著者
高田 憲尚
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.190, pp.13-25, 2001-12
被引用文献数
3 1

The incompressible Reynolds Averaged Navier-Stokes (RANS) code using the multi-block grid method has been developed for simulating the steady free suface flows over ship having complex geometries. "Horizontal Mode","Vertical Mode"and"BJ-SGS" which are methods of updating boundary conditions on block interfaces are incorporated in the present code and investigated in the computation of free surface flows about Wigley hull. The new code is applied to computation of transom stern flow about a container ship and a high speed vessel and those numerical results are compared with the experimental results.
著者
石川 健太 山口 美和子 澤 幸祐 高田 夏子 大久保 街亜
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.87-92, 2014

This study investigated the effect of interpersonal dependency on judgments of gaze direction of individuals with different facial expressions. Based on interpersonal dependency scores, 46 participants were divided into two groups (high interpersonal dependency and low interpersonal dependency). Participants judged the gaze direction of photographs of faces with angry, neutral or happy expressions. Relative to the low interpersonal dependency group, the high interpersonal dependency group was more accurate in the judgments of gaze direction. This tendency was more salient for the happy and neutral expressions than for the angry expressions. Since people with high interpersonal dependency are highly motivated to seek support from others, this result suggests that they are sensitive to signals with pro-social information such as the gaze direction of others with positive attitudes.
著者
石川 哲郎 高田 未来美 徳永 圭史 立原 一憲
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-18, 2013-05-30

1996〜2011年に、沖縄島の266河川において、外来魚類の定着状況と分布パターンを詳細に調査した結果、13科に属する30種1雑種の外来魚類を確認した。このうち、温帯域から熱帯域を含む様々な地域を原産とする合計22種(国外外来種19種、国内外来種4種)が沖縄島の陸水域で繁殖していると判断され、外来魚類の種数は在来魚類(7種)の3倍以上に達していた。繁殖している外来魚類の種数は、20年前のデータと比較して2倍以上に増加していたが、これは1985年以降に18種もの観賞用魚類が相次いで野外へ遺棄され、うち10種が繁殖に成功したことが原因であると考えられた。外来魚類の分布は、各種の出現パターンから4グループに分けられた:極めて分布が広範な種(カワスズメOreochromis mossambicusおよびグッピーPoecilia reticulata)、分布が広範な種(カダヤシGambusia affinisなど4種)、分布が中程度の広さの種(マダラロリカリアPterygoplichthys disjunctivusなど5種)および分布が狭い種(ウォーキングキャットフィッシュClarias batrachusなど20種)。外来魚類の出現頻度と人口密度との間には正の相関が認められ、外来魚類の出現パターンと人間活動との間に密接な関係があることが示唆された。外来魚類は、導入から時間が経過するほど分布を拡大する傾向があったが、その速度は種ごとに異なっていた。特に、日本本土やヨーロッパにおいて極めて侵略的な外来魚類であると考えられているモツゴPseudorasbora parva、オオクチバスMicropterus salmoidesおよびブルーギルLepomis macrochirusの分布拡大が遅く、外来魚類の侵略性が導入された環境により異なることが示唆された。沖縄島の陸水域において新たな外来魚類の導入を阻止するためには、観賞用魚類の野外への遺棄を禁ずる法規制の整備と共に、生物多様性に対する外来生物の脅威について地域住民に啓発していくことが重要である。
著者
高田 昌彦 宮本 良文
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.1012-1016, 2008-11-15
被引用文献数
1

胸骨骨折は外傷性骨折の中では比較的まれである.多くは保存的に治療できるが,転位が大きく強い疼痛がある場合,手術適応となる.一方,まれに保存的治療の経過中に偽関節を呈し,疼痛などの症状が遷延することがある,胸骨偽関節について,開心術のための胸骨切開後の報告例は散見するが,胸部外傷後の報告はほとんどない.今回我々は16歳男性の胸部外傷後の胸骨偽関節に対し,プレート固定と自家骨移植を用いた術式で,良好な結果を得た.胸骨を固定するためのプレートとしてロッキングプレートを選択した.自家骨移植を併用した胸骨のプレート固定術は,胸骨偽関節の治療方法として有用であった.
著者
高田 卓
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

超流動ヒートパイプを応用した断熱消磁冷凍機(ADR)の開発の為、超流動ヒートパイプの基礎研究から実機検証までを行った。超流動ヒートパイプにおける充填物の影響、臨界熱流量の差異、入熱方法の影響、重力方向依存性等について調べた。また、本方式を採用した ADR 用の常磁性塩ユニットを製作し、従来型との比較を行った。ここで超流動ヒートパイプは従来型に比べ 2 桁以上高い実効的熱伝導率を得、その有効性を示した。今後、さらに精度の高い臨界熱流量の予測を可能にする詳細な伝熱機構についての調査、ADR の冷凍サイクルの試験が課題として残った。
著者
高田 さやか
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.20, pp.23-30, 2012-03-31

自ら相談に赴くことが困難で,家からほとんど出ることなく,家族と暮らしている障がい児・者がいる.そのようなひきこもり状態にある人たちの実態を分析すること,そして人との関わりさえ拒否している状態から就学・就労・福祉サービスという社会との接点につなぐためにどのような支援が必要かについて考察する. 大阪市城東区での発達障害児・者相談事業に寄せられた相談経路,相談者,相談内容について集計し,地域で暮らしながらも様々な困りごとを抱えている実態を明らかにし,その中でも家に閉じこもり,人との関わりを拒否・回避していて人たちの実態を明確にする.ひきこもり状態にある本人自身は,人とのかかわりを避け,こだわりを貫ける家は安全で安心できる場所となっている.一方家族は,「いつまでこの状態が続くのか」「自分にもしものことがあった時にどうなるのか」という焦りや不安な生活をなんとか打開する方法はないのかと相談に訪れるようである.家から出られない本人にとって,家に誰かが訪問することで家族間の摩擦の解消、家族の不安や負担の軽減,本人が他者との関わり方を学ぶ機会となる.ひきこもり状態の障がい児・者支援には,まずは適切な医師の診断,そこから本人に合った地域の社会資源など何らかの支援につなげていく必要がある.このことから人との関係が途絶えている「関係の危機」を直ちに「人生の危機」に直結させないシステム作りが必要であると考える.
著者
三町 勝久 吉田 正章 黒川 信重 高田 敏恵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ガウスの_2E1,一般超幾何函数_{n+1}E_n, アッペルのE_1, E_2, E_3, ジョルダン・ポッホハンマー E_{JP}, そしてラウリッツェラのE_Dなる微分方程式(系)の解の基本系を積分表示で与え,それについての回路行列を明示的に求め,応用として,微分方程式の既約条件を決定した.また F_2, F_3, F_4の場合,隣接関係を調べることにより,対応する微分方程式の可約条件を与えた.E_1~E_4, F_A~F_D, _{n+1}E_nおよびゲルファントの点配置空間上の超幾何微分方程式系について,ある多価函数のサイクル上の積分が解を与えることを示した.
著者
光田 靖 高田 佳夏 溝上 展也
出版者
九州大学
雑誌
九州大学農学部演習林報告 (ISSN:04530284)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-11, 2000-03
被引用文献数
1

パソコン上で作動するGISソフト(アメリカmicroimages社製 TNTmips)を用いて,3種類の作成方法でデジタルオルソフォトを作成し,その精度を比較した.2枚1組のステレオペア写真から発生させた数値地形図(Digital Elevation Model: DEM)を用いてオルソフォトを作成する方法1,既存している等高線をデジタイズしたベクターデータから作成したDEMを用いて作成する方法2,市販の数値地図50mメッシュ(標高)を用いて作成する方法3について,それぞれオルソフォトを作成した.作成したオルソフォトの精度を測定した結果,方法1の精度が最も良く,ついで方法2,3の順であった.また作成に関する手順や作業量について比較すると,方法2および3に比べ方法1が格段に手順も多く作業量も大きかった.これらの労力と作成されたデジタルオルソフォトの精度を考慮すると,方法3の作成法を用いてデジタルオルソフォトを作成することが最も効率的であると考えられた.次にGCP点数を7,68,96,237,327および365点と変えて作成したオルソフォトについては,GCP点数が多いほど精度が良くなるといった正の相関関係は見いだされなかったが,GCPがオルソフォトの精度に大きな影響を及ぼしていると考えられた.また作成したオルソフォトの精度を正確に評価することが難しいことが考察された.
著者
安井 夏生 高田 信二郎 松井 好人 高橋 光彦 二川 健 谷口 寿章
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

<家兎実験>家兎脛骨を用いて骨延長実験を行い、術直後よりbisphosphonate(minodronate)を腹腔内投与し、延長仮骨における骨吸収を抑制した。また延長終了時に仮骨内にFibroblast Growth Factor(bFGF)などの骨成長因子を局所投与し、骨癒合に及ぼす影響を観察した。それぞれの実験でテトラサイクリン2重標識を行い、骨形態計測にて延長仮骨のリモデリングを観察した。対照群(生理食塩水投与群)では延長仮骨は典型的な3層構造を呈したが、bisphosphonate投与群では骨吸収層(骨改変層)が消失し、延長仮骨は骨透明層とそれをはさむ骨硬化層の2層構造を呈した。FGF投与群では骨癒合が有意に促進された。骨形態計測によるとbisphosphonate投与群では延長仮骨での骨吸収が著明に抑制されているが、骨形成は対照群と比べて差が無かった。FGF投与群では骨形成が著明に充進していた。DEXAおよびp QCTで延長仮骨の骨密度を測定したところ、bisphosphonate投与群もFGF投与群も対照群に比して有意に高い骨密度を示し、結果的に骨癒合期間の短縮が見られた。延長終了後3週間で抜釘し、3点曲げ試験にて延長仮骨の強度測定を行った結果、bisphosphonat投与群の仮骨はコントロール群の仮骨に比して有意に高い骨強度を示した。以上の結果から骨延長における骨吸収の抑制と骨形成の促進は、ともに延長仮骨の骨癒合を促進し、結果的に治療期間を短縮させると結論した(Bone 2006印刷中)。<マウス実験>マウス下腿骨を延長するために小型のリング型創外固定器を独自に開発した。このシステムの確立により遺伝子改変動物の骨延長が可能となった。マウスでも延長仮骨は中央にfibrous interzoneを有する層状構造をとり、延長を停止すると速やかに骨癒合が完成した。またbisphosphonate投与によりマウスでもリモデリングが抑制され、骨癒合が促進される傾向にあった。骨延長に伴う下腿三頭筋の長さや質量の変化を計測したところ、延長量に比例して両者は増加することが分かった。ただし筋肉の断面積は延長中いったん減少し、延長を停止すると元にもど回復する傾向がみられた。Chondromodulineやosteoactivinのノックアウトマウスやトランスジェニックマウスを用いて行った骨延長の実験結果については論文作成中である。
著者
杉浦 哲朗 高田 淳 公文 義雄 竹内 啓晃
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ピロリ関連免疫性血小板減少性紫斑病の病態解析からピロリ成分が血小板に結合することを見出した。そこで、その血小板結合成分をLC-MS/ MS解析を経て、11の候補蛋白から最終的に1つの菌体膜蛋白の同定に成功した。そのHis融合蛋白を作製し血小板との反応性解析から、本蛋白が明らかに血小板を凝集し活性化することを証明した。さらに、患者検体から本蛋白検出に必須な特異性の高い抗体をウサギ免疫から獲得することができた。
著者
高田 卓
出版者
核融合科学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-04-01

断熱消磁冷凍機(ADR)用の小型のボビンレス超伝導ソレノイド磁石の開発に成功した。極細の径0.127mmのNbTi線を用い、1N以下の張力コントロール可能な専用に開発した巻線機を用いての製作を成功させた。作成されたマグネットを液体ヘリウムの浸漬冷却によって約4.2Kの環境下で励磁試験を行った。デザインの前提としていた4A通電時中心磁場2Tの仕様を満たすことを確認した。またさらに高い6A通電で3Tを記録した。クエンチが起こる電流値まで通電していないが、NbTi線の臨界磁場、臨界電流の特性から推測される限界の90%以上の通電電流でクエンチを起こしていないということは、機械的に問題なくエポキシの選定等を含む製作方法に問題が無いことを示している。これにより、既存のADRと置き換えると、数%~20%程度の冷凍能力向上が期待できる。また、一方で断熱消磁冷凍機用の磁気シールドを多層化する方法について検討を行った。原理検証を行うため、上述の超電導磁石を用いて、溶接などの複雑な方法を用いずとも多層シールドによって均一な磁気遮蔽が行えることを示した。これを元にシミュレーションによって、断熱消磁冷凍機用磁気シールドのデザインを行った。その結果、磁気シールドの多層化による効果は大変大きく、重量の半減させる技術となりうることをしめすことができた。以上の結果からADRシステムの軽量化に資するマグネットのボビンレス化及び磁気シールドの多層化という2つの技術が製作可能であり、宇宙機搭載に貢献する事を示すことが出来た。
著者
佐々木 昌一 窪田 泰江 小島 祥敬 岡田 真介 高田 麻沙 郡 健二郎
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

モルモットを用いてBOOモデルを作成し、過活動膀胱の発症機序について検討したところ、Kit陽性ICC様細胞は、BOOモデルの膀胱粘膜下層および漿膜側を中心に、正常膀胱に比べ増加していた。またSCF は尿路上皮を中心に発現が増加していた。BOOモデル動物ならびに膀胱炎も出るラットにイマニチブを投与したところ、排尿圧を変化させることなく、non-voiding contractionを抑制し、排尿間隔を延長させることが判った。この結果からKitがICC様細胞を介して過活動膀胱の発症機序に関与している可能性が示唆された。
著者
藤崎 健一郎 長倉 亮一 高田 彬成
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.397-400, 2007-03-30
被引用文献数
2 1

Recently, school children sometimes participate in cultivating school turf. Even though as it is, the following case must be an outstanding case. An elementary school child proposed to make school turf. The merit and demerit of school turf were discussed in the class of integrated learning. They decided to execute an experiment to select better turf grass species for school ground. On this process, they contacted with many persons includes specialists and volunteers. As results, they got small but worthy turf plot. After they graduated, the city government gave budget to enhance turf. Now the school children, parents, graduates, teachers, and volunteers are attending workshop to maintain that school turf. On the process of learning about turf grasses, many persons from outside of the school helped the school children. The present social background must be different from the 1970 th decade when many school turf were constructed but disappeared soon. This time the school children studied much about biological and cultural aspects of turf grasses. In addition to natural scientific matters, the children studied much about the importance of the social connections.
著者
熊谷 康太 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.497, pp.49-54, 2014-03-08

近年,組込みシステムの大規模化,複雑化が進んでいる.そのため,組込みソフトウェア開発における機能更新の容易性と生産性の向上が重要となっている.また,組込みシステムの大規模化と複雑化により,十分に検証することが困難なシステムが増加しており,安全性の担保も重要となっている.一方で,組込みシステム向け軽量スクリプト言語が開発されており,この言語は開発における機能更新の容易性と生産性が高いという性質を持っている.しかし,安全性を担保するには,まだ機能の面で不足する点が存在するという問題がある.本研究では,組込みシステム向け軽量スクリプト言語であるmrubyへアクセス制御機構を導入し,安全性を担保できる実行環境を提案する.提案するアクセス制御機構は,リアルタイム制御アプリケーションを用いて評価する.評価の結果から,mrubyに対してアクセス制御機構を導入する影響は小さいと考える.
著者
藤生 慎 沼田 宗純 高田 和幸 松原 全宏 大原 美保 目黒 公郎
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.4_177-4_188, 2012 (Released:2012-09-28)
参考文献数
8
被引用文献数
2

本研究では、東北地方太平洋沖地震時に発生した帰宅困難者に対してwebアンケートを実施し、帰宅困難者の基礎特性や帰宅経路などを明らかにした。その結果を集計したところ、火災の危険性や建物の倒壊の危険性が高い地域を経由し帰宅行動がなされていることが明らかになった。また、帰宅困難者を被災地内(都心)で受け入れるための施設の在り方の検討を行った結果、病院では、帰宅困難者が多数発生する一方、出勤困難者に対する対応も必要であることが明らかとなった。
著者
貴谷 光 高田 一郎 横田 聡 梶本 和宏 光延 文裕 御舩 尚志 谷崎 勝朗
出版者
岡山大学医学部附属病院三朝分院
雑誌
岡大三朝分院研究報告 (ISSN:09187839)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.17-21, 1994-09

多数のブユに刺されたのを契機に重症反応を呈するようになった29歳男性例について,アレルギー学的検討を行った。血清IgE値が高値(4591U/ml)であったが,免疫グロブリン,抗核抗体,血清補体価,CD4,CD8陽性リンパ球出現頻度などいずれも正常であり,またハウスダスト,カンジダその他16種類の吸入性抗原,ミツバチ,スズメバチ,アシナガバチ,ゴキブリ,ヤブカ,ユスリカなどの昆虫抗原に対する特異的IgE抗体はいずれも陰性であった。一方ニッポンヤマブユ抗原による好塩基球からのヒスタミン遊離は陰性であったが,皮膚反応,IgE抗体は陽性を示したことから,本症例における重症化因子としてIgE系反応の関与が示唆された。なおEBウイルス抗体価の検討では,EBV-EADR抗体はすべて陰性,EBNA-EIA抗体はIgG抗体のみ陽性であり,EBウイルスの既感染状態と判断されたが,病因との関連は明らかではなかった。Allergic examinations were studied on the 29 years old male case, who suffered from severe systemic reactions by black fly bites, after the episode of much black fly bites in 1987. The level of serum IgE was high in the case, and both skin reaction and specitic IgE antibodies to whole body extract of black fly (Simulium nacojapi) were positive. The results obtained here suggest that IgE-mediated allergic reaction would play an important role in the severe systemic reactions induced by black fly bites.
著者
佐藤 真琴 田中 博志 津野田 賢伸 高田 雅士 秋田 庸平 伊藤 雅樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.451, pp.55-60, 2005-11-24
被引用文献数
10

無線LANや音声・画像処理等, 規格が次々に生まれ, 高い処理性能が要求される分野において動的再構成可能プロセッサが注目を集めている.我々は同プロセッサとして, 性能面積比の向上を狙ったFE-GAの研究開発を進めている.本論文では, Fast Fourier Transform (FFT)のFE-GA向けアルゴリズムの考案, FE-GAへのマッピング, 主演算器利用率と呼ぶ性能評価指標の提案, 及び性能評価を行った.その結果, 2048点FFTに対して乗算器に対する主演算器利用率は96%となり, 本アーキテクチャはFFTに対して性能面積比が高いことがわかった.