著者
高橋 浩二 木島 勉 朴 天秀
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

韓国の古墳および遺跡から出土した翡翠勾玉の集成的研究を行った。次に、これを基礎にして、分布の特徴を明らかにするとともに、各地における出現時期や出土数の変化を検討した。また、弥生・古墳時代の翡翠勾玉と比較して、韓国出土のものが日本列島からもたらされた可能性が高いことを指摘した。そして、これらを踏まえ、韓国出土翡翠勾玉の流通過程について3つのパターンを検討した。なお、一部の成果を1冊の報告書にまとめた。
著者
甲斐 倫明 遠藤 章 高橋 史明 佐藤 薫 伴 信彦
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

CT診断からの臓器線量計算を行うWebシステムWAZA-ARIにおいて、年齢と体型の個人差を考慮できるシステムに拡張したWAZA-ARI 2を開発した。未成年はフロリダ大学で開発した年齢別ファントムを用いた。成人体型の違いを計算するために、日本人の標準体型からBMIで2倍の標準偏差だけ外れるやせ型、2倍と5倍の標準偏差だけ外れる肥満型のファントムを皮下軟組織のみを変形することでファントムを構築した。また、実際の臨床で得られたCT画像をもとにボクセルファントムを構築し、臓器線量の個人差を実際の体型ごとに計算し、体型と臓器線量の関係を導いた。有効直径が体格の指数として利用できることがわかった。
著者
高橋 令二 徳山 龍明
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / The Japanese Society of Soil Microbiology
雑誌
Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology(日本微生物生態学会報) (ISSN:09117830)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.135-147, 1994-12-31 (Released:2009-10-05)
参考文献数
62

CO2 accumulation as a factor of global warming is requiring attention. Obligate chemoautotrophic bacteria grow independently of organic conditions with energy from the oxidation of reduced inorganic compounds and CO2 from the atmosphere as sole carbon sources. Chemoautotrophic bacteria consume (fix) CO2, and assimilate CO2 via the reductive pentose phosphate cycle (Calvin cycle). CO2 assimilation via the reductive tricarboxylic acid cycle (TCA cycle) occurs particularly in thermophilic hydrogen-oxidizing bacteria. This paper reviews studies on the tricarboxylic acid cycle in relation to CO2 fixation reactions of chemoautotrophic bacteria, especially nitrifying bacteria.Nitrifying bacteria promote nitrification, a stage in the nitrogen cycle. Ammonia-oxidizing bacteria (Nitrosomonas) oxidize ammonia as the sole nitrogen source of nitrite, and nitrite-oxidizing bacteria (Nitrobacter) oxidize nitrite as the sole nitrogen source of nitrate. Both bacteria fix CO2 mainly via the Calvin cycle in which ribulose 1, 5-bisphosphate carboxylase/oxygenase (RuBisCO) is a key enzyme. Less CO2 is assimilated by the phosphoenolpyruvate carboxylase pathway. The TCA cycle of nitrifying bacteria was studied and CO2 assimilation was clarified in greater detail.
著者
杉本 厚子 堀越 政孝 高橋 真紀子 齋藤 やよい
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.123-131, 2005 (Released:2006-07-07)
参考文献数
22
被引用文献数
7 6

【目的】 患者の異常を察知した時に, 看護師が捉えた事象と臨床判断の特徴を明らかにすることである. 【方法】 外科系病棟に勤務する看護師15名の患者の異常を察知したエピソードを, グループディスカッションを通して抽出し, 内容分析した. 【結果】 看護師が捉えた事象は, 異常な眠気, 表情の変化, 反応の鈍さ, 活動の低下, 予測外の症状, つじつまの合わない会話, 違和感のある臭気であり, 多くの看護観察にもとづく非言語的サインであった. 異常を察知した臨床判断には, 【今までとは違う感覚】, 【通常とは違うという感覚】, 【情報に矛盾があるという感覚】であり, 「その患者」のデータや経験の分析的判断と, 「そのような患者」の看護経験にもとづく非分析的判断の両者を活用していた. 【結語】 看護師は患者の微妙な非言語的サインにより異常を察知し, 論理的分析と経験によって培われた直観的分析を駆使して臨床判断を行っていた.
著者
松平 浩 笠原 諭 酒井 美枝 井上 真輔 鉄永 倫子 高橋 紀代 高槻 梢 二瓶 健司 矢吹 省司 髙橋 直人
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.858-868, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
12

慢性非特異的腰痛患者には,心理社会的要因が関与している症例が多く,その場合はそれらの要因を的確に評価し,それに応じた適切かつ合理的な認知行動的アプローチが求められる.就労に支障をきたしている患者に対しては,社会的支援も必要である.これらと運動療法を併せることが主軸といえる慢性腰痛に対する集学的治療は,本邦の慢性疼痛診療ガイドラインにおいて最高位の“施行することを強く推奨する”1A判定である.一方,筋骨格系疼痛に対する「心理社会的フラッグシステム」が,世界の有識者による会議を経て英国で開発され,欧州では各国の診療ガイドラインで推奨されている.我々は,令和3年度厚生労働省慢性の痛み政策研究事業(慢性の痛み患者への就労支援/仕事と治療の両立支援および労働生産性の向上に寄与するマニュアルの開発と普及・啓発)の中で,意欲ある治療者のOperation Systemとなる合理的な手法を目指した「新心理社会的フラッグシステム日本版」を開発した.本稿では,心理社会的要因であるイエローフラッグ(認知行動療法の選択・実施に向けた心理社会的要因と具体的なアプローチ)を中心に解説する.
著者
陳 虹 上野 幸三 養父 佐知子 高橋 円 坂本 泰寿 飯倉 洋治
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.645-650, 2001-12-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

近年食物アレルギーは世界中で大きな問題になってきている.人間の多くの器官が食物アレルギーによって障害を受けることはよく知られているが, その予防及び治療は, 今後の研究を待つところも多い.我々は補中益気湯を用いて, 食物アレルギーモデルマウスの肝臓障害に対する治療効果について検討を行った.まず, Hyper IgE血症を自然誘発するNc/Jic系マウスを卵白アルブミン (OVA) によって感作した.その後, それぞれに補中益気湯と生理食塩水を投与し, 肝臓における, 肝細胞の病理変化と細胞浸潤の有無について検討を行った.OVAを経口で負荷後, 血清のalanine aminotransferase (ALT) 値を酵素法 (POP) で測定した.サイトカインの検討は免疫染色 (streptavidin-biotin) 法で分析した.その結果, 補中益気湯内服マウスは, 生理食塩水投与の対照群と比べ, 血清ALT値が有意に減少していた.また, 補中益気湯内服マウスの肝臓におけるIL-4, IL-6, TNF-αの陽性細胞数は, 生理食塩水投与の対照群より有意に低かった.この結果から, 補中益気湯が肝臓のアレルギー反応を減少させ, 食物アレルギーによって起こされた, 肝臓障害を抑えることが示唆された.
著者
太子堂 正称 井上 義朗 間宮 陽介 桑田 学 原谷 直樹 野原 慎司 高橋 泰城 板井 広明 江頭 進 小沢 佳史 佐藤 方宣 笠井 高人 高橋 聡 村井 明彦
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、現代の経済理論が前提としている人間像について、その思想的系譜を解明することを目指して行われた。スコットランド啓蒙における「経済学の成立」から現代の行動経済学・神経経済学へと至るまでの野党な経済学者、理論の分析を通じて、効用や利潤の最大化を図る利己的人間観が登場してきた過程だけではなく、それぞれの経済思想家の主張の背後には、利他性や社会性を含む多様な人間像が含まれていたことが明らかとなった。
著者
米道 宏子 伊藤 麻衣 阿部 啓子 高橋 有希 中里 弥生 上遠野 雅美 平野 加奈子 阪本 靖介 福田 晃也 笠原 群生
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Supplement, pp.s75, 2021 (Released:2022-05-12)

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(以下CLS)とは、医療現場において心理社会的サポートを提供する専門職である。アメリカ小児学会はChild Life Programの必要性を明確に提言している。今回、急性肝不全症例の患者サポートに関して必要性・重要性をCLSの視点から報告する。当院へ紹介される小児急性肝不全の患児は転院後にICU管理となる重症症例がほとんどである。通常の移植患者と異なり小児劇症肝炎症例は鎮静管理下・人工呼吸・血漿交換治療を継続し、治療によって自己肝が回復しない場合は緊急肝移植手術が必要となる。そのため移植術前に患児への十分な説明が行えず、患児の理解や受容が欠けた状況の中で患児は術後に覚醒するため、医療的トラウマのリスクが高まる。これらの要因が、長期管理における患児の病識の欠落、内服コンプライアンスの低下の原因となると考えられる。当院の急性肝不全患者に対し、CLSは主に①ティーチング、②プリパレーション/ディストラクション、③治癒的遊び、④復学支援を行う役割を担い、病状や手術への理解促進・医療環境への適応・治療に対する患児の協力・ご両親の治療への理解・積極的介入を引き出すことに成功している。小児急性肝不全以外にも緊急で移植を行わなければならない状況は多い。しかし日本ではCLSの数や認知度が不十分な為、今後、患児と家族へのサービスの影響や効果を識別する研究を行いCLSの重要性を啓発してゆく必要がある。
著者
橋本 雅行 高橋 修 小野 秀一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.23-00031, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
15

橋面舗装の打換え工事において,舗装切削が既設の防水層や床版コンクリートに少なからずダメージを与える要因となっており,既設の防水層は,健全な状態であっても橋面舗装の基層と同時に再施工されるのが実状である.本研究ではこれらを課題として挙げ,防水層上の基層を薄層状態で残存させる切削工事を想定し,残存層を再利用することについて検討した.この残存層は,ひび割れなどの損傷が生じている可能性が高いものの,既設の防水層と床版コンクリートが健全であれば,新設時に近い状態まで不透水性を回復させることで,中間層として再利用できる可能性がある.このことから,残存層の不透水性の回復手法について検討し,有効性を評価した.その結果,アスファルト乳剤浸透工法は,残存層のひび割れを閉塞し,不透水性を回復できることを確認した.
著者
橋本 和孝 高橋 一得
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.129, pp.65-79, 2013

21世紀に入って、日本は"ベトナム・ブーム"ともいうべき現象を経験してきた。大量の日本人観光客がホーチミン市に群がる構図である。一方、日本企業はベトナムへの投資を増加させ、他方、ベトナム政府は、日本のODAや民間資金に期待している。ベトナムの大都市では、日本語学校や大学における日本語学科が増加し、日本人のためのビジネスが活発化してきた。ホーチミン市には、「リトル・ジャパン」と語るに相応しい界隈も登場した。今日では、2000年代前半にはなかった日本人会も存在し、ベトナムおよびホーチミンの日本商工会の会員数は激増を見せている。論文は、"ベトナムの中の日本"が、ベトナムの経済、社会、文化にいかなる影響を及ぼすかを探究しようとしたものであり、2005年発表した Japan in Vietnam: A Case Study of Japanese Globalization について再考したものである。
著者
高橋 智彦 金廣 琴乃 土屋 智史 石田 哲也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.22-00365, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
21

本研究は,腐食環境にある既設構造物を対象として,今後の合理的な構造物の運用と維持管理を支援する解析的検討について取りまとめたものである.具体的には,供用開始から35年以上が経過した桟橋上部工を対象に,材料と構造を連成したマルチスケール統合解析を適用して,建設時からの塩害劣化進行を評価した.その際,過去に実施した劣化調査に加え,薄板モルタルによる飛来塩化物イオン量と構造物周辺の気象計測を追加実施して,概ね等価な長期評価用の作用履歴を推定した.それにより,現時点での変状を再現するとともに,複数のシナリオのもとでの塩害劣化に対する将来予測を実施した.さらに,耐荷力評価の一例として,材齢100年時に床版中央を静的に押抜く載荷解析を行い,塩害による材料劣化後の残存耐荷力評価を行った.
著者
高橋 剛士 福瀬 達郎 倉橋 康典 木場 崇之 高橋 鮎子 福田 正順 妻鹿 成治 板東 徹 田中 文啓 平田 敏樹 越久 仁敬 長谷川 誠紀 寺田 泰二 池 修 和田 洋巳 人見 滋樹
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.685-689, 1999-07-15 (Released:2009-11-11)
参考文献数
11

上肢に症状を呈したBuer墓er病に対して胸腔鏡下交感神経切除術が奏功した一例を経験したので報告する.症例は46歳, 男性.一日約40本, 25年の喫煙歴があった.約半年前から両上肢の指末梢側を中心として痺れ, 冷感が出現し始めた.Buerger病との診断にて星状神経節ブロック術を受けたが症状の改善は一時的で, 疼痛も増悪してきたため両側胸部交感神経節切除術を施行した。術直後より癖痛, 痺れ, 冷感の著しい改善を認め, 術後6週間を経た時点では痺れ, 冷感は全く認められず, 術前潰瘍化していた指の完全治癒を認めた.サーモグラフィーにても上肢末梢皮膚温の著明な上昇を認めた.レーザードップラー血流計を用いて指末梢側の組織間血流を計測したところ, 症状の改善とよく一致して血流の増加を認めた.このことからBuerger病における術前術後の組織間循環の評価に際してレーザードップラー血流計が有用であると考えられた.
著者
嶋田 洋一 前田 知就 杉江 茂彦 高橋 真一 照井 太一 古関 潤一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.22-00284, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
17

斜め自立土留め工法は,通常直立に構築される土留め壁を傾斜させることにより主働土圧を低減し,支保工を省略した自立形式の土留め構造である.筆者らは本工法を深い掘削工事に適用するために,斜め控え壁による補強構造を付与して壁剛性を高め,地盤のせん断抵抗による変位抑制効果を期待した「斜め控え壁式土留め」の設計法及び施工法を提案し,実工事に適用した結果を検証した.設計法に関しては,斜め土留め壁に作用する土圧と斜め控え壁の効果を考慮した設計法を提案し,その適用性を遠心模型実験,施工時計測結果,及び計測結果の逆解析結果に基づき検証した.さらに,3次元FEM解析により斜め控え壁による変位抑制効果を確認した.施工法に関しては,鋼矢板を用いた斜め控え壁の圧入機による施工を計画し,実工事において適用性を確認した.
著者
高橋 重美
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.27-37, 1998-06-10 (Released:2017-08-01)

明治二十年代、習作期の樋口一葉は師である半井桃水から「女装文体」(関礼子)の習得を求められた。それは明確にジェンダーを反映した「虚構のコード」であり、一葉はそのコードによって<読まれる>ことを意識した上で、自らの言語表現を組み立てていかねばならなかった。一方明治末期から大正にかけて、平塚らいてうは『青鞜』誌上で、自身を<読む>主体と位置付け、あらかじめコードを共有する読者のみに語りかける言語表現を展開してゆく。その営みは新たなコードによる共同体を形成したが、同時に異なるコード=他者を不可避的に排除するものでもあった。本論では、この一葉とらいてうを繋ぐ言説変化を仮説として設定し、それを補助線に「煤煙」の朋子の発話及び手紙の言説を分析する。そこには<読まれる>ことに発する戦略と、<読む>主体性との錯綜した関係が凝縮されている。
著者
本田 敦夫 手塚 孔一郎 岡村 智仁 河本 薫 清水 翔司 原田 耕平 田辺 隆人 白川 達也 高橋 智洋
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.862-873, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Osaka Gas Co., Ltd., jointly with NTT DATA Mathematical Systems Inc., has developed unit-commitment model for optimizing dispatch of power generation units. Main purpose of this development is to simulate the future world of electric power system in accordance with national energy policy aiming to introduce large amount of renewable energy as well as vitalized cross-border power exchange via PX market to enhance economically-efficient power system operation. The model incorporates not only constraints of supply-demand balance but also constraints of operating reserves, regulation reserves, maximum CO2-emissions, etc.
著者
高橋 向星
出版者
ホソカワミクロン株式会社
雑誌
粉砕 (ISSN:04299051)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.22-29, 2018-12-15 (Released:2018-12-15)
参考文献数
8

サイアロン蛍光体はSi-Al-O-Nなどの身近な元素を主成分とする粉末発光材料である。21世紀になって発見された新材料であるが,すでに家庭にも普及した白色LED照明やRGBの3原色を鮮やかに表示できる液晶ディスプレイ用として広く使われている。本稿では,まず,これまでに実用化され蛍光体メーカにより量産されている蛍光体を紹介し,特に学術的にも興味深い性質を持つβサイアロン緑色蛍光体について詳述する。次に今後期待される超高演色照明やSuper Hi-Vision (8K) TV用にも応用可能な各種サイアロン蛍光体の例を挙げ,その中から青色JEM蛍光体を例にしてスペクトル制御の原理についても説明する。最後に蛍光体の特性評価や工業的取扱いにおいて重要となる標準物質としてのサイアロン蛍光体の役割についても言及する。

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著者
小島 あゆみ 高橋 真理子
出版者
日本科学技術ジャーナリスト会議
雑誌
日本科学技術ジャーナリスト会議 会報 (ISSN:24364525)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.103, pp.4, 2022 (Released:2022-06-30)

ZOOM井戸端会議 医療ジャーナリズムの日米比較 第13回ZOOM井戸端会議は3月16日に開催され、新会員で、日本医学ジャーナリスト協会(MEJA)会長の浅井文和さんが「医学ジャーナリズムの現状と課題」と題して話題提供した。 (会員 小島あゆみ)2年ぶりに科学ジャーナリスト塾 9月から開催 JASTJの看板事業の一つである科学ジャーナリスト塾を2年ぶりに開講する。第20期となる。世の中がDX化に大きく動いているのに合わせ、通常の講義はオンデマンド配信し、2週に1度のライブZOOM講義では双方向のやりとりを重視、これらにリアル講義や取材実習も組み合わせるというきめ細やかなカリキュラムを考えている。講師、アドバイザーに多くの会員の協力が得られており、9月開講に向けて精力的に準備を進めている。 (第20期塾長 高橋真理子)
著者
井上 駿也 髙橋 裕司 前田 卓哉 田村 将希 阿蘇 卓也 野口 悠 高橋 知之 古山 駿平 尾﨑 尚代 古屋 貫治 西中 直也
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.181-186, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
16

リバース型人工肩関節全置換術(RTSA)後の自動屈曲可動域,臨床スコアに対して術前三角筋体積が関係するかを検討した.術後2年以上経過観察可能であったRTSA患者23名を包含した.画像解析ソフト上で三角筋を前部(AD),中部(MD),後部(PD)に区分けし,各部位の指数を得た.術後自動屈曲可動域(6カ月,1年,1.5年,2年)とJOAスコア(2年)との相関の有無を,Spearmanの相関係数を用い検討した.術前AD体積指数と術後各時期での自動屈曲可動域との相関係数は,0.57(p < 0.01),0.73(p < 0.001),0.72(p < 0.001),0.70(p < 0,001)と全ての時期で有意な正の相関を認めた.術前PD体積指数と術後各時期での自動屈曲可動域との相関係数は,-0.34(p=0.11),-0.49(p < 0.05),-0.56(p < 0.01),-0.63(p < 0.01)と術後6カ月以外の時期で有意な負の相関を認めた.JOAスコアとの相関は術前AD体積指数のみ0.50(p < 0.05)と有意な正の相関を認めた.術前AD体積指数が高い症例ほど術後自動屈曲可動域およびJOAスコアは高くなる傾向にあり,術前PD体積指数が高い症例ほど術後自動屈曲可動域獲得に難渋する可能性が示唆された.
著者
川俣 昌大 小原 均 大川 克哉 村田 義宏 高橋 英吉 松井 弘之
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.68-73, 2002-01-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

養液栽培によるイチジクの周年生産のための基礎的資料を得ることを目的に二期作栽培を試みた.養液栽培イチジクの4年生樹を早期加温して得られた一番枝を用いた一作目と, 夏季の摘心後または切り戻しせん定後に再発芽した二番枝を用いた二作目における収量および果実の品質を調査した.なお, 培養液は園試処方の1/2単位(EC値1.5dS・m-1に相当)とし, 約2週間に1度全量交換した.1. 1月10日に切り戻しせん定を行い, 加温(最低温度15℃)を開始すると, 一番枝は1月29日に萌芽し, 果実は6月7日から9月30日まで収穫できた.また, 一番枝当たりの総収量は約1.5kg(15.0個), 平均果実重は104gとなり, 平均糖度は14%であった.2. 6月14日に一番枝を約200cm(約30節)の部位で摘心後, 最上位節から発生した二番枝は6月30日に萌芽し, 果実は11月24日から2月14日まで収穫できた.また, 二番枝当たりの総収量は約1.3kg(15.8個), 平均果実重は80g, 平均糖度は16%であったが, 12&acd;22節位の着果率が低かった.3. 7月26日に一番枝すべてを切り戻しせん定すると, 二番枝は8月5日に萌芽し, 果実は12月6日から2月14日まで収穫できた.また, 二番枝当たりの総収量は約1.0kg(12.5個), 平均果実重は72g, 平均糖度は16%であった.以上の結果より, 養液栽培によるイチジク4年生樹の二期作では, これまで明らかにされている土耕による早期加温栽培と比較して, 一作目の早期収穫が可能となり, 高品質・高収量の果実が得られた.また, 二期作目の果実はやや小さくなるものの糖度が一作目より高くなることから, 養液栽培によるイチジク果実の周年供給が十分可能と考えられた.