著者
金田 文男
出版者
新潟県民俗学会
雑誌
高志路 (ISSN:0912067X)
巻号頁・発行日
no.402, pp.16-19, 2016-11
著者
垂水 浩幸 鶴身悠子 横尾 佳余 西本 昇司 松原 和也 林 勇輔 原田 泰 楠 房子 水久保 勇記 吉田 誠 金 尚泰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 = IPSJ journal (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.110-124, 2007-01-15

市販のGPS 付携帯電話を端末とした位置依存の共有仮想空間(擬人化エージェント機能や利用者間コミュニケーション機能を含む)を応用して観光支援システムを開発し,これについて公開実験を行った.ここで公開実験とは,観光者に現地で依頼して被験者となってもらい,かつ観光者自身の所有する携帯電話を使用して,我々の提供するサービスを評価してもらう実験であり,観光の観点から客観性の高い現実的な評価を得ることが目的である.実験は香川県の代表的観光地である金刀比羅宮と栗林公園でそれぞれ1 週間ずつ実施した.その結果,年齢,性,観光地への訪問経験などにより反応が異なる場合があることが確認でき,ターゲットユーザの絞り込みが重要であることが分かった.また仮想空間で提供する情報は,ガイドブックや立て看板などの現実のメディアとの役割分担が重要であることも明確になった.またGPS の誤差については問題が残るが,位置誤差の評価と観光支援サービスの評価は独立であることも確認した.本論文ではこの公開実験の方法と結果について詳細に述べる.We have developed a sightseeing support system, using our shared virtual world service including human-like agents and inter-user communication for popular GPS-phones on the market. We have conducted open experiments for the service. By open experiments, we mean those with real tourists as subjects and letting them use their own phones. By open experiment, we have aimed to acquire realistic and objective evaluation from the viewpoint of sightseeing itself. The experiments were conducted at two major sightseeing destinations in Kagawa prefecture, each taking one week. As results, we have found that visitors responded differently by their age, gender, experiences, etc. We have also found that virtual media should give different information from real media. These findings will help the future design of such services. GPS inaccuracies were found but subjects evaluated them independently from other evaluation. In this paper, the method and results of the experiments are described.
著者
金子 正光 辻 利則 Tadamitsu KANEKO Toshinori TSUJI
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.237-254, 1999-03-20

我が国では、加速的に高齢化が進んでおり、2010年には4人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えようとしている。宮崎県の場合、県内の高齢化は他の県に比べて早く進むことが予想されている。高度情報化社会の到来は、あらゆる分野において組織革命を起こすとともに、生活レベルにおいてもさまざまな側面で影響を及ぼし、コンピュータと情報ネットワークが福祉に対して重要な役割を果たすことが期待されている。本論文では、宮崎県内での事例を取り上げ、福祉に関しては障害者・高齢者にやさしい町づくりの観点から「タウンモビリティ」、そしてインターネットを用いた福祉情報としては障害者・高齢者が外出するときに必要な「車いす用トイレマップ」について述べる。
著者
小野 淳 斎藤 富由起 Atsushi Ono Saito Fuyuki 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
pp.35-47, 2008

いじめ現象の第三のピーク期(尾木・渡部,2007)において、子どもたちの約40-50%がいじめに関係している。こうした動向の中で、新しいいじめの形態として、携帯やEメール、インターネット上の掲示板などを媒介とする「サイバー型いじめ」(Cyber Bullying)が注目されている。本論文では、第一に「サイバー型いじめ」が登場した背景とその定義を紹介し、第二に、サイバー型いじめの特徴や種類を伝統型いじめ(Traditional Bullying)との比較を通じて論じた。第三に代表的な教育委員会の取り組みと海外での教育心理学に基づくサイバー型いじめ対策プログラムを紹介し、今後のサイバー型いじめ対策の課題を検討した。
著者
谷口 展郎 千田 浩司 塩野入 理 金井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.616, pp.7-12, 2006-02-16
被引用文献数
2 1

近年,ネットでの社会活動の比重の高まりにより,オークション詐欺やフィッシングなどの問題が深刻化しつつあるため,アイデンティティ管理(ID管理)システムが改めて注目されている.他方,ID管理システムは,これまでネット社会でプライバシーや表現の自由を守ってきた匿名性を排してしまうのではないか,との懸念の声も多い.アイデンティティエスクロー(IDエスクロー)は,通常は匿名だが,必要に応じ本人性を確認できる手段を提供し,ID管理と匿名性の両立を目指す枠組みである.筆者らは,匿名性/仮名性/本人性の三層構成を持つ分散型IDエスクロー"DECIDE"の研究を行っている.本稿では,匿名性/仮名性/本人性について論じたうえで,DECIDEを含むIDエスクローがこれらを扱うモデルを示す.
著者
近藤 金助 久保 正徳 板東 和夫
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.1077-1087, 1936

(1) 我が國の河海湖沼に饒産するイセエビ,クルマエビ,ホツカイエビ,及びマエビについて一般を知り,前二者に併せてシラサエビの生鮮なるものについて雌雄別に,又季節別に定量分析を行つた.又ホツカイエビに就ては市販の罐詰肉について定量した.其の結果を要記すれば次の通りである.<br> (a) 三種の蝦に於て可食肉量の最も多いのはクルマエビの55%,次はシラサエビの50%にして最も少なきはイセエビの40%であつた.蓋し後者の甲殻肢節が特に大であるからである.<br> (b) 可食肉量の割合は同一種の蝦にありては雌雄別,又は大小別による相違はなかつた.<br> (c) イセエビにありては初夏のものは雌雄共に水分84%に達し,蛋白量は14%にすぎずして新鮮肉100gの保有する利用性熱量は僅かに60Calsであつた 然るに秋季のものは水分減少して78%となり,蛋白は20%に増加し更に脂肪,及びグリコーゲンも亦増加した結果,新鮮肉100gが保有する利用性熱量も亦増加して83~84Cals.となつた.<br> (d) クルマエビにありては初夏のものも亦秋季のものも水分78~79%,蛋白20%であつて,薪鮮肉100gが保有する利用性熱量は82~83Cals.であつた.<br> (e) シラサエビにありては水分82%,蛋白量16%であつて,新鮮肉100gが保有する利用性熱量は約70Cals.にすぎなかつた.<br> (f) ホツカイエビ罐詰にありては一罐内の可食肉量は約110~120gであつて,蛋白が31~32g利用性熱量が約135Cals.保有されて居つた.<br> (2) 蟹及び蝦肉は共に全固形成分の85~92%が蛋白であつて,脂肪,グリコーゲン及び灰分は微量にすぎない.然しながら此の少量成分たる脂肪並びにグリコーゲンは季節によつて稍々規則正しく増減して居るが故に,其の消長は食昧に對して相當なる影響を與へるものと考へられる.<br> (3) 蝦肉蛋白の窒素の形態を定量し其の結果から新鮮肉中に存在するアルギーニン,ヒスチヂン,リジン,及びシスチンの量を算出表示した.<br> (4) 蝦肉蛋白の窒素の形態を定量した結果から知り得た事項を要記すれば次の通りである.<br> (a) 鹽基態のアミノ酸は夏季のものよりも秋季のものに於て多い.<br> (b) 就中アルギーニン,リジン,及びシスチンの含量に於て然りである.<br> (c) ヒユーミン態窒素は秋季のものに於て増加して居る.<br> (d) 夏秋を通じて雌肉蛋白は雄肉蛋白に比して,アルギーニンとリジンの含量は少ないがヒスチヂンの含量は多い.<br> (5) 蝦肉蛋白の窒素の形態が雌雄により,又季節によつて變動するのは生體蛋白の彷徨變異性の自然的表現であることを論證し,蝦肉及び蟹肉が種類別に産地別に又季節別に差別的特味を有する反面に於て又共通的食味を有することを指摘し,其の原因のうち肉蛋白が關與する限り後者の原因に關しては蛋白基成分が共通して居るが爲めであることを論述し,併せて差別的特味の原因を肉蛋白の組成のうちに見出し得ることを暗示した.<br> 本報告のうちシラサエビ,クルマエビ,及びイセエビに關する實驗の全部は久保が行ひ,ホツカイエビに關する實驗の大部は板東が行つたのである.
著者
桜井 良太 藤原 佳典 金 憲経 齋藤 京子 安永 正史 野中 久美子 小林 和成 小川 貴志子 吉田 裕人 田中 千晶 内田 勇人 鈴木 克彦 渡辺 修一郎 新開 省二
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.352-360, 2011 (Released:2011-10-12)
参考文献数
30
被引用文献数
6 8

目的:温泉は古くから治療目的などにも用いられてきたが,温泉施設を高齢者に対する健康増進を目的とした介入事業の拠点として用いる有効性について検討した研究は極めて少ない.そこで我々は,運動・栄養指導,温泉入浴からなる複合介入プログラム"すぷりんぐ"を開発し,その効果を無作為化比較試験によって検討した.方法:65歳以上の特定健診該当者を対象に公募により本プログラムへの参加者を募集した.68名が事前調査に参加し,60名(72.7歳±6.0)がプログラムへの参加に同意した.参加者を無作為に介入群31名と対照群29名の2群に割付け,交差法により前期に介入群,後期に対照群に対して複合介入プログラムを3カ月間(週2回,90分)実施した.介入群プログラム終了時(3カ月後:第2回調査)と対照群プログラム終了時(6カ月後:第3回調査)に調査を実施し,プログラムの短期・長期的効果の検討を行った.結果:介入に起因した傷害,事故の発生はなく,介入群の平均プログラム出席率は76%であった.性・年齢・BMIを調整した一般線型モデルの結果,第2回調査時には対照群に比べ,介入群の握力と開眼片足立ちに有意な改善が認められた(各々p =0.028,p =0.003).また,第3回調査において,介入直後に確認された握力と開眼片足立ちの有意な改善の維持が認められ(各々p =0.001,p =0.024),改善傾向が見られたWHO-5の有意な維持・改善が示された(p =0.027).交差後の対照群の介入プログラム出席率も平均81%と比較的高く,対照群への介入時においても傷害,事故の発生は確認されなかった.結論:温泉施設を活用した複合的介入プログラムである"すぷりんぐ"は身体機能を中心とした高齢者の健康増進に寄与するプログラムであることが示された.また,その継続的効果とプログラムの出席率・安全性が確保されていることから,温泉施設を高齢者に対する健康増進を目的とした介入事業の拠点とする意義は高いものと考えられる.
著者
柴 建次 周 英明 越地 耕二 塚原 金二 土本 勝也 大海 武晴 中村 知道 遠藤 誠子 増澤 徹 巽 英介 妙中 義之 高野 久輝
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.341-346, 1998

DC-DCエネルギー伝送効率が86%以上の完全埋込型人工心臓駆動用体外結合形経皮エネルギー伝送システム(ECTETS)のin vitro及びin vivo実験を行った。体内コイル、体内整流回路をヤギ皮下に埋込み、体外に設置された(1)電子負荷装置または(2)電気油圧駆動方式完全埋込型人工心臓をECTETSにより動作させた。その結果、(1)において、DC-DCエネルギー伝送効率は、81.4%(出力電力19.2W)であった。In vitroと比べ効率が低下したのは、体外コイル滅菌のための消毒液の付着により分布静電容量が増加したことが原因であることがわかった。また、(2)人工心臓の駆動(70bpm)においては、駆動電力、拍出流量、DC-DCエネルギー伝送効率、埋込部最高温度はそれぞれ20.7W、6.2L/min、82.1%、40.4℃となり生体に影響がない程度であることが確認された。
著者
国分 貴徳 金村 尚彦 西川 裕一 井原 秀俊 高柳 清美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0476, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに】 我々はこれまで,ラットにおいて膝前十字靭帯(以下ACL)完全損傷後に,関節の異常運動を制動することでACL完全損傷でも治癒しうることを報告した.これによりACL損傷後の靱帯治癒能には,損傷後における膝関節キネマティクスが関与していることを明らかにした.一方で,臨床における靱帯損傷からの回復には,靱帯自体の治癒という視点以上に,関節機能が正常化するかどうかという視点が重要でとなる.すなわち,組織学上は断裂した靱帯において連続性が確認されれば「治癒」ということができるが,臨床上ではその治癒した靱帯が,損傷以前に担っていた関節運動上の機能的役割を果たして初めて「治癒した」ということができる.本研究の目的は,我々がこれまで報告してきたACL完全損傷の保存治癒モデルを対象として,治癒したACLの機能的側面を力学的破断試験と免疫組織化学染色法を用いて明らかにすることである.【方法】 Wistar系の雄性ラット(16週齢)39匹をControl(12),Sham(12),実験(15)の3群に分類した.実験群に対して,麻酔下にて右膝関節のACLを外科的に切断し,徒手的に脛骨の前方引き出しを行いACLが完全断裂していることを確認した.続いて膝関節の異常運動を制動するため,脛骨粗面下部に骨トンネルを作製し,同部と大腿骨遠位部顆部後面にナイロン製の糸を通して固定することで大腿骨に対する脛骨の前方引き出しを制動した.術後はゲージ内にて自由飼育とし,水と餌に関しても自由摂取とした.術後8週経過時点で屠殺して膝関節を摘出した. 力学試験群は,採取組織をラットの膝関節構造に合わせて特別に作製したJigを使用して試験機(INSTRON社製)にセットした.Jigが膝関節裂隙の大腿骨・脛骨それぞれに引っかかるように試料を設定後,予備荷重として1.5Nを加えた状態を変位原点として荷重速度5mm/minで上下方向に引っ張り測定した.最大荷重(N),最大荷重時変位量(mm)を測定し,これらの結果から,stiffness(N/mm)を算出した.統計解析はSPSS16.0J for Windowsを用い,測定結果の比較にKruskal Wallis検定を適用し,有意な主効果を認めた場合にShafferの方法を適用して多重比較を行い,2群間の比較を行った.全ての分析において,0.05未満を有意水準とした. 免疫組織化学染色群(各群6匹)はcollagen typeI,II,IIIの一次抗体を用いてovernightで反応させ,その後はABC kit(Vector社,United States)を使用し行い,Dako Envision + kit /HRP(DAB)にて1分間発色し検鏡・撮像を行った.【倫理的配慮、説明と同意】 本実験は,埼玉県立大学動物実験実施倫理委員会の承認を得て行った.【結果】 実験群では15匹全てでACLの連続性が確認された.力学試験の結果は,破断時最大荷重とstiffnessで,実験群が他の2群に比べて有意に低い値となった(p>0.05).最大荷重時変位には群間内に有意差を認めなかった.免疫組織化学染色の結果は,collagen typeIIIは,実験群において他の2群と比較してACL実質部において明確な陽性所見が確認された.【考察】 力学試験結果で実験群の強度が有意に低かったことから,本実験モデルの治癒ACLは関節運動における機能的側面を満たしているとは言えず,現時点では不十分な回復であると言わざるを得ない.また,免疫組織化学染色の結果では,collagen typeIIIは,実験群において他の2群と比較して,ACL実質部で明確な陽性所見が確認された.内側側副靱帯を対象とした先行研究ではcollagen typeIIIは,正常靱帯における含有量は少ないが,治癒靱帯では一時的に増加することが報告され,その後徐々にtypeI線維へ置き換わっていくことで靱帯の力学的強度が回復するとされている.このことから,本研究モデルは,治癒経過の一期間である可能性があり,今後collagen typeI・III含有量の比率が推移していくことで力学的強度も更なる回復が得られる可能性がある.【理学療法学研究としての意義】 近年の健康志向の高まりにつれ,ACL損傷患者の年齢層も広がってきている.中年以降のACL損傷患者においては,様々な理由から保存療法は重要な治療の選択肢となりうる.しかし現状で行われている保存療法の治療満足度は非常に低く(Strehl.2007),変形性膝関節症のリスクを高める(Spindler .2007)とも言われる.より機能的で効果的な保存療法の確立は,理学療法領域における 重要な課題であり,本研究はこれに寄与するものである.
著者
金折 裕司 小林 健治 安野 泰伸 割ヶ谷 隆志 山本 哲朗
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.220-230, 1999-10-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
27
被引用文献数
1 3

1997年6月25日に発生した山口県北部地震 (M6.1) の震央付近の阿武川河床で確認された断層露頭の性状を記載するとともに, 地震動による家屋被害のデータを再検討し, 震源断層と断層露頭や被害域との関係を議論した. 断層露頭は地質境界として指摘されていた迫田-生雲断層の北東端付近に位置し, NE-SW方向で幅5m以上のカタクレーサイト化したゾーンが発達している. このゾーン内部には最大幅50cmの断層ガウジ帯が “杉” 型に雁行配列して発達し, 右横ずれの運動センスを示唆する. この運動センスは山口県北部地震の発震機構と一致した. さらに, この地震の余震は迫田-生雲断層北東部に集中する.家屋被害率を被害家屋総数/世帯数と定義し, 山口県阿武郡阿東町とむつみ村の地区 (字) ごとに被害率を計算した. 被害率の最も高かった生雲西分地区は震央の南西約5kmに位置し, 迫田-生雲断層上にあった. また, 被害域は生雲西分を中心とし, 迫田-生雲断層を軸とする半径10kmの円内に収まっている. これらのことから, 山口県北部地震は迫田-生雲断層北東部の活動で発生したことが裏付けられた.

3 0 0 0 OA 月布鉱山

著者
山谷 金治
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鉱業会誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1160, pp.978-980, 1984-10-25 (Released:2011-07-13)

Tsukinuno mine is located in the central part of Yamagata prefecture.Annual production of the mine is 100, 000tons of bentonite are which consists of Na-montmorillonite accompanying with a little amount of quartz, feldsper and calcite and mining methods are shrinkage stoping and sublevel stoping.This paper describes on the following points(1) Geology and mineral deposits(2) Opening(3) Mining methods(4) Others 1) transportation, 2) ventilation, 3) drainage, 4) lighting, 5) mine safety
著者
竹内 朋香 犬上 牧 石原 金由 福田 一彦
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.294-304, 2000-09
被引用文献数
1

不眠, 不充分な睡眠や付随する疲労は, 行動問題や情動障害に関連し, 二次的な学業問題, 集中力欠如, 成績悪化などに結びつく。そこで本研究では, 睡眠問題発現の予防学的側面をふまえ第1に, 睡眠習慣調査の因子分析により大学生の睡眠生活パタンを総合的に把握する尺度を構成した。第2に, 尺度得点のクラスター分析により睡眠習慣を分類し, 大学生の睡眠衛生上の潜在的問題点を検討した。因子分析により睡眠に関する3尺度-位相関連(朝型・夜型と規則・不規則関連9項目), 質関連(熟眠度関連6項目), 量関連(睡眠の長さと傾眠性関連6項目)-を抽出し, 通学など社会的要因との関連を示唆した。分類した6群のうち4群は, 睡眠不足, 睡眠状態誤認, 睡眠相後退など睡眠障害と共通点を示し, 時間的拘束の緩い大学生活から規則的な就業態勢への移行時に睡眠問題が生じる危険性を示唆した。また本研究のような調査票による, 医学的見地からみた健常範囲内での睡眠習慣類型化の可能性を示唆した。分類結果に性差を認め, 短時間睡眠で高傾眠群, 睡眠の質が悪いが朝型, 規則的で平均睡眠量の群で女子の, 夜型, 不規則, 睡眠過多な群, 夜型, 不規則で睡眠の質が悪い群では男子の割合が高かった。従来の知見をふまえ生物学的要因の関与を推測した。
著者
金折 裕司 小林 健治 安野 泰伸 割ヶ谷 隆志 山本 哲朗
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.220-230, 1999-10-10
参考文献数
27
被引用文献数
5 3

1997年6月25日に発生した山口県北部地震(M6.1)の震央付近の阿武川河床で確認された断層露頭の性状を記載するとともに, 地震動による家屋被害のデータを再検討し, 震源断層と断層露頭や被害域との関係を議論した.断層露頭は地質境界として指摘されていた迫田-生雲断層の北東端付近に位置し, NE-SW方向で幅5m以上のカタクレーサイト化したゾーンが発達している.このゾーン内部には最大幅50cmの断層ガウジ帯が"杉"型に雁行配列して発達し, 右横ずれの運動センスを示唆する.この運動センスは山口県北部地震の発震機構と一致した.さらに, この地震の余震は迫田-生雲断層北東部に集中する.家屋被害率を被害家屋総数/世帯数と定義し, 山口県阿武郡阿東町とむつみ村の地区(字)ごとに被害率を計算した.被害額の最も高かった生雲西分地区は震央の南西約5kmに位置し, 迫田-生雲断層上にあった.また, 被害域は生雲西分を中心とし, 迫田-生雲断層を軸とする半径10kmの円内に収まっている.これらのことから, 山口県北部地震は迫田-生雲断層北東部の活動で発生したことが裏付けられた.