著者
ジェイムズ ノーマン 森本 祥子
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.70-87, 2013

<p>イギリスでは、19世紀以来、民間アーカイブズ(所有権が民間にあるもの)の保存を王立手稿史料委員会(Royal Commission on Historical Manuscripts)および全国アーカイブズ登録局(National Register of Archives)が担ってきた。現在はその責務は国立公文書館民間アーカイブズ・チームに引き継がれている。イギリスには民間アーカイブズ全体をカバーする法制度はないため、全国規模で集約した情報を元に、アーカイブズの類型に応じた法制度を活用しつつ、その保存と活用を支援することとなる。本稿では、こうした取り組みを紹介する。</p>
著者
福森 義宏 田岡 東
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.011-014, 2014 (Released:2014-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Magnetosomes synthesized in magnetotactic bacteria function as a cellular compass to navigate along the Earth’s magnetic field. The magnetosome contains various types of specific associated proteins. Most of the magnetosome-associated proteins are encoded in gene clusters within a genetic “magnetosome island,” which is essential for the synthesis of magnetosomes. Our atomic force microscopy studies indicated that the thickness of the organic layer wrapped around the magnetite crystal was ~7 nm, and magnetosome-associated protein MamA was localized at the surface of the organic layer. In this review we present recent progress on “Structure and Function of Magnetosomes” and propose the structural model of magnetosomes in the cell.

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著者
アンドレーエフ 著 森鴎外 訳
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1911
著者
森岡 邦泰
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002-01-23

新制・論文博士
著者
伊藤 直人 北口 達也 森口 友也 高田 秀志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.143-150, 2014-01-15

近年,スマートフォンやタブレット端末の普及により,これらを活用した新しい協調作業の形態が追求されている.我々は,同一空間内で複数グループに分かれて同様の作業を行う活動に着目し,タブレット端末を活用してこのような活動を支援する「ダイナミックグループコラボレーション環境」を構築している.ダイナミックグループコラボレーション環境では,ユーザが自らグループ間を移動して動的にグループを再構成しながら協調作業を行うことを想定しているが,ユーザのグループ間移動を促進するためには,他のグループで行われている作業内容を提示するグループ間アウェアネス機能が必要である.本研究では,ダイナミックグループコラボレーション環境上に実装した協調検索システムを対象に,ユーザのグループ間移動に関与する要因に関する調査を行った.調査の結果,1) ユーザに与える情報量が多く,ユーザの興味を引く情報の提示,2) 直感的に作業内容を示し,ユーザが参照しやすい情報の提示,3) ユーザが行う作業内容自体の難易度の高さ,が要因となりうることが示唆された.
著者
加藤 由麻 妙田 貴生 藤森 嶺 戸枝 一喜 西澤 信 桜井 智野風
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.92-97, 2013-07-31

リノール酸などの不飽和脂肪酸は,必須脂肪酸として生体の恒常性維持に不可欠なばかりか,血中コレステロールの上昇抑制作用を有することが知られている。エミュー(学名:Dromaius novaehollandiae)はオーストラリア原産の大型走鳥類で,エミューの皮下脂肪から調製したエミューオイルは原住民により万能薬として用いられてきた歴史がある。エミューオイルには,オレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれており,エミューオイルの経口投与は皮膚炎や関節炎への抗炎症作用が報告されている。一方,血中脂質の抑制作用や脂質代謝の改善作用が報告されているが,詳細なデータはいまだ報告されていない。本論文では,エミューオイルの経口投与がラットの脂質代謝に及ぼす影響を分析した。エミューオイルの経口投与(1.0mg/kg/day)6週間では,体重や精巣上体脂質量に対する影響は認められなかった。しかし,精巣上部脂質から単離した脂肪細胞をイソプロテレノールで刺激して生じる脂質分解反応は,エミューオイル投与群でラード投与群や大豆油投与群に比べて亢進した。以上の結果より,エミューオイルの経口投与はラットの脂質代謝に影響を及ぼし,投与量依存的に脂肪分解反応を亢進することがわかった。エミューオイルの脂質代謝に及ぼす注目すべき影響は,機能性食品や医薬品に応用可能と考えられる。
著者
森下 知晃 水上 知行 田村 明弘
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ハワイ大学設置のSIMSを用いて、グラファイトの局所炭素同位体比分析の分析手法を確立した。この手法を用いて、高圧変成岩、接触変成岩、ヒスイ輝岩、グラファイトを含むかんらん岩捕獲岩の分析を行った。高圧変成岩類、接触変成岩類は、炭質物中の不純物の影響により良いデータが得られなかった。ヒスイ輝岩のデータから、ヒスイが形成される沈み込み帯初期には、マントル値と同程度の炭素同位体比を含む流体が関与していることが明らかになった。かんらん岩捕獲岩中のグラファイトからは、生物起源を示唆する軽い同位体比が得られた。マントル中でのダイヤモンドが形成との関連を示唆する。
著者
初瀬 龍平 野田 岳人 池尾 靖志 堀 芳枝 戸田 真紀子 市川 ひろみ 宮脇 昇 妹尾 哲志 清水 耕介 柄谷 利恵子 杉浦 功一 松田 哲 豊下 楢彦 杉木 明子 菅 英輝 和田 賢治 森田 豊子 中村 友一 山口 治男 土佐 弘之 佐藤 史郎 上野 友也 岸野 浩一 宮下 豊
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、戦後日本における国際関係論の誕生と発展を、内発性・土着性・自立性の視点から、先達の業績の精査を通じて、検証することにあった。研究成果の一部は、すでに内外の学会や公開講座などで報告しているが、その全体は、『日本における国際関係論の先達 -現代へのメッセージ-(仮)』(ナカニシヤ出版、2016年)として集大成、公開する準備を進めている。本書は、国際政治学(国際政治学、政治外交史)、国際関係論(権力政治を超える志向、平和研究、内発的発展論、地域研究)、新しい挑戦(地域研究の萌芽、新たな課題)に分けた先達の業績の個別検証と、全体を見通す座談会とで構成されている。
著者
山本 享弘 猿渡 俊介 森川 博之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.1863-1874, 2012-07-15

スマートフォンに代表される近年の携帯電話の高機能化にともない,携帯電話に搭載されたセンサを使って実空間情報を収集する携帯電話センシングが実現可能となった.しかしながら,バックグラウンドで動作する携帯電話センシングの処理や通信が,フォアグラウンドのウェブブラウジングなどのネットワークアプリケーションの通信に遅延を生じさせるという問題が発生する.本稿では,携帯電話センシングを実現したときのユーザ通信の遅延を抑制するために,携帯電話上でトラヒックの優先制御を行うLW-LBE(Lightweight Lower-than-Best-Effort)の設計と実装,評価について述べる.LW-LBEでは,実行オーバヘッドの小さいソフトウェア割込みハンドラをプライオリティキュー単位に割り当て,タスクとソフトウェア割込みハンドラの間で実行順序を制御することで,低優先度通信を低オーバヘッドで実現する.実機上にLW-LBEを実装して評価を行った結果,既存手法よりも少ない実行サイクル数でフォアグラウンド通信の遅延が削減できることを示す.Mobile phone sensing collects real-world information with sensors on mobile phones. The sensing applications get the real world information and upload sensor data to the server periodically in background. The sensor data uploading induces communication delay of user's network applications such as web browsing. To reduce the communication delay, this paper shows Lightweight Lower-than-Best-Effort (LW-LBE) protocol, which sets the lower priority than best-effort to the background traffic. The LW-LBE assigns software-interrupt handlers to each priority, and controls the execution order among software-interrupt handlers and tasks. We implemented the LW-LBE on an android phone and evaluated the LW-LBE. The evaluation results show LW-LBE reduces the communication latency of the foreground application to the same level with the previous work and reduces more CPU load than the previous work.
著者
津田 侑 黄 亮錦 森村 吉貴 侯 書会 上原 哲太郎 上田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.300-310, 2014-01-15

インターネット上でのユーザ間の情報共有はCGMと呼ばれるユーザ主体の情報発信基盤を通じて文字,写真,動画など様々な形で行われている.その中でもインターネット生放送は情報を映像とともにリアルタイムに伝える手段として注目を集めている.本論文ではユーザが創造したコンテンツを保護しつつ情報を発信できるインターネット生放送システムを提案しそのプロトタイプを構築した.そして,そのプロトタイプを用いて操作性,映像の品質,コンテンツ保護の効果の3つの項目を評価するために被験者実験を実施した.操作性では83.3%の被験者から高い評価を得られた.映像の品質は画質,音質,映像と音声の同期性の3つの指標でそれぞれ70%以上の被験者から高い評価を得られた.コンテンツ保護の効果では100%の被験者に映像の視認性について効果が見られた.また,94.4%の被験者から映像の横流しに対する抑止力があるという評価を得た.
著者
佐伯 英明 三浦 邦夫 五十嵐 信寛 小川 弘良 清水 世紀 和田 郁生 鈴木 隆志 原田 忠 森田 隆 加藤 哲郎
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.1058-1062, 1982-08-20

症例は妊娠第15週の36歳の女子で,肉眼的血尿を主訴として当科を受診した。膀胱鏡を施行したところ,膀胱左側壁に巨大な腫瘤を認めたので生検を行ない,移行上皮癌と判明した。患者は既に3子を有しているので,人工流産を施行し,泌尿器科的精査および治療を進めていつた。膀胱造影では左側半分を占める巨大た陰影欠損を認め,骨盤部動脈造影で腫瘍血管に富む腫瘍を認めた。術前に,マイクロカプセル化されたマイトマイシンCを合計40mg使用して2度にわたつて腫瘍支配動脈の化学塞栓を行ない,化学塞栓後の膀胱造影で腫瘍が中等度縮小した時点で膀胱全摘除術および回腸導管造設術を施行した。肉眼的には大小2個の腫瘍が認められ,組織学的にはgrade I, stage Aの移行上皮癌であつた。術後5ヵ月という短い経過ではあるが,転移や再発の徴候はない。妊娠に悪性腫瘍が合併することは稀れであり,殊に尿路悪性腫瘍が合併することは極めて少ない。妊娠に合併した膀胱癌の症例は欧米の文献に7例を認めるが,本邦では最初の報告ではないかと思われた。血尿が認められれば妊娠の有無にかかわらず即時にしかも適切な検索が行なわれなけれぼならないことを強調し,かつ,妊娠中の膀胱癌の治療法および妊娠と悪性腫瘍との関係について若干の考察を加えた。
著者
金森 修
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

フーコーが1970年代に模索的に使用した生政治・生権力という概念は、その後生物学・医学の急速な進展による日常生活の変化に伴い、新たな含意を獲得するに至った。本研究はその事実を背景に、アメリカ的な生命倫理学をメタ的に対象化して現代的な特質や偏向を探るという目標を掲げた。当初は比較的理論的な問題設定、クローンや臓器移植などの問題群への注視を想定していた。だがこの研究期間中思いがけずに福島第一原発の大事故が勃発したので、放射線障害の多寡や、それを巡る日本社会の多様な政治的・思想的発言の分析に思いの他重点が置かれることになった。人間の生命をどうしても二次的に捉えがちな我が国の政治風土の剔抉ができた。
著者
森田 克己
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.53-60, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

In order to make the synesthesia phenomenonan of colors and image clear, we performed a test using W. wolff s color-word matching method and from the first to the firth factor were exctracted from the factor analytical method.The order from the first to fifth factor are“the pleasantness-unpleasantness-factor”, “the activity-factor”, “the strong-week-factor”, “the evaluation-factor”, “the potency-factor”.In each factor, the first factor corresponds to light clear colors and dark clear colors. The second one is to high chroma and low chroma. The third one is to light clear colors and dark clear colors of warm color. The fourth one is to yellow of“low lightness or high chroma”and“middle lightness and from middle chroma to yellow of low chroma”. The fifth one is to“low lightness and low chroma”and“from middle lightness to warm color of high chroma”.The test was based on matching one handred colors with fifty-five sense adjectives.The results of the test tells us that synesthesia image of colors was defined by mainly tone, depending on chroma and lightness.As for intermodality in colors and sense image, the correlation of the emotional meaning dimension and the meaning dimension of sense was confirmed.
著者
森 章司
出版者
東洋大学文学部
雑誌
東洋学論叢 (ISSN:03859487)
巻号頁・発行日
no.26, pp.166-145, 2001-03
著者
木曽 康郎 森本 将弘 岩田 祐之 山本 芳美 奥田 優 本道 栄一 前田 健
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、受胎産物と子宮内膜との相互作用の解析を行い、(i)免疫担当細胞の特異性、(ii)子宮内サイトカインネットワーク、(iii)MHC発現の特殊性、(iv)補体調節因子、等の4点の変化を中心に複雑な母子境界領域の免疫応答機構と胎盤特異的情報との関連を総括的に捉え、胎盤の免疫抑制機構への環境因子の毒性的影響を明らかにし、適切なモデル動物を見いだすことであった。目的達成のため、生殖能力に多少なりとも問題が見られた多種多様なマウスモデルを使用した。これらと内分泌撹乱物質により生殖能力の低下(流産を含む)を見せたマウスと比較検討の結果、胎盤形成期に流産が誘起されたものは、両者の間で驚くべき相似性を見せた。すなわち、胎盤迷路部の発達不全、脱落膜の異常、ラセン動脈の異常、間膜腺の発達不全である。特に、迷路部の非化膿性炎症(胎子間葉組織肥大)、栄養膜巨細胞の分化異常、脱落膜細胞のアポトーシス不全、ラセン動脈血管内皮および中膜の肥厚、子宮NK細胞の異常、であった。これらは内分泌撹乱物質のエストロゲン様活性が局所的に、あるいは限局的に働いた結果と考えられた。一方、サイトカインや成長因子およびそれらのmRNA発現は、むしろ内分泌撹乱物質により生殖能力の低下(流産を含む)を見せたマウスで上昇するなど、まったく異なった。これらは内分泌撹乱物質のエストロゲン様活性が局所的に、あるいは限局的に働いた結果、母子境界領域で重要な免疫応答を担当する細胞(特に子宮NK細胞)にサブセットの変化を含めて、質的変化が誘導されたことを示唆した。今後の課題として、これまでの成果を基に絞り込んだ各因子を、胎盤および子宮内膜の各構成細胞株から作成した再構築組織様塊(オルガノイド)に導入し、これに生理活性を与え、妊娠現象を母子間免疫と胎盤特異情報との相互関連からブレークスルーさせたい。
著者
栢野 彰秀 廣島 亨 森 健一郎
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学・人文・社会科学・自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.29-40, 2013-12-25

本研究の目的は、イメージマップを分析するためのデータ処理方法に工夫・改善を加えて、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップの分析に基づいた形成的評価が活用できるようにするための第一次資料を得ることである。上述した目的を達成するために、まず最初に各小単元の学習終了後、子どもが書いたイメージマップと予め教師が書いたイメージマップを比較させた。次いで、それから得られたデータに、本研究において筆者らが新たに提案した簡潔な授業評価方法に基づいた授業評価を行った。13; その結果、本研究において筆者らが新たに提案した簡潔な授業評価方法は、次の2点の特徴を持つことが明らかになった。第一に、単元の学習内容に関する知識・理解に関する子どもの学習状況がモニターできるだけではなく、観察・実験時の技能やグラフの読み取りといった、単元の学習内容に関する技能・表現についての学習状況もモニターできる可能性がある。第二に、単元末テストにおいて測定される知識やスキルだけではなく、テストに出題されなかった単元の学習内容をより広くモニターできる可能性がある。13; これらのことから、本研究において筆者らの提案した文脈で、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップが活用できる可能性が明らかになった。今後研究を進めて検討を加える価値があり、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップを活用するための第一次資料が得られた。