著者
中林 章
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.92-94, 2019-04-20

当直医へのコール 「腟の中に入れたものが取れません」 「陰部が傷ついて出血しています」 このような問い合わせにときどき遭遇する.前者は「腟異物」,後者は「性器外傷・出血」であり,本稿ではその対応につき述べていく.
著者
小林 正樹 稲場 文男
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 = The Japanese journal of medical instrumentation (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.347-356, 1998-08-01
参考文献数
44
被引用文献数
1
著者
日下 隆 安田 真之 久保井 徹 小久保 謙一 小谷野 耕佑 岡田 仁 三木 崇範 岩瀬 孝志 上野 正樹 中村 信嗣 岡崎 薫 小林 弘祐
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

新生児低酸素性虚血性脳症の動物モデルとして、新生仔豚を対象に負荷時の脳血液量を指標とした低酸素負荷を行い、低体温療法、ラジカルスカベンジャー(エダラボン)と低体温併用療法の効果、および水素ガス吸入療法の安全性の検討を行った。その結果、無治療の蘇生後24時間での脳血液量増加と低振幅脳波持続時間は正の相関を示したが、低体温療法では負の相関を示した。また低体温療法と併用療法は無治療と比較し、大脳皮質および白質障害は少なかったが、低体温療法のみと併用療法は中枢組織障害の差異は認めなかった。さらに水素ガス吸入は、体・脳循環、脳波及び血液ガスへの影響がなく、その使用上の安全性が確認された。
著者
松本 一郎 川名 林治
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.319-326, 1992-03-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

小児急性呼吸器感染症の病原ウイルス学的サーベイランスにおいて, 5株のヒト呼吸器コロナウイルス (HRCV) が, L132細胞で, 分離された. これらの5株中3株は, 1979年3月29日に久慈市で採取されたインフルエンザ様疾患患者の鼻咽頭ぬぐい液から分離され, HRCVがインフルエンザ様疾患の一因となっている可能性を示した.他の2株は同年3月16日と4月27日に盛岡市で採取した無熱性上気道炎患者の鼻咽頭ぬぐい液から分離された.これらの5株は, 形態, BUDR耐性, chloroform感受性, またL132細胞での電顕的増殖像など, 典型的なHRCVの性状を示した. また抗HRCV (229E) 血清を用いた蛍光抗体法により, これらを229E関連HRCVと同定した. これらは, 本邦初の, HRCV分離例と思われる.各株に対する抗血清の中和抗体価を50%plaquereductiontestで比較した. 分離株に対する抗HRCV (229E) 血清の中和抗体価は, HRCV (229E) に対する値よりも40~100倍低値であった. 分離株間には著しい抗原性の差は見られなかった. またplaque形成能においても, 5株の分離株はHRCV (229E) と異なっており, HRCV (229E) 関連ウイルスは, 抗原性においても, plaque形成能においても, 多様な株が侵襲していることを示した.
著者
原 知子 安藤 真美 伊藤 知子 井上 吉世 大塚 憲一 大野 佳美 岡村 由美 白砂 尋士 高村 仁知 武智 多与理 露口 小百合 中原 満子 中平 真由巳 西池 珠子 林 淑美 深見 良子 藤村 浩嗣 松井 正枝 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 山下 貴稔 湯川 夏子 渡辺 健市
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.23-27, 2004-01-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

酸価1∼4.5の段階的に劣化度が異なる劣化油1,2,3を用いて,揚げ玉,まいたけの天ぷら,コロッケを調製し,揚げ物および揚げ油の官能評価による風味とPCテスターによる極性化合物量の関係について検討した.1.新鮮油,劣化油1,2,3の4種の劣化程度の異なる油及びそれらで調製された製品の風味に有意差が認められた.これら4種の油は酸価,粘度,極性化合物量が段階的に異なるもので,揚げ玉,まいたけの天ぷら,油自体の風味の評価結果は,これらの要素と対応した.新鮮油,劣化油1,2,3の順に風味評価は低下したが,劣化油1から極性化合物量15%の劣化油2の間で低下が顕著であった.また,劣化が進行した油において官能評価ではその違いが認め難くなる傾向にあった.コロッケでは油の劣化による風味評価の低下は小さかった.2.揚げ玉やまいたけの天ぷらでは極性化合物15%程度まで,コロッケでは,25%程度まで風味評価のよい揚げ物を調製できた.3.極性化合物量15%以上で風味評価が低下するとともに風味の劣化度合いを弁別し難くなる傾向があったことから,栄養的にも嗜好的にも,揚げ油の極性化合物量を15%以下で管理するのが適当であると考えられた.
著者
小林 由実 内方 文朗 上田 善博 加藤 邦人 小川 宣子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.207, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 おいしい天ぷらとは素材のうまみが保持され、さくさくとした衣に覆われているものと評価できる。天ぷらに使用する食材は、澱粉性食品のさつまいも、タンパク質食品の魚介類、野菜類など多種にわたるため、それぞれの素材のうまみが生かすための揚げ方について温度や時間などから検討されている。一方、家庭では、温度計に頼らず、視覚的に判断を行っている。そこで本研究では、160℃,180℃,200℃と異なる温度で食材を揚げ、その時の油の表面の様子を定量化するとともに、揚げ終わった時の衣の評価を水分含量、物性、画像処理から測定し、調理中の様子から天ぷらの出来上がりを推定することとした。 方法 1)試料:さつまいもを用い、衣(薄力粉:卵水=30:50g)をつけ、油(160℃,180℃,200℃)で4分(加熱2分後裏返す)加熱した。2)測定項目①調理中の変化:油面の様子を高速度カメラで撮影し、調理中に発生した気泡や波によるゆらぎをcontrastの時系列変化から調べた。②調理後の変化:衣の水分含量、物性を破断解析、凹凸の程度を画像処理によるcontrastから評価した。 結果 ①調理中の変化:160℃で調理した場合は油面のゆらぎは少なく、180℃は投入直後と20秒後で大きくゆらぎ、200℃は投入直後から非常に大きかった。②調理後の変化:油の温度が高くなるにつれ水分含量は少なく、破断応力は大きく、衣の凹凸は160℃は少なく平坦であり、180℃は全体に存在し、200℃はむらがあった。調理中の油面の様子が衣の形状に影響を与えると考える。
著者
松元 文子 林 恵美子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.68-70, 1958-04-05 (Released:2010-03-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1

天ぷらの味のうち、特に衣のおいしさについて実験した結果、次のことが明らかになつた。1. 小麦粉は上質薄力粉を用い、副材料として卵を用いれば、小麦粉だけを用いた衣よりも水分少く、口ざわりがよい。重曹を用いると衣の水分が一層少く仕上り、且つ衣の表面の吸湿は極めておそいので、これらの点に於いては卵に優るが口触りが硬すぎる。卵と重曹を併用すれば両者の長所を採り入れることが出来るであろう。2. 天ぷらの衣に於ける水分と油の含有量は副材料の種類によつて互に消長するもので水分多ければ油少く、水分少ければ油が多く衣の口ざわり(歯もろさ)は、水分と反比例的である。従つて、おいしい天ぷらの条件としての“油じみていない”ということは、必ずしも吸油量が少いという事ではなく、付着油即ち油切れの問題であろう。(この点については次報で述べたい。)3. 揚げたての天ぷらがおいしい理由は、喫食時の温度にあるのはいうまでもないが、衣に卵を用いた場合は、表面の水分の増加以前を尊重するためと考えられる。
著者
小林 由実 上田 善博 加藤 邦人 石田 康行 河村 益徳 小川 宣子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 70回大会
巻号頁・発行日
pp.160, 2018 (Released:2018-07-28)

目的 天ぷらのおいしさは衣と素材から評価される。衣は水分蒸発により得られるサクサク感、素材は天ぷら中の水分により蒸されて得られる食感や旨みから評価される。このことから天ぷらのおいしさは揚げ過程の水分の動きが重要になると考える。また、これまでおいしい天ぷらを揚げるための適切な状態(様子)は明確にされていない。そこで、油面の様子と水分の動きの関係を調べ、それが出来上がりに及ぼす影響を明らかにし「揚げ過程の油面の様子からおいしさを評価する方法」を検討した。方法 1)試料:さつまいもに衣(薄力粉:卵水=30:50g)をつけ、油(160,180,200℃)で4分加熱した。2)油面の様子:泡により発現する油面のゆらぎを高速度カメラで撮影し、画像解析した。3)水分の動き:蒸発量は秤の上で天ぷらを揚げ重量減少量から調べた。衣と素材の水分の動きは衣の水分を重水(H218O)にし、衣と素材の水分を区別して推定した。4)衣と素材の品質:衣は水分量、気泡数(破断応力波形を微分波形へ変換した時のマイナスピーク数)、素材は水分量、硬さ、糊化度(グルコアミラーゼ法、SEM)、おいしさは官能評価から調べた。結果 油面の様子と水分蒸発量は一致した。衣の水分は揚げ直後に多く蒸発し、これが衣のサクサク感に、素材の水分は揚げ直後から蒸発したが衣から移動した水分により素材中の水分が保たれ、これが出来上がりの硬さや糊化度に影響すると予想した。
著者
小林 由実 上田 善博 加藤 邦人 石田 康行 小川 宣子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.160, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 天ぷらの調理過程における経時的な水分蒸発量の変化が油表面に発生する気泡に伴う油のゆらぎ(以下、油の表面情報)と関係があることを報告し、これが天ぷらの衣または素材由来かを、衣の水分を重水に置き換え推定した。衣から素材への水分移動も同様の方法で推定し、水分移動は素材の硬さや糊化度に影響することを予想した1)。本研究では実験を繰り返すことで予想した水分挙動と素材への影響を確認し、油の表面情報が天ぷらのおいしさに及ぼす影響を検討した。方法 天ぷらはさつまいも(10×10×8㎜:水分66%)に水分62%に調製した衣(薄力粉1g、重水1.6g)をつけ、160℃、180℃、200℃の油で3分間揚げて作成した。加熱開始13秒後と3分後の衣とさつまいもの水(H216O)と重水(H218O)をGCMSの測定から水分挙動を、常圧乾燥法から水分量、グルコアミラーゼ法と走査型電子顕微鏡像から糊化度を調べた。 結果 揚げ温度160℃において加熱13秒後では、他の温度に比べ衣からさつまいもへの水分移動は少なく、糊化度や細胞破壊も小さかったが、さつまいもの水分は66%と多かった。加熱3分後は衣からの水分移動が見られ、さつまいもの水分は62%と多く、糊化度も高く、細胞破壊が見られた。さつまいもの出来上がりは衣からの水分移動が影響していると推定した。 [文献]1)小林他:日本調理科学会平成28年度大会要旨集、p90(2016)
著者
小林 由実 上田 善博 加藤 邦人 小川 宣子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.17, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 天ぷらの「おいしさ」は素材の旨味が保持され、さくさくした衣に覆われたものと評価できる。この「おいしさ」の評価を調理過程の指標から推定できる可能性を澱粉性食品のさつまいもから検討した1)。その結果、調理過程での水分蒸発量が天ぷらの出来上がりに影響を及ぼすことを明らかにした。そこで、本研究は調理過程における素材と衣の性状から調理過程中の水分挙動について検討を行った。 方法 天ぷらはさつまいも(直径46mm、厚さ8mm)に衣4.6g(薄力粉30g:卵水50g)をつけ、180℃の油(日清キャノーラ油)1300gで表裏それぞれ2分揚げて作成した。調理過程の水分蒸発は、油表面の泡の発生状況を高速度カメラで撮影し、油のゆらぎによる画像処理のcontrast値と秤の上で天ぷらを揚げた時の重量減少量の両者から経時的に調べた。あわせて、さつまいもと衣の調理過程中の性状変化を水分量、グルコアミラーゼ法による糊化度、走査電子顕微鏡像から調べた。結果 油面の泡の発生量はさつまいも投入1秒後と17秒後に多くみられ、これは水分蒸発量ともほぼ一致していた。さつまいも投入1秒後は主として衣から水分が蒸発し、17秒後は衣からさつまいもへの水分移動が見られ、合わせてさつまいもの細胞破壊が見られたことから、この時間は糊化が始まる時ではないかと推定した。[文献]1)小林他:日本家政学会第66回大会研究発表要旨集、p70(2014)
著者
小林 由実 上田 善博 加藤 邦人 石田 康行 小川 宣子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.99, 2016 (Released:2016-08-28)

目的 天ぷらの「おいしさ」は素材の旨味が保持され、さくさくした衣に覆われたものとして評価できる。天ぷらを揚げている過程での素材および衣から蒸発している水分の様子(油の表面情報)を画像処理分析から評価し、水分の蒸発状況が出来上がり(おいしさ)に影響を及ぼすことを澱粉性食品のさつまいもを用いて明らかにした1,2)。そこで、本研究は揚げている時の素材や衣の水分挙動と油の表面からの水分蒸発状況(油の表面情報)との関連について検討し、揚げている時の油の表面情報が天ぷらのおいしさに及ぼす影響につい考察を行った。 方法 天ぷらの素材としてさつまいもを用い、揚げている時の水分蒸発は、油表面の泡の発生状況を高速度カメラで撮影し、油のゆらぎによる画像処理のcontrast値と秤の上で天ぷらを揚げた時の重量減少量の両者から経時的に調べた。さつまいもの出来上がり評価はレオロメーターによる硬さ、グルコアミラーゼ法による糊化度、走査電子顕微鏡像から調べた。また、素材および衣の水分挙動は18H2Oを用い、GCMSにより測定を行った。 結果 油の表面情報は水分蒸発量ともほぼ一致していた。さつまいも投入直後に主として衣から水分蒸発が生じ、その後、さつまいもの水分量から衣からさつまいもへの水分移動が推定でき、合わせてさつまいもの細胞破壊が見られたことから、この時期に糊化が始まるのではないかと推定した。これらの推定した水分の挙動は18H2Oを用い、GCMSにより測定を行った結果、推定を裏付ける傾向であった。 [文献]1)小林他:日本家政学会第66回大会研究発表要旨集、p70(2014) 2)小林他:日本家政学会第67回大会研究発表要旨集、p49(2015)
著者
坂本 千秋 会田 知菜津 伊東 沙樹 寺島 香織 小林 三智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.198, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】心理的ストレスにより苦味、酸味および甘味の感受性が低下するという報告があるが、自律神経活動との関係を述べている報告はない。そこで心理状態および自律神経活動が味覚感受性に及ぼす影響を研究するために、有用な実験プロセスを確立させる。【方法】(1)内田クレペリン精神検査(以下クレペリン検査とする)を心理的ストレス負荷の方法として用いることの妥当性、(2)味刺激が自律神経活動に及ぼす影響 以上2点を検討した。被験者は本学食物栄養学科の学生とし、測定前1時間は食事をしないよう指示した。(1)心理的ストレス負荷としてクレペリン検査による計算問題を30分間実施させ、その前後で測定を行った。ストレスマーカーには唾液アミラーゼ活性を用いて心理的ストレス負荷の妥当性を検討した。(2)味刺激として閾上濃度の5基本味溶液5mlを1分間、あるいは10mlを10秒間口に含んだ後、吐き出させた。その直後から定時的に測定を行った。測定項目は唾液アミラーゼ活性、自律神経活動および血圧とし、それぞれ酵素分析装置 唾液アミラーゼモニター、加速度脈波測定システム アルテットおよびデジタル自動血圧計 HEM-1040により測定を行った。【結果】(1)クレペリン検査実施後においてLFパワー値(交感神経および副交感神経の活動性の指標)および唾液アミラーゼ活性で有意な上昇が認められた。よってクレペリン検査は心理的ストレス負荷の方法として有用であるという知見が得られた。(2)1分間の0.65%塩化ナトリウム溶液の刺激において心拍変動係数(CVaa%)および全パワー値で時間の経過による低下がみられた。よって塩味による自律神経活動の減弱が認められた。