著者
武市 尚也 渡辺 敏 松下 和彦 飯島 節 西山 昌秀 海鋒 有希子 堀田 千晴 石山 大介 若宮 亜希子 松永 優子 平木 幸治 井澤 和大
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100763, 2013

【はじめに、目的】 大腿骨頸部・転子部骨折 (大腿骨骨折) 患者における退院時の歩行自立度は退院先や生命予後に影響を与える. 先行研究では, 退院時歩行能力に関連する因子として年齢, 性, 認知機能, 受傷前歩行能力などが報告されている (市村, 2001). しかし, 術後1週目の筋力, バランス能力が退院時の歩行自立度に及ぼす影響について検討された報告は極めて少ない. そこで本研究では, 大腿骨骨折患者の術後1週目の筋力, バランス能力が退院時の歩行自立度に関連するとの仮説をたて, それを検証すべく以下の検討を行った. 本研究の目的は, 大腿骨骨折患者の術後1週目の筋力, バランス能力を独立変数とし, 退院時歩行自立度の予測因子を明らかにすることである.【方法】 対象は, 2010年4月から2012年9月の間に, 当院に大腿骨骨折のため手術目的で入院後, 理学療法の依頼を受けた連続305例のうち, 除外基準に該当する症例を除いた97例である. 除外基準は, 認知機能低下例 (改訂長谷川式簡易認知機能検査: HDS-R; 20点以下), 入院前ADL低下例, 術後合併症例である. 調査・測定項目として, 入院時に基本属性と認知機能を, 術後1週目に疼痛と下肢筋力と下肢荷重率を調査および測定した. 基本属性は, 年齢, 性別, 術式である. 認知機能評価にはHDS-Rを, 疼痛評価にはVAS (Visual Analog Scale) をそれぞれ用いた. 疼痛は, 安静および荷重時について調査した. 下肢筋力の指標には, 膝関節伸展筋を用い, 検者は筋力計 (アニマ株式会社, μ-tasF1) にて被検者の術側・非術側の等尺性筋力値 (kg) を測定し, 体重比 (%) を算出した. バランス能力の指標には下肢荷重率を用いた. 測定には, 体重計を用いた. 検者は被検者に対し, 上肢支持なしで体重計上5秒間, 最大荷重するよう求め, その際の荷重量 (kg) を左右測定し, 体重比 (%) を算出した. 歩行自立度は退院1日前に評価された. 歩行自立度はFIMの移動自立度 (L-FIM) に従い, 歩行自立群 (L-FIM; 6以上) と非自立群 (L-FIM; 6未満) に分類した. 統計解析には, 退院時歩行自立群および非自立群の2群間における基本属性および術後1週目の各因子の比較についてはt検定, χ²検定を用いた. また, 退院時の歩行自立度を従属変数, 2群間比較で差を認めた因子を独立変数として, ロジスティック回帰分析を実施した. さらに, 退院時歩行自立度の予測因子とロジスティクス回帰分析で得られた予測式から求めた数値 (Model) のカットオフ値の抽出のために, 受信者動作特性 (ROC) 曲線を用い, その感度, 特異度, 曲線下面積より判定した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は当院生命倫理委員会の承認を得て実施された (承認番号: 第91号).【結果】 退院時における歩行自立群は48例, 非自立群は49例であった. 基本属性, 認知機能は, 年齢 (自立群73.9歳 / 非自立群81.8歳), 性別 (男性; 35% / 10%), 術式 (人工骨頭置換術; 56% / 29%), HDS-R (27.2 / 25.9) であり2群間に差を認めた (p<0.05). 術後1週目におけるVASは安静時 (1.0 / 1.8), 荷重時 (3.7 / 5.0) ともに非自立群は自立群に比し高値を示した (p<0.05). 膝伸展筋力は術側 (22.0% / 13.8%), 非術側 (41.8% / 27.6%) ともに自立群は非自立群に比し高値を示した (p<0.05). 下肢荷重率も術側(75.3% / 55.8%), 非術側 (98.2% / 92.3%) ともに自立群は非自立群に比し, 高値を示した (p<0.05). 2群間比較で差を認めた因子を独立変数としたロジスティクス回帰分析の結果, 退院時歩行自立度の予測因子として, 術側膝伸展筋力 (p<0.05, オッズ比; 1.14, 95%信頼区間; 1.04-1.28)と術側下肢荷重率 (p<0.05, オッズ比; 1.04, 95%信頼区間; 1.01-1.08) が抽出された. その予測式は, Model=術側膝伸展筋力*0.131+術側下肢荷重率*0.04-4.47であった. ROC曲線から得られたカットオフ値は, 術側膝伸展筋力は18% (感度; 0.72, 特異度; 0.77, 曲線下面積; 0.78), 術側下肢荷重率は61% (感度; 0.76, 特異度; 0.68, 曲線下面積; 0.76), そしてModelは0.77 (感度; 0.76, 特異度; 0.87, 曲線下面積; 0.82) であった.【考察】 大腿骨骨折患者の術後1週目における術側膝伸展筋力と術側下肢荷重率は, 退院時の歩行自立度を予測する因子であると考えられた. また, ロジスティクス回帰分析で得られた予測式から算出したModelはROC曲線の曲線下面積において上記2因子よりも良好な判別精度を示した. 以上のことから, 術側膝伸展筋力および術側下肢荷重率の両指標を併用したModelを使用することは, 単一指標よりも歩行自立度を予測する因子となる可能性があるものと考えられた.【理学療法学研究としての意義】 本研究の意義は, 術後早期における退院時歩行自立度の予測因子およびその水準を示した点である. 本研究の成果は, 急性期病院において転帰先を決定する際の一助になるものと考えられる.
著者
渡辺 和人
出版者
北陸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

主要大麻成分(テトラヒドロカンナビノール、THC; カンナビジオール、CBD; カンナビノール、CBN)のヒト脳、肺および胎盤における毒性発現機構解明の一環として、以下の点を明らかにした。(1) ヒト脳ミクロソームによる代謝、(2) ヒト肺ミクロソームによる代謝、(3) ヒト胎盤ミクロソームおよびCYP19による代謝、(4) ヒト脳および肺ミクロソームによるMALDO活性、(5) ヒト脳および肺ミクロソームにおけるアナンダミドおよび2-アラキドノイルグリセロール加水分解阻害作用、(6) THC代謝物のカンナビノイド受容体を介した細胞毒性(マウス肺マクロファージJ774-1細胞)。
著者
渡辺 茂
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.161, 2011 (Released:2017-04-12)

美に生物学的起源を求める考え方は進化美学あるいはダーウィン美学といわれ、生息圏の選択が美的感覚の起源であるという環境説や、性選択起源説が考えられてきた。しかし、これらの理論は思弁的なものが多かった。この講演ではヒト以外の動物における美を1)弁別刺激としての美(美を見分ける)、2)強化としての美(美の快楽)、3)運動技能としての美(美の創造)、の3 つの観点から実験的に分析する。1)については弁別訓練によってある程度美のカテゴリーが弁別可能であることが示されたが、もちろん、ここで言う美は洗練された芸術的な意味でのそれではなく、ごく低いレベルの美しさである。2)については種差、個体差があるが、個体差はヒトの場合にも認められるものである。3)は訓練によって絵画を描くといったことは可能であるが、作られたものが他個体にとって、あるいは自分自身にとって強化的であるかは不明である。
著者
上島 雅子 渡辺 澄子 川本 栄子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.973-983, 1985

松阪市における高齢者の生活意識を調査した結果, 次のようなことが明らかになった.<BR>1) ほとんどの高齢者は, 生活満足度, 自由時間満足度, 経済満足度において満足しており, 家族も円満であり, 家族からも気づかってもらっている傾向にあった.また, 高齢者の側でも「ふだんの心がけ」や「日々の心縫え」にみられるように, 対人関係, とくに家族関係に気を配っていた.性別による差がみられたのは, 「ふだんの心がけ」と「大切なもの」であり, 主義主張をもつことを心がけている者は, 男性に多く, 女性は少なかった.健康が大切と意識している者は, 男性よりも女性に多くみられた.<BR>2) 高齢者個々人の生活意識を構成する要因は, (1) 満足・不満足要因, (2) 経済的不安要因, (3) 家族依存要因, (4) 自己中心的要因が主であった.<BR>3) 4生活意識要因をもとに高齢者を分類した結果, 「生活全般満足タイプ」, 「自立タイプ」, 「家族依存タイプ」が, それぞれ20%あり, これら3タイプを合わせると62%を占めている.その他「生活に不満のあるタイプ」, 「生活に不満のないタイプ」, 「仕事中心タイプ」が26%, いずれのタイプにも入らない者が12%あった.これらのタイプの違いは, 性別, 配偶者の有無職業の有無や経済状態, 地域社会生活とのかかわり方によって左右されていることが明らかになった.
著者
渡辺 隆行 大城 貞次 守田 昌美 八木 敦子 今井 厚 寺島 茂 高野 靖悟
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.104, 2009

〈はじめに〉わが国のHelicobacter pylori(以下H. ピロ<BR>リ)感染者は推定5,000万人とも言われている。H. ピロリ<BR>は胃炎や胃十二指腸潰瘍の主な原因として,さらに胃癌と<BR>の関わりも注目されている。当院では2005年よりH. ピロ<BR>リ感染診断と除菌判定法の検査として尿素呼気試験,2008<BR>年4月より尿中H. ピロリ抗体検査を行っている。尿素呼<BR>気試験は非侵襲的,簡便で感度,特異度ともに高く,尿素<BR>呼気試験陰性の場合は除菌成功の信頼性は高い。<BR>〈目的〉H. ピロリ検査の現状を把握し,スクリーニング<BR>検査として人間ドックに新規検査項目としての導入効果が<BR>あるか検討した。<BR>〈方法〉2008年2月から2009年1月までの1年間における<BR>尿素呼気試験440件の陽性率,年代別検査依頼数と陽性<BR>率,尿中H. ピロリ抗体の陽性率と尿素呼気試験陽性患者<BR>の除菌治療後の除菌成功率について検討した。<BR>〈結果〉尿素呼気試験陽性率は27%であった。年代別検査<BR>依頼数と陽性率を比較すると,30代では42件で38%,40代<BR>では66件で23%,50代では105件で23%,60代では151件で<BR>26%,70代では58件で33%,80代以上では14件で29%で<BR>あった。尿中H. ピロリ抗体の陽性率は58%であった。陽<BR>性患者の除菌治療後の除菌成功率は85%であった。<BR>〈考察〉尿素呼気試験陽性患者の除菌治療後の除菌失敗率<BR>は15%であった。薬剤耐性菌の存在も確認されたとの報告<BR>もあり,1回の除菌だけでは効果がない場合も考えられ<BR>る。尿素呼気試験と尿中H. ピロリ抗体との陽性率の比較<BR>では,尿素呼気試験の陽性率が低くなったことからも,今<BR>後,人間ドックのスクリーニング検査としては,検体採取<BR>が容易で迅速に結果報告が可能な尿中H. ピロリ抗体を行<BR>い,除菌後は尿素呼気試験でH. ピロリの有無を評価する<BR>方法を提案していきたい。<BR>
著者
加藤 はる 加藤 直樹 渡辺 邦友 上野 一惠 坂田 葉子 藤田 晃三
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.12-17, 1995-10-20
参考文献数
14

3回の再発が認められた11歳の<I>Clostridium difficile</I>性腸炎例の計4回のエピソードにおける<I>C.difficile</I>分離株について, ウェスタンプロッティング (WB), パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE), およびpolymerase chain reaction (PCR) によるタイピングを用いて検討した.エピソード2の際の分離株はどの3つのタイピング法を用いてもエピソード1の際の分離株と同じタイプであり, エピソード2はエピソード1と同じ株による再燃と考えられた.しかし, エピソード3の際の分離株は3つのタイピング法でエピソード1および2の分離株と異なるタイプを示したことから, 新しい菌株による再感染であると考えられた.エピソード4の際に分離された菌株はWBタイピングではエピソード1と2の際に分離された菌株と異なり, さらにエピソード3からの分離株とも異なるタイプであった.しかし, エピソード4からの菌株はPFGEタイピングでは細菌のDNAが抽出過程で破壊されタイピングができず, PCRタイピングではエピソード1および2からの分離株とはminor bandに違いが認められたのみで, エピソード1と2の分離株と同じタイプに分類された.これらのことからエピソード4はさらに新しい菌株による感染と考えられた.Cd顔ae起因性腸炎では治療にいったん反応しても, 再発が多いことが治療上大きな問題となっている.タイピング法は, このような再発が同じ菌株による再燃なのか, 新しい菌株による再感染なのかの検討を可能にし, <I>C.difficile</I>感染の治療や予防を行ううえで非常に有用であると考えられた.
著者
渡辺 聡子
出版者
大阪外国語大学
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13431382)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.29-40, 2007-03

ПpeдcMeрtHoe BидeHиe repoя paccкaзa ЧexoBa <<Apxиepeй>> ocTaBяeT CилbHoe BпeчaTлeHиe. BикapHbIй apxиepeй ПeTp, CbIH дepeBecHcкoro дьяKоHa, <<доCTиг Bcero, чTo бbIлo дocTyпHо чeпoBeкy B ero пoлoжeHии>>. Ho пepeд CMepTbю eMy пpeдcTaBляeTCя, чro <<OH, yжe пpOCTOй, oбьIKHOBeHHbIй чeлоBeK, идeT по пOлю бьICTpo, Beceло, паCTyKиBaя naлоKой>> пOд CолHeчHbIM HeбoM. ЭTOT BeceльIй H CBeTлbIй Oбpaз, изMeHяющий TpeзBоCTи BьIcшero CBящeHHиKa, иHTepпpeTиpOBaли до Cиx пop no-paзHOMy, кaк пpeдcMepTHoe пpoэpeHиe, BOпрC peлигии, BопроC yXодa H T. п. HaM KaжeTCя, чTо B paccкaз BплeTeHьI paэHьIe TeMьI, CoзpeBaBшиe B paзMьIщлeHияX aBTopa пocлeдHиbIx rодоB: TeMьI CBoбодbI, CMepTи, пpиpодьI и чeлоBeкa. Toлкyя эTOT oбpaз, Mь oбpaITиM BHиMaHиe Ha cooTHошeHиe иHдиBидyaдьHorо Mиpa repoя H гpoMaдHоro Mиpa, cToящeгo зa HиM. <<ПpocTOй, обьIкHоBeHHbIй чeлоBeK>> яBляeTCя KлючeBоM CлоBоM эTоrо paccKaзa. Гepoй cTpaдaeT оT oTчyждeHия. HиKTо, дaжe pодHaя MaTb, He гоBоpиT C HиM иCKpeHHо, попpoCTy, пo-чeлoBeчecкH. Bce бoяTCя ero и poбeюT пepeд BьICшиM CaHоM. B <<CKyччHой иCTоpии>>, поCBящeHHой Tой жe TeMe, repoй, зHaMeHиTbIй пoφeccop, xoчeT, чIoбbI блHэKиe люди любили B Hero <<He иMя, He φиpMy и He яpлbIK, a oбbIKHоBeHHoгo чeлoBeкa>>.<ПpоCTой, oбbIKHоBeHHbIй чeлоBeк>> озHaчaeT He пpоCTоTо MоHaXa, дepeBeHCKого дьячKa, коTоpbIM XоTeл CTaTb apxиepeй, a CиMBоличeCKого чeлоBeKa, oCBoбoждeHHoro OT иMeHи, caHa, φиpMbI, оT Bcex φyTляpоB. Ecли бьI paccкaз KоHилCя бeз φиHaлa, изoбpaжaющero Mиp пocлe cMepTи repoи, oбpaз чeлoBeKa, идyщero пo пoлю Beceлo и CBoбoдHo бbIл бbI He бoлbшe, чeM cчacTлиBoe личHoe пpeдcTaBлeHиe. Ho aBTOp пpиaeT eMy yHиBepcaльHocTь, изoбpaжaя paдoCTHyю, Beceлyю Пacxy, CBeTлyю пpиpодy, и cоBepшeHoe зaбBeHиe o cyщeCTBоBaHии apxиepeя. ЭTо гоBориT o Tom, чTo rpoMaдHbIй Mиp пpиHял ero CMepTb кaк cMepTь пpоCTого, обbIкHоBeHHого чenоBeKa. B Mиpe HичTо He изMeHиnоCb и BCe блaoполyчHо. ABTоp HeCKоnbKо paз гоBориT B pacCKaзe o пpиpoдe, жиByщeй CBoeй ocoбeHHOй жизHbю, о BeчHоM BpeMeHи, o бeCKоHeчHой чepeдe чeлоBeчeCKиX жHзHeй. Для общero Mиpa BCе люди пpocTbIe oбbIKHоBeHHbIe cyщecTBa. ABTоp пpeдлаraeT Boпpoc: пoчeMy людH He MогуT бbITb пpоCTbIMи oбbIKHоBeHHbIMи люbMи, поKa oHи жиByT. ИзBeCTHо, чTо y caMoгo aBTopa бbIлa Meчra <<C KоTоMочкой xoдиTb пo бeлy CBeTy>>. ПpeдCMepTHoe BидeHиe apxиepeя-ero бeccoзHaTeлbHoe жeлaHиe, MeчTa ЧexoBa и <<HOpMa>> чeлoBeKa.
著者
岩倉 成志 渡辺 将一郎 土居 厚司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.709-714, 2000
被引用文献数
1

本研究は、道路交通の配分予測に用いられるBPR関数を応用した都市鉄道のリンクコスト関数の構築を目的とする。小田急小田原線上り方向の急行・準急列車を対象に運行本数と駅乗降者数によって変動する各列車の表定速度を表現可能なモデルを作成した。この後、パラメータ推定の安定性、再現性、パラメータ感度等のモデル特性に関する考察を行った。
著者
渡辺 弘
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.161-181, 1995-09

序論1. 「陽明学」の思想と江戸時代の「陽明学派」 (1) 「陽明学」の思想 : 「致良知」「心即理」「知行合一」を中心に (2) 江戸時代の「陽明学派」2. 陽明学派の学習思想 : 「宇宙(世界)観」・「人間観」に基づいて (1) 中江藤樹の場合 : 『翁問答』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想 (2) 熊澤蕃山の場合 : 『集義和書』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想In this paper, I will investigate the thought of learning in the Edo period in which it is thought, from the educational viewpoint, that people learned through activity and independence. Education in this case means supporting people intellectually and emotionally in order to allow them to live a good life. In Analyzing the thought of learning in the Edo period, firstly, I will take some people as example who were receptive to the thought of "the YOmei-Gaku School", which was one of the Cofucian schools founded in the Edo period. Secondly I will inquire into both their views of the world (universe) and views of human beings, in order to determine the basis of how their thoughts of learning were formed. In accordance with my previous research, and in conclusion, I would like to explain some of the more common characteristics of their thoughts of learning. This time I will place half of the content in Part I.
著者
高崎 恭輔 米田 浩久 谷埜 予士次 鈴木 俊明 渡辺 美鈴 河野 公一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P2096, 2009

【はじめに】ファンクショナルリーチ・テスト(以下 FRT)はバランス機能を評価する方法として臨床で頻繁に用いられる手法であり、転倒の危険性を予測する指標とされている.これまでFRTは、そのリーチ距離に着目され各年代の基準値を指標に用いられてきた.しかし先行研究ではリーチ距離と足圧中心の前方移動距離との相関性は低いという報告があり、また鈴木らのスモン患者における研究でもリーチ距離が歩行機能に与える影響は少ないといわれている.これらのことから我々はFRTを転倒予防や運動能力の評価指標として用いるためにはそのリーチ距離だけでなく、動作戦略にも着目する必要があるのではないかと考えている.そこで本研究では、FRTを有効に活用するための新たな指標の構築の前段階として、健常者におけるFRTの動作戦略について検討した.<BR>【対象と方法】対象は実験に同意を得た健常大学生83名(男性46名、女性37名)である.方法はDuncanの方法に従いFRTを行わせ、矢状面からデジタルビデオカメラにて定点撮影した動画によって計測中の足関節、股関節の関節運動開始順序を確認しパターン分類した.<BR>【結果】以下に分類した動作戦略パターンと全試行数に占める該当数の割合を示す.分類されたパターンは、a.股関節屈曲のみのパターン(42.6%)、b.足関節背屈の後に股関節屈曲するパターン(37.3%)、c.股関節屈曲の後に足関節底屈による膝過伸展を示すパターン(10.8%)、d.足関節背屈のみのパターン(5.6%)、e.股関節屈曲と足関節の底屈による膝過伸展が同時に出現するパターン(1.6%)、f.股関節の屈曲の後に足関節背屈するパターン(1.2%)、g.股関節屈曲と足関節背屈が同時に出現するパターン(0.4%)、h.足関節底屈の後に股関節が屈曲するパターン(0.4%)であった.<BR>【考察】本研究ではFRTにおける股関節、足関節の運動開始順序に着目し動作戦略のパターン分類を行った結果、上記の8パターンを示した.一般的に姿勢制御戦略において、足関節戦略はわずかな重心の乱れに対応するのに対し、股関節戦略は足関節戦略で対応できない大きな外乱に対して用いられるといわれる.また高齢者は足関節戦略より股関節戦略を頻繁に用いるようになり、これが転倒の原因の一つになるとも言われている.このことから、前方へのリーチ動作を合目的的に行う戦略として足関節底屈筋群の活動により足関節の背屈を制御し、さらに股関節の屈曲が見られるa.やb.のパターンは、足関節が底屈するパターンに比べて高いバランス機能を有するのではないかと考える.本研究では健常者を対象としていることから、多数みられたパターンを高度な姿勢制御を有すると仮説して考察したが、今後さらにパターンの優位順序を明確化していくために、他のバランステストとの関係性や年代毎のパターン分類なども行いたいと考えている.
著者
渡辺 伸一
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.4, pp.69-80, 1991-06-15 (Released:2010-04-21)
参考文献数
30

The concept of “post-materialistic” values has been, either positively or negatively, adopted by scholars who study “new social movements”. Undoubtedly, this implies that the concept has become an essential vehicle to analyze the sense of values and attitude in new social movements. The primary object of this paper is to summarize how this concept, as a conceptual instrument, has made a great impact on the process of analyzing social movements and “new politics”. But I disagree to apply the concept, as Ingelhart's definition remainds intact, to comprehend the meaning of new social movements. In this paper I wish to propose the new interpretation of “post-materialistic” value while removing a nagative influence of the Haslovian linear theory on Ingelhart's concept.