著者
吉岡 洋明 伊藤 裕道 田中 泰彦 池田 保 美
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.705-710, 2003-06

To meet the requirements for optimum utilization of power station sites and economic realization of coal fired thermal units, tandem compound 60 Hz 1000 MW large thermal units were developed. One of the most critical items was development of a large-size high strength generator rotor forging with comparable toughness to the conventional rotor forging. Based on the investigation results of existing rotor forging, chemistry optimization was conducted within the specification of conventional turbine generator and low pressure rotor forging by using lab oratory heat materials and 0.28%C-0.25%Mn-4%Ni-1.75%Cr-0.4%Mo-0.12%V high purity steel was selected for the candidate material. Double tempering heat treatment of 550℃ and 580℃ was also developed for increasing the yielding ratio of 0.02% yielding stress to tensile strength to meet the requirements of mechanical properties. According to those laboratory studies, one trial rotor forging with the same diameter as production ones was successfully produced.
著者
池田 静香
出版者
長崎市遠藤周作文学館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

申請者は、主に遠藤周作が作家を志したフランス留学(昭25~28年)から『沈黙』(新潮社昭41年3月)上梓までの間に、彼が中心的な執筆意図として抱えていた「「戦中派」の戦後の生き方」という問題に考察の焦点を定め、国立国会図書館・日本近代文学館等を利用し、昭和20年~昭和30年代までの遠藤の著作を出来る限り収集することに努めた。その調査の中で、遠藤がフランス留学中に興味関心を示し帰国後はサド論を書きたいとまで考えながらその生涯のなかでもかなわなかった「サド」への興味・理解にのなかに、遠藤が戦中派として体験した第二次世界大戦を乗り越える可能性を示し、またその思想と格闘していることが具体的にわかった(「遠藤周作にとっての「悪」-昭和30年代までの戦争への態度とサド理解を中心に」(「遠藤周作研究」第3号に発表)。また一方で、遠藤の著作のなかで「第二次世界大戦」を扱ったものを収集、整理することに努めた。その成果として、フランス留学中の「フォンスの井戸体験(注、第二次世界大戦下で行われた同胞虐殺事件のあった井戸)」を元にした『青い小さな葡萄』(「文学界」昭30年1~6月号)だけでなく、遠藤が文学的回心をするきっかけとなり加えて『沈黙』を書くための母体ともなったと言われている生死の境をさまよった大患(昭35~38年)を中心的な素材とした『満潮の時刻』(「潮」昭40年1~12月号)にも、作家が「第二次世界大戦を戦後文学としてどう描くのか」という流れのなかで『沈黙』へと筆を進めていったであろう軌跡を見出し、その変遷を朧ながら明らかにした(「「呻き声」の彼方-『沈黙』への道」(「九大日文」第17号に発表(※印刷中))。一年間という限られた時間のなかでの作業ではあったが、遠藤周作という一人の作家が小説家としての出発期に抱えた「戦争をどう乗り越えるのか」という問題意識の変遷を詳らかにする土台を形成することに努めたことは、それがとても小さな第一歩だったとしても、今後遠藤文学研究に新たな視座を導入するきっかけとなるはずだと考える。
著者
池田 拓也 小山田 雄仁 杉本 麻樹 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.J124-J133, 2013 (Released:2013-03-25)
参考文献数
13

Optical consistency between the real world and virtual objects is an important issue in augmented reality (AR). We propose a method to estimate illumination from an object shadow and incomplete object shape information captured by an RGB-D camera. The environmental illumination can be estimated without any prior knowledge of the object shape. The radiance of each light source is computed by solving linear equations derived from color and depth images. Since prior knowledge of the object shape is not necessary, we can flexibly use/combine any objects. Thus, we can use/combine multiple objects in the target scene to increase the accuracy and flexibility. Our experimental results show the characteristics of our proposed method.
著者
池田 隆之
巻号頁・発行日
2003-03

Supervisor:浅野 哲夫
著者
池田 康紀 田村 光信 梅津 英央 田村 元彦 小林 哲 杉田 和彦 知元 正行 長井 千輔 嶋田 晃一郎
出版者
小松島赤十字病院
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.38-43, 1999
被引用文献数
1

症例は68歳男性, 1997年11月の検診にて左上肺野異常陰影を指摘されるも98年6月になって当科入院。入院後の気管支鏡検査にて左B^3aの扁平上皮癌と診断。3週間後の待機手術となったため, 気管支鏡施行後3日目に一時退院となった。退院当日より感冒症状出現し, その後39℃台の発熱が持続したため再入院となった。再入院時の胸部X線上, 左上肺野に肺炎像を認め, 翌日には鏡面像を伴う空洞を認めたため肺膿瘍と診断した。抗生物質はCTM, CLDMを投与するも解熱傾向はみられなかった。しかしCZOPに変更後36℃台に解熱したため, 左上葉切除及びリンパ節郭清術を施行した。術後病理診断において2.5×1.0cm大の腫瘍とその末梢に約4.5×4.0cm大の膿瘍を認めた。腫瘍はT1N0M0, stage I期の扁平上皮癌であった。また術中採取した膿の培養にて起因菌がKlebsiella pneumoniaeと判明した。
著者
山田 達雄 稲葉 継雄 坂野 慎二 一見 真理子 本間 学 白土 悟 池田 充裕 山田 礼子 佐々木 毅 澤野 由紀子 馬将 光場
出版者
中村学園大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

イデオロギー対立の終焉の後の失われた10年と言われる間に、経済開発モデルとしての日本の地位は地に落ちた。代わってグローバリゼーションが風靡し、各国の経済開発を牽引するモデルとしてアメリカの地位が強大になった。国際的な経済競争に勝つか否かは教育システムがボーダーレスになった世界経済に適合しているかどうかが一つの重要な鍵になっているのではないかと考え、平成11年度から平成13年度までの3年間、英、米、独、仏、オランダ、ノールウエー、ヨーロッパ連合、中国、韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、オーストラリアの12カ国2地域を訪問し、これらの国で学校と企業の間のパートナーシップの状況を調査した。調査には団体あるいは個人で25回延べ36人が出かけた。またこの間に、国内学会で3回、国際学会で2回、国際セミナーとワークショップでそれぞれ1回発表し評価を受けた。報告書は第2年度に中間報告書(125頁)と最終年度に最終報告書(232頁)を刊行した。調査の結果、共通に見られる傾向としては、脱イデオロギーと経済競争への対応が教育の最も強力な動因となったことにより、官僚支配が弱まり市場化・民営化がどこの国も起こっており、グローバリゼーションの影響を強く受けていることが分かった。その結果、教育システムと経済システムの調和的あり方がどこの国においても重要な課題とされており、教育改革が模索されている。その対応のあり方に、経済そのものの建て直しがうまくいっていないロシア連邦などと、急成長を遂げつつある中国などとは大きな差が見られた。他方、新経済開発国(NIES)と言われる韓国、台湾及びシンガポールではグローバルな経済に対応した人材育成に成功している。注目すべきことは、これらの国が脱日本の政策をとっているらしいことである。かつて日本を先頭とする国際分業の雁行モデルが語られたことがあったが、今は影を潜めてしまった。逆に、日本は改革のスピードが遅く、日本のまねをしていてはならないという考えが強くなっている。韓国、台湾、シンガポールの国々は、米国を先頭とするグローバリゼーションに柔軟についていく姿勢を見せており、イギリスに倣って学校教育と就職後の職能開発を統合する傾向がある。
著者
中山 満子 池田 曜子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ママ友関係を小規模に形成された集団と考え、(1)ママ友という小集団のつながり方(強さ、多様性)、(2)ママ友間の対人葛藤の特徴と、葛藤及び対処法に及ぼす社会的文脈の影響、(3)ママ友関係が他の社会活動に及ぼす影響について検討することを目的とした。研究の結果、(1)ママ友関係のつながりは、ゆるやかで希薄な場合が多い、(2)対人葛藤は、つながりが緊密な場合に生じやすい、(3)対人葛藤を経験したときのコーピングは、社会的文脈(関係流動性)に調整される、(4)ママ友を含む対人関係についての成果感覚を得ることが、広く向社会行動への契機となりうることが示された。
著者
西沢 保 後藤 玲子 渡辺 良夫 小峯 敦 伊藤 邦武 藤井 賢治 池田 幸弘 本郷 亮 山崎 聡
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

19世紀末以降のケンブリッジ、オクスフォード、LSEの経済思想の展開を、現代福祉国家の変容・危機を視野に入れて、共同研究を進め成果を得た。具体的には、1. 「創設期の厚生経済学と福祉国家」から厚生経済学史の再検討へ、2. リベラリズムの変容と福祉国家-ニュー・リベラリズムからネオ・リベラリズムへ、3. マーシャル、ケインズと同時代の経済思想、4. ケインズと現在の世界経済危機-戦間期との比較考証、の4点を中心に国際共同研究を進め成果を得た。
著者
安東 奈穂子 池田 大輔
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.26-41, 2007-12

個人情報漏洩事件が相次ぐなか,図書館にも,図書館利用者の個人情報やプライバシーに対するいっそうの配慮が求められている。そこで,現在多くの図書館において行われているような,個人情報の取得を半ば当然としたうえで取得後のセキュリティを重視する個人情報管理が,果たして十分な情報保護を実現しているのか検証し,それに対して,画期的な新個人認証システムPersonal IDシステムの下では個人情報管理にどのような変化がもたらされるのかを比較検討する。さらに,当該システムを活用した,図書館利用者の情報主権者としての立場をより尊重した情報取得のあり方や,それに基づく,図書館利用者自らが主導権を握る利用者指向のサービスについて考察する。As incidents of identity theft become more frequent, libraries are becoming more concerned with ways to protect the personal information and privacy of their users. They must begin by asking themselves whether the library's current system of personal information management is really performing adequately, and then consider how it would compare to the way they could manage personal information using the innovative personal authentification system Personal ID. Furthermore, the authors posit that by implementing this new system, more respect is given to the library users who are in the position of controlling information, and this in turn provides a framework for developing user-centered services in which library users are able to take the initiative themselves.
著者
池田 浩
出版者
大阪府立大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

平成21年度は有機ラジカルELの関連実験として,2-(1-ナフチル)-2-フェニル-1-メチレンシクロプロパン(1)を含むメチルシクロヘキサンマトリクスへのγ線照射-昇温(77-130K)実験を行い,トリメチレンメタン型ビラジカル(^32^<・・*>)の三重項-三重項蛍光に基づく青緑色の熱ルミネッセンス(TL)の観測に成功した.しかし,この実験には制約が数多くあり,蛍光量子収率(Φ_F),蛍光寿命(τ_F)などの光物理データの測定は不可能であった.そこで平成22年度および繰越による23年度は,ダブルレーザーフラッシュフォトリシス(DLFP)法を採用して,基質1の光誘起電子移動反応による基底状態の^32^<・・>の発生と,その光励起による^32^<・・*>の発生を達成し,室温・溶液中における^32^<・・*>の発光解析を検討した.ジクロロメタン中,N-メチルキノリニウムテトラフルオロボレート-トルエン共増感系で,第一レーザー(Nd:YAG,λ_<EX>=355nm)を照射し,過渡吸収スペクトルを観測したところ,λ_<AB>=385nmに^32^<・・*>の過渡吸収が観測された.そこで,第一レーザー照射の500ns後に第二レーザー(355nm)を照射すると,λ_<PL>=470nm付近に発光ピークが観測された.この発光波長は,^32^<・・*>のTL発光波長(λ_<TL>=479nm)に近く,DLFP法によっても^32^<・・*>の発光が観測されていると考えられる.TLとDLFPでは発光スペクトル波形に若干の違いが認められた.本研究ではこれを^32^<・・*>の配座異性体の数とその相対的割合が温度によって異なるためであると考え,参考として^32^<・・>の配座異性体の密度汎関数理論計算を行った.DLFP法によるΦ_F,τ_Fの決定実験も行ったが,最終データ得るにはまだ至っていない.なお,当該年度内に基質合成の新しいルートも開拓した.
著者
ヴィゴ レジャン LAUNEY THOMAS 千村 崇彦 池田 時浩
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は分子や粒子をイオン化・加速して特定の神経細胞に穿通させるナノ電子スプレー微小管を設計、2本の同心の表面疎水処理ガラス管内部の溶液を電子スプレーにして標的に局所的に到達させた。液滴の安定噴射には管配置と電圧波形が重要で、20-250nAのパルスピーク電流が得られた。しかし陰イオン色素と蛍光顕微鏡で観察すると粒子は管先端-培養液面境界のほか外管内壁にも急速に蓄積、終には管内部への引水と溶液流出が生じ、菅形状の調整を重ねたが不可避だった。静電的性質のシミュレーションによる改良型を提示する。
著者
栗野 俊一 伊藤 和美 池田 由季 吉開 範章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.29-34, 2011-12-17
被引用文献数
2

DDoS攻撃に対する新しい情報セキュリティ対策を具体化するために,コンピュータウィルス感染時のヒトの意識に関する研究を行っている.ウイルス感染時における心理状況は,一種のパニック状態と見なせるが,現在までに報告された例はない.今回,その対策を検討するための基礎データを収集する目的で,ウィルスに擬似感染させる実験を行い,ヒトの心理と行動の特徴を分析したので報告する.
著者
香川 考司 富永 浩之 白岩 真一 堀井 達也 池田 秀聴 横山 裕一 韓 根鎖 吉崎 翔 平川 裕弥 長江 明彦 白神 佑典 尾崎 陽一 末友 貴大 鳥原 悠平 藤沢 尚樹 森田 昌樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

Webベースプログラミング学習支援環境のサーバー側プログラムに、Scalaスクリプトによる柔軟なカスタマイズ機能を提供できるプラットフォームを構築することを目的として、教師用システムと学習者用システムの間のファイルシステムを利用した疎結合インターフェイスの設計と、プロトタイプによる基本機能の確認を行った。教師用サーバー側プラットフォームにScalaインタプリターとのインターフェイスを実装した。また、プログラム可視化ツール、スクリプト入力支援ツールなどのクライアント側の補助的なツールを設計・実装した。
著者
池田 華子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.398-411, 2008-03-31

Presently we often think that various problems in educational environment, such as bullying and truancy, result from the dilution of human relations in our daily lives. In such contexts, we tend to think that the concept of relation is something substantialsomething we can actively and manipulatively deal with. However, in order to grasp the invisible aspect of the relation, we should take a different approach. This article casts new light on the concept of relation by reexamining Weil's idea about μεταξν. By using the Greek preposition μεταξν as a noun, she shows us the importance of "medium" or "mediation" in our encounters with the other whom we may not recognize easily. Such encounters put us into the state of confusion and conflict. It is the function of μεταξν that gives us energy to tolerate it. In the following, first, our daily lives will be discussed as the state of oblivion of relation. Next, examining her usage of μεταξν, another possibility entailed by the concept of relation will be revealed.
著者
池田 龍二
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

チミジンホスホリラーゼ(TP)は、血管新生因子である血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)と同一で、血管内皮細胞の遊走刺激活性を有し、低酸素で誘導されるアポトーシスに対し抵抗性を賦与する。これまでに我々は、TPおよびその基質であるチミジンの分解産物の2-デオキシ-D-リボースが、低酸素下でhypoxia-inducible factor 1 alpha(HIF-1α)のユビキチン化を促進することにより発現レベルを低下させることを見出している。本研究では、低酸素下での2-デオキシ-D-リボースによるHIF-1αの分解促進反応の分子機構を明らかにすることを目的として実験を行った。HIF-1αとvon-Hippel Lindau癌抑制遺伝子(pVHL)の結合に2-デオキシ-D-リボースが与える影響を調べるために細胞にHIF-1αとpVHLを強制発現させた後、細胞抽出液を採取し、pVHLの抗体で免疫沈降後、HIF-1αの抗体でイムノブロット解析を行ったところ、2-デオキシ-D-リボースは、低酸素下でのHIF-1αとpVHLの結合を強めていることが判明した。さらに、プロリン水酸化酵素(PHD)は、主に3種類(PHD1/2/3)存在しており、2-デオキシ-D-リボースがPHD1/2/3の発現に与える影響をRT-PCR法で検討したところ、PHD1/2/3の発現には影響を与えていなかった。次に、HIF-1αとPHD2の結合に2-デオキシ-D-リボースが与える影響を調べるために、HL-60細胞を2-デオキシ-D-リボースで処理し、正常酸素下および低酸素下で培養し、HIF-1αの抗体で免疫沈降後、PHD2の抗体でイムノブロット解析を行ったところ、2-デオキシ-D-リボースは、低酸素下でのHIF-1αとPHD2のタンパク質の結合を強めていることが判明した。HIF-1αとpVHL、HIF-1αとPHD2との結合を2-デオキシ-D-リボースがどのような分子機序で亢進するのか、さらなる探求が必要である。
著者
池田 一彦
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

明治二十年前後の、今日文学史的に忘れ去られたり埋没したりしてしまっている作家や作品の内、見直すべき価値のあると思われるものを、当時流行したボール表紙本を中心として発掘し、実証的に再検討して行くのが本研究の課題である。具体的には、南柯堂夢笑道人=萩倉耕造の『決闘状』、菊亭静=高瀬真卿の『滑稽新話明治流行嘘八百』(後にボール表紙本として『人間萬事嘘の世の中』と改題の上出版された)などの発掘と再検討を試みた。
著者
宇仁 茂彦 松林 誠 池田 英一 鈴木 義孝
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.s・v, 385-388, 2003-03-25
被引用文献数
3 10

福井,滋賀,岐阜の3県において,捕獲されたニホンツキノワグマの各種内部臓器(肝臓,腎臓,心臓,肺,脾臓,リンパ節,皮膚)の組織学的検索を行った.その結果,18頭すべての肺の全葉の肺胞壁にHepatozoon sp.の未成熟および成熟メロントを見いだした.また,病理学的所見として,メロント,メロゾイトおよび虫体を包含する食細胞結節の周回に炎症性細胞潤滑は見られなかったが,崩壊過程を示す細胞,虫体および結節の周りには炎症性細胞浸潤を見いだした.クマにおけるヘパトゾーン症の最初の報告である.