著者
上岡 龍一 後藤 浩一 山内 彰雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.100, no.11, pp.771-776, 2005-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

近年, 味噌の生理活性に関する様々な研究が行われており, 大腸がんの前がん病変 (ACF), 胃腫瘍, 肺腺がんに対して, 大きな予防効果を示すことなど報告されている。しかし, がん抑制成分の特定や制がんメカニズムの詳細については明らかにされていない。著者らは, 麦味噌から有効成分を抽出し, 新たに開発した天然素材の複合脂質膜に含有させ, ヒト肺扁平がん細胞に対する増殖抑制効果を検討された。特に, 脂溶性成分に顕著な抗腫瘍活性のあることを明らかにされ, 味噌中に含まれる脂肪酸および脂肪酸エチル, なかでも, リノレン酸エチルが重要な抗腫瘍成分であることを初めて見い出された。これらについて詳細に解説していただいた。
著者
斉藤 浩一 高橋 郷史 サイトウ コウイチ タカハシ サトシ Koichi Saito Satoshi Takahashi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-9, 2005-09-20

本研究は、最近言われる「理科嫌い」について、教育心理学的に原因を追求するものである。さらに、教育方法等に提言を行う。本稿では、実際の高校生に対してアンケート調査を行う。ここではまず「理科志向」という概念を設定し、それに満たない者を「理科離れ」の状態にあると定義する。さらに、これまでの理科教育やこれから志向する理科系への意識がどのように、因果関係を持っているか実態を捉え、モデルを構築する。以上によって、どのような教育施策が有効か、提言を行うものである。
著者
吉澤 知恵 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.448-449, 2018 (Released:2018-06-21)

現在市販されている積み木は対象年齢が子供に限られる傾向がある。本研究ではより立体的な造形を大人も楽しめる積み木の製作を目的とした。既存製品がどのような積み方ができるかを明らかにするため、対象年齢、積み方の2点に関して調査を行った[。その結果、積み方の方法を増やすことで、より立体的な造形を楽しめる積み木が作れるのではないかと考えられた。そのため、重心の偏りと積み木の表面の摩擦力、形状に着目をし、試作及び制作を行った。最終的に重心の偏りと積み木の表面に凹凸を彫った積み木を製作した。製作した積み木を実際に体験してもらい、感想に関してテキスト分析した。その結果、より難しい積み方に挑戦する人が多く、直感的にではなく考えながら積む傾向があることや、ゆらゆらと揺れつつもバランスを保てること、表面の模様が印象的であることが判明した。積み方のバリエーションを増やすことで、大人も立体的造形を楽しめる積み木を作れる可能性を示すことができた。今後の展望として、家族で楽しむことができるため、親子のコミュニケーションにつながることが期待される。
著者
竹田 隆一 陳 民盛 黒須 憲 斎藤 浩二
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 教育科学 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.441-451, 2001-02

要旨 : 中国武術は,戦争に勝つための格闘術だけが変化したものではなく,それ以外の多様な文化の影響を受け,現在の運動形態を形成したものである。このような中国武術の成立について,他領域の文化との融合に着目し,中国武術のもつ固有の文化的側面を考察した。 中国武術の構造は,表層,中間層,深層に三区分することができる。武術の中核となる表層は,武術の運動形態であり,そこには,功法運動,套路運動,格闘運動が含まれている。套路運動は,武術運動が芸術表現の中に取り入れられることにより形成され,後に実戦性が加わえられ成立したものである。また,格闘運動は,先秦時代の野蛮な闘争形態の蛮闘段階,秦漢唐宋時代の技術性を重視した功闘段階,明清時代の文化的遊戯性に満ちた太極推手を主流とした戯闘段階と経緯し,現在に至るものである。さらに,武術の運動形態は,主に身体の増強のために,伝統的運動文化である養生功法や雑技技法の訓練形態を参考にして成立したものである。 このように,中国武術には,芸術表現,養生功法,雑技技法などの多様な文化的側面が,融合されているのである。
著者
伊藤 浩充 瀧口 耕平 小野 くみ子 松本 慶吾
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cd0833, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 足関節の捻挫は、スポーツ外傷の中で最も多い外傷の一つである。サッカー選手にとって足部・足関節の外傷は、スポーツ選手としての選手生命に大きく影響する。しかしながら、本外傷はスポーツ選手や指導者には比較的軽視される傾向にあり、また、本外傷の発生因子については未だ十分解明されていないため、予防に関しても十分な対策がとれていないのが現状である。そこで、本研究では、高校サッカー選手の足関節捻挫の発生要因を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】 対象は、高校男子サッカー部員71名である。対象者の選択基準として評価時に四肢関節に痛みなどの急性症状および著しい筋力低下の無い者とした。方法は、平成23年3月12日から3月20日までの間にフィジカルチェックを実施した。調査項目は、問診にてボールをける時の利き足と外傷の既往歴を聴取した。次に、関節可動域と筋硬度を計測した。関節可動域は、股関節の外転・内旋・外旋・屈曲・伸展の可動域、膝関節屈曲・伸展の可動域、足関節背屈可動域、体幹の前屈・後屈・側屈の可動域を傾斜計(MITSUTOMO製)および紐付き分度器とメジャーを用いて測定した。筋硬度は、大腿筋膜張筋・中殿筋・長内転筋・下腿三頭筋を筋弾性計PEK-1(株式会社井元製作所)を用いて測定した。また、足部アーチをFeiss線により判定し、後足部の内外反肢位の判別も記録した。フィジカルチェック後3か月間の外傷発生調査を週2回の頻度で実施した。そして、足関節の内反捻挫、外反捻挫、底屈捻挫を受傷した者(A群)としなかった者(B群)とに分類し、フィジカルチェック時のデータを比較分析した。統計学的分析には、JMP ver 6.0を用い、マンホイットニーU検定、分散分析、カイ二乗検定を行った。有意水準は危険率5%未満として判定した。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には、ヘルシンキ宣言に基づき、本研究の実施に際して、甲南女子大学研究倫理委員会の審査ならびに承認を得た後、対象者およびサッカー部所属の監督とコーチには、事前にフィジカルチェックの目的と内容、実施計画を文書及び口頭により説明し、同意を得た。【結果】 足関節の捻挫を受傷したA群は14名で、内反捻挫7名、外反捻挫4名、底屈捻挫3名、B群は57名であった。A群においてフィジカルチェック時の測定項目を受傷下肢と非受傷下肢との間で比較すると、股関節外旋可動域は受傷下肢の方が有意に小さく(A群40度:B群45度、p<0.046)、股関節内旋可動域は受傷下肢の方が有意に大きかった(A群40度:B群36度、p<0.038)。また、股関節内旋と外旋の可動域の差をみると、非受傷下肢よりも受傷下肢の方が負の値を示して有意に小さく(A群-1度:B群9度、p<0.016)、内旋可動性優位であった。さらに、股関節外旋可動域の左右差についてA群とB群を比較すると、A群のうち利き足を受傷した者は、股関節外旋可動域の左右差がB群に比べて有意に大きかった(A群14度:B群0度、p<0.0345)。つまり、受傷下肢が利き足の場合は外旋可動域が相対的に小さかった。【考察】 過去の我々の調査では、サッカーによる足関節の捻挫は、走行時の方向転換、ジャンプの着地、スライディング、相手とのボールの同時キック時などでよく発生していた。足関節の捻挫は、足部が地面に接地する時の身体重心による外力や相手から受ける外部外力が距骨下関節軸より離れているほど発生しやすい。つまり、股関節にかかる荷重ベクトルが距骨下関節軸から遠いか近いかによって発生率が左右されると考えられる。本研究では、股関節内旋可動性優位になりやすい者ほど足関節の捻挫を生じやすいことが明らかとなった。これは、股関節内旋位になった場合には身体重心が距骨下関節軸より外側偏倚傾向を示すことから内反捻挫を誘発しやすくなることが推測される。また、外旋可動域が相対的に狭いことから下腿外旋で代償し外反捻挫を受傷することが推測される。したがって、股関節の内外旋方向の可動性の左右差が大きすぎたり、股関節の内外旋差の絶対値が大きいと足関節の捻挫が生じやすくなると考えられた。【理学療法学研究としての意義】 足関節捻挫の発生要因は様々であるが、足関節だけでなく股関節にも発生要因が存在することが明らかとなった。股関節の内外旋可動域の左右差と股関節内外旋差を少なくするようにコンディショニングをし、動作練習をすることにより運動時にかかる足関節への偏った負荷が軽減でき、足関節捻挫発症の予防につながると考えられる。そして、スポーツによる足関節捻挫の発生予防プログラムの効果検証にも役立てることができる。
著者
内山 博之 今園 隆彦 後藤 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.29-33, 1998-01-31
参考文献数
9

鳥類の網膜への遠心性投射系, 向網膜系の機能的意義を探った. 甘利, Arbibの基本競合系に準じた数理モデルは, 向網膜ニューロン間の競合の実測したデータをよく再現した. 実際に得られたデー夕に基づいた2次元配列基本競合系モデルのシミュレーションは, 向網膜系が選択的注意の神経機構として機能していることを示唆した.
著者
安藤 浩志
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

(1) Eberhard Kirchberg氏との共同研究で、以下を示した: Aが可分単純非I型C*-環ならば、Kirchbergの中心列環F(A)で、sub-quotientがIII型因子環となるものが連続個存在する。特に自由群の被約群C*環の中心列環が非可換であるかを問うKirchbergの問を解決した(現在論文投稿中)(2) 松澤泰道氏との共同研究で、以下を示した: Hを可分無限次元Hilbert空間とするとき、H上の自己共役作用素全体の空間SA(H)は強resolvent収束に関してPolish空間(可分・完備距離付可能)となる。SA(H)上に様々な同値関係を与えることができるが、私は特にWeyl-von Neumannの同値関係(自己共役作用素A, Bはあるコンパクト作用素Kとユニタリ作用素uに対して、uAu*+K=Bを満たすとき、Weyl-von Neumann同値であると呼ぶ)について2014年にその同値関係としての複雑さの研究を開始した。今年度は次の事を証明した: 実数列全体の空間X上の上に「数列a,bはある置換πによってa_{π(n)}-b_nがc_0となるとき同値」として同値関係Eを定めると、EはWeyl-von Neumann同値関係の可換版に相当するものと解釈できる。このEがBorelである事をBecker-Kechrisの定理を用いて証明した。また自己共役作用素のSchatten属作用素による摂動して得られる同値関係はessentiallly K_σである事を証明した。これらは論文を準備中である。
著者
岩尾 一生 小林 道也 及川 孝司 中駄 優作 藤崎 博子 室谷 光治 伊藤 昭英 辻 昌宏 井出 肇 遠藤 泰 関川 彬 齊藤 浩司
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.112-117, 2008 (Released:2009-09-04)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

A questionnaire survey was conducted to investigate the use of health foods among outpatients with diabetes mellitus (DM) at the Health Sciences University of Hokkaido Hospital.Responses were obtained from 69.2% of the patients (180 out of 260).The proportions of patients who had used health foods previously or were using them at the time of the survey were 16.7 and 37.2%,respectively,indicating that more than half of the patients had experience of taking health foods and this was irrespective of sex and age.The most frequently consumed health foods were Aojiru (n=25)followed by Kurozu (n=24)and blueberry extract (n=17).Among the health foods taken,those that influence blood sugar considerably were guava leaves polyphenol (n=16),Gymnema sylvestre extract (n=1),Gymnema sylvestre tea (n=1),and Aloe Vera (n=1).One patient was taking a Chinese health food that contained glibenclamide.Many patients took health foods to keep healthy and as a nutritional supplement,and most of them had not consulted their doctors or pharmacists about the use of health foods.More than 70% of the patients targeted by this study had complications such as hypertension.Since there is a possibility of health foods aggravating DM and its complications and of interactions between them and drugs used to treat DM,doctors,pharmacists and other co-medical workers should provide patients with information on the ingredients of health foods as well the adverse effects that they could have.
著者
加藤 浩
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3-4, pp.283-290, 2016-12-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
27

In April, 2016, "Patent / Utility model Examination Guidelines" (the Japan Patent Office) was revised, and new practice on the patent examination of the food started. Patents have not been granted for use inventions of the food until then. However, by the revision of the Examination Guidelines, patents can be granted for use inventions of the food. Then, the patent protection of the food became similar to medicinal inventions. The purpose of the Patent Law is to encourage inventions and contribute to the industrial development, which is related to the promotion of the innovation. In the pharmaceutical field, patents play an important role for the innovation, according to many analysis. The introduction (April, 2016) of use inventions of the food may promote the innovation like the influence of the introduction of medicinal patents in 1976. It is expected that the patent applications of the food will increase after the introduction (April, 2016) of use inventions of the food.
著者
近藤 浩代 藤野 英己 石原 昭彦
出版者
名古屋女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

糖尿病合併症は微小血管障害に起因する臓器の機能不全による. また, 微小血管において慢性炎症を引き起こし,毛細血管を退行させる. 一方, 運動による血流増加は毛細血管の退行を抑制させることができる. また, 経皮的な二酸化炭素の吸収はボーア効果による血流促進効果をもつことが報告されている. そこで本研究では二酸化炭素経皮吸収による筋毛細血管退行の予防効果を検証した.さらに超音波照射による炎症抑制や代謝促進効果についても検証する計画である.平成29年度は二酸化炭素経皮吸収による糖尿病性毛細血管退行の予防効果について検証した.慢性的な高血糖曝露は骨格筋のクエン酸シンターゼ(CS)活性の低下や毛細血管の退行を引き起こした.一方,経皮的二酸化炭素吸収は高血糖曝露によるCS活性低下や毛細血管退行を抑制し,血糖の上昇を抑制した.さらに骨格筋の代謝や血管新生に関するeNOS, PGC-1α, COX Ⅳ, VEGFタンパク質発現量を増加させ,血管新生抑制因子(TSP-1)の低下が認められた.これらの結果から経皮的二酸化炭素吸収は骨格筋の代謝や血管新生に関わる因子を増加させ,血管新生抑制因子を低下させることで高血糖曝露による骨格筋の酸化的リン酸化機能低下や毛細血管退行を抑制することが明らかとなった.また,超音波照射による効果を検証するためにC2C12筋芽細胞を使用して予備検討を実施した.C2C12筋芽細胞の超音波照射ではインテグリン/focal adhesion kinase (FAK)のリン酸化の増加が観察され,P38MAPKリン酸化が減少させ, 炎症モデルにおいてTNFaの発現を超音波照射で軽減させる効果を観察した.
著者
中川 洋 森 俊一 遠藤 浩之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.590, pp.3554-3560, 1995-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This paper describes the effects of water-emulsified fuel on diesel spray combustion. Theoretical analysis and numerical simulation show that the high momentum of water-emulsified fuel spray per unit mass due to lower calorific value leads to higher air entrainment into spray than in the case of ordinary fuel. The experimental results show that these effects cause a reduction in the temperature of the combustion reacting zone of water-emulsified fuel spray, and a shortened combustion duration, and less formation of soot and nitric oxide in a diesel engine.
著者
伊藤 朗 古賀 由香 秦野 伸二 三上 俊夫 村上 秀明 後藤 浩史 丹 信介
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
尿酸 (ISSN:03884120)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.65-74, 1986 (Released:2012-11-27)
参考文献数
21
被引用文献数
2

各種スポーツマン, すなわち陸上競技の投てき(以後投てきと略),同短距離(以後短距離と略),同跳躍(以後跳躍と略),同長距離(以後長距離と略),器械体操,水球,水泳,ラグビー・フォワード( 以後フォワードと略) , 同バックス(以後バックスと略),野球,ハンドボール(以後ハンドと略),バレーボール(以後バレーと略),バスケットボール(以後バスケと略),サッカー,弓道,スキー,テニス,柔道,モトクロスの尿酸代謝について検討した.被検者は,18-29歳の男性211名とした.結果は以下のとおりである.1)全員の血清尿酸値(以後SUAと略)は,正規分布を示し,平均値は5.95mg/dl,2 S.D.は3.07-8.83mg/dlであった.種目別のSUAは高値順から投てき,水球,野球と続き,低値順からはモトクロス,跳躍,バレーと続いた.2)全員の高尿酸血症(7,5mg/dl以上)発症率(以後発症率と略)は9.95%,種目別発症率は,高率順から投てき,野球(各25%),テニス(20%)と続き,モトクロス,弓道,スキーなど7種目は発症しなかった.3)全員の尿中尿酸排泄量は,正規分布を示し,平均値は692mg/day,2S.D.は220-1,161mg/dayであった.種目別では,高値順から野球,柔道,バックスと続き,低値順からは器械体操,水泳,弓道と続いた.4)全員の尿酸クリァランス(以後CUAと略)は,対数正規分布を示し,平均値は7.87ml/min,2S.D.は3.35-18.49ml/minであり,種目別では高値順から長距離,バレー,バックスと続き,低値順からは器械体操,サッカー,テニスと続いた.5)全員のSUAとCUAには相関が認められ,相関係数は- 0.523 (p<0.001) であった.以上の結果および各種目の運動特性を考慮すると以下の示唆が得られた.1)アマの一流でない一般のスポーツマンのSUAは,一般人の平均値より高値が13種目,低値が6 種目, また発症率が一般人より高率が7種目,同率5種目,低率7種目であり種目間の差が著しく,なかには運動の影響のみられない種目があることが示唆された.本対象のSUA,発症率は最高でもプロ,アマー流選手より低く,活躍度が関係していることが示唆された.2)各種目の運動特性と尿酸代謝の関係は,パワー,有気的持久性,無気的持久性が多く含まれている種目の影響が大きく,なかでもパワーの影響が大きい.またパワー,有気的持久性が多く含まれ,無気的持久性の少ない種目は,尿酸産生過剰型であることが示唆された.一方,無気的持久性が多く含まれる種目は,尿酸排泄低下型であるが,パワー,有気的持久性の要素も含まれる種目では産生過剰の両型あることが示唆された.
著者
高桑 純 伊藤 浩司
出版者
北海道大学大学院環境科学研究科
雑誌
北海道大学大学院環境科学研究科邦文紀要 (ISSN:09116176)
巻号頁・発行日
no.2, pp.p47-65, 1986-03
被引用文献数
7

近年北海道の湿原にササの侵入が著しく,湿原植生はササ群落におきかわりつつある。本研究は湿原の保全の立場から,湿原におけるササ群落の動向を知るために,サロベツ原野のチマキザサ群落および月形町月ヶ湖学術自然保護地区のクマイザサ群落で,1979年と1980年の2年間にわたり,ササの外部諸形態および分布と土壌の水分条件との関連さらに水分条件としては,地下水位と酸素拡散速度について研究を行なった。1.土壌の湿潤化に伴い,ササの稈は小型化し現存量が減少する。小型化は稈高・基部直径・葉数および葉面積などの減少によるものであった。その中でも葉数の減少は葉の展開が途中で停止してしまうためであり,稈高の減少は節間生長の減少によるものであった。2.小型化と現存量の減少はミズゴケ層の発達により根系が厚いミズゴケにおおわれることと,それに伴う高い地下水位によって土壌中の酸素拡散速度が低下することなどが大きな原因となって起こる。稈の小型化が最も著しい方形区では深さ20cmにおける酸素拡散速度は0.15-0.25×10^<-6>g・cm^<-2>・min^<-1>であった。3.湿原におけるササの分布は,地下茎の深さと地下水位および酸素拡散速度との関係によって支配されると思われる。地下茎の伸長によって,乾燥あるいは適潤地から湿原のような湿潤な地域にも侵入できるササの形質は湿原において群落を広げていく上で有利である。これは地下茎を通じて酸素や栄養塩類を補給することによるものと思われる。4.ササの侵入の状態は湿原の乾燥化を示す指標となりうる。湿原の保全のためにはササの侵入を許すほどの環境変動を引き起こさぬような対策が最も重要である。
著者
曾我 有紀子 中島 久美 川田 亜矢子 市川 哲彦 佐藤 浩史 藤代 一成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.363-364, 1994-03-07

我々の身近に観測される逃げ水現象は、蜃気楼の一種で、温度勾配の激しい空気によって光が屈折し起こる現象である。従来のレイトレーシングは真空が前提であるが、M.Bergerらは、空気の層を、屈折率の違う何枚もの薄いガラスの層を重ね、ゆらぎやノイズを付加することで疑似的に表現し、蜃気楼らしい景観を創成することに成功している。しかし、彼らの方法では空気中の屈折率を固定しているので、より現実的な蜃気楼や陽炎を表現するためには、人為的な視覚効果を加えなければならない。そこで本研究では、空間をボクセルに分割し、空間各点での光の挙動を集積できるボリュームレイトレーシングを用い、与えるボリュームデータを時間依存させることによって、物理的原理に合致した逃げ水の表現と陽炎の生成を同時に試みる。本稿は以下のように構成されている。次節でまず逃げ水現象の物理的原理を述べた後、3節ではボリュームレイトレーシングを用いる理由、4節では具体的な画像生成の手続きを示す。最後に、結果の画像を考察し、今後の展望を述べて本稿を閉じることにする。
著者
神部 芳則 赤坂 庸子 内藤 浩美
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.256-258, 2001-07-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
3

Electrotome is frequently used for surgical treatments in the field of dentistry and oral surgery. We report a rare case of gingival and alveolar bone necrosis caused after gingivectomy with electrotome. The patient was a 30-year-old female complained of gingival discolor. She noticed the gingival discoloration 2 days after the gingivectomy with electrotome by her family dentist. The gingiva around the left upper central incisor was changed to white in color. Nine days after the electrosurgery, the left upper central incisor fell off spontaneously, and 7 weeks after the electrosurgery, the sequester was removed. Epithelization was completed 2 weeks after the sequestrectomy, and she was successufully treated by the fixed bridge and removable artificial gingiva.