著者
田中 大喜 村木 二郎 松田 睦彦 湯浅 治久 鈴木 康之 井上 聡 高橋 典幸 黒嶋 敏 貴田 潔 神野 祐太 渡邊 浩貴
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、13世紀後半~14世紀にかけて顕著になった、西遷・北遷と呼ばれる東国武士の西国や東北地域の所領への移住の実態について究明する。その際、西遷・北遷東国武士と在来諸勢力とを相互規定的な関係にあるものと捉える観点から、両者の多様な諸資料を広く収集・分析し、文献史学・考古学・美術史学・民俗学・歴史地理学による地域総合調査として進めていく。本研究の成果は、報告書や展示等を通して社会に発信していくと同時に、様々な研究分野に利活用できる調査情報公開のシステム作りも進め、調査データの社会資源化を図る。
著者
槙山 和秀 藤浪 潔 鈴木 康太郎 杉浦 晋平 寺西 淳一 佐野 太 斎藤 和男 野口 和美 窪田 吉信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.669-674, 2004-05-20
参考文献数
12
被引用文献数
2

(目的) 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター泌尿器科では後腹膜鏡下根治的腎摘除術を2002年5月から開始した. 当院で採用した術式により3名の術者が安全に後腹膜鏡手術を施行可能であったので, その手術成績を検討した.<br>(対象と方法) 2002年5月から2003年6月までに当院で腎細胞癌の診断で後腹膜鏡下根治的腎摘除術を施行した14例を対象とした. 術式は側臥位で, 6cmの腰部斜切開で後腹膜腔にアプローチ. 円錐外側筋膜を腎下極レベルまで切開, 尿管を確保し, Gerota 筋膜と腹膜, Gerota 筋膜と腸腰筋の間を鏡視下でメルクマールになるように剥離したうえで, 小切開に hand port device を装着し12mmトロッカーを3本留置し, 気腹して後腹膜鏡下に根治的腎摘除術を施行. 先の6cmの切開創から腎を摘出する. 本術式の手術成績を検討した.<br>(結果) 平均手術時間は244.4分, 平均出血量は, 217.9mlだった. 1例は出血のため, 1例は小動脈の処理が不十分と思われたために開放手術に移行したが, 輸血を施行した症例はなかった. 大きな合併症も認めなかった.<br>(結論) 本術式で3名の術者が安全に後腹膜鏡下根治的腎摘除術を施行し得た.
著者
神林 潤一 鈴木 康弘 沖津 卓二
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.41-48, 2004

教室と廊下の間が, 壁や窓によって区画されないオープン型の普通教室が増えているが, 従来型の教室に比べ騒音環境の悪化が懸念される。そのため, 全教室がオープン教室である仙台市立の3小学校ならびに従来型普通教室をもつ小・中学校4校において, 教室内の騒音測定と現場の教師に対するアンケート調査を行い, それぞれの騒音環境について比較検討した。その結果, オープン教室の騒音レベルは, 明らかに学校環境衛生の基準値50dB (A) を超えていること, オープン教室内では児童も教師も隣接教室からの騒音に少なからず影響を受けていることが分かった。以上のことから, 学校の新設に際しては, 騒音に対する十分な配慮が必要であり, 既存のオープン教室に対しては, 適切な防音対策が望まれる。
著者
鈴木 康夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.378-385, 2012 (Released:2012-03-05)
参考文献数
13

Granulocyte and Monocyte Adsorption(GMA)は,本邦で開発・臨床応用された薬剤投与によらず抗炎症効果を発揮し高い安全性を有するユニークな療法で,潰瘍性大腸炎(UC)同様クローン病(CD)においても寛解導入療法の1つとして実施可能となった.しかし,汎用されているUC症例に比べ,CD症例におけるGMAの意義や最適な適応症例と実施時期に関しての検討はいまだ十分とはいえず,今後解決すべき課題と考えられる.われわれの多施設共同研究による検討では,発症早期の比較的軽症例に対しGMAを実施することで寛解導入率の向上に寄与する可能性が推測された.また,CD治療の中心的薬剤である抗TNF-α抗体製剤にGMAを組み合わせる治療法の有用性に関しても今後検討すべき課題の1つと考えられた.
著者
川上 ちひろ 西城 卓也 藤崎 和彦 鈴木 康之
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.365-371, 2015-09-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
38
被引用文献数
1

背景 : 問題をもつ学習者の問題は体系的に示されてない. 教育者が, その問題を適切に理解するため, 問題をもつ学習者を表現する英語用語と定義を集約し, その問題を因子ごとに分類する.方法 : 系統的文献検索結果 : 用語にはdisability, learning disorders, at-risk, difficult, problem, struggle, underperform, unprofessional unsafe, gifted, outstandingが同定された. 問題因子は, 学習者の特性, 認知, 態度, 技術に大別された.考察 : この分類は教育者が問題を的確に理解する一助となる.
著者
澤 祥 太田 陽子 渡辺 満久 鈴木 康弘
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.233-240, 2000-06-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

庄内平野東縁南部松山町の活断層は,活断層研究会(1991)により確実度IIIとされていたが,更新世後期から完新世に活動を続けた長さ約7kmの活断層であることが明らかになった.これを松山断層とよぶ.松山断層は,撓曲変形と断層背後での逆傾斜を変位地形の特徴とし,東上がりの逆断層と考えられる.松山断層の鉛直平均変位速度は0.2~0.7m/kyrsである.松山断層は酒田衝上断層群の位置とほぼ一致し,酒田衝上断層群の第四紀後期の活動の現れと解釈される.
著者
中田 高 徳山 英一 隈元 崇 室井 翔太 渡辺 満久 鈴木 康弘 後藤 秀昭 西澤 あずさ 松浦 律子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.240, 2013 (Released:2013-09-04)

2011年東北地方太平洋沖地震以降,中央防災会議によって,南海トラフ沿いの巨大地震と津波の想定がなされているが,トラフ外れた海底活断層については詳しい検討は行われていない.縁者らは,詳細な数値標高モデルから作成した立体視可能な画像を判読し,南海トラフ東部の南方に位置する銭洲断層系活断層の位置・形状を明らかしたうえで.その特徴および歴史地震との関連を検討する.
著者
鈴木 康夫 井城 祥光 上原 和浩 川口 英治 中嶋 信生 濱井 龍明 原田 博司 藤井 輝也 横井 時彦 横山 幸男 日高 良一 小田 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.109-116, 2005-07-21
参考文献数
9

フィールドでのソフトウェア交換が可能になる将来を想定して、ソフトウェア無線機の開発、証明、流通、インストール関するシミュレーションシステムを製作し、検証実験を行った。
著者
山下 梓 宮本 靖久 原山 耕一 鈴木 康司
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.126-133, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

高速液体クロマトグラフ-四重極飛行時間型質量分析計(LC-QTOF-MS)を用いた乳および卵主要アレルゲンの一斉分析法を開発した.乳,卵の主要アレルゲンタンパクであるα-カゼイン,β-ラクトグロブリン,オボアルブミンを分析対象とした.これらタンパクのそれぞれをトリプシン消化しLC-QTOF-MS分析を行った結果,消化物のアミノ酸配列の精密質量に整合した16種のピークが検出された.消化物の定量には,これら各ピークのプロダクトイオンスペクトルを用いた高分解能MRM法を適用した.次に,さまざまな濃度の牛乳および卵標準液を同時添加した各種飲料について定量性能を評価したところ,飲料中濃度10 μg/g付近で良好な直線性,再現性,真度が得られた.さらに,両標準液添加飲料のELISA法による定量値とLC-QTOF-MS法の定量値で良い一致が認められた.これらの結果から今回開発したLC-QTOF-MSを用いたアレルゲン消化ペプチド分析法は,飲料中の乳および卵タンパクの一斉定量法として有用であると考えられた.
著者
澤田 純平 吉野 正人 鈴木 康祐
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.18-00023-18-00023, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
22

Dynamic behavior of binary water droplets approaching each other in cloud is simulated by the improved two-phase lattice Boltzmann method with the Continuum Surface Force (CSF) model. This method does not need to solve the pressure Poisson equation and enables us to calculate two-phase flows with high density ratio accurately and efficiently. In this study, we investigate the effects of the Reynolds number Re, the Weber number We, the impact parameter B (the relative distance between the centers of two droplets), and the droplet size ratio on the behavior of the binary droplets for liquid-gas density ratio of 800. We first simulate a stationary liquid droplet in a gas to confirm the validity of the present method. We next simulate off-center approach of two equal-size droplets and investigate the effects of the Reynolds number and the Weber number. It is seen that at low Weber numbers of We ~ O(10-2), there are two types of behavior during approach of two equal-size droplets, namely coalescence and deviation. In this Weber number region, it is found that they can deviate from each other at low Reynolds numbers of Re ≲ O(1) in spite of B ≤ 1.0, whereas collision and subsequent coalescence occur at higher Reynolds numbers of Re ≳ O(10). We finally simulate approach of two unequalsize droplets with various size ratios. It is found that the behavior of the droplets is different from that in the case of the equal-size droplets owing to asymmetric velocity field and droplet deformation. In addition, the smaller droplet tends to deviate from its original path more significantly than the larger droplet.
著者
高橋 方子 菅谷 しづ子 鈴木 康宏 石津 みゑ子 布施 淳子 高橋 和子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.5_771-5_782, 2017-12-20 (Released:2017-12-27)
参考文献数
31

目的:本研究はわが国の事情に即したバリューズヒストリーの開発を目的とした。バリューズヒストリーは終末期医療の意思決定の根拠となる価値観を示す価値観歴である。方法:訪問看護師に対する面接調査および米国のバリューズヒストリーから作成した項目について,デルファイ法による質問紙調査を実施した。対象は訪問看護認定看護師397人・在宅看護専門看護師21人の合計418人とした。結果:「健康上の問題と向き合う姿勢」「健康上の問題に対する医師からの説明内容」「余命についてどう思っているかとその理由」「自分の意思決定の特徴」「自分のコミュニケーションの特徴」など35項目が日本版バリューズヒストリーとして選択された。考察;日本版バリューズヒストリーは,病名や病気の見通しなどについて本人に事実を伝えるとは限らないわが国の状況や,周囲の人の状況や調和を優先するといった日本人の意思決定の特徴が反映されていると推察された。
著者
鈴木 康司 飯島 和丸 坂本 幹太 佐見 学 山下 博
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.94-103, 2006-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

乳酸菌の中にビールを濁らせる菌と濁らせない菌が存在し, その形質がホップ耐性の有無と密接に関連することは以前から知られていたが, 筆者らは最新の遺伝子組替え手法を駆使してホップ耐性を司る遺伝子を特定した。これまで不明であったホップ耐性の機構解明のみならず, 現場的な微生物管理にも応用可能であり, 今後の展開が期待される研究である。
著者
伊藤 さよ 佐藤 高広 山下 珠希 鈴木 康弘
出版者
Japanese Association of Forensic Science and Technology
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.133-137, 2014
被引用文献数
1

Glass fragments are valuable evidence in the criminal investigation of hit-and-run, murder and burglary cases. Screening of glass fragments should be carried out by refractive index (RI) measurement after the identification of unknown fragments of glass by analysis using electron probe microanalysis (EPMA), scanning electron microscopy with an energy dispersive X-ray spectrometer (SEM-EDS) and/or X-ray fluorescence spectrometry (XRF). However, it has been pointed out that RI values of glass fragments can be influenced by electron beam and/or X-ray of the instrumental analysis, although the effect of them on RI values of glass has not been sufficiently examined.<br>   In this work, we compared the RI values of glass fragments before and after irradiation by electron beam and/or X-ray using these devices. Glass fragments were collected from 3 different uses (windowpane of building, windshield and beer bottle). No significant difference was recognized in the RI values of these glass fragments before and after 30 minutes of irradiation.<br>   We have ascertained that the effect of electron beam and/or X-ray on the RI values is negligible in the conditions of the present study and that comparison of RI values is still useful for the forensic screening of glass fragments even after the instrumental analysis described above.<br>
著者
鈴木 康宏 土井 徹
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.114-129, 2015-07-31

未就学児の子どもがいる女性看護師と未就学児の子どもがいる一般就労女性のワーク・ファミリー・コンフリクト(以下:WFC)を比較するために,質問紙を用いて仕事と生活の実情ならびにコンフリクトの強さを調べた。未就学児の子どもがいる働く女性を対象とするため,子どもを保育施設に預けている働く女性に限定し,調査対象者を次のように設定した。女性看護師は病院付属の保育施設を利用する女性看護師6施設計236名,一般就労女性は一般保育園を利用する働く女性2施設計263名を対象に調査を行った。両群にWFCの強さを測定するWFCS日本語版を含めた自記式質問紙調査を行った。分析にあたり両群ともに夫と同居していない者を除外し,さらに一般就労女性では医療職の者を除外した。2群の属性とWFC得点の関連を,統計的手法を用い分析した。回収は女性看護師136名(回収率57.6%),一般就労女性170名(回収率64.6%)であり,そのうち分析には女性看護師125名,一般就労女性122名を使用した。WFC得点の中央値は女性看護師が52,一般就労女性が45であり,マン・ホイットニーのU検定の結果,p=0.000となり,2群のWFC得点に違いがあることが認められ,平均ランクは女性看護師の方が高く,女性看護師の方がWFC得点が高いことを示していた。また,WFC得点の中央値より低い値を1(コンフリクトが小),高い値を0(コンフリクトが大)としたロジスティック回帰分析の結果,p<0.05となり有意であることが認められた要因は女性看護師では正職員に比べパート勤務でオッズ比が3.8,時短勤務で6.8,また夫との会話時間が大の場合のオッズ比は1.6であった。看護師では負担の少ない勤務形態と,夫との会話時間の増大がWFC得点の低減に関連していた。一般就労女性では有意であることが認められた要因はみられなかった。女性看護師は一般就労女性に比べて残業時間が多く,夜勤もあり,WFCを生じやすい。そのため,パートタイムや時短勤務はWFCを回避する勤務形態と考えられる。また夫とのコミュニケーションの機会の増加がWFCの低減に関連していたことが注目された。