著者
近藤 幸一 千葉 龍矢 小野 裕司 吉田 栄吉 松下 伸広 阿部 正紀
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, 2004-04-01
被引用文献数
2

携帯電子機器の急速な高速度化・小型化とそれに伴う電子回路の高集積化により,半導体部品等から発生する高周波伝導ノイズを,ノイズ発生源である半導体素子内部あるいはその近傍で抑制する技術が望まれています.我々はフェライトめっき法により得られるNiZnフェライト薄膜を用いたGHz伝導ノイズ抑制体(バスタフェリックス_[○!R])を開発しました.Fig.1に示すように,従来の金属粉とポリマーからなる複合磁性シート(厚さ50μm)に比べ約1/15の厚さ(31μm)で同等以上の性能を発揮するので,携帯電話,ノートパソコン、デジタルカメラのようなデジタル電子機器の輻射ノイズ対策、及び内部干渉・誤動作の防止に最適です.
著者
茂木 一司 福本 謹一 上田 信行 阿部 寿文 下原 美保 宮田 義郎 苅宿 俊文
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

異文化理解・総合・マルチメディアパッケージ教材の開発・実践・評価に関する2年間の研究は、以下のように整理できる。1.「子どもによる子どものための芸術・文化発信プロジェクト」の教材開発として、「お茶箱プロジェクト」(インドネシア共和国・バリ・ウブド小学5年生対象、イタリア共和国・フィレンツェ市小学1年生対象、越後妻有アートトリエンナーレ)と「なりきりえまきプロジェクト」(同・フィレンツェ大学語学センター学生対象、同トリエンナーレ)の2つの異文化理解ワークショップを開発し、各地で実践し、ワークショップという共同的/協働的な学びの有効性を実証し、確認できた。2.「お茶箱プロジェクト」では、日本の茶道の仕組み(しつらい)を使って、ものの来歴を「語る」ということを通して、ことば(語り合う・表現し合う)と学習環境のデザインの関係を明らかにした。「なりきりえまきプロジェクト」では、日本美術独特の絵巻を題材にして、絵画における時間表現(現代のアニメに通じる)を登場人物に変身する(なりきる)という身体化と重ねて行うワークショップを開発した。これらは、異文化理解教育の方法に有効であった。3.研究成果の社会還元の方法として、展覧会に注目し、上記の内容を「越後妻有アートトリエンナーレ2006」(新潟県十日町市)で「学びの繭」展として発表した。会場での空間及び映像展示は非常に美しく心地よいという参観者の評価を得た。同時に、会場当番にあたった制作スタッフ・学生スタッフと来場者との多様なコミュニケーションによって、研究の経過の公開と共有の場のみならず、さらなる共同の学びの場となるという「(学びの)入れ子構造」がつくられることがわかった。
著者
阿部 豊雄 岩本 美代喜 祐川 淑孝 稲吉 浩 青野 正道
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.268-321, 1994-11
被引用文献数
1

この報告は第32次南極地域観測隊気象部門が, 1991年2月1日から1992年1月31日まで昭和基地において行った気象観測の結果, 1990年12月26日から1991年12月1日までのあすか観測拠点における気象観測の結果ならびに, 1990年11月から12月に行った「しらせ」船上でのオゾン観測結果をまとめたものである。観測方法, 設備, 結果の取扱い等は, 昭和基地及びあすか観測拠点とも第31次観測隊とほぼ同じである。なお, 昭和基地では, 紫外線B領域の観測を始めるなど地上放射観測の充実を図った。あすか観測拠点では, 南極気候変動研究計画の一環として気水圏研究部門が計画した, オメガゾンデによる高層気象観測を16回実施した。越冬期間中特記される気象現象としては, 次のものがあげられる。1) 昭和基地ではブリザードの襲来が34回あり, あすか観測拠点におけるブリザード日数は82日間あった。2) 昭和基地における年間の日照時間の合計値は観測開始以来最も少ない1684.9時間であった。3) 3年連続でオゾンホールを観測し, 日別値では9月30日のオゾン全量が159m atm-cmと観測開始以来2番目に低い値を記録した。4) 5月23日, 昭和基地付近でハイドローリックジャンプによる雪煙の渦塔が観測された。
著者
米田 穣 阿部 彩子 小口 高 森 洋久 丸川 雄三 川幡 穂高 横山 祐典 近藤 康久
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、全球大気・海洋モデルによって古気候分布を復元し、旧人と新人の分布変動と比較検討することで、気候変動が交替劇に及ぼした影響を検証した。そのため、既報の理化学年代を集成して、前処理や測定法による信頼性評価を行い、系統的なずれを補正して年代を再評価した。この補正年代から、欧州における旧人絶滅年代が4.2万年であり、新人の到達(4.7万年前)とは直接対応しないと分かった。学習仮説が予測する新人の高い個体学習能力が、気候回復にともなう好適地への再拡散で有利に働き、旧人のニッチが奪われたものと考えられる。
著者
五十殿 利治 井上 理恵 渡辺 裕 上村 清雄 木下 直之 古川 隆久 京谷 啓徳 大林 のり子 阿部 由香子 日比 嘉高 寺門 臨太郎 川崎 賢子 菊池 裕子 江 みなみ
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

芸術の受容者の鑑賞行動に関する史的な研究については、たとえば近代文学史におけるアンケートに基づく読者調査のような基礎的な資料を欠くところから、研究対象にどのようにアプローチするのか、学術的な方法論が問題である。これに関連して研究対象である受容者の様態を検証することも重要である。本研究においては、共同研究により、従来に顧みられなかったカメラ雑誌の月評など、資料の発掘を含めてその方法論が多様であることが明らかとなり、むしろ研究として今後十分な展開の可能性があることが明らかになった。
著者
沢口 彰子 吉成 京子 阿部 和枝 前川 マリ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.680-680, 1973-08-25

東京女子医科大学学会第182回例会 昭和48年5月11日 東京女子医科大学本部講堂
著者
富澤 芳亜 阿部 武司 金丸 裕一 久保 亨 桑原 哲也 萩原 充 吉田 建一郎 加島 潤 今井 就稔 芦沢 知絵 張 忠民 陳 慈玉 陳 計堯
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

主要なものとして、以下の3つがある。(1)社会経済史学会第78回全国大会におけるパネル・ディスカッション「両大戦間期・第二次大戦期の中国における在華日系企業の活動-内外綿会社の活動を事例として」(2009年9月27日)、およびシンポジウム「両大戦間期・第二次大戦期の中国における在華日系企業の活動」(2009年9月28日、東京大学社会科学研究所)の開催。(2)富澤芳亜、久保亨、萩原充編『近代中国を生きた日系企業』の刊行(平成23年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)交付内定)。(3)在華紡関係者のインタビューの文字化とその校閲(一部は公刊済み)。
著者
室岡 義勝 南澤 究 阿部 美紀子 久松 真 山田 隆 山下 光雄 NANTAKORN Boonkerd NEUNG Teaumroong NAZALAN Najimudin NGUEN Huuhiep HARUMASTINI Sukiman BAYANIM Espiritsu
出版者
広島工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本、タイ、マレーシア、インドネシア、フイリッピンおよびベトナムの科学者が、東南アジア各地域の植物と共生する窒素固定細菌・微細藻類および菌根菌を採取して、持続的バイオマス生産への効果を調査・研究した。共生微生物をバイオコンポストとして用いた結果、イネやマメ科作物などの食糧生産、デンプンやセルロース資源バイオマスの生育促進およびヤシ油・ジャトロファ油の増産を促した。共生微生物によって、エコシステムが構築され化学肥料の削減をもたらした。ここに、持続的食料およびバイオマス資源生産に共生微生物を積極的に利用することを提言する。
著者
阿部 幸一郎 今井 賢治
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

マウスでランダムに突然変異を誘発させることで、炎症性関節炎を引き起こすAli18系統が確立された。Ali18変異を同定するために、遺伝的解析及び候補遺伝子のDNA配列の決定を行った。その結果、第4番染色体に位置するリン酸化酵素のコード領域に突然変異が検出された。リン酸化は細胞のシグナル伝達に関係があり、Ali18変異による増殖シグナルの増幅が関節炎発症に関与すると考えられた。また、Ali18シグナルを阻害すれば炎症を抑制できる効果が期待された。
著者
阿部 栄子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.571-580, 1965-09

症例検討会 昭和40年4月23日(金) 東京女子医科大学本部講堂
著者
石川 有美 阿部 俊明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

糖尿病網膜症の治療評価マーカーや新規治療薬の検討を行った。まずバソヒビンに注目した。(1)血漿中のバゾヒビン濃度と網膜症は相関はないが、増殖性の変化が強いほどバソヒビン濃度が低い傾向だった。(2)hypoxia-inducible factor(HIF)でGFP誘導される網膜色素上皮細胞を作成し培地中に眼内液を添加すると血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とGFPは発現が有意に相関することが判明した。糖尿病網膜症眼内にはHIF を誘発する因子が有意に多く含まれていた。
著者
西村 浩一 阿部 修 和泉 薫 納口 恭明 伊藤 陽一
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、「地震と豪雪」の複合災害の中で、「冬に地震が発生」した際の雪崩災害危険度の評価手法を開発し、被害軽減に資することを目的とした。今年度は、主に地震時の積雪の破壊強度とその挙動を調べる目的で、防災科学研究所の雪氷防災実験棟において小型振動台を用いた積雪の破壊実験を実施した。実験にはロシアのAPATIT雪崩研究所殻からChernouss博士も参加し、共同で実施された。加速度計を埋め込んだ積雪ブロックを凍着させ、一定振幅のもとで2次元の振動数を増加し、積雪がせん断破壊した時点の加速度、上載荷重、断面積から、「新雪」、「しまり雪」、「しもざらめ雪」の「高歪速度領域の積雪破壊特性」とその密度依存性が求められた。また2次元振動に伴う、法線応力の効果についても議論を行った。さらにこの破壊特性を積雪変質モデル(Snowpack)に組み込んで、対象領域の地震発生時の雪崩発生危険度予測図を作成した。一方、こうした一連の取組みに対して、トルコの公共事業省災害監理局から共同研究と技術支援の依頼があり、研究協力者2名とともに現地視察を行ったほか、地震による雪崩発生の現況および危険度評価と災害防止手法開発に関する意見交換を実施した。現在、今後の共同研究策定に向けて調整を実施中である。
著者
斉藤 崇 長谷川 仁志 鬼平 聡 阿部 豊彦
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1)ラットintermediate conductance型Ca-activated K channel(lmK)の構造配列決定と機能解析:BKチャネルとともに内皮依存性血管過分極因子の標的分子とされるlmKチャネルの心血管病態における発現修飾を検討するため、種々の心血管病態モデルの作成が容易な実験動物であるラットのlmKチャネルのcloningを行った(GenBankへ登録:AF149250)。本遺伝子のcoding regionは1278塩基対で、翻訳蛋白産物は425アミノ酸からなり、ヒトおよびマウスと塩基配列で88%、95%、アミノ酸配列で各々ほぼ98%の相同性を示した。6個の膜貫通部位を有し、S5とS6間には本チャネルの特異的阻害物質とされるcharybdotoxin感受性aspartate residueが、またcarboxy-terminal側には細胞内Ca sensorの役割を担うcalmodulin-binding domainおよびtyrosin phosphorylation consensus sequenceがあり、またpromotor領域にはNFkB、heat shock protein、AP2などでregulationされる部位が存在した。これらの事実から本チャネルの発現調節とその活性化が細胞増殖刺激と密接に関連することが確実となった。さらに、本遺伝子をHEK細胞に発現させ、その細胞電気生理学的特性を解析し、本チャネルは細胞内Ca濃度上昇により活性化され、charybdotoxinにより抑制されるなど、これまで生理学的に予測されていたlmKの特性が再現された。2)心血管病態におけるKCaチャネル発現の変化:ラット心筋梗塞モデルを用いて、KCaチャネルの分子種5種類(BK、lmK、SK1、SK2、SK3)のmessenger RNAの発現をRT-PCR法、RNase Protection Assay法により経時的に追跡し、BKおよびlmKの発現は梗塞後1〜3日をピークとする初期増強と7日以降再度upregulationを示す後期増強相からなる2峰性ピークを形成することを見いだした。また、in situ hybridizationおよびラットlmKに対する特異抗体を用いた免疫組織染色の結果、lmKはmRNAレベルのみならず、翻訳蛋白発現のレベルでもその発現が亢進することが確認された。さらに組織内局在について検討すると、lmKは対照時には主として血管内皮細胞および血管平滑筋に局在するが、梗塞心では単核白血球、繊維芽細胞などの浸潤細胞にも著明な発現が見られ、初期上昇相はこれら細胞浸潤により特徴づけられる炎症反応に、後期上昇相は梗塞巣内の血管リモデリングに一致することが明らかとなった。この所見は、これまで生理学的、薬理学的に示されてきた病態での過分極-弛緩連関の代償性増強現象をKCa発現修飾の面から説明するはじめての所見と考えられる。また、以上のlmK発現の増強は、アンギオテンシンllのl型受容体拮抗薬の投与によりほぼ完全に抑制されることなどが明らかとなり、lmK発現調節の細胞内情報伝達系にMEK/ERK系の関与が示唆された。さらに、NO生合成長期抑制モデルにおいても同様なlmK発現の増強を見いだしており、lmKは心血管病態時における血管リモデリングの共通なkey moleculeである可能性が高まってきた。これらの成果は、平成13年3月31日よりアメリカ合衆国フロリダ州オーランドで開催されるExperimental Biology 2001におけるアメリカ生理学会主催の血管系カリウムチャネルに関するシンポジウムにおいて招待講演として発表するとともに、Journal of Clinical and Experimental Pharmacology and Physiologyに公表予定である。
著者
阿部 豊彦 鬼平 聡 斉藤 崇 三浦 傅
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

これまで冠動脈の短時間閉塞・再灌流後に心臓交感神経に一過性機能障害を生じ、これにはadenosineなど虚血性代謝因子が重要であること、神経成長因子(NGF)や副腎皮質ホルモンが保護作用を有することを報告してきた。中枢神経系においてはtumor necrosis factor-α(TNF-α)の神経保護作用が報告されているが、心臓交感神経においては不明であり、本研究ではこの点に関して検討をおこなった。成犬を麻酔、開胸、両側迷走神経を切断、propranorolを投与。suction-cup式のDoppler probe装着により左前下降枝(LAD)と回旋枝の冠動脈血流速度を測定し、両側胸部交感神経を電気刺激時の交感神経性冠動脈収縮反応を冠動脈抵抗の変化率(%ΔCVR)を算出することにより評価した。LAD内に生食(対照群1、n=5)ないし抗TNF-α250pg/kg/min(TNF-α群、n=6)を投与下に15分同枝閉塞・再灌流を行った。また、生食(対照群2、n=5)ないしTNF-α抗体60nl/kg/min(抗TNF-α抗体群,n=6)を投与下に7分同枝閉塞・再灌流を施行した。再灌流前後のSS及びNE時%ΔCVRの推移を評価した。1) 対照群1ではLADの15分閉塞・再灌流後、同枝の%ΔCVRが有意に減弱したが、TNF-α群では保持された。2) 対照群2ではLADの7分閉塞・再灌流前後に%ΔCVRの変化を認めなかったが、抗TNF-α抗体群では有意に低下した。各群ともNEに対する%ΔCVRは不変だった。3) 左室壁長変化率(%SL)は15分冠閉塞中、両群とも同等に低下したが、再灌流後、TNF-α群で速やかな回復を示した。また、7分冠閉塞にて低下した%SLは対照群2に比し、抗TNF-α抗体群で遷延した。以上より、TNF-αは虚血性の心臓交感神経および心筋の機能障害に対して保護作用を有することが示された。