著者
高橋 幸資 清水 ふさ子 白井 邦郎 和田 敬三
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
澱粉科学 (ISSN:00215406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.34-40, 1982
被引用文献数
3 1

比較的低水分食品中澱粉の糊化温度を熱分析で測定する目的で,米,ソバ,小麦粉生地およびこれらの加工食品とその単離澱粉の示差熱分析を行った.以下に実験結果を要約する. 1.米のDTA曲線は,単一の明瞭な吸熱ピークを示し,おのおのの単離澱粉のDTA曲線とは高温側に1~6℃ ずれている以外はきわめてよく似たパターンを示した.さらに吸熱ピークの過程で澱粉粒の偏光の消失を伴うことから澱粉の糊化を検出したものと判断した.ソバのDTA曲線は非常にブロードであったが,単離澱粉とはよく似ている.精白米を室温で3年間貯蔵すると約4℃ 糊化開始温度が上昇した. 2.モデル麺により小麦粉のDTAを行ってみると単離澱粉とよく似た曲線を示し,小麦粉中のタンパク質による吸熱シグナルはあっても小さいと考えた.しかし単離澱粉とは異なって塩化ナトリウムおよび炭酸アルカリの使用により糊化開始温度は上昇し,10%の使用量で5~9℃ 高まった. 3.加工食品の糊化開始温度は,スパグッティでは約59~60℃ で比較的低く,ソーメン,ヒヤムギ,ウドンでは約61~64℃ で,次に,中華麺では約63~65℃ と比較的高かった.この順序は製麺時の塩の使用量とよく一致する.ソバ麺の糊化開始温度は約63~65℃ であった.ビーフンの吸熱ピークは,ブロードで面積も小さく糊化開始温度も約50℃ と低かった. なお,本報告の大要は,昭和54年度日本栄養改善学会で発表した.
著者
上甲 康之 黒澤 真理 高橋 幸太郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.856, pp.17-00140-17-00140, 2017 (Released:2017-12-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

This paper verifies the validity of the prediction model of clothes behavior by using random number. Outer tub of a front-loading washer-dryer is supported by the vibration isolation structure because the imbalance of clothes inside the drum causes vibration in dehydration. The imbalance beyond an acceptable level is modified by the dehydration control system to reduce the vibration. However, the modification of imbalance causes an extension of operation time. Therefore, it is important to estimate the numbers of modification in initial design stage in order to reduce vibration and operation time. In this study, dehydration simulator was proposed to estimate the numbers of modification using Monte Carlo approach. This simulator consists of three steps; the first step is to generate random numbers following the probability distribution of clothes behaviour obtained by experiment, the second step is to count the random numbers beyond threshold as the numbers of modification, and the third step is to repeat previous steps and to obtain the average number of modification. As a result, the maximum absolute difference of the average number of modification between experiment and prediction was 1.6 times. In addition, the relationship between the threshold and the average number of modification requires about 80 days to be obtained in experiment, but it is shown that the relationship was predicted within a day in proposal method. These results would provide the validity of the proposed approach.
著者
高橋 幸士 角皆 潤 栗田 直幸 中川 書子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.218, 2016 (Released:2016-11-09)

火山噴気成分の8割以上を占める水蒸気 (H2O) は、マグマ水起源か、天水起源であるかによって、その安定同位体比が、大きく変化する。火山噴気が大気中で希釈 (大気と混合) されることで形成された噴煙中の水蒸気の安定同位体比を定量化し、これを基に噴気中のH2Oの同位体比を推定出来れば、マグマ爆発と水蒸気爆発を区別出来る可能性がある。そこで本研究では、真空捕集瓶に採取した噴煙試料を実験室でキャビティリングダウン分光同位体分析装置 (Cavity Ring-Down Spectroscopy:CRDS) に導入することで、水蒸気の濃度と同位体比を高精度で測定する『真空捕集法』の開発を進めた。さらに、火山ガス中に含まれるSO2やH2SがCRDSによる水蒸気の同位体比測定に及ぼす影響も評価した。
著者
野辺 善仁 高畑 保之 野々村 美宗 高橋 幸司
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.264-267, 2017-08-20 (Released:2017-09-27)
参考文献数
14
被引用文献数
1

脱泡は一般に遠心脱泡で行われるが,擬塑性を示す液体中からの微細気泡の脱泡は難しい。本研究では新たな脱泡装置として自転公転式撹拌機を開発し,擬塑性を示す高粘度ジェル中に存在する1 μLの大きさの気泡の脱泡を試みたところ,気泡の数にかかわらず数十秒で脱泡が終了した。この脱泡のメカニズムを明らかにするため,液面上部に赤く染色したジェルを滴下して自転公転操作を行い,遠心操作との比較を行ったところ,遠心脱泡法では赤色ジェルは撹拌前と同じ場所に残留しており,2液の混合はまったくなされていなかったが,自転公転式撹拌では,ジェル全体が赤色に染まり,容器内全体を撹拌する流れが生成していることが確認できた。すなわち,遠心操作に加えて自転操作を行うことで流動が促進され,撹拌と脱泡がされたものと考えられる。
著者
黒澤 幸二 中村 玄正 高橋 幸彦 松本 順一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.111-120, 1997-11-28 (Released:2010-06-15)
参考文献数
9

From the view point of water supply stability, lakes and reservoirs are expected to be important water resources. Lake Inawashiro is the most important water resource not only for the Aizu districts but also for Koriyama city and the surrounding area. Lake Inawashiro has 104km2 of surface area, 3, 859, 000, 000m3 of volume and is classified as an oligotrophicated but acid-eutrophicated lake. The water quality of Lake Inawashiro has been at very high level. We considerthat the water quality of lake Inawashiro should be effectedby the Nagase river.Water quality was investigated at fifteen points of the Sukawa river and Nagase river. The pHvalue of the water is about 2-5 because of sulfuric acid flow out from out abandoned mind. As ferric, aluminium and phosphorus concentration decrease with flow down travel, it had been concludedthat the river had been undergoing self purification concerning to phosphorus. Sulfuric acidwater, which flows into Lake Inawashiro from the Nagase River has possibility of dissolving ferricand aluminium which have the ability of the flocculating and sedimenting of phosphorus.Thus, in the Nagase river, phosphorus concentration which causes eutrophication is very low, comparing to the other rivers which flow into Lake Inawashiro.
著者
大谷 栄治 倉本 圭 今村 剛 寺田 直樹 渡部 重十 荒川 政彦 伊藤 孝士 圦本 尚義 渡部 潤一 木村 淳 高橋 幸弘 中島 健介 中本 泰史 三好 由純 小林 憲正 山岸 明彦 並木 則行 小林 直樹 出村 裕英 大槻 圭史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.349-365, 2011-12-25
被引用文献数
1

「月惑星探査の来たる10年」検討では第一段階で5つのパネルの各分野に於ける第一級の科学について議論した.そのとりまとめを報告する.地球型惑星固体探査パネルでは,月惑星内部構造の解明,年代学・物質科学の展開による月惑星進化の解明,固体部分と結合した表層環境の変動性の解明,が挙げられた.地球型惑星大気・磁気圏探査パネルは複数学会に跨がる学際性を考慮して,提案内容に学会間で齟齬が生じないように現在も摺り合わせを進めている.本稿では主たる対象天体を火星にしぼって第一級の科学を論じる.小天体パネルでは始原的・より未分化な天体への段階的な探査と,発見段階から理解段階へ進むための同一小天体の再探査が提案された.木星型惑星・氷衛星・系外惑星パネルは広範な科学テーマの中から,木星の大気と磁気圏探査,氷衛星でのハビタブル環境の探査,系外惑星でも生命存在可能環境と生命兆候の発見について具体的な議論を行った.アストロバイオロジーパネルでは現実的な近未来の目標として火星生命探査を,長期的な目標として氷衛星・小天体生命探査を目指した観測装置開発が検討された.これらのまとめを元に「月惑星探査の来たる10年」検討は2011年7月より第二段階に移行し,ミッション提案・観測機器提案の応募を受け付けた.
著者
高橋 宏佳 今井 克美 高山 留美子 美根 潤 大谷 早苗 池田 浩子 久保田 裕子 高橋 幸利 井上 有史 藤原 建樹
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.305-308, 2011-07-01

乳児期に発症した難治性のてんかんに対して緩和ケトン食が著効した1例を経験した. 生後8カ月からてんかん性スパズムが出現し, 一時ACTH療法にて発作は消失したが, 1歳1カ月時に部分発作で再発し, 2歳以後は部分発作とスパズムの複合発作となり, 種々の抗てんかん薬に抵抗性であった. 2歳6カ月時に絶食期間をおかず, カロリー制限・水分制限をせず, MCTオイルを使用した緩和ケトン食を開始し, 20日目に発作消失かつ脳波も著明改善した. 従来の古典的ケトン食を緩和した緩和ケトン食療法は副作用が少なく継続しやすいため, 難治性のてんかんにおいて試してみる価値のある治療法であり, わが国においても再評価されるべきである.
著者
福長 将仁 高橋 幸江
出版者
福山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

地理的隔離により生物が適応進化することが知られている。本研究ではライム病ボレリアと媒介マダニが隔離状態において共進化していることを明らかにした。すなわち、北海道と長野の2地点で捕獲したマダニについてリボソームRNA遺伝子間配列(ITS2)領域とミトコンドリアリボソームRNA遺伝子塩基配列を比較、寄生ボレリアでは鞭毛蛋白遺伝子ならびに菌体表層蛋白遺伝子の塩基配列をそれぞれ比較して、2地点間における両生物種の遺伝的変化について定量的に検討した。その結果、ボレリアの鞭毛蛋白遺伝子ならびに菌体表層蛋白遺伝子の塩基配列についてそれぞれ両地域に特徴的な遺伝グループが認められ、あわせて媒介マダニのミトコンドリア遺伝子についても地域特異的な遺伝グループが存在し、両生物がそれぞれの地域に適応進化していることが裏付けられた。さらに遺伝子の変異率は、マダニのそれに比較してボレリア細菌で高く、高い変異率を持つボレリア細菌がマダニの変異進化に適応しながら変化していることが推察された。ボレリア細菌はマダニの吸血行動にともなって小型脊椎動物とマダニ体内を行き来しながら生活する生物である。このうち小型脊椎動物は種類を問わず保菌動物となることが出来るので、ボレリアの感染はマダニの性質に深く関わっていると考えられ、ボレリアの生存はマダニへの適応が必須条件となる。本研究で明らかにした事実はボレリアが変異多様化することは、地理的隔離により地域に適応進化していくマダニに適応するためであることを証明している。
著者
高橋 幸裕
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.85-102, 2015-12-25

高齢者介護では利用者のQOL(Quality of life:生活の質)が重視されている。しかし、政策的には人生の最後のあり方(死の迎え方)について十分に検討されてこなかった。その背景に、かつて日本では日常生活と死は密接したものであったが、医学の進歩に伴って延命治療が重視された結果、家庭から遠ざかってしまったことにある。1976年には在宅死よりも病院死の割合が上回って以降、日常生活の中で死を経験する機会が失われてしまうことになった。他方、介護職の養成テキストをみると、死が差し迫った利用者と家族への支援方法やその後の対応については僅かな記述しかなく、十分に意識されたものとはなっていない。このような実態を踏まえて、在宅介護現場では看取りに対してどのような課題があるのかを整理した。その結果、在宅介護現場では看取りを希望する利用者・家族に対し、どのような実態と課題があるのかを検討するために聞き取り調査を実施した。ホームヘルパーは利用者が生き続けることを前提とした介護サービスを提供していることから、利用者や家族から看取り支援を依頼された際に看取りに関する経験不足だけでなく医学的知識がないことを理由に戸惑いや不安を感じていることが明らかとなった。
著者
小林 享夫 高橋 幸吉
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, 2001-08-25
被引用文献数
1
著者
小林 享夫 高橋 幸吉
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.13-20, 2002-03-31
参考文献数
20

関東地方の茨城・埼玉・千葉の各県において1997年以降ナツツバキに未記録の斑点性病害の発生が見られ、特に2000年にはヒメシャラも含めて激しい発生と落葉被害が起こった。病斑は褐色小円斑から拡大し、周囲は紅色に呈色し、間もなく落葉する。病斑裏面が白色微粉状の分生子柄と分生子塊に覆われる。菌叢磨砕液または分生子浮遊液の噴霧によりナツツバキ、ヒメシャラとも無傷葉に多数の病斑を形成、分生子の形成と落葉が起きた。Stewartia属では未記録の病気であり、病徴から紅斑病と命名した。病原菌は新種と思われ、 Ramularia属の概念に定説はないが、とりあえずRamulana sp.として、解明を待って記載したい。
著者
上野 貴大 荻野 雅史 高橋 幸司 強瀬 敏正 森田 直明 戸塚 寛之 高木 優一 嶋 悠也 佐々木 和人 鈴木 英二 原 和彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI1306-CbPI1306, 2011

【目的】運動器疾患の早期退院を目指した術後歩行練習介入の主な目標は、円滑な歩行獲得を目指した歩容改善と、適切な荷重制御歩行の獲得である。そこで、歩容改善を意識した歩行練習をより円滑に施行するための治療用Ankle Foot Orthosis(以下AFO)を用いた歩行練習を考案した。治療用AFOの有用性は、主に脳卒中に対する理学療法介入検証で報告されている。近年の機能的AFOは、装具が生み出す足関節底背屈の制御モーメントが歩行時の足関節機能を代償するように考案されており、装具を用いた正しい姿勢、関節アライメント下での歩行練習により、正しい筋活動を促す効果が期待される。しかし、運動器疾患の歩容改善に対して、これら治療用AFOによる効果の有用性を示す報告は少ない。当院にて、歩行不安定要素を有する股関節機能障害を呈した術後患者に対して、試行的にAFOを用いた歩行練習を行ったところ、膝への関連痛軽減や歩容改善につながった臨床適応例を数例認めた。そこで本研究はAFO装着が歩行機能に及ぼす影響や治療用装具としての適応の可能性について検証を行ったので報告する。<BR>【方法】対象は、運動器疾患により当院に入院し、股関節及び膝関節内固定術、人工骨頭及び人工膝関節置換術を施行された例の中で、平成22年8月14日から平成22年10月30日までに、監視下で6分間の連続歩行が可能となった10例(男性2例、女性8例、平均年齢76.4±14.5歳)とした。対象に対し、装具なし、ありでの歩行について、それぞれ10メートル歩行、6分間歩行距離の測定を行った。装具は、パシフィックサプライ株式会社製GAITSOLUTION Designを使用し、油圧ダンパーの強さ設定を一律1.5とした。10メートル歩行は直線歩行路を用い3回施行し、歩数、歩行時間を測定した。6分間歩行距離は円形歩行路を用い1回測定した。測定は、装具なしでの歩行、装具ありでの歩行の順に行い装具使用下での歩行による運動学習効果の回避に努めた。また、各測定の間にはバイタルチェックを行いながら十分な休息時間を取った。得られたそれぞれの測定結果について、Wilcoxonの符号付順位和検定を用い、比較検討を行った。その際、10メートル歩行については3回中1番良い結果を採用した。加えて装具を用いた歩行の前後で感想を聴取した。各測定結果の統計的検討にはSPSS for windows10.0Jを用い、有意水準5%とした。<BR>【説明と同意】対象またはその家族に対し研究の趣旨を説明し、同意を得た上で検討を行った。<BR>【結果】対象の疾患内訳は、大腿骨頚部骨折3例、大腿骨転子部骨折2例、大腿骨基部骨折2例、脛骨高原骨折2例、慢性関節リウマチ1例であった。手術方式の内訳は、股関節内固定術6例、人工骨頭置換術1例、膝関節内固定術2例、人工膝関節置換術1例であった。測定結果について、中央値と四分位数偏差を用い以下に示す。10メートル歩行結果は、装具なしでは歩数19.5±4.1歩、歩行時間13.8±5.6秒、装具ありでは歩数17.5±4.4歩、歩行時間11.7±5.4秒であった。6分間歩行距離は、装具なしでは214.0±68.0m、装具ありでは247.5±73.8mであった。それぞれの測定結果の比較検討については全てにおいて有意差を認め、装具使用により各測定値の向上を認める結果となった。装具使用前後の感想については、使用前は抵抗感や疑問を訴える例が多かったが、使用後は楽に歩けた、痛みが消えた、足がしっかりした、速く歩けた等の前向きな感想が多かった。<BR>【考察】今回の測定結果では、疾患、手術部位、発症から測定までの時期が異なる中、ほぼ全例でAFO装着下での10メートル歩行速度、6分間歩行距離が、AFOなしでの歩行に比べて大きく、有意差を認めた。結果から、歩行に装具を用いたことで、踵接地後の衝撃吸収と適度な足部踏み返しを代償するAFOの油圧制御機能が歩容改善を促し、より歩幅が大きく、術側下肢から健側下肢へのスムーズな体重移動のある歩行が可能となったと考察された。装具使用後の感想からも、歩容改善について実感を得られたと思われる例が多く、装具装着に対する患者満足度が高いことから、装具適応の可能性を示していた。<BR>【理学療法学研究としての意義】過去に報告のない運動器疾患術後患者に対する治療用AFOを用いた歩行練習の可能性について示唆を得たことは、今後の運動器疾患分野での理学療法において意義があると考える。今後は、更なる可能性の提示、適応等についての示唆を得るため症例数を増やし検討していくべきと考える。<BR>
著者
高橋 幸太郎 西谷 隆夫 小松 広昭 加藤 博憲 小元 規重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.476, pp.25-30, 2007-01-18
被引用文献数
2

20011年アナログ停波に向け、難視聴地区解消のために地上デジタル放送のマルチビーム衛星による再放送を検討した。このためには地上デジタル1チャンネル当たり23Mbpsの情報を10Mbpsにまで圧縮する方式が必要になり、H.264方式の採用と番組共用方式で対応する.但し、番組共用方式だけでは10Mbpsに対応できず、符号器側の量子化パラメータの簡単な制御が必要になることが明確になった。
著者
高橋 幸利
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.836-839, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

感染などにともなう免疫反応によって脳炎症状がおこる2次性脳炎(脳症)には,自然免疫が関与するものと,獲得免疫が関与するものが存在する.後者の内で細胞表面抗原に対する自己抗体の関与する脳炎では比較的予後が良いとされる.抗NMDA型Glutamate receptor(GluR)抗体の関与する脳炎は,小児から40歳までくらいの成人に多く,辺縁系症状で発病,抗体がNMDA型GluRの内在化をおこし,NMDA型GluR拮抗作用―機能抑制をもたらし,脳炎症状を起こすと考えられている.抗voltage-gated potassium channel(VGKC)抗体の関与する脳炎には抗Leucine-rich glioma-inactivated 1(LGI1)抗体および抗contactin-associate protein(CASPR)2抗体による脳炎があるが,男性に多い.α-enolaseのN末に対する抗体(抗NAE抗体)による橋本脳症の臨床特徴は幅広く,抗TPO抗体スクリーニング陽性例では抗NAE抗体による確定診断が必要である.
著者
丹 信介 長谷 宏明 恵美須 勝美 中尾 建生 高橋 幸広
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 芸術・体育・教育・心理 (ISSN:02860597)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.281-289, 2003-12-20

本研究では、41歳から56歳の健常な中年男性12名(40代5名、50代7名)を対象に、20cmの台高のステップテストを15回/分、20回/分、25回/分の昇降速度で行わせ、各昇降速度でのステップテスト中の酸素摂取量の個人差について検討した。また、合わせて、ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関関係(直線関係)についても検討した。そして、これらの検討を通じて、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法としての20cmの台高のステップテストの妥当性について検討した。得られた結果は次のとおりである。1.ステップテスト中の酸素摂取量の変動係数は、6.2〜7.3%の範囲内であり、先行研究や自転車エルゴメーターにおける変動係数と同等か、それよりやや低い値を示した。2.ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量の平均値との間には、極めて強い正の相関関係(r=0.9999、p<0.001)が認められ、両者の間には直線関係が成立した。また、被検者各人のステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関係数は、全例0.9848以上であり、被検者各人においても、両者の間には直線関係が成立した。以上のことから、40、50代の中年男性を対象とした20cmの台高のステップテストにおける酸素摂取量の個人差は少ないことが明らかとなり、全身持久力推定法としての前提条件を満たすことが示唆された。また、ステップテスト中の昇降速度と各昇降速度における酸素摂取量との間には、直線関係があることが確認され、1次回帰を用いて、全身持久力の推定が可能であることが確認された。したがって、本研究で用いた20cmの台高のステップテストは、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法として妥当であることが示唆された。
著者
高橋 幸子 山本 賢司 松浦 信典 伊賀 富栄 志水 哲雄 白倉 克之
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.167-175, 1999-02-01
被引用文献数
7 5

音楽聴取が情動にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために実験を行った.被験者は健康な女子大学生31名.セッションは, 安静保持と検者が選択した音楽と被験者が選択した好みの音楽(どちらも落ち着くことを目的として選択された)を用いた.情動変化を測定するために心理テストProfille of Mood States(POMS)を用い, その絶果を解析した.短時間の音楽聴取により, POMSの「活気」以外の各因子において, 明らかに一時的な情動変化が観察された.その変化は音楽のジャンルに関係なく, 一貫したパターンを示した.これらの結果から, 音楽聴取はホメオスタティックな情動変化を起こしていることが考えられた.
著者
森 修一 服部 美紀 山中 大学 橋口 浩之 高橋 幸弘 濱田 純一
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

落雷被害の社会的影響が大きいインドネシアのジャカルタ首都圏の雷雨を対象とし,長期現業地上観測データに基づく気候学的解析を行うと共に,レーダー等による特別観測を実施した.その結果,雷雨は対流季節内振動(MJO)の東進と共に大きく変動し,MJO活発域の到来直前(Phase 3)に最も激しくなる.また,雷雨の季節進行は多くの地点で雨季直前(4月,11月)に活発となるが,赤道越え北風モンスーンサージ(CENS)が影響し,ジャワ海沿岸のみ2月が最盛期となるなど地理的差異も大きい.さらに,雷雨はジャワ島南部の山岳域で発生し,北部沿岸のジャカルタ都市部へ移動する日周期移動が顕著であること等が明らかとなった.