著者
刀坂 太 楠 貴光 早田 荘 赤松 圭介 藤本 将志 大沼 俊博 渡邊 裕文 三輪 成利 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.121-126, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9
被引用文献数
3 1

〔目的〕中殿筋と大殿筋の股関節に対する作用を明確にするために各線維を分け,股関節伸展および外転保持時の筋活動を検討した.〔対象と方法〕対象は健常男性10名とし,平均年齢は24.4歳であった.超音波画像診断装置を用いて中殿筋,大殿筋の各筋線維およびこれらが重層する部位を描出した.そして股関節伸展課題および外転課題にて1 kgごとに4 kgまでの重量負荷を加え,各筋線維の筋電図を測定した.〔結果〕股関節伸展課題では中殿筋後部線維,重層部位および大殿筋上部線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大した.また股関節外転課題では中殿筋の各線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大し,重層部位の筋活動は3 kg以上の重量負荷にて増大した.〔結語〕中殿筋,大殿筋の各筋線維は各々の作用に対する筋活動の増大を認めたが,大殿筋上部線維は股関節外転課題に関与しなかった.
著者
大沼 俊博 渡邊 裕文 藤本 将志 赤松 圭介 谷埜 予士次 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.11-22, 2013 (Released:2013-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
13

In a clinical setup, difficulty in maintaining posture and controlling movements while bending, lateral bending, or performing rotation of the thoracic and lumbar region due to reduced activities of the abdominal oblique, multifidus, longissimus, and iliocostalis muscles, when in the seated and standing positions, and during walking, is often encountered. We trained patients with postural and control difficulties to shift their body weight laterally from one limb to the other while standing to increase the activities of the trunk muscles and improve the seated, standing, and gait postures. The activities of the trunk muscles, that serve as clinical indicators, were evaluated using electromyography and measurement of tissue stiffness. In the present study, we present the results of our research on the activities of the trunk muscles in the sitting and standing positions, and during sustained lateral shifting of body weight from one limb to the other while standing, and discuss their clinical implications.
著者
森田 学 西川 真理子 石川 昭 木村 年秀 渡邊 達夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.158-163, 1997-04-30 (Released:2017-10-20)
参考文献数
22
被引用文献数
3

つまようじ法とフロッシングを併用したバス法の2種類の刷掃法について,歯肉炎に対するマッサージ効果を比較した。実験的歯肉炎を有する24名の男子学生を対象とした。各被験者の上下顎を左右に2分割した。それぞれランダムに,一方をつまようじ法で刷掃する部位,残りの2分の1顎をバス法で磨き,かつデンタルフロスで清掃する部位とした。以降,歯科医師が毎日1回,21日間,染色された歯垢が完全に取り除かれるまで,被験者の口腔内を清掃した。刷掃方法の割付を知らされていない歯科医師が,歯周ポケットの深さ(PD)とプロービング時の出血(BOP)を診査した。また,上顎第1小臼歯の頬側近心歯間乳頭と頬側中央部の遊離歯肉の上皮の角化程度を,パパニコロ染色法により判定した。その結果, 1. 21日後には,つまようじ法で刷掃した部位のBOP値が,バス法とデンタルフロスで清掃した部位の値よりも有意に低かった。2. つまようじ法で刷掃した歯間乳頭部のみ,ベースラインと比較して,21日後には角化細胞数の割合が有意に増加した。3. 歯垢が完全に除去されるまでに要した時間では,つまようじ法の場合は,バス法とデンタルフロスを併用した場合の約70%であった。以上の結果から,つまようじ法はデンタルフロスを併用したバス法と比較して,短時間で,より有効なマッサージ効果を得られる可能性が示唆された。
著者
岡本 修飛 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.235-240, 2022-08-25

動画配信サービスは,膨大な動画を提供するため,利用者は見たい動画を選ぶことが負担になることがある.そこで本研究では,知人が番組表を作成し,それに基づき動画を配信するPalStreamingを提案する.PalStreamingは,「人が勧める動画だから」という視聴動機を作る.本稿では,PalStreamingの試作と,知人同士で番組表を作成し,その内容の印象について調査した.
著者
吉澤 彩花 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.153-154, 2022-08-25

チャットベースのコミュニケーションにおいて,他者から送られてきた写真に複数の対象が写り込んでいるとき,特定の対象物を指し示したいとき,テキストで返信し説明しようとすると、空間情報や対象の特徴や名前など説明を入力する必要があり,インタラクションが煩雑である.そこで本研究では,チャットに送信した画像に対して「これ」と指し示せるインタラクションを提案する.指示を受ける側は対象物周辺の画像を撮影し,指示をする側は画像に「これ」と指し示すスタンプを押すことで,指示を簡単にする.
著者
田井 達也 山口 佳津騎 黒川 直弘 新村 航 松原 亜紀 渡邊 政博 元木 貴大 田中 裕章 芳地 一 小坂 信二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.7, pp.771-774, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

We report a haemodialysis patient with end-stage renal failure whom a pharmacist aided in the management of acyclovir (ACV) encephalopathy, which may have been related to valacyclovir hydrochloride (VACV) administered without sufficient dose reduction. The patient 78 years was admitted with a tentative diagnosis of varicella zoster viral meningitis. A pharmacist suspected ACV encephalopathy related to excessive VACV administration and raised a query with the attending physician. According to the pharmacist's proposal, ACV administration was discontinued and continuous hemodiafiltration (CHDF) was performed. On day 5 of hospitalisation, the consciousness disorder was improved. In this report, we showed the detailed CHDF conditions of the present case, and the contribution of a pharmacist to treating and avoiding ACV encephalopathy was discussed.
著者
谷野 喜久子 細野 衛 渡邊 眞紀子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.229-247, 2013-05-01 (Released:2017-12-05)
参考文献数
38
被引用文献数
2 2

日本の海岸砂丘構成層の起源として海浜砂,テフラ,大陸風成塵などが知られるが,個々の構成層の形成物質を検証した例は少ない.本研究は構成層の理化学特性に基づき,尻屋崎砂丘の起源と形成史を考察する.砂丘は田名部段丘面(MIS5e相当)上の尻屋崎ローム層を覆い,埋没土層を境に構成層I~Vからなる.最下位層Iを除く上位層II~Vはbi-modal(シルト・砂各画分)の粒度組成を示し活性アルミニウムに富む.この特徴と明度・色特性(H2O2処理)が尻屋崎ローム層に類似することから,砂丘はローム層と段丘構成層の剥離物が再堆積した物と考えられる.砂丘砂の理化学特性(TC≧1%,MI≦1.7)は,それが二次的な風化テフラ付加による黒ぼく土様の化学的特性と腐植性状をもつテフリック レス デューンであることを示唆する.これは地形史的に冬季北西風と直交する西海岸の段丘崖に風食凹地(ブロウアウト)が発達し,その後にヘアピン・縦砂丘が分布することと矛盾しない.
著者
渡邊 道治
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.793, pp.656-667, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
55
被引用文献数
1

The aim of this treatise is to define the Roman and the Roman-typed theatre cavea plans, clearify the process of the formation and spread of those plans and draw out some features of ancient Mediterranean Architecture through the Roman theatre cavea plans. It consists of three papers and in this first paper are discussed the principal characters of the Roman theatre cavea plans, the three elements of creating the plans, three types of cavea plan (A, B, C type) of the Roman-typed theatre and the formation of the predecessor of the A type until the early first century B.C.
著者
渡邊 有希乃
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.162-177, 2020-12-10 (Released:2021-10-02)
参考文献数
38

日本では1990年代以降,入札の競争性向上を目的とした公共調達制度改革が進行した。しかし国士交通省直轄工事入札における一件当たり応札数は減少傾向にあり,入札の顕在的競争性は低く保たれている。なぜ行政組織は,改革下でもなおこうした制度運用を行うのか。本稿では,むしろ応札数の増大に合理性を見出す多くの先行研究が問題外としてきた「制度運用の取引費用」に焦点を当てることで,手続的合理性の観点から応札数抑制の優位性を検討する。公共工事調達は,低価格・高品質の追求という目標を伴った,事業者選定を巡る行政組織の意思決定活動である。だが,これらトレードオフ関係にある二目標を同時に考慮し,両者の適切なバランスのもとに唯一最適の事業者を決定するには膨大な取引費用がかかり,現実上の行政組織がこれを負担するのは難しい。しかし,事業者の施主能力をふまえた品質判断に基づいて参入可能な事業者を限定し,それを通過した事業者間で競争入札を行わせる,つまり,まずは品質・次に価格といった形で両価値を逐次的に扱えば,意思決定にかかる取引費用は削減される。即ち応札数抑制は,低価格・高品質という目標を同時に追求することの難しさを緩和するための戦略がとられていることの表出として説明され,このとき,事業者選定の手続的合理性は向上していると推論される。なお以上の妥当性は,国士交通省直轄工事の入札結果データを用いた計量分析によって,実証された。
著者
斉田 隆幸 渡邊 亮
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1287-1292, 2012 (Released:2018-01-26)
参考文献数
13
被引用文献数
2

電池制御がリチウムイオン電池の劣化に与える影響を検証する際,実験的に検証するには多大なコストと時間を要するため,数値シミュレーションによる検証が望まれている.本稿では,様々な充放電パターンを入力とし,任意の充電率や連続的な環境温度の変化に対応する,劣化を考慮したリチウムイオン電池モデルを提案する.
著者
渡邊 隆弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.371-377, 2010
参考文献数
19
被引用文献数
2

典拠コントロールは,図書館目録の集中機能を実現するための重要な機構である。本稿ではまず,現行の目録法における典拠コントロールの仕組みを整理し,いくつかの問題点を指摘する。続いて,目録の変革を目指す近年の動向における典拠コントロールの方向性を,書誌コントロール政策,次世代OPAC,新しい目録法(FRBR/FRAD,国際目録原則,RDA)の各観点から整理する。さらに,図書館外のコミュニティにおける「識別子」の動向,典拠データを図書館外のコミュニティに開放する取り組みについても述べる。情報環境の変化を背景とした諸動向のなかで,典拠コントロールは以前より明確に位置づけられ,その重要性は増している。