著者
津野 丈彦 徳丸 隼平 小島 昌徳 木谷 洋輔 橋本 真也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.305-311, 2018 (Released:2018-10-03)
参考文献数
20

頭頸部同時化学放射線療法が引き起こす重篤な口腔咽頭粘膜炎に対する強オピオイド鎮痛薬は疼痛が改善したら速やかに終了すべきであるが,使用期間は患者個々で異なる.そこで,本研究では適正使用の観点から,頭頸部癌患者46例を対象に検討を行った.その結果,治療後の強オピオイド鎮痛薬の漸減期間中央値は30日であった.患者背景と強オピオイド鎮痛薬投与期間の関連を調べたところ,施行した化学療法によって有意差がみられ(TPF vs. S-1 vs. Cmab, 35.0 vs. 44.1 vs. 180.7, p≤0.001),セツキシマブ使用が強オピオイド鎮痛薬投与期間長期化の要因となることが示唆された.漸減の経過において身体依存やせん妄等の症状はみられなかった.患者背景把握や化学療法選択の段階から,強オピオイド鎮痛薬の使用が長期化する可能性について評価し,治療終了後の疼痛状況に応じて減量や中止を検討することが重要である.
著者
藤田 治彦 井口 壽乃 近藤 存志 川島 洋一 池上 英洋 加須屋 明子 井田 靖子 橋本 啓子 天貝 義教 高木 陽子 高安 啓介 加嶋 章博 朝倉 三枝 三木 順子 永田 靖 塚田 耕一
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

美術、建築も含めた広い意味でのデザイン教育の歴史をおもなテーマにした国際会議、第1回ACDHT(Asian Conference of Design History and Theory)を本研究開始の平成27年10月に大阪大学で開催、平成29年9月には第2回ACDHTを東京の津田塾大学で開催した。その研究内容は同国際会議での発表論文を査読して掲載する ACDHT Journal の”Design Education beyond Boundaries”に掲載され、同国際会議ウェブサイトでも閲覧可能にしている。研究代表者と13名の研究分担者は、全員、積極的に調査研究を進めている。平成29年度は、特にインド、スペイン、ドイツ、中欧、イギリス(スコットランド)の研究成果が注目された。第2回ACDHTでは、第1回ACDHT以上に、本科研プロジェクト以外の研究発表者も国内外から参加し、このデザイン教育史研究を通じての国際交流を高めている。本研究は、各国のデザイン史、美術史、建築史等を専門とする日本の代表的研究者が研究分担者となり関連国、関連地域の独自の調査研究を進め、国際会議での発表でも高く評価されているているが、全世界を視野に入れれば専門の研究分担者のいない国や地域も多く、それが「デザイン教育史の国際的比較研究」の目的を達成するには唯一の欠点でもあった。研究代表者は、その欠点を十分に補って研究を総括する立場にあり、第1、第2年度には、担当する研究分担者のいない中国、東南アジア、インド等の調査を行い、平成29年度にはオランダと北米(アメリカ東部とカナダ)および南米(アルゼンチンとチリ)等で調査研究を行った。調査のために訪問した各国の主要教育機関からは多くの場合、重要な関連資料を提供され、旅費は必要だが、図書購入費は節約可能で、順調に調査研究を進めている。
著者
橋本 真太郎 杉本 洋平 濱本 昂 石濱 直樹 Hashimoto Shintaro Sugimoto Yohei Hamamoto Ko Ishihama Naoki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
平成29年度 宇宙科学情報解析シンポジウム=Space Science Informatics Symposium FY2017
巻号頁・発行日
2018-02 (Released:2018-02-00)

会議情報: 平成29年度宇宙科学情報解析シンポジウム(2018年2月16日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県 Meeting Information: Space Science Informatics Symposium FY2017 (February 16, 2018. Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA)(ISAS)), Sagamihara, Kanagawa Japan
著者
橋本 明憲 高橋 俊樹 松本 健作 鵜崎 賢一
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.147-161, 2012 (Released:2012-12-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

家庭に於ける花粉除去手法として最も普及しているのは空気清浄機である。SubGrid-ScaleモデルとしてCoherent Structure Modelを用いたLES,粒子挙動シミュレーション,及びその解析や可視化を行う自作ソフトウェア群Computational fluid dynamics and Aerosol Motion Property Analysis Suite(CAMPAS)を開発し,縦5 m横5 m高さ2.5 mの室内床面中央に配置した前面吸気上面排気型の空気清浄機による,スギ花粉挙動を解析した。その結果,このモデルの空気清浄機は,室内に一様分布させた花粉の4割程度しか吸入できず,5割強の花粉を落下させてしまうことが分かった。また,空気清浄機の吸気面以外の面である側背面や,部屋壁面に花粉が衝突し,落下しやすいことが明らかになった。空気清浄機の吸気面前方領域に存在する花粉は吸入しやすく,また,後方領域の花粉も排気により再度上昇させることで吸入できることが判明した。空気清浄機が吸入しやすい,吸気面からの方位角θや仰角φが存在する。この角度の値は吸排気モデルに依存すると考えられる。従って,空気清浄機の吸排気仕様を変化させ,花粉を吸入できる領域を拡大することで,花粉除去率のさらなる向上が期待できる。
著者
尾上 直之 張 汀汀 橋本 周司 田中 章喜
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.449-450, 1996-03-06
被引用文献数
1

近年、テレビ・ビデオ等のAudio Visualメディアの充実にともなって、われわれは映像を見て、同時に音を聞いている。音のない映像を見ると、違和感さえ感じるものである。背景音楽(BGM)の多くは、作曲家によって作曲されており、簡単なBGMについても製作の自動化はほとんど行われていない。我々は、動画像から背景音楽を自動生成するシステムの制作を行っている。動画像から単純な構造的特徴を抽出し、これらをリアルタイムで音楽的特徴と結び付け、適当なメロディーを付加するシステムである。BGMを生成する試みは、これまでにも報告されているが、ここでは画像の内容に立ち入らず物理的な特徴のみに注目し、最終的に画像受信側に小さなアダプタを付加して、個人の好みに合わせた音楽を生成することを目的としている。本稿では、システム構成の概要とサンプル動画像を用いた音楽生成の結果を報告する。
著者
橋本 佳延 栃本 大介 黒田 有寿茂 田村 和也 福井 聡
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.395-399, 2013 (Released:2014-12-11)
参考文献数
25
被引用文献数
1

良好に管理されているススキ草原の種多様性がシカの採食によって受ける影響を明らかにするために,シカ高密度化が進む兵庫県神河町の砥峰高原ススキ草原にて防鹿柵を設置し,柵内外の出現種の出現頻度・平均被度を調査した。結果,ススキ以外の草本種種数は防鹿柵区の方が約4 種多かった(p<0.05)。ススキ以外の草本植物被度は防鹿柵区で4.0 ポイント高く(p<0.05),広葉草本被度は防鹿柵区の方が4.9 ポイント高かった(p<0.001)。防鹿柵区での平均被度が有意に高い種(種群A)は2 種,防鹿柵のみに出現した種(種群B)は8 種確認された。防鹿柵と無柵区との間に生じる広葉草本の被度の差違への寄与率は種群A が27%,種群B が11 %だった。このことから,シカの採食はススキ草原の種多様性に対して負の影響をもたらし,その影響は特定の種に対して顕著に及ぶ可能性があると考えられた。シカの高密度生息地域では,管理により良好に維持されているススキ草原であっても,シカの採食により植物の種多様性が低下する恐れがある事が示唆された。
著者
橋本 優実 PANKAJ KAMDAR Radhika 松井 理 橋本 光正 松本 義久 岩淵 邦芳
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.102, 2011

アポトーシスに陥った細胞において、XRCC4はカスパーゼ3あるいは7で切断され、DNA ligase IV結合領域を含むが核移行シグナルを欠いた35 kDaのN末断片(以下pN35)となることが知られている。本研究では、XRCC4断片化のアポトーシスにおける役割を調べた。<BR> マウスリンパ腫L5178Y細胞由来XRCC4欠損細胞株M10細胞をスタウロスポリン(以下STS)で処理してアポトーシスを誘導した。アポトーシスは、カスパーゼ3の活性化あるいはアポトーシス特異的DNA断片化(TUNEL法)を指標に検出した。<BR> M10細胞に野生型XRCC4を発現させた細胞株(M10-XRCC4)をSTS処理すると、pN35が検出されたが、カスパーゼで切断されない変異型XRCC4(XRCC4 D265A)を発現させた細胞株(M10-D265A)ではこの断片は検出されなかった。このときM10-XRCC4でのみ、アポトーシスの増強と、カスパーゼ3上流に位置するカスパーゼ8および9の活性化体の増加がみられた。STSによるアポトーシスに対する増強効果は、M10細胞にpN35を発現させても認められなかったが、核移行シグナルを付加したpN35を発現させると認められた。M10-XRCC4と M10-D265Aの両細胞において、 XRCC4とDNA ligase IVは、アポトーシスの進行に伴い核から核外へ移行した。<BR> 以上より、カスパーゼによるXRCC4のN末断片化はアポトーシスに必要であることが確かめられた。pN35は核内に存在する時にアポトーシス増強作用を発揮することが明らかとなった。アポトーシス増強の機序としては、pN35によるカスパーゼ8および9の活性化の促進が考えられた。一方、アポトーシスの進行に伴うXRCC4とDNA ligase IVの核外移行には、XRCC4のN末断片化は必要ないことが示された。<BR> なお、M10細胞は文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトを介して理研BRCから提供された。
著者
辻 裕之 遠藤 繁之 原 茂子 大本 由樹 天川 和久 謝 勲東 山本 敬 橋本 光代 小川 恭子 奥田 近夫 有元 佐多雄 加藤 久人 横尾 郁子 有賀 明子 神野 豊久 荒瀬 康司
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.563-569, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
11

目的:人間ドックにおける尿潜血の意義を検証する.方法:2011年2月からの1年間に虎の門病院付属健康管理センター(以下,当センター)人間ドックを受診した16,018例(男性10,841例,女性5,177例)について尿潜血の結果を集計し,推算糸球体濾過値(以下,eGFR)との関連を検討した.次に2008年から2011年の4年間に当センター人間ドックを受診したのべ58,337例(男性40,185例,女性18,152例)について,腹部超音波検査で腎・尿路結石,またその後の検索を含めて腎細胞がんおよび膀胱がんと診断された例について,受診時の尿潜血の結果を検討した.結果:年齢を含めた多変量解析を行うと,尿潜血とeGFR低値との間には有意な関係を認めなかった.また,超音波上腎結石を有する場合でも,尿潜血陽性を示すのはわずか18.5%に過ぎなかった.さらに,腎細胞がん例で8.3%,膀胱がんでも28.6%のみに尿潜血は陽性であった.結論:人間ドックにおいて尿潜血は従来考えられていたより陽性率が高いが,少なくとも単回の検尿における潜血陽性は,CKDや泌尿器科疾患を期待したほど有効には示唆していないと考えられた.今後,尿潜血陽性例の検索をどこまで行うのが妥当なのか,医療経済学的観点も加味した新たな指針が望まれる.
著者
滝内 基弘 橋本 康
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.482-488, 1977-10-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

The leaf temperature was measured by means of an infrared thermometer, which utilized PbTiO3 pyroelectric infrared detector, in connection with plant physiological information.The infrared thermometer was operated with a band pass filter of 9μm to 12μm, in which region the spectral reflectance of leaf is relatively low (less than 1% for tobacco leaf) and the averaged emissibity of leaf estimated by using Weber's method is nearly 1.0. The stability of the infrared thermometer proved to be better than 0.3K in terms of zero drift in a series of continuous operation and its best resolution of temperature was 0.1K. A high sensitive impedance meter was used simultaneously as for the measurement of water content in plants.The leaf temperature response of tobacco plant to light inputs and humidity inputs in various condition was measured in a controlled growth cabinet. The water content in stem, the transpiration and the gas concentration were measured simultaneously. As the result;(1) When the leaf was irradiated, oscillating changes in the leaf temperature in connection with changes in the water content of stem and in the transpiration were clearly observed.(2) The leaf temperature changed more rapidly at a higher air temperature.(3) The amplitude of leaf temperature change was greater at a lower air humidity.(4) A comparison between the results of temperature measurement obtained by thermocouple and those by infrared thermometer showed that the effect of the adhesive that was used for thermal contact of thermocouple on the leaf was not negligible.The results as a whole shows that the information obtained through the measurement of leaf temperature by means of infrared thermometer can present a key to make clear the phenomena in plant growth.
著者
林田 草太 岡 孝和 兒玉 直樹 橋本 朋子 辻 貞俊
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.907-913, 2006
参考文献数
10

症例は35歳,女性.全身に紅斑・膨疹とかゆみが出現・消褪を繰り返すようになり,近医で蕁麻疹と診断されさまざまな抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を処方されたが,症状は不変で,心因の関与が疑われ当科入院となった.負荷試験として鏡映描写試験と暗算負荷試験を行ったところ,試験直後より紅斑・膨疹を伴ったかゆみが出現し約2時間持続.このとき血漿ヒスタミン値は上昇した.職場や姑の話をした直後にも同様の蕁麻疹が生じた.支持的精神療法に加え,心身相関の気づきを促すためにかゆみの程度を記録,自律訓練法の指導,パモ酸ヒドロキシジンの内服により,増悪・寛解因子を理解し,症状が出現しない工夫ができるようになり,その結果蕁麻疹は改善し,鏡映描写試験後の血漿ヒスタミン値の上昇も軽度となった.慢性蕁麻疹のうち心理的要因により難治化しているものに対しては,心身医学的アプローチが有効であると考えられる.
著者
松石 豊次郎 石橋 紳作 山下 裕史朗 栗谷 典量 神谷 育司 福田 清一 橋本 武夫 原 淳二 東 宏 庄司 順一 前川 喜平
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.149-155, 1996-03-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

年, 周産期医療の進歩に伴い, 極低出生体重児の救命率は改善してきた.欧米諸国および本邦から極低出生体重児の短期, 長期の神経学的予後の調査が行われ, 従来, 正常および境界と思われていた児に学習障害などの少なくないことが指摘されてきた.また, 児の発達に影響を及ぼす家庭環境や両親の養育態度の重要性も強調されている.欧米で実施されているearly interventionの概念と適応, およびその有用性を紹介する.また日本の全国8施設で行われているearly interventionの実施状況と効果の紹介および将来の展望について述べる.
著者
橋本 令子 加藤 雪枝 椙山 藤子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.295-301, 1985-07-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
2

本研究は嗜好色, 着用色による色彩の嗜好性と被服を選択する際に考えられるファッション意識との関連性を追及した.嗜好色, 着用色の調査は, 面接調査法を用いて行い, 色の出現率を求め, 色相, トーンによる出現傾向を調べるとともに相関係数, 分散分析によって嗜好色, 着用色の関係を検討した.ファッション意識は, SD法によって評価し, 基本因子を抽出し, 各因子別に色彩の嗜好との関連を調べた.その結果, 嗜好色, 着用色は無彩色の出現率が高く, 色相においては赤, 黄, 青, 緑系, トーンにおいてはl, t, b, v, pトーンが多く出現した.また嗜好色, 着用色に及ぼす色相, トーンの効果は, 色相よりもトーンが大きく影響した.ファッション意識に対する基本因子はファッション関心度, 流行意識, 着用態度, おしゃれ態度, 嗜好性の5つであらわされた.色彩の嗜好と因子別によるファッション意識との関係は, 因子間による差異が小さく, 色彩の嗜好は, ファッション意識の各因子に対して類似した考え方を持っているものと思われた.
著者
瀬尾 育弐 宮島 泰夫 橋本 敬介 神田 良一 手塚 智 岩間 信行 橋本 新一 小笠原 洋一 阿部 康彦 本郷 宏信
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.109-117, 2005
参考文献数
11

生体の複雑な構造把握や術中応用のために超音波による3次元イメージングのニーズが高まっている。電子スキャンとメカスキャンを融合した装置はすでに製品化されているが, リアルタイム性, プローブサイズなどの問題がある。ここでは, 2次元アレイトランスジューサを使ったリアルタイム3次元超音波(以下RT-3D)を開発した。振動子は64×64=4, 096からなり, バッキング材を通して振動子面に対し垂直に信号線を引き出し, S/N向上のためインピーダンス変換器ICをプローブ内蔵した。振動子配列はスパースアレイとし, 送受おのおの1, 000chの信号線を取り出し, ビームフォーミングされた受信信号はリアルタイムボリュームレンダリング処理を行い, 15 volume/sで3次元表示した。
著者
杉本 紘介 道口 康二郎 佐原 由希子 深堀 ユリエアリーシア 南 太貴 川越 陽介 酒井 康成 江島 美希 請田 咲紀 山下 将毅 井上 美沙 田村 美由紀 橋本 誠 力武 宏樹 松田 朋子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1028, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに】超高齢社会を迎え,高齢者においては栄養状態の評価や栄養状態改善への取り組みが注目されており,低栄養状態は創傷治癒の遅延だけでなく入院期間の延長や死亡率にまで影響すると言われている。理学療法の臨床においても低栄養状態により動作レベルが制限され,身体機能や各種動作,ADL等に影響を及ぼすケースがあり,転帰先への影響も考えられる。そこで高齢者の低栄養状態を判断する一つの指標である血清アルブミン値(以下Alb)が転帰先に対して影響しているのではないかと考えた。本研究は,当院回復期病棟入院患者を対象に入退院時のAlbを用いて比較検討を行い,また動作等への影響を調べるためFIM,日常生活機能評価との関連性を調べたので報告する。【方法】対象は平成24年6月から1年間で当院回復期病棟に入院した70歳以上の運動器疾患30名,脳血管疾患14名,廃用症候群(術後・肺炎等)36名の計80名(男性26名,女性54名),平均年齢84.79±5.69歳である。方法は入退院月のAlb,FIM,日常生活機能評価を用いて,自宅及び施設に退院した自宅施設群と転院やその他であった転院他群を比較した。FIM,日常生活機能評価の入退院月は自宅施設群63名(平均年齢84.7±5.51歳,男性15名,女性48名),転院他群は17名(平均年齢85.12±6.52歳,男性11名,女性6名)であった。Albは検査した対象者のみの比較であるため,入院月は自宅施設群59名(平均年齢84.64±5.47歳,男性15名,女性44名),転院他群16名(平均年齢85.13±6.73歳,男性10名,女性6名)であり,退院月は自宅施設群22名(平均年齢85.14±5.63歳,男性11名,女性11名),転院他群16名(平均年齢86.06±5.4歳,男性10名,女性6名)であった。また対象者の入院期間内の総評価数を用いてAlbとFIM(評価総数n=143),Albと日常生活機能評価(評価総数n=140)の関連性を求めた。なお解析ソフトはSTAT VIEWを使用し,入退院月の比較はMann-WhitneyのU検定とt検定(対応なし),各項目の関連性はSpearmanの順位相関にて解析した。有意水準は全て5%とした。【説明と同意】本研究は所属の倫理委員会の承認を得て,患者・患者家族に研究の目的・方法を十分に説明した上で協力の可否を問い,同意書にて同意を得た。【結果】Albでは,入院月では自宅施設群(中央値3.4g/dL)が転院他群(中央値2.85g/dL)に比べ有意に高い値を示した(p<0.001)。また退院月でも自宅施設群(中央値3.2g/dL)が転院他群(中央値2.7g/dL)に比べ有意に高い値を示した(p<0.05)。FIM,日常生活機能評価では,入院月・退院月ともに自宅施設群が有意に高い値を示した(全てp<0.0001)。Albとの関連性では,FIM(相関係数0.375,p<0.0001),日常生活機能評価(相関係数-0.327,p<0.001)と有意な相関関係が認められた。【考察】先行研究では退院時のAlbにおいて自宅退院群が非自宅退院群に比べ有意に高値を示した報告がある。本研究では,退院月は栄養状態に問題のある対象者のみの検査結果ではあるが同様の結果を示した。さらに退院月だけでなく入院月のAlbが自宅や施設退院につなげる因子の一つであることが示唆された。またFIM,日常生活機能評価に関しても同様に入院時から能力が高い方が自宅や施設へ退院できる要因と言える。Albとの関連性では有意な相関関係が認められ,AlbがFIMや日常生活機能評価に関係している結果も得られた。Albは骨折,手術及び点滴,輸液などで低値を示す。つまり急性期から回復期へ転院する際の値が後の転帰先に影響を及ぼしていることになる。超高齢社会が進む中,理学療法においても在宅復帰を実現するためには,基本動作やADLなどの動作能力や認知機能の向上とともに高齢者の低栄養状態の改善を考慮し,急性期から他職種との連携による栄養状態の把握や積極的な介入が必要だと考える。【理学療法研究としての意義】超高齢社会が進む中,高齢者の栄養状態は理学療法を実施する上でも把握する必要がある。AlbがFIMや日常生活機能評価と関連性は認められたが,相関係数としては低い値であった。今後は各評価項目の中で何に対して影響が大きいのかを調べていくことで,栄養状態と基本動作能力やADL能力,認知機能など踏まえて適切な予後予測につながっていくと考える。
著者
橋本 健広
出版者
関東学院大学経済学部教養学会
雑誌
自然・人間・社会 : 関東学院大学経済学部総合学術論叢 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
no.57, pp.57-63, 2014-07

本稿は、2011年度本学の英語の授業内で行った語彙習得に関わる授業実践を記録した教育実践報告である。補習として授業外で学習した英語の単語について、学習した語彙を振り返りまた定着の度合いを計るためのボキャブラリービンゴゲームを考案した。覚えてきた任意の単語を学生が升目に書き出し、任意に指定された学生がキーワードとなる単語を一人一単語ずつ読み上げて、最初に縦、横、または斜めの列がそろった学生が勝ちとなるゲームである。このボキャブラリービンゴは、遊びの要素と学生主体の実践という要素が特徴であり、学生は語彙を社会的な協同行為として習得する。