mental workload tasks consisted of two parts:performing Uchida-Kraepelin test (calculating task:CAL) on PC monitor in two minutes and fixating on a crosshair image (after CAL) in two minutes. A procedure of the mental workload task in each auditory stimulus was repeated three times. EEG data were analyzed using a discrete Fourier transform to obtain power spectral density (PSD) in theta, alpha, and beta bands. Pulse waves from photoplethysmography were analyzed for estimating the pulse wave amplitude (PWA) and length (PWL). PSDs of theta band in silent circumstance and classical music under and after CALs, alpha band in classical music under and after CALs, and beta band in up-tempo music under CAL on most or all areas were significantly larger than those in the other auditory stimuli. The results of photoplethysmography analysis showed that changes of PWA and PWL in silent circumstance and classical music were more stable than those in the other auditory stimuli. It was suggested that the classical music would not only affect brain activity under the mental workload and augment the efficiency of it, but also facilitate recovery of the physiological conditions from the stressful situations. These events from the physiological point of view showed that working environments could be considered to avoid adding stress on the brain function and autonomic nervous system during and even after the tasks.
著者
浅岡 克彦 若林 拓史 亀田 弘行 岸尾 俊茂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1285-1288, 1997

都市交通の重要な一翼を担う地下鉄は, 耐震対策の面からシステムとして大別すれば, トンネルや軌道等の構造システム, 列車運行に関する運行管理システム, 列車の動力や駅の照明等の電力システムに区分される.本稿では, 構造システムのようなハード面のみならず, ソフト面である運行管理システムを含めた地下鉄の地震防災の現状を取り上げ, 日本と並び地震多発地帯であるアメリカ西海岸の地下鉄の地震対策と比較し, その課題について述べる.具体的には, 構造システムでは, 兵庫県南部地震後の既設構造物の耐震補強の状況や耐震基準の改定等について大阪市地下鉄を例に取り上げ, これとサンフランシスコのBARTとロサンゼルスのRed Lineの事例とを比較する.また, 運行管理面についても, 地震時の対応策について日米の地下鉄のマニュアルの違い等を比較する.
著者
森岡 清志 中尾 啓子 玉野 和志 和田 清美 金子 勇 安河内 恵子 高木 恒一 浅川 達人 久保田 滋 伊藤 泰郎 林 拓也 江上 渉
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の課題は、パーソナルネットワークとソーシャル・キャピタルの相互関連、および都市特性・地域特性との関連を明らかにすることにある。統計的調査ではソーシャル・キャピタルを「住民力」と表現し、平成20年11月と平成21年9月に世田谷区住民を対象者として「住民力」に関する標本調査を実施した。20年調査では、45歳以上75歳未満の住民から8,000名を無作為抽出し(回収率65.3%)、21年調査では20歳以上75歳未満の住民を10,000名抽出した(回収率54.5%)。分析結果から、住民力とコミュニティ・モラール、投票行動の間に高い相関が見られること、また、居住年数、戸建率などの地域特性と関連することが明らかになった。