著者
加藤 里美 伊藤 直美 森 智哉
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.74-80, 2016 (Released:2017-09-16)
参考文献数
8

経団連によれば,企業が新卒採用時に重視する要素はコミュニケーション能力である。このことは,企業は新卒者にコミュニケーション能力に長けた人材を求めているということを示している。企業はどの程度のコミュニケーション能力を新卒者に求めているのであろうか。また大学生はどのように自己評価しているのであろうか。本論文の目的は,企業が新卒者に求めるコミュニケーション能力と大学生が自己評価するコミュニケーション能力に関する認識にギャップがあるのかどうかを明らかにすることである。仮説検証の結果,大学生と企業には明らかなギャップがあることが示された。
著者
阿登 大次郎 井上 知美 八代 哲也 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2020-064, 2021 (Released:2021-07-29)
参考文献数
5

COVID-19の拡大により,薬学実務実習中の症例解析報告会を集合形式からオンライン形式へと移行した.本報告では,オンライン形式の症例解析報告会の概要について紹介する.さらに,アンケート調査から明らかとなった報告会の有益性と問題点について議論する.オンライン報告会は,実習6週目と11週目に大阪鉄道病院から,実習生,評価担当者をZoom®で接続して実施した.83%の参加者は,参加の容易さ,時間的な利点などの理由でオンライン報告会を肯定していた.一方,一部の参加者は,集合研修での臨場感や参加者間のコミュニケーションが不十分な点から否定的であった.オンライン形式での開催は,病院-薬局-大学間で協働での教育ツールとして非常に有効な手段であると考えられる.しかし,参加者が如何に集合形式での雰囲気を作り出せるかなど課題解決が必要であることが示唆された.
著者
工藤 彩佳 森山 咲 鈴木 真一 猪熊 壽
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.217-221, 2019-12-31 (Released:2020-06-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ホルスタイン種の牛コレステロール代謝異常症(cholesterol deficiency:CD)は常染色体劣性遺伝性疾患のため,ヘテロ個体に症状は発現しないはずであるが,健常ヘテロ牛の血清コレステロール濃度は野生型に比べて低いと報告されている.本研究ではヘテロ個体の生産性を明らかにすることを目的として,健常ヘテロ個体の血清コレステロール濃度,乳生産および繁殖成績を調査した.臨床的に健常で生産に供される5 農場の乳牛718 頭のうち93 頭(14.9%)がヘテロであった.ヘテロ群の血清コレステロール濃度は野生型に比べて有意に低値であった.また,乳生産を評価できた2 農場のうち1 農場のヘテロ群では305 日補正乳量が野生型群に比較して有意に少なかった.他の1 農場でもヘテロ群の305 日補正乳量は野生型よりも低い傾向にあった.305 日補正した乳脂率,乳蛋白質率および無脂固形分率はヘテロ群で有意に高い,または高い傾向にあった.空胎日数および授精回数には両群で差はみられなかった.
著者
森 爲三
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.90-112, 1929

There have always been two Kinds of horses produced in Korea, viz., the Mongolian Horse and the Korean Pony. The fact these two kinds have existed since ancient time, can be seen from the following description of the bones and accounts taken from Chinese and Korean books:<br>I have examined the bones and teeth which were unearthed at Mirinri, near Heijo, at Ganjiri, near Keijo, at Kinkai, near Fusan, and at Yuki, in NorthEastern Korea, all these places containing remains of the Korean Stone Age (to be more exact, Eneolithic Period). My thorough examination shows that they all fit in with those of Horses, and this fact proves that they (Mongolian Horses) existed in Korea in ancient times. But I cannot find any bones or teeth of the Korean Pony in the remains of the Korean Stone Age. I find that, in old, Chinese literature, such as "Gokan-jo", "Gishi", and in one of the Korean classics, "Sangokushi", etc., the existence of Korean Ponies in olden times is mentioned under the names of "Kwa-ka-ba", "horse that-goes-under-fruit-trees" (which means that a man on horse back can rides under a fruit tree) and also under the name of "San-jaku-uma", "three-feet horse" (which means that its shoulder height was three feet). Now I wish to explain to which families these two kinds belong and from which regions they have come and settled into these parts.<br>Evidently Mongolian Horses belong to the "Steppe-horse" family, and have come from Mongolia via Manchuria, and spread all over Korea. This Mangolian Horse is considered by some scholars to be the Przevalskii Horse domesticated, and this opinion is supported by other scholars. Dr. Hikohichiro Matsumoto (in 1915) held that the Equus leptostylus unearthed in a stratum of the Pleistocene period in Hunan, China, resembles the Przevalskii Horse. Judging from the foregoing facts the lineage of the Mongolian Horse in Korea can be shown in the following way:<br>Equus leptastylus&rarr;Equus przevalskii&rarr;Mongolian Horse&rarr;Mongolian Horse in Korea.<br>Next, the Korean Pony belongs the "Mountain-horse" family ("Bergpferd" in German) and I learn from the descriptions by Mr. Emil Brass (1904) and by Dr. Shinhichiro Yoshida (1926) that the Korean Pony very much resembles the pony living in the mountainous districts of Sze-chuan, Yunnan, and Kwei-chau, China.<br>On the other hand, as Dr. Kotondo Hasebe (1925) has explained from the result of his examinations of the Radius unearthed at Taimizu and Metatarsus unearthed at Atsuta, both being the remains of the Japanese Stone Age, it is clear that in Japan too, there were ponies in her stone age.<br>My own opinion, on comparing the above bones with those of a Korean Pony and on finding that they were much alike, is that the pony which lived in the Japanese Stone Age and the Korean Pony are nearly related. Moreover, when I compare the bones of the Satsuma horse living in the South-Western part of Japan with that of the Korean Pony, and closely examine both, I find there exists a very distinct similarity. Another noteworthy, thing is that while Korean Ponies have not proceeded beyond the Yalu and the Tumen, the Northern frontier rivers, they are scattered in the south, as far, as in Tsushima, Oki, and Quelpart Islands.<br>From the above relations, it may be considered that in ancient times, the Sze-chuan Pony (which lived in Sze-chuan and Yunnan, China) were brought over to Japan, in the stone age, and from there introduced into Korea, in the stone age.<br>As we read in old Chinese literature, such as "Jiga", "Sankaikyo", that there lived in Chinese frontier districts some wild-ponies, it is quite probable that the Sze-chuan Pony is this wild pony domesticated in ancient times.
著者
森部 陽一郎 Yoichiro MORIBE
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.125-134, 2016-03-11

本論では、メジャースポーツイベント、特にオリンピックを中心に「押し寄せる観客」の問題について考えた。そして、ピクトグラムの特性の理解をおこなった。その特性(非言語情報伝達手段)を踏まえて、2020年開催のオリンピック東京大会で想定される、「押し寄せる観客」に対応するために、ピクトグラムの有効性について考察をおこなった。さらに、今後の展開として、進むIT化とそれを補完する意味でのピクトグラムの活用も示した。
著者
藤森 秀美
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 言語・文化篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; LANGUAGE and CULTURE (ISSN:1344364X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.177-188, 2012-10-31

本稿は「かく」の意味分析である。 本稿の考察対象は「書く」(描く),「掻く」と表記されるものである。辞書では「書く」(描く)と「掻く」は別見出しとなっており,別語として扱われている。しかし本稿では,「かく」と読む場合は,漢字表記のいかんにかかわらず一語とした。本稿では「かく」を多義語であると捉え,12の意味に分けて分析し,多義構造を示した。「かく」は起点となる意味から,11の意味が派生しており,それを動機づけるのはメタファー,メトニミー,シネクドキーという比喩であるという仮説を示した。
著者
中村 恵子 塚原 加寿子 伊豆 麻子 栗林 祐子 大森 悦子 佐藤 美幸 渡邉 文美 石﨑 トモイ 西山 悦子
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-9, 2013-03

本研究の目的は、熟練した養護教諭が心の健康問題もつ子どものサインをどのように受け取り、どのように養護診断や対応を行っているのか、明らかにすることである。小学校に10年以上勤務している現職の養護教諭4人を対象として、子どもたちの心の健康問題への支援に関する面接調査を実施した。面接内容の逐語録を作成し、修正版グランデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した結果、62の概念と20のカテゴリーを抽出した。熟練した養護教諭は、早い段階で子どもが抱える問題を予測し、情報収集を様々な方法で行っていた。情報を整理・統合し、問題を明確化した上で、支援計画を立案し、対応や連携を図っていた。また、養護教諭は、学校組織の一員である教師としての教育的な視点と、専門的な知識・技能をもつ専門家としての生理学的、臨床心理学的な視点から、心の健康問題の養護診断・対応を行っていることが示唆された。
著者
森田 茂
出版者
酪農学園大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

(目的)睡眠は、家畜の疲労回復およびエネルギー蓄積に必要なものであるとされている。したがって、1日の睡眠時間の長さや睡眠の質(N-REM睡眠、REM睡眠)を検討することは飼養管理技術の改善につながる。(方法)脳波の導出で鼻梁に基準電極、頭部に探査電極を装着する単極導出法を用いた。24時間の脳波測定のために無束縛携帯型生体アンプとコンパクトカセットデータレコーダを専用のベルトで牛体に固定した。さらに、脳波測定と同時に暗視カメラによる行動観察を行い、休息行動(横臥時間)の成長に伴う変化を脳波測定による睡眠計測から検討した。(結果)幼齢子牛での24時間連続の睡眠脳波測定では、脳波測定用の電極を前頭部中央3箇所とし、記録紙送り速度を秒速1mm、電池交換時刻を飼料給与直後および23時の1日3回交換することが適切であると結論した。1日当りの睡眠時間(=N-REM+REM)は1週齢で493分、7週齢で267分と発育に伴い減少した。N-REM睡眠およびREM睡眠についても同様の結果となった。睡眠時間の日内パターンは週齢に伴う変化は認められなかった。1日当りの横臥時間は1週齢で1120分、15週齢で594分となった。また、1日当りの睡眠時間は1週齢で505分、15週齢で146分となった。N-REM睡眠は睡眠時間と同様の結果となったが、REM睡眠については一定の傾向が見られなかった。1日当り反芻時間は、給与飼料の種類によらず1週齢時ではほとんど認められず、7週齢時では6〜8時間の範囲まで延長した。1日当りの横臥時間は給与飼料の種類によらず1週齢で約18時間から、7週齢での約14時間へ短縮した。さらに、睡眠時間は1週齢での9時間程度から7週齢での4時間程度まで短縮した。成長に伴うN-REM睡眠の変化は、睡眠と同様の傾向であった。一方、REM睡眠には週齢に伴う一定の傾向が見られなかった。このことから、幼齢子牛における週齢に伴う睡眠時間の減少には反芻時間の延焼が大きく関わるものと考えた。
著者
宇髙 麻子 吉岡 靖雄 吉田 徳幸 宇治 美由紀 三里 一貴 森 宣瑛 平井 敏郎 長野 一也 阿部 康弘 鎌田 春彦 角田 慎一 鍋師 裕美 吉川 友章 堤 康央
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.O-39, 2012 (Released:2012-11-24)

抗原を粘膜面から接種する粘膜ワクチンは、全身面と初発感染部位である粘膜面に二段構えの防御を誘導できる優れたワクチンとなり得る可能性を秘めている。しかし抗原蛋白質は体内安定性に乏しく、単独接種ではワクチン効果が期待できない。そのため、免疫賦活剤(アジュバント)の併用が有効とされており、既に我々はTNF-αやIL-1α等のサイトカインが優れたアジュバント活性を有することを先駆けて見出してきた(J.Virology, 2010)。しかしサイトカインは吸収性にも乏しく、アジュバントの標的である免疫担当細胞への到達効率が極めて低い。そのため十分なワクチン効果を得るには大量投与を避け得ず、予期せぬ副作用が懸念される。言うまでも無く、現代のワクチン開発研究においては、有効性のみを追求するのではなく、安全性を加味して剤型を設計せねばならない。そこで本発表では、ナノ粒子と蛋白質の相互作用により形成されるプロテインコロナ(PC)を利用することで、サイトカイン投与量の低減に成功したので報告する。PCとは、ナノ粒子表面に蛋白質が吸着して形成する層のことを指す。近年、PC化した蛋白質は体内安定性や細胞内移行効率が向上することが報告されている。まず粒子径30 nmの非晶質ナノシリカ(nSP30)を用いてPC化したTNF-α(TNF-α/nSP30)を、ニワトリ卵白アルブミン(OVA)と共にBALB/cマウスに経鼻免疫し、OVA特異的抗体誘導能を評価した。その結果、有害事象を観察することなく、0.1 µgのTNF-αを単独で投与した群と比べ、TNF-α/nSP30投与群においてOVA特異的IgG・IgAの産生が顕著に上昇していた。以上、PCがTNF-αアジュバントの有効性と安全性を向上できる基盤技術となる可能性を見出した。現在、体内吸収性の観点からPC化サイトカインのワクチン効果増強機構やナノ安全性を解析すると共に、最適なPC創製法の確立を推進している。
著者
寺嶋 吉保 森 和夫 川野 卓二 永廣 信治 佐野 壽昭 玉置 俊晃
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.26-35, 2005-03
被引用文献数
1

チュートリアル教育は、少人数グループにチューターが付いて学生の自主的な学習を指導・促進する学習方法である。徳島大学医学部医学科では2001 年から導入して、3 年生の9 月から4 年生12 月までの47 週間行なっている。2004 年度で4 年目を迎えるが、学生が教員に学習課題を少なめに出して早く終了する傾向もみられ始めた。われわれは、こうした傾向を憂い、グループ学習の楽しさを体験させてからチュートリアル学習を開始する方が、好ましい学習態度を形成できるのではないかと考え、3 年生の7 月に従来の2 時間程度の説明会以外に4 時間かけて「沖縄旅行計画」を作る学生ワークショップを行なった。この結果、前年度の学生よりも、このチュートリアル学習に対する好感度・有用感などが高くなり、グループ学習時間も増加して、この導入プログラムの有効性を示唆した。New curriculum of the school of medicine, the University of Tokushima included 47-week PBL-tutorial hybridprogram started in 2001.To improve their learning skill and attitude, and to introduce a new learning style ofPBL-tutorial to students smoothly, we held a half day student workshop. The content of workshop is of makingtour plans for a family who had relationship problems among family members. Twelve groups with eightstudents respectively competed and evaluated each other, and all students enjoyed working as groups. Theefficacy of this introductory program was evaluated with questionnaire and their study time of grouplearning between this year and last year students. Impression and feeling of usefulness toward PBL-tutorialwas improved, and time of group study increased this year. Results suggested usefulness of this introductoryprogram. We will continue the evaluation of this program.
著者
森 博子 岡田 洋右 田中 良哉
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.323-329, 2012-12-01 (Released:2013-02-28)
参考文献数
25

ビタミンD欠乏症は骨粗鬆症,骨折の原因のみならず,近年では2型糖尿病や心血管疾患,高血圧,癌,感染,自己免疫疾患などの発症リスクを上昇させると報告されている.日光曝露不足や食事からのビタミンD摂取不足が,ビタミンD欠乏症に繋がっており,特に女性においてビタミンD欠乏症は,よくみられる病態と考えられる.女性が長く健康で働きつづけるためには,様々な疾患との関連が報告されているそれらの病態の上流に位置するビタミンDは極めて重要な因子である.
著者
森 旬子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.3-14, 2013-03-31

アートをキーワードとした地域活性化の取組みなど、活発な住民活動が見られる徳島県神山町において、環境・景観・サインデザインに関する調査・研究を実施し、具体的なサイン計画を提案した。風土や伝統や歴史に裏付けられた町の魅力を捉え、現在の問題点を抽出し新たな提案を試みることで、現在まで築かれた町の活動をより発展させ、効果的に支え得るビジュアルコミュニケーションの手法を探る。
著者
中島 栄之介 森 一弘
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Nara Gakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.119-126, 2018-10

特別支援学校において感染性胃腸炎の集団発生を経験した。感染性胃腸炎の集団発生から終息までの欠席・学級閉鎖の状況、対応策等の記録を分析し、感染ルート、感染拡大の原因、対応策等について検討した。感染源をトイレと推定したが、感染経路の特定できない広がりも見受けられた。学校医の助言を受け消毒等を行った。しかし、一般的対応だけでは著効なく、全クラスが時期をずらして学級閉鎖となるほど感染が拡大した他、保護者への感染も確認された。その後、約2週間で新規の感染者は確認できなくなり約3週間で終息した。感染拡大の背景として、感染力の強さに加え、施設設備、児童生徒数の増大による過密化、種々の集団の形成など特別支援学校特有の要因が示唆された。また、保護者への情報提供は感染拡大にも有効であったと考えられた。
著者
永島 琢也 田尻 道彦 菅野 健児 小島 陽子 鮫島 譲司 石川 善啓 大森 隆広 益田 宗孝
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.11-16, 2013-01-15
参考文献数
14

【目的】間質性肺炎に合併した気胸の多くは難治性である.手術の選択は,合併症を考慮すると判断が困難な場合がある.手術の効果・安全性を評価する.【対象と方法】間質性肺炎合併気胸に対し,手術を施行した14例を対象とした.患者背景,治療結果,術後再発症例の臨床的特徴と手術手技,術後合併症・手術死亡を検討した.【結果】全例で気漏を停止させることができた.気胸の再発は35.7%(5/14症例)に認めた.再発症例は全例,術前ステロイド使用症例であり,CT上間質性肺炎による肺組織構造変化が及んだ範囲内から発生した病変であった.手術死亡を7.1%(1/14症例:間質性肺炎悪化1例)に認めた.術後合併症は14.3%(2/14症例:膿胸1例,間質性肺炎増悪1例)に認めた.【結語】間質性肺炎合併気胸に対する手術は有効な方法であるが,再発しやすい症例や,術後間質性肺炎増悪に注意が必要である.