著者
長谷部 久乃 石原 克之 伊藤 政喜 許 鳳浩 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.21-27, 2016-03-31 (Released:2016-04-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1

女性のQOLを網羅的に把握し,フルーツグラノーラ摂取がQOLに及ぼす効果について検討した.方法は,インターネットを介したアンケート調査(株式会社LSTT製・女性のためのQOL調査票)により,3,460名の身体的・精神的なQOLを調査した.また,便秘気味108名,そうでない者57名の合計165名に対し,フルーツグラノーラを自由に摂取させ,試食前後のQOLの比較を行った. スクリーニング調査の結果,非便秘気味の者は便秘気味の者と比べ,全てのカテゴリーで有意に満足度が高かった.また,フルーツグラノーラの摂取習慣がある者は,精神的側面のQOLスコアが有意に高かった. さらに,フルーツグラノーラを摂取することで,全体的なQOLスコアの上昇が見られた.このことから,フルーツグラノーラの摂取は女性のQOL向上に有効である可能性が示唆された.
著者
伊藤 栄作 大平 寛典 斉藤 庸博 柳 舜仁 筒井 信浩 吉田 昌 柳澤 暁 山内 栄五郎 鈴木 裕
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.850-856, 2016-09-01 (Released:2016-09-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

症例は53歳の女性で,胃癌に対して腹腔鏡補助下胃全摘術を施行した.再建は機能的端々吻合によるRoux-en Y再建を行った.術後,食道空腸吻合部の屈曲による通過障害を発症し,内視鏡的な処置を繰り返し行ったが改善を認めず,術後1年の時点で磁石圧迫吻合術(山内法)を施行した.術後経過は良好で食事摂取可能となった.自験例での通過障害の原因としては,吻合部が縦隔内へ引き込まれたこと,盲端のステープルが挙上空腸へ癒着したこと,術後に食道が短縮したことなどが考えられた.山内法は磁石を用い管腔臓器を吸着し,挟まれた組織の壊死をじゃっ起し瘻孔を形成する治療法である.自験例は食道空腸吻合部が縦隔内に近い位置に存在するため再吻合術は困難が予想された.屈曲部に対する吻合を行う場合は吻合すべき腸管同士は近接しており,山内法による空腸-空腸吻合術は良い適応と考えられた.
著者
竹内 晃一 鈴木 雄介 宮本 一郎 三樹 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.67, pp.1-6, 2005-05-13
被引用文献数
9

手話映像による情報提供を行うための方法として、コンピュータグラフィックス(CG)合成によるものではなく、実写手話映像の断片をモーフィング処理も入れながら複数結合することにより合成する方法を提案する。これにより、電車遅延情報のような時々刻々と変わる情報であっても、実写画像から合成した手話映像として情報提供ができるようになる。この手話映像合成エンジンの応用例として、RFIDタグと連携して、天気予報、電車遅延情報といった場所や時間によって変化する情報を、合成手話映像によって提供するシステムを試作した。
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.350, pp.56-61, 2005-01

あなたは自店の「本当の実力」を知っているだろうか? 自身では気付かない客離れの兆候や、意外な長所を探るべく、時には勝手に、あるいは依頼を受けて、覆面調査員がチェック。彼らの評価から、噂や口コミに惑わされない、店の真の姿が浮かび上がる。徳島産の「阿波尾鶏」や鹿児島産の「さつま知覧どり」など、地鶏を中心に提供する鶏料理専門店。
著者
仲村 康秀 松岡 數充 今井 一郎 石井 健一郎 桑田 晃 河地 正伸 木元 克典 鈴木 紀毅 佐野 雅美 José M. Landeira 宮本 洋臣 西川 淳 西田 周平
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.22-40, 2019-02-25 (Released:2019-02-28)
参考文献数
137

Plankton are aquatic organisms unable to swim against the current, and they include diverse taxa of different phylogenetic origins. The taxonomy, phylogeny and ecology of nine plankton groups are reviewed in this paper, in order to comprehensively understand the latest information and current situation of plankton studies. The order-level classification of dinoflagellates was re-arranged, but the classification system is still not well organized at the family-level. The taxonomy of raphidophytes and dictyochophytes was partly confused, however, molecular studies provided clear categorization between these groups. The diatoms could be identified by observing some important morphological characteristics. Yet, these characteristics are sometimes not observable because of inappropriate specimen treatments, and furthermore, the morphological terms are not enough unified, resulting that the species-level identification is complicated and difficult. Recent studies revealed the cryptic diversity and high abundance of some microalgae, such as haptophytes and prasinophytes. The diversity and ecology of planktonic foraminifers have been clarified, but those of radiolarians and phaeodarians are still wrapped in mystery. The classification needs to be re-arranged especially for collodarians, phaeodarians and acantharians. The phylogeny of copepods has been elucidated, and this group was re-classified into 10 orders. Future studies should clarify their evolutionary process and create useful databases for easier identification. The methods to reveal the larva-adult correspondence are established for decapods, and further clarification of the correspondence is expected. The classification system of chaetognaths has been updated, and the intra-species diversity is also being studied. The species diversity of scyphozoans has not been well clarified especially for deep-sea species, and their classification still involves problems such as cryptic species. The dataset including DNA sequences and different types of images (taken in the field and under the microscope, etc.) should be accumulated for comparing the data from different methods (e.g., direct microscopy, optics-based survey and environmental DNA analysis).
著者
上山 浩也 八尾 隆史 岩野 知世 内田 涼太 宇都宮 尚典 阿部 大樹 沖 翔太朗 鈴木 信之 池田 厚 谷田貝 昴 赤澤 陽一 竹田 努 松本 紘平 上田 久美子 北條 麻理子 永原 章仁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1310-1322, 2021-09-25

要旨●胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,H. pylori未感染胃に発生する胃腫瘍の臨床病理学的・内視鏡学的特徴について概説した.今回,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,特に胃底腺型腺癌,胃底腺粘膜型腺癌,胃型分化型腺癌,胃型腺腫を抽出し解析した.細胞分化では,胃底腺型腺癌は胃底腺のみ,胃底腺粘膜型腺癌は腺窩上皮+胃底腺(+幽門腺),胃型分化型腺癌・胃型腺腫は腺窩上皮+幽門腺(+胃底腺)への分化を示し,通常型の胃癌に比較して異型度や悪性度は低く,内視鏡治療を選択された症例が多かった.内視鏡診断は,各タイプの特徴を理解したうえで,NBI併用拡大内視鏡診断と内視鏡所見から表層の腫瘍成分の有無,表層と上皮下の成分の関係性を推測することが,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の内視鏡診断と各鑑別につながると考えられた.
著者
鈴木 博
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
日本小児循環器学会雑誌 (ISSN:09111794)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.249-263, 2019-11-01 (Released:2020-02-13)
参考文献数
64

遺伝性不整脈は,心筋活動電位を形成するイオンチャネルとこれに関連する蛋白などをコードする遺伝子変異によって発症する疾患の総称である.1957年にQT延長症候群が初めて報告され,現在ではカテコラミン誘発多形性心室頻拍,Brugada症候群,QT短縮症候群,早期再分極症候群,進行性心臓伝導障害も遺伝性不整脈とみなされている.若年突然死の主要な原因であるが,早期発見と介入により予防しうる.遺伝子解析の進歩により,原因不明であった失神,突然死に遺伝性不整脈の診断がつき,個々により適した管理,治療が行われるようになってきている.近年,日本循環器学会のガイドラインも改訂された.これも踏まえて本稿では,QT延長症候群,QT短縮症候群,カテコラミン誘発多形性心室頻拍,Brugada症候群について述べる.
著者
鈴木 謙介
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.499-513, 2005-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

「セキュリティの強化」と「監視」を巡る問題が近年になって特に注目されるようになった.ここでいうセキュリティの強化とは, 単なる監視カメラの設置による監視の氾濫を指すのではなく, 予防的措置の極大化によって, あるシステムにとってふさわしくない人間をあらかじめ排除するという動きの全体を指している.こうした監視の強化と排除に対して批判を加えることは一見容易に見えるが実はそうではない.その理由は, 監視を批判しようとすることが監視によって実現される価値への批判へとすり替えられていくからである.例えば監視による排除が階層格差を前提にしている場合, それは格差批判にはなっても監視そのものを批判することはできないのだ.本稿ではこうした監視批判の困難を乗り越えるために, どのようなシステム作動によってセキュリティの強化が行われているのかを分析した.その結果明らかになったのは, 監視を行うことそれ自体がマシンによるデータ管理の自動化によって監視対象を外部から不可視化する作用を持つこと, そして, そのような外部に対する不可視化がさらに内部に対して過剰な可視化を呼び出し, 内部のロジックが一種の道徳律として機能するということだ.監視批判が困難なのは, この2方向の力の作動が存在するからだと考えられる.
著者
吉原 正人 鈴木 馨 梶 光一
出版者
動物の行動と管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.134-144, 2016-09-25 (Released:2017-02-02)
参考文献数
48

都心(上野動物園)と郊外(雪印こどもの国牧場)のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos japonensis)の捕獲調査個体を材料として、体格と栄養状態の地域間比較を試みた。上野・こどもの国いずれでもカラスの性的二型は明瞭で、オスはメスに比べて体重・嘴峰長・嘴高が有意に大きかったことから(P <0.01)、体格の地域間比較は成鳥・幼鳥とも雌雄別に実施した。体重は成幼・雌雄とも上野がこどもの国より小さかったが(P <0.01)、餌の確保・運搬や他個体への威嚇・攻撃など生存競争に有利に働く嘴(嘴峰長・嘴高)は逆に成幼・雌雄とも上野がこどもの国より大きかった(P <0.01)。栄養状態(栄養不良率)については、上野がこどもの国よりも悪く(P <0.01)、成鳥と幼鳥で比較すると、上野・こどもの国とも幼鳥の方が悪かった(P <0.01)。雌雄の栄養状態は、上野ではメスがオスに比べて悪かったが(P <0.05)、こどもの国では雌雄差がみられなかった(P >0.05)。捕獲季節を繁殖期(3〜7月)と非繁殖期(8〜2月)に分けても栄養状態を比較したが、繁殖期・非繁殖期とも上野がこどもの国より悪く(P <0.01)、上記の地域差に及ぼす捕獲季節の影響は認められなかった。以上から、生ゴミを餌資源として高密度分布する都心では体格が小型化して栄養状態が悪くなること、特に成長過程の幼鳥や体格でオスより劣るメスでは、栄養不良が顕著になることが示唆された。
著者
中井 義勝 任 和子 鈴木 公啓
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.69-74, 2017 (Released:2017-01-01)
参考文献数
18

食行動異常のため受診した患者を対象に, DSM-5診断基準を用いて回避・制限性食物摂取症 (ARFID), 神経性やせ症摂食制限型 (AN-R) とAN過食・排出型 (AN-BP) の診断を行い, その臨床症状を3群間で比較検討した. ARFIDは, 食行動障害および摂食障害群570例中83例 (14.6%) で, 全例が女性であった. ARFIDはAN-BPに比し初診時年齢が若く, 罹病期間が短かった. 精神病理を検討した結果ARFIDが3群間で最も低いことを示唆する結果であった. 今回検討した思春期以降のARFIDの臨床症状は欧米で報告されている小児のARFIDの臨床症状と異なる点があった.
著者
小関 卓也 堀 茜 見原 好治 河本 かずさ 伏信 進矢 小宮 大 鈴木 健太郎 祥雲 弘文 若木 高善 村山 哲也 塩野 義人
出版者
一般社団法人 日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.111-116, 2012-05-20 (Released:2017-12-24)
参考文献数
30
被引用文献数
1

フェルラ酸は植物細胞壁に存在する最も豊富なヒドロキシ桂皮酸の1つで,ヘミセルロースのキシランにおいては側鎖のアラビノフラノースのO-5あるいはO-2の位置に,ペクチンにおいては側鎖のアラビノフラノースのO-2あるいはガラクトピラノースのO-6の位置でエステル結合している。また,フェルラ酸は5,5'-,8,5'-,8,8'-および8-O-4'-結合によるダイマーを形成し,キシラン,ペクチン,リグニンとの架橋を形作っている。麹菌Aspergillus oryzae RIB40のゲノム配列情報を基に,ヘミセルロースの効率的分解に寄与するフェルラ酸エステラーゼと類似する遺伝子配列をいくつか見出し,それら遺伝子をクローン化し,Pichia pastorisで発言させた。それぞれのリコンビナント酵素のうちAoFaeBとAoFaeCはタンナーゼファミリーのフェルラ酸エステラーゼで,一次構造と一般的性質は似ていたが,いずれもタンナーゼ活性は検出されず,また,それぞれの酵素はシナピン酸エステルに対する特異性が異なっていた。AoPrbAはAoFaeBおよびAoFaeCと一次構造は類似しているものの,フェルラ酸エステラーゼ活性やタンナーゼ活性は検出されず,4-ヒドロキシ安息香酸エステル特異的なエステラーゼで,タンナーゼファミリーに分類されるエステラーゼは,その多様性が示唆された。
著者
鈴木 智 田原 誠 中澤 大輔 野波 健蔵
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.626-634, 2008-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14
被引用文献数
11 16

In this paper, we propose the attitude estimation algorithm under the dynamic acceleration environment. Generally, an attitude sensor has biaxial or triaxial accelerometer in order to measure the direction of gravity. In this configration, the attitude sensor has serious error under the dynamic acceleration environment, because of the measurement error of gravity that is caused by the dynamic acceleration. When we put the attitude sensor on a movable body like an UAV (Unmanned Aerial Vehicle), this kind of error is fatal for the sensor. So, we apply the extended kalman filter algorithm to reduce the estimation error. Firstly, we derive the process model for the kalman filter which is based on quaternion kinematics. Secondly, we design the extended kalman filter by using the process model. Lastly, we show the simulation and experiment result of the estimation algorithm.
著者
伊藤 剛 鈴木 紀毅 指田 勝男
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.359-370, 2021-10-13 (Released:2021-10-20)
参考文献数
54
被引用文献数
2 3

本論では,主に群馬県みどり市大間々町に分布する足尾帯ジュラ紀付加体大間々コンプレックスから得られた放散虫化石及び有孔虫の産出を報告する.チャートからはグアダルピアン世~ローピンジアン世(中期~後期ペルム紀)・中期~後期三畳紀・ジュラ紀の放散虫が,珪質泥岩からは前期及び中期ジュラ紀の放散虫が産出した.また,石灰岩からはシスウラリアン世~グアダルピアン世(前期~中期ペルム紀)のフズリナと小型有孔虫が産出した.
著者
鈴木 円 Madoka SUZUKI
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.892, pp.83-95, 2015-02-01

The term Spartan education, translated into Japanese as "Suparuta kyoiku" is widely used nowadays to mean "severe education." This paper reviews 12 Japanese books or articles on Spartan education published from the 1870s to the 1970s and examines how the authors have understood Spartan education and in what context they have used the term. The above materials, published from the early Meiji to post-war period, suggest that Japanese learned about the education system of ancient Sparta from Western academic sources. However, after the influential bestseller, Shintaro Ishihara's Suparuta Kyoiku(Spartan Education; A book for raising tough kids), was published, leading Japanese educators seem to have begun using the term "Suparuta kyoiku" to mean Japanese militaristic education. Historically, Western classical scholars have acknowledged the value of Spartan public education in contrast to Athenian individualistic education. However, Japanese educators seem to have failed to understand the value of Spartan education because of the change in the understanding of the term "Suparuta kyoiku." The author concludes that educators ought to have used that term with that original sense in mind.