著者
阿部 年晴
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.616-631, 1983-11-01

論文タイプ||論説
著者
原田 洋 阿部 聖哉 目黒 伸一 持田 幸良
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

環境保全林の機能と構造を研究するため川崎市東扇島と熱海市の環境保全林を対象とした。リターフォール量とその季節的変動を明らかにすると同時に林床に堆積するリターの分解率を測定し、土壌動物の現存量との関係から、環境保全林の管理手法の基礎を確立するとともに、土壌動物相から環境保全林の自然性の回復の度合いを判定すること、樹木による煤塵の捕集量や樹種による付着量の差、ならびにCO2固定量の推定など環境保全林の機能と動態を総合的に把握することを目的としている。リターフォールの月別変化は東扇島では5月に落下量が急増し、夏期は少し減少するが、熱海では初夏にピークが現われている。この落下パターンの違いは熱海のほうが標高が高いため、温度の上昇時期が1.5ヶ月ほど遅くなることによるものである。リター堆積量と落葉量から平均分解率を算出すると、東扇島では64%、熱海では84%であった。これは落葉を摂食する土壌動物の現存量の差によるものであろう。CO2固定量は、m^2あたり熱海では31.3kg(平坦地)と58.7kg(マウンド上)で、1年間にそれぞれ9.1kg,8.4kg増加した。東扇島では23.4kgと25.1kgとなり、1.1〜1.2kg増加した。若齢林の熱海で高いのは立木密度の差によるもので、淘汰されるにしたがい一定量になるものと考えられる。樹幹流中煤塵量は熱海では9本の合計値で50〜60g、東扇島では6本の合計値で110〜170gとなった。樹木サイズは東扇島のほうが大きいが、煤塵量も多くなっている。また、雨量は林外前のほうが多いが,両地域とも林内雨中煤塵量が多く、環境保全林のもつ煤塵捕集機能の高さが確認された。土壌動物群数は熱海のほうが多く、土壌動物による自然の豊かさ評価においても高い値を示した。これは若齢林であっても周辺に土壌動物の供給源となる自然環境が存在しているからである。また、ササラダニ類による自然性の評価においても東扇島より熱海で高く、関東地方の社寺林や明治神宮林なみの高い評価となった。
著者
林部 敬吉 辻 敬一郎 中谷 広正 阿部 圭一 東山 篤規
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

研究成果は次の通りである。1.バーチャル・リアリティ空間における視覚特性について人工的に出現させたバーチャル・リアリティ空問の視覚特性が自然空間とどの程度類似しているかを、双曲空間特性、ホロプター特性、大きさ恒常性、奥行距離特性についてそれぞれ測定した。その結果、両眼視差、パースペクティブ、テクスチャ、陰影を奥行手がかりとした条件では、視覚特性で比較する限り、自然空間は限定的にしか再現されず、また個人差も大きいことが明らかにされた。2.バーチャル・リアリティ技術を応用した対象の3次元可視化についてVR技術を用い3次元可視化したときの視覚特性を考慮した次の3通りのシステム、すなわち人間の脳の3次元可視化システム、室内デザイン支援システム、初等プログラミング教育支援システムを開発した。人間の脳の3次元可視化システムでは、人間の脳の全体と部分が立体的に知覚できるようにし、同時に、脳の構造と機能とが理解できるように工夫された。室内デザイン支援システムでは、VR空間内に置かれた様々な対象(イス、机、棚など)をデータグローブを使用して仮想的に移動し配置(デザイン)させることができ、もし対象とデータグローブとが接触すれば、接触判定を行い、同時に接触したことをユーザーに視覚的、聴覚的信号で知らせて使用者の利便性を高めた。初等プログラミング教育支援システムでは、小学生や中学生等に対してバーチャル・リアリティの技術を利用することでプログラムするとはどういうことかを理解させ、同時にプログラムの結果を、ミニカーやミニロボットをプログラムに従って動かして確認することができるようにした。
著者
守倉 正博 梅比良 正弘 阿部 宗男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.105-111, 2001-02-01
被引用文献数
11

無線アクセスは, 比較的低コストで迅速にアクセスネットワークを展開できることから, インターネットアクセス等の広帯域サービスの早期展開手段, あるいは地域通信市場への新規参入者にとっての経済的なアクセスネットワーク構築手段として注目されている.本文では, 高速・広帯域化が進む無線アクセスの動向について述べるとともに, マイクロ波帯から準ミリ波・ミリ波帯を用いた各種無線アクセスシステムの例を紹介し, 無線アクセス技術を展望する.
著者
阿部 隆 石澤 孝
出版者
宮城学院女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

名古屋市の都心ならびに都心周辺地域の既知利用の分布について、全市域的に修正ウィーバー法による土地利用の組合せの分析を行なって都心地域を画定し、画定された地域については、その中の建物の用途と階数を悉皆調査した。そして建物階数の分布や街区を代表する建物用途の分布の分析などを総合すると、名古屋市の都心ならびに都心周辺地域の土地利用の分布構造とその変化は、一部の用途に特化した核心地域と、それらの用途の周辺への拡大ならびにそれらの用途との機能的関係にもとづく土地利用変化によってもたらされていると考えられる。その用途による核心地域とは名古屋市の場合には、次の5種類が考えられる。1、シビックセンター(三の丸地区)、2、ビジネスセンター(名駅、錦、栄地区)、3、コマーシャルセンター(名駅、栄地区)、4、エンターテインメントセンター(錦、栄地区)、5、トランジットセンター(椿、金山、今池地区)次に近年の都心地域の土地利用の分布ならびにその混合構造の変化について建物用途現況図を資料として分析した。混合構造分析の結果は、ほとんどの用途の組合せにおいて、有意な混合・分離関係が認められず、名古屋市の都心地域の土地利用の分布が非常にランダムであることが明らかとなった。しかし、1967年と1986年には娯楽と教育との間に、1976年には官公庁と教育との間に弱い分離関係がみとめられた。また1986年には工業と工業的サービス、1986年には工業ならびに工業的サービスと公園との間に弱い結合関係が認められた。カナダのトロント市の中心地域の土地利用分布についても混合構造分析を適用した結果、住居を中心とする居住系の土地利用グループと工業を中心とする生産系の土地利用グループについて、グループ内の強い混合関係とグループ間の分離関係が明らかとなった。
著者
秋山 真志 清水 宏 阿部 理一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、魚鱗癬の治療法の開発を目的とし、正常ヒトABCA12導入遺伝子の作成、培養魚鱗癬患者表皮細胞およびABCA12ノックアウトマウス(魚鱗癬モデルマウス)表皮細胞に対する遺伝子導入実験、遺伝子導入幹細胞株よりの皮膚再生系の確立、再構成魚鱗癬病変に対する遺伝子導入による治療実験、ABCA12ノックアウトマウスに対する胎児治療実験を施行し、それらの研究成果から臨床応用への可能性を評価した。
著者
古賀 照章 阿部 亮
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.8-15, 1994-04-30
被引用文献数
10

現行の酵素分析法ではデンプン含有試料の細胞壁物質(CW)を定量する場合,α-アミラーゼ(デンプン分解)とアクチナーゼ(蛋白質分解)を別々に2段階処理で実施しているが,これを両酵素の混合液による1段階処理にすることによって,時間と手間の短縮・省力を計った。最初に緩衝液とpHの選択を行った。デンプンと蛋白質の標準物質としてジャガイモデンプン,大豆粕及びそれらの等量混合物を供試し,リン酸緩衝液(pH 5.4, 5.8, 6.4, 7.0, 7.4)と酢酸緩衝液(pH 4.4, 5.0, 5.4, 5.8)で酵素液を調製し40℃,16時間の分解における乾物と蛋白質分解率を測定した。pH 5.8酢酸緩衝液を利用した場合,混合酵素処理による乾物と蛋白質の分解率が最も高かったことから,この条件を採用してトウモロコシサイレージ,ソルガムサイレージ,大麦及びフスマのCW音量を測定し現行法での値と比較した。その結果,混合酵素処理法による定量値と現行法定量値との間には統計的な有意差がないか,またあったとしてもその差は非常に小さなものであることから,酵素分析の改良法として1段階処理法を提案することができた。これによって,分析時間を約1日短縮することが可能となった。次に,α-アミラーゼとプロテアーゼの両活性を持つ酵素「バンチダーゼ」のCW定量への利用を試みた。この酵素が持つキシラン分解作用のため結果としては目的を果たせなかった,が,逆にこの性質を牧草の栄養価評価のための人工消化法の開発に応用した。つまり,パンチダーゼとセルラーゼを混合した酵素液(pH 4.4酢酸緩衝液)に試料を加え40℃で16時間分解し,そこで得られた消化率をDPC(digestibility by panchdase and cellulase)とした。牧乾草・牧草サイレージのin vivo TDNとDPCとの間には高い値の相関係数が得られた。
著者
阿部 なつ江 馬場 聖至 荒井 章司 富士原 敏也 杉岡 裕子 鈴木 勝彦 山野 誠 平野 直人 中西 正男 道林 克禎 石川 正弘 町田 嗣樹 志藤 あずさ 伊藤 亜妃 仙田 量子 水上 知之 清水 健二 森下 知晃
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

海洋プレートの非活動域に発見された新種の火山「プチスポット火山」海域において、地球物理学的・地質学的調査および岩石試料採取を実施してきた。同試料・データは、東北沖日本海溝に沈み込む前の海洋プレートそのものであり、陸側プレートに与える影響や島弧における火山および地震活動を評価する上で、重要な試料・データをもとに、海洋プレートとその下のマントル構造について総合的な研究・調査を行った。
著者
阿部 正博 酒匂 裕 佐川 浩彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.2023-2030, 1993-09-25
被引用文献数
17

手話は音声に基づく自然言語とは異なる独自の表現形式をもつボディランゲージである.本論文では,手話通訳者の機能代行を目指す手話通訳システムにおいて,手話が認識された後の手話単語列を自然な文章に変換する言語処理方式について提案する.本手法は,意味主導型の格フレーム照合により手話単語列の意味構造を解析し,ルールベースの手法を用いて,省略されている格助詞や助動詞等を補充し,日本語として自然な表現に変換することを特徴とする.本方式をインプリメントし,手話入門テキストの123の手話例文を用いて実験を行った結果,76%の文に対して期待された正しい変換結果が得られた.また,データグロブ入力による実際の手話認識データを用いて変換実験を行った結果,手話の認識結果にはあいまいさが多く,非文を含めて多くの単語列候補が得られること,従って,正しい単語列候補の変換精度向上と並んで,誤った候補をリジェクトする機能が非常に重要であることがわかった.そのためには,今後,単語間の意味的関係だけでなく,表情や空間表現などの末使用情報の利用や,文脈処理が必要となる.
著者
山岡 道男 浅野 忠克 阿部 信太郎 高橋 桂子 樋口 清秀 稲葉 敏夫 真野 芳樹 樋口 清秀 稲葉 敏夫 淺野 忠克 阿部 信太郎 高橋 桂子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本の高等学校の経済教育内容と大学のそれとの不連続の現状を明らかにし、大学生の経済学習を効果的かつ効率的に行わせるための課題を、日本の大学のカリキュラムに見られる特徴から指摘した。また高校生と大学生のパーソナル・ファイナンスに関する知識の程度を調査するためのテストを実施して結果を分析した。さらに大学生の経済リテラシーついて、日本・米国・韓国・フィリピン・ニュージーランドで共通問題を使ってテストを実施し、その結果の国際比較から日本の大学生の経済理解の実態を明らかにした。
著者
阿部 博之 後藤 智 木村 光男 櫛引 英嗣 荒井 茂
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.60, no.578, pp.2452-2458, 1994-10-25

At the present time, there is no adequate method for experimental measurement of wall stresses in the intact ventricle. Thus, many mechanical models to predict such stresses have been proposed, in which the residual stress was ignored so that the circumferential stress at the endocardium of the left ventricle was extremely large compared with that at the epicardium. The work expressed, such as oxygen consumption, is supposed to be almost uniform through the wall thickness, or to be somewhat larger at the endocardium than at the epicardium. The models may be improved by taking account of residual stress. To take residual stress into account in mechanical models, one must measure residual strains in the no-load state of the left ventricle. The residual strains were calculated by using sliced canine left ventricles obtained during isovolumic contraction. The residual strains determined from the experiment were applied to the model proposed in the present paper and the distributions of the wall stresses were obtained. As a result, the stress concentration at the endocardium of the left ventricle was found to be largely reduced.
著者
建部 清美 阿部 未寿希 関 哲朗
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.30-35, 2006-10-15

ソフトウェア開発プロジェクトにおける短納期化への要求は,ビジネススピードの加速とともにますます高まってきている.1990年代以降,スピードを重視した方法論は提唱されてきているが,大規模プロジェクトをマネジメントするには至っていないのが現状である.こうした中で,制約理論をプロジェクトマネジメント分野に適用したCCPM(Critical Chain Project Management:クリティカル・チェーン法)が注目されている.本論文では,CCPMをソフトウェア開発プロジェクトへ適用したモデルを提案する.本モデルを適用し,短納期開発を実現したプロジェクトの事例を用いて,スケジューリング方法や適用結果の分析を行いモデルの有効性について検証する.
著者
阿部 彩
出版者
日本統計協会
雑誌
統計 (ISSN:02857677)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.2-8, 2010-05
著者
阿部 冬真 杉本 恒美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.436, pp.13-16, 2009-02-17
被引用文献数
2

地中レーダは広く地中探査に用いられている。しかしながら、地表面から10cmまでの極浅層領域の探査は地表面からの反射波の影響で困難である。また世界中で地雷が問題となっているが、既存の方法は電解質を含む土壌や、プラスチック地雷の探査が困難であるなど、問題点がある。そこで音波とSLDVを用いて極浅層領域地中映像化を行い、地雷などの地中埋設物探査を行う手法を提案している。今回は弾性波振動と空中放射音波の比較検討を行った。その結果、空中放射音波は弾性波と比較して振動速度が低くなるが、距離による減衰が少ないという結果が得られた。また双方の振動現象で、埋設物の映像化が行えた。