著者
田中 勲
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.32, pp.23-42, 2021-04-22

This paper analyzes the state of deliberative situation in Japan around hate speech using deliberative system theory in order to understand the degree of deliberative democracy permeating Japan. It explores how people's discourses resulted in the hate speech law (2016). To do so, it first categorizes the components of the deliberation system such as the media(ex. blogs and newspapers), civil activities(ex. counter demonstrations against hate speech demonstrations), politicians in response to public opinion, and parliamentary movements. By analyzing the relationship between these components and evaluating the deliberation system, this paper points out that deliberation may have been established in Japan in the course leading up to the passage of the hate speech law.
著者
Tanaka Tyôzaburô 田中 長三郎
出版者
琉球大学農家政学部
雑誌
琉球大学農家政学部学術報告 = Science bulletin of Agriculture & Home Economics Division, University of the Ryukyus (ISSN:03704238)
巻号頁・発行日
no.4, pp.91-116, 1957-07

芸香料柑橘亜科は北進と共に次第にその属数を減じ,琉球において僅にハナシンボウギ属・ゲッキツ属及び2,3柑橘属の野生を見るのみであるが,他に導入によるカラタチ属及びキンカン属の裁培を見るの外,過去においてワンピ属ワンピの裁培を見た。柑橘属においては従来野生はただ1種のみでシイクワシャーがそれであると認められ他に栽培種としてオートー・タロガヨ・ケラジの1品種としてのカブチー・ダイダイ・ザボン・レモン・マルブシュカン・ナツダイ・クネンボ・ポンカン・タンカン・アマダイダイ・その変種のWashington navel orange・ウンシウ・ヒウガナツ・ロクガツミカンなどが報告されていた。第一に野生柑橘たるシイクワシャーは1926年著者の沖縄本島実地踏査によりその台湾産ヒラミレモン Citrus depressa HAYATA と同種であると同定せられて以来ただ1種であると認められて来たが,園原・多和田・天野の3氏はタチバナ Citrus Tachibana TANAkA が混生しているのではないかという注意を喚起された。元来この両者は野外において往々鑑別困難の場合があるが,注して観察すると立派に区別され得る場合が多く,タチバナの分布は沖縄から石垣・西表に達することが判明したのみならず,極めて判然たる1変種タニブター var.attenuata n. var. の存在をも確認し得た。ただタチバナが台湾高地に再現することは両地の気候差では説明できず樟櫧帯という共通植物帯の存在によるものであると考えるの外はない。一方シイクワシャーは実生繁殖による多少の変異はあるが,別に植物学的変種・品種と称し得るものは存在しないことを知った。クネンボ(トウクニブ)は沖縄北部の名果であるがその起原は南方から導入したもので,後鹿児島へ渡り日本で普及するに至ったものである。従て今回無核系統の存在を発見したことは重大な意義がある。オートーと共に多く栽培されているカブチーは確に奄美大島のケラジと同種であるが正に変種たるに値するものであるのみならず, ケラジそのものも北部沖縄にウンゾキーと称して厳存することが判明した。タロガヨはこの両種のいずれにも属せず,独立の栽培種であり,またケラジに類するカーフクルーが新種 Citrus inflato-rugosa.SP.と決定した。
著者
髙野 剛史 田中 颯 狩野 泰則
出版者
The Malacological Society of Japan
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1-4, pp.45-50, 2019-05-15 (Released:2019-06-06)
参考文献数
29

ハナゴウナ科Eulimidaeの腹足類は,棘皮動物を宿主とする寄生者である。同科のMucronalia属は形態および生態情報に乏しいグループで,タイプ種のフタオビツマミガイM. bicinctaは生貝での採集報告がなされていない。Warén(1980a)による殻形態に基づく属の概念では,つまみ状の原殻,内唇滑層,ならびに中央部の突出した外唇を有することが重要視されている。また2既知種がクモヒトデ寄生性であることが知られており,これが本属貝類に共通の生態とみなされている。本報では,神奈川県真鶴町の潮下帯より採取されたアカクモヒトデOphiomastix mixtaの腕に外部寄生するMucronalia属の1新種を記載した。Mucronalia alba n. sp.オビナシツマミガイ(新種・新称)原殻がつまみ状に突出すること,殻口内唇に滑層を有すること,また外唇は中央部が突出し横からみると大きく曲がることから,Mucronalia属の一種であると判断された。殻は本属としては細く塔型,最大5.5 mm,白色半透明である。後成殻は6.6巻,螺層は時に非対称に膨れ,螺塔は成長に伴い不規則に太くなる。外唇縁痕は不定期に現れ,僅かに褐色を呈する。殻口は細長い卵型。軸唇はまっすぐで,体層の軸から20°傾く。原殻は淡い褐色。本種の殻形は,同じく日本に産するヤセフタオビツマミガイM. exilisと,オーストラリアのクイーンズランドから記載されたM. trilineataに似る。一方これら2種は殻に褐色の色帯を有し,また軸唇の傾きが弱い。オマーンをタイプ産地とするM. lepidaとM. oxytenes,メキシコ西岸のM. involutaはいずれも本種と同様白色の殻をもつが,前2種は殻が太く螺層の膨らみが弱い点で,またM. involutaは本種と比してはるかに小型である点で区別される。タイプ種であるフタオビツマミガイM. bicincta,オマーンに産するM. bizonula,スリランカのM. exquisitaは,色帯のある円筒形の殻をもつ点で本種と明瞭に異なる。上述の種のほか,コガタツマミガイ“M.” subulaやヒモイカリナマコツマミガイ“M. lactea”がMucronalia属として扱われることがある。しかしながら,前者は殻口外唇が湾曲せず,カシパンヤドリニナ属Hypermastusに含めるのが妥当である。後者は,殻形態,寄生生態および予察的な分子系統解析(髙野,未発表)により,セトモノガイ属Melanellaの一種であると考えられた。しかしながら,Eulima lactea A. Adams in Sowerby II, 1854が同じMelanellaに所属すると考えられるため,ヒモイカリナマコツマミガイに対するlactea A. Adams, 1864は主観新参ホモニムとなる。そこで,ヒモイカリナマコツマミガイに対する代替名としてMelanella tanabensisを提唱した。東アフリカのザンジバル諸島産で,同じくヒモイカリナマコに内部寄生する“Mucronalia” variabilisもセトモノガイ属に含めるのが妥当と考えられ,本論文で属位を変更した(Melanella variabilis n. comb.)。
著者
田中 穂積
出版者
日本酪農科学会
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.177-182, 2009 (Released:2011-03-28)
著者
田中 智仁
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.42-56, 2018-10-20 (Released:2020-03-20)

2010年から全ての万引きが警察へ通報されることになったが,万引き対策には多様な価値観が反映されており,店舗内処理も残存している.本稿の目的は,万引き対策の歴史的変遷を概観し,文化的側面と保安警備業務に着目した上で,万引きに関する有識者研究会(東京都)の報告書の意義と課題を明らかにすることである.16-19世紀の欧米では主に百貨店で中流階級以上の女性による万引きが多発し,被疑者を捕捉するために警備員が配置されるようになったが,階級とジェンダーの意識が根強く,穏便な対応をせざるを得なかった.日本でも20世紀前半に万引きが女性犯罪と見做され,その要因は店舗にあると指摘された.戦後は万引きが少年犯罪と見做されるようになり,保安警備業務成立後も就業や就学に支障がないように店舗内処遇が一般化した.しかし,万引きが高齢者犯罪となったことで,従来の対策を転換する必要に迫られた.報告書は高齢者の万引きに特化した稀少な研究成果であり,認知症の影響や店舗要因説をエビデンスに基づいて検証したこと等に大きな意義がある.一方で,警備員が高齢者を選んで捕捉する可能性を検証すること,被疑者像を高齢者に固定化しかねないことが課題である.
著者
田中 洋一 山川 修
雑誌
研究報告教育学習支援情報システム(CLE) (ISSN:21888620)
巻号頁・発行日
vol.2018-CLE-25, no.1, pp.1-5, 2018-06-08

SECI モデル及び e ポートフォリオ ・ リテラシースキルを用いた授業設計について報告する.
著者
田中 萌生 野本 優二 土田 恵美子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.247-251, 2021 (Released:2021-07-29)
参考文献数
18

Pancoast腫瘍は比較的稀な疾患であるが,腫瘍が神経叢を侵すためしばしば強い痛みを伴いその疼痛コントロールに苦慮する.またPancoast腫瘍では放射線治療ががんそのものの治療としてだけでなく除痛目的としても選択されることが多い.Pancoast腫瘍の放射線治療は頭部固定具を用いて治療体位の再現性がよいことを確認してから治療を行う.このため安静保持の必要があるが,その強い痛みで安静保持ができない場合は治療困難となる.今回Pancoast腫瘍による強い上肢痛があり,安静仰臥位を保つことが困難であった患者に対して持続頸部硬膜外ブロックで疼痛コントロールを行い,放射線治療を完遂できた症例を経験した.硬膜外カテーテル留置による感染や出血のリスクとの兼ね合いはあるが,本疾患で疼痛コントロールに苦慮する場合は持続頸部硬膜外ブロックの併用が提案される.
著者
田中 辰雄
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.127-150, 2020-03-30 (Released:2020-03-31)
参考文献数
11

漫画村事件は、漫画の海賊版対策の難しさを浮き彫りにした。対策として提起されたサイトブロッキングも静止画ダウンロード違法化も導入が見送られており、有効な対策は打たれていない。しかし、経済的に見るとまったく別の対策を考えることができる。それは海賊版が行っているサービスを権利者が自ら行い収益をあげる方法である。音楽におけるSpotifyのように漫画版での定額配信サービスが成功すれば、権利者もユーザも利益を得ることができる。本稿の目的は、漫画でもこのような合法化された定額配信サービスがビジネスとして成り立つかどうかを、漫画読者へのコンジョイント分析を行って検討することである。推定されたモデル分析によれば、総売り上げを減少させること無く、場合によっては増大させながら定額配信を実施することは可能との結果が得られた。これは定額配信によって漫画読者のすそ野が広がるためである。定額配信を始めると、出版社の懸念するとおり、これまで紙・電子で購入していた人の漫画購入額は半減する。しかし、その代わりにこれまで漫画をあまり購入していなかった人が定額配信なら漫画を見ようとしはじめ、この収入増加が、既存読者からの売上減少を十分に補うのである。言い換えれば補完効果が代替効果を上回る。現在漫画に支出していない人が本当に定額配信にお金を払うかどうかは不確実で留保がつくが、ビジネスとして引き合う潜在的な可能性があることは重要な発見である。ただし、定額配信サービスの成功のためには出版社を超えてどの漫画でも読める必要があり、現在のように出版社単位のサービスでは市場拡大は限られるだろう。
著者
田中 耕作
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.314-319, 2000 (Released:2008-03-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

During the Jomon period asphalt was used as a binder to fix a harpoon or a fishspear in its shaft, to tie a sring with a spoon-shaped lithic knife or a stone weight, and to mendbroken pottery (Figure 1).The use of asphalt began about 3, 300 B. C., saw its climax in the latter part of the Late Jomonand Final Jomon periods (about 1, 500-300 B. C.), and was suddenly abandoned in the Yayoi period.During the Jomon period, asphalt was collected only in the oil-fields along the Japan Sea side areasof the Tohoku district where it came out to the surface. Tukinoki and Komagata in Akitaprefecture and Yunodai in Yamagata prefecture are well-known locations of the surface asphalt. InNiigata prefecture oil-layers lie near the surface and, therefore, crude oil came out to accumulate inponds located on foothills and is found half-soild along the pond shore. During the Jomon period, the asphalt collected in the oil-producing areas was distributed in the whole Tohoku district alongseveral trading routes (Figure 2).Dr. Masa-aki Ogasawara from Hokkaido University started a chemical compositional analysisof asphalt. As the chemical analysis enables to source ancient asphalt, exchange networks of Jomonpeople and relationships between areas will be documented more clearly.
著者
田中 尚
出版者
岩手県立大学社会福祉学部
雑誌
岩手県立大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13448528)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.61-68, 1999-09

In this paper, I would like to review some of the philosophical foundations of ethical principles. I will focus on three perspectives and values on social work practice, These are ; (a) the practical values and respect for individuals as rationale and self-determining human beings (Kantian approach), (b) practical values and principles as part of a welfare bureaucracy with a social control and resource-rationing function (Utilitarian Values), and (c) moral thinking encompassing anti-oppressive approach as against practice (Radical approach). As such my objective is to provide the framework on dilemmas of values to explore social work practice through discussing the three perspectives :
著者
中村 壽志 渡部 美穂 田中 一秀
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3093-A3P3093, 2009

【目的】パフォーマンスに対する評価は結果のみで判断することが多い.しかし,パフォーマンスの向上には結果だけではなく,結果をふまえた過程に目を向けることが重要である.メタ認知的言語化は自分が体感したことを振り返り言語表出する行為のことで,過程に目を向けるツールとして有効な方法とされている.今回,メタ認知的言語化がパフォーマンスに与える影響について検証する.<BR><BR>【方法】偏光眼鏡をかけた経験がない無作為に選んだ20名を対象とする.メタ認知的言語化群(以下A群)は男性5名,女性5名(21.9±1.91歳).非言語化群(以下B 群)は男性5名,女性5名(21.9±2.60歳)とする.運動課題において,視野を右に10°偏移させる偏光眼鏡をかけ,半径60cmの扇形のテーブルの外縁にある目標点(正中,右,左)に向かいリーチ動作を行う.利き手の示指でランダムに指示される目標点をテーブルの下から指差し,指し示したら手を元の位置へ戻す.A群は課題試行中にメタ認知的言語化を行う.また,実験前日はメタ認知的言語化の練習をジェンガにて行う.手順は,Prism adaptationの先行研究を参考に,適応試行を100回,効果保持試行を60回行う.数値は,目標点と示指の爪までの距離を0.5cm刻みで誤差を測定した.尚,この研究について説明し,その承諾を得たもののみを実施した.<BR><BR>【結果】適応試行では,A群はB群より試行後半に誤差が低値にある傾向がみられた.効果持続試行では,A群はB群より誤差が持続していく傾向がみられた.マン-ホイットニーのU検定より,適応試行,効果保持試行ともにA,B群に有意差が認められる.(p<0.05)<BR><BR>【考察】今回,Prism adaptationを基盤にメタ認知的言語化が運動学習に与える影響を検証した.適応試行では,環境変化における運動課題への適応の速さをみている.つまり,メタ認知的言語化をすることで,エラーに意識を向けることができ,より早く修正することが可能となったと考える.効果保持試行は,偏光眼鏡をはずすことで,元の環境に再適応する経過である.研究結果では,誤差の修正に時間を要したことから,メタ認知的言語化には,運動学習をより強固にし,さらに環境が変化しても不変的なパフォーマンスを発揮する可能性があると考えられる.メタ認知的言語化はスポーツ領域において使用されることが多いが,医療において学習を促進する方略として考えられるのではないだろうか.今後の理学療法治療においてどのような形で導入できるか,臨床研究を踏まえて今後のテーマとしていきたい.<BR><BR>【まとめ】メタ認知的言語化が運動学習を促進することが理解でき,理学療法における治療への導入を次回の研究課題としていきたい.
著者
千葉 隆司 貞升 健志 長島 真美 熊谷 遼太 河上 麻美代 浅倉 弘幸 内田 悠太 加來 英美子 糟谷 文 北村 有里恵 小杉 知宏 鈴木 愛 永野 美由紀 長谷川 道弥 林 真輝 林 志直 原田 幸子 藤原 卓士 森 功次 矢尾板 優 山崎 貴子 有吉 司 安中 めぐみ 内谷 友美 神門 幸大 小林 甲斐 長谷川 乃映瑠 水戸部 森歌 三宅 啓文 横山 敬子 吉田 勲 浅山 睦子 井田 美樹 上原 さとみ 小野 明日香 河村 真保 小西 典子 小林 真紀子 齊木 大 下島 優香子 鈴木 淳 西野 由香里 村上 昴 森田 加奈 吉丸 祥平 木本 佳那 新藤 哲也 堀田 彩乃 小林 千種 大塚 健治 吉川 聡一 笹本 剛生 稲葉 涼太 小峯 宏之 佐伯 祐樹 坂本 美穂 塩田 寛子 鈴木 淳子 鈴木 俊也 高久 靖弘 寺岡 大輔 中村 絢 成瀬 敦子 西山 麗 吉田 正雄 茂木 友里 飯田 春香 伊賀 千紘 大久保 智子 木下 輝昭 小杉 有希 斎藤 育江 高橋 久美子 立石 恭也 田中 優 田部井 由紀子 角田 徳子 三関 詞久 渡邊 喜美代 生嶋 清美 雑賀 絢 鈴木 仁 田中 豊人 長澤 明道 中村 麻里 平松 恭子 北條 幹 守安 貴子 石川 貴敏 石川 智子 江田 稔 岡田 麻友 草深 明子 篠原 由起子 新開 敬行 宗村 佳子 中坪 直樹 浜島 知子 野口 俊久 新井 英人 後藤 克己 吉原 俊文 廣瀬 豊 吉村 和久
出版者
東京都健康安全研究センター
雑誌
東京都健康安全研究センター研究年報 (ISSN:13489046)
巻号頁・発行日
no.71, pp.39-46, 2020
著者
越水 麻子 荒木 佐智子 鷲谷 いづみ 日置 佳之 田中 隆 長田 光世
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.189-200, 1998-01-20
参考文献数
19
被引用文献数
17

国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)内の谷戸の放棄水田跡地において土壌シードバンクを調査した.谷戸谷底面の植生を代表するヨシ群落,チゴザサ群落,およびハンノキ群落から土壌(各0.1m^3,総計0.3m^3)を採取し,水分を一定に保つことのできる実験槽にまきだし,出現する実生の種,量および発芽季節を調べた.出現した実生を定期的に同定して抜き取る出現実生調査法と,実生をそのまま生育させて成立する植生を調査する成立植生調査法とを併行して実施し,5月中旬から12月下旬までの間に,前者では25種,合計6824個体,後者では26種,合計2210個体の種子植物を確認した.出現種の大部分は低湿地に特有の種であり,特に多くの実生が得られたのは,ホタルイ,アゼガヤツリ(あるいはカワラスガナ),チゴザサ,タネツケバナであった.また成立植生調査法で確認された個体数は,出現実生調査法の半数に過ぎないものの,ほぼ全ての種を確認することができた.調査地の土壌シードバンクは,植生復元のための種子材料として有効であること,また,土壌水分を一定に保てば,土壌をまきだしてから数ヵ月後に成立した植生を調べるだけで土壌シードバンクの種組成を把握できることが明らかになった.
著者
竹内 栄二朗 山崎 将史 田中 一志 大野 和則 田所 諭
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.296-304, 2012 (Released:2012-04-29)
参考文献数
19
被引用文献数
4 1 2

This paper proposes multi-sensor localization framework for an autonomous mobile robot using multiple sensor. To realize robust localization in outdoor environments, many external sensors are needed. The propoesd localization framework in the paper is to divide the localization system into modules that contains retro-active localization function for particle filter to solve computation delay of to calculate measurement models. In this paper, solutions for multi-sensor localization are illustrated and localization experimental results in outdoor environments are described.
著者
笛田 和希 山本 七彩 横山 遥 手嶋 日菜子 五十川 奈穂 柴田 航志 中原 涼花 乘次 優希奈 宮川 光林 田中 聖子 平野 貴士 上野 桃子 藤戸 文子 高嶋 綾香 菅野 憲一
出版者
近畿大学産業理工学部
雑誌
かやのもり:近畿大学産業理工学部研究報告 = Reports of Faculty of Humanity-Oriented Science and Engineering, Kindai University (ISSN:13495801)
巻号頁・発行日
no.24, pp.15-20, 2016-07-15

We investigated long-lasting bubbles by mixing commercially available reagents. The features of the soap bubbles depended on the composition of the detergent, polymer, and other chemical components. Soap bubble containing sucrose, sodium alkyl ether sulfate (AES)- detergent and PVA laundry starch gave a spherical shape on various solid surfaces, including concrete, asphalt, tile, and grass after landing. We revealed that the low surface tension of the bubble was not the singular reason for its long lifetime. The lifetime of the film tended to be prolonged with decreasing humidity.
著者
田中 喜代次 中田 由夫
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.209-212, 2017
被引用文献数
1

<p>Most people who go to fitness clubs or sports gyms for weight control, and many co-medicals and physicians believe that an increase in muscle mass and/or basal metabolic rate (BMR) is possible through a combination of regular exercise and optimal protein intake during weight loss. This seems a myth, and the reasons are discussed in this article. First, muscle mass is quite difficult to quantify. The limitations of body composition measurement should be well understood. Second, increasing muscle mass during weight loss is difficult. This might be attained through strict implementation of a protein-rich, low-carbohydrate diet; high-intensity resistance training; and aerobic exercise for a long duration. However, such a strict regimen is not feasible for most people. Finally, a 1-kg increase in muscle mass corresponds to an increase of only 13 kcal of BMR per day. Thus, an increase in muscle mass of 1 kg is difficult to achieve, while the gained BMR is approximately equivalent to a decrease of 13.5 kcal of BMR according to a 3-kg decrease of adipose tissue. Weight loss, unless through an extremely sophisticated weight control program, contributes to a decrease in BMR. However, it is an accomplished fact that women with significantly less muscle mass and lower BMR live longer than men with more muscle mass and higher BMR, regardless of ethnicity. Maintaining activities of daily living and daily activity function might be more essential.</p>
著者
王 啓 田中 千晶 谷内 通
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.71.1.5, (Released:2021-06-14)
参考文献数
32

The present study examined effects of retention and intertrial intervals on proactive interference in the eight-arm radial maze performance in rats. A trial consisted of a forced choice of four arms in a learning phase, retention interval, and a free choice among eight arms in a test phase. In Experiment 1, rats were given two daily trials with 10 s or 1 min. retention intervals between the learning and the test phases and with 5, 30, or 60 min. intertrial intervals. In the 1 min. retention condition, proactive inference indexed by decline in performance from the first trial to the second trial was observed regardless of intertrial intervals. In contrast, such decline in performance was not observed for all the intertrial interval conditions in the 10 s retention condition. In Experiment 2, rats were tested with a 1 min. retention interval and 5 or 120 min. intertrial intervals. Significant proactive interference was observed again for a 5 min. intertrial interval condition replicating the results of Experiment 1. In contrast, proactive interference was eliminated completely by lengthening the intertrial interval to 120 min. These results suggest that discriminability among memories in current and prior trials in terms of elapsed time is a determinant of proactive interference in the radial maze performance in rats.