著者
保井 晃
出版者
公益財団法人高輝度光科学研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

固体内部の電子状態解析が可能な硬X線光電子分光(HAXPES)を外部磁場印加条件下で測定可能にするための計測技術開発を行った。従来、磁場影響下での光電子分光は、光電子の放出角度が大きく曲げられ計測自体が困難であることから積極的に実施されてこなかった。光電子が高エネルギーであり、外場に強いHAXPESの利点を生かすとともに、試料からの漏洩磁場を磁気回路で低減させることで、永久磁石による0.4 Tの磁場印加下において磁性多層膜のHAXPES測定に成功した。
著者
高橋 晃周 飯田 高大 佐藤 克文 佐藤 克文 森 貴久 坂本 健太郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

南極海におけるペンギン類の個体数変動の種間・地域間の違いをもたらすメカニズムを明らかにするために、最新の動物装着型記録計による採餌行動の研究を行った。ペンギンの採餌行動とその環境要因(特に海氷分布)との関係は、同所的に生息する種間および同種の地域間で異なることが明らかになった。採餌行動の種間・地域間の違いにより、海洋環境変化がペンギンの繁殖に与える影響は異なり、それによって個体数変動の違いが生じていることが示唆された。
著者
志摩 典明
出版者
大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012 (Released:2013-05-31)

強姦等の性犯罪では睡眠薬が悪用されることが多く、このようなケースでは、被害者を対象とした睡眠薬分析が、犯罪立件への強固な物的証拠となり得る。毛髪中に取り込まれた薬物は、半年~1年以上にわたって検出可能で、根本から一定間隔毎の分画分析によって、薬物摂取歴の推定も可能である。本研究では、覚せい剤等で確立された従来の液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS)を睡眠薬用に最適化し、その有用性を検証する共に、従来法では頭髪を100~200本を必要とするため、検出限界の向上を試み、被害者の負担軽減を図った。更に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI-MS)によるイメージング分析法を検討し、1本の頭髪で、数日~一週間毎の摂取歴を特定できる分析法の開発を目指したものである。その結果、LC-MS/MSを用いて睡眠薬ゾルピデム単回摂取者の頭髪からゾルピデムの検出に成功した。さらに各種条件を検討することで、摂取後1ヶ月の頭髪1本からも検出することに成功した。本法を用いて、単回摂取により頭髪1本中に取り込まれる薬物量及び局在部位を検討するため、1本毎(n=15、毛根から0-2及び2-4cm)の定量分析を実施したところ、0-2cm分画からは1試料を除く全試料からゾルピデムが検出され、その濃度は27~63(42±12)pg/2-cmhair(n=14)で、比較的ばらつきがなく安定して頭髪中に取り込まれることが示唆された。また、MALDI-MSによる分析では、摂取後48時間以内の毛根から、睡眠薬としては初めて、ゾルピデムの検出に成功した。以上の結果は、日本法中毒学会(平成25年7月)で発表する予定である。
著者
飯利 忠男 荒井 晴彦 細野 辰興 志村 三代子 志賀 賢子 石坂 健治 アン ニ 土田 環 安岡 卓治
出版者
日本映画大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本研究の柱ないし研究部会は以下の通りの構成となっている。①東アジア映画の基盤をなす映画フィルム等、歴史的文化資源の発掘と分析。②東アジア内外において国境を越えて活躍した映画人の人的交流、映画製作、教育、研究の軌跡の発掘と考察。③映画アーカイヴの構築と研究・教育・創作を結びつけて実践を重ねている内外の映画人からの聞き取り調査、討論。④東アジア映画学の理論構築に資する文献資料調査と分析考察。当該年度においては、①については俳優の李香蘭(山口淑子)が戦中・GHQ占領期に主演した映画作品の試写会を東京国立近代美術館フィルムセンターで行い、また連携研究者フフバートルの協力を得て、モンゴルで製作された初期の作品の試写会と検討のための研究会を研究拠点である日本映画大学で開催した。②については、李香蘭の他、香港の映画スターで国際的に活躍した俳優、ブルース・リーに関する資料の発掘と考察を行った。③については、東アジア映画について専門的な知識を有する日本の映画人への聞き取り調査のほか、韓国・中国・台湾・日本共同のドキュメンタリー映画制作プロジェクトの一環として各研究機関の専門家への聞き取り調査、オーストラリア、モンゴルの映画人および研究者への聞き取り調査を行った。また、北京電影学院から講師を招聘し、対談および聞き取り調査および意見交換を行った。この対談は一般に向けて公開された。④については、李香蘭に関する戦中・GHQ占領期の関連資料収集と、国内外における文献資料調査を行った。
著者
梶 光一 吉田 剛司 久保 麦野 伊吾田 宏正 永田 純子 上野 真由美 山村 光司 竹下 和貴
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

ニホンジカの島嶼化プロセスとメカニズムを解明するために、島に導入されたニホンジカの生態・形態・遺伝の年代的変化を調べた。餌資源化で体の小型化が生じ初産齢が上昇したが、間引きによって体重の増加と初産年齢の低下が生じた。餌の変化に対応して第一大臼歯の摩耗速度は初回の崩壊後に早まった。一方、臼歯列サイズは、減少から増加に転じた。有効個体群サイズおよび遺伝的多様性も一度減少したが、その後それぞれ安定および増加に転じた。以上は、餌資源制限下で形態・遺伝に対して正の自然選択が働いた可能性を示唆している。
著者
山田 洋子
出版者
立命館大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本研究の目的は、以下の4つであった。1「かわいい」とは何か、ビジュアル・ナラティヴを用いた多文化比較をもとに、生き生きした実感に即した方法で説明し、国際発信する。2ビジュアル・ナラティヴに適用できる新しいメディアミックスの質的方法論「異種むすび法」を開発する。3「かわいい」を、「あわれ」「幽玄」「わび」「いき」などと並ぶ、日本文化の心理をあらわす美意識の一つとしてとらえ、それらを関係づけた心理的理論モデルを提案する。4「かわいい」に関連する新しい視点を発見し、新しいデザインの可能性を提案する。平成28年度は、おもに1と2に関して研究を行い、「かわいい」に関する日本のビジュアル・ナラティヴ・データの分析と「異種むすび法」の開発を行った。その成果は、「『かわいい』と感じるのはなぜか?-ビジュアル・ナラティヴによる異種むすび法」と題した論文にまとめ、質的心理学研究(16,7-24)に掲載された。おもな成果は国際学会においてリトアニアで発表し、海外の研究者と討論した。Why Do We Feel “Kawaii”?: A Diverse Joint Method for Visual Narratives. 24th Biennial Meeting of the International Society for the Study of Behavioral Development. 13 July 2016, Vilnius, Lithuania. また、海外および国内のビジュアル・ナラティヴに関する多様で広範な資料収集を行い、国際心理学会、日本発達心理学会、日本質的心理学会などで理論的・方法的検討に関する発表を行った。
著者
佐野 通夫
出版者
こども教育宝仙大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2014-07-25)

本研究においては、主として朝鮮総督府の機関誌であった『京城日報』からの教育関連記事抽出を行ない、その分析を行なった。植民地教育政策研究にとって、教育政策の受け手であった民衆や、社会構成員各層の受け止め方を、権力者側の意思との対比の中で明らかにし、その齟齬を明らかにしていく作業は、朝鮮・台湾の民衆側の教育認識、またそれが日本の国内のアジア教育認識を明らかにする手がかりとなった。
著者
高橋 路子 高橋 裕
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

私たちは新規アディポカインとしてケマリンを同定した。ケマリンはケモカイン受容体であるChemR23のリガンドで炎症を制御するケモカインであることが明らかにされている。一方アディポカインとしての代謝調節作用もあり、代謝と炎症を結びつける因子として注目を集めている。本研究では主にケマリンノックアウトマウスを用いて代謝と炎症の調節機構を解明するとともに、患者検体を用いて炎症性疾患における脂質メディエーターとの関連および炎症の収束機転におけるケマリンの役割を明らかにすることを目的とする。ケマリンKOマウスおよびTgマウス各臓器のマイクロアレイ解析とともに、ケマリンの受容体であるChemR23を共通の受容体としているレゾルビンE1をはじめとする脂質メディエーターの解析を行い、ケマリンの代謝および炎症調節機構における作用部位、基質、標的分子の解明を行っているところである。私たちが作成樹立したケマリンKOマウスおよびTgマウスの各臓器のマイクロアレイによる結果は既に入手している。脂質メディエーター解析は、神戸大学質量分析総合センターの液体クロマトグラフ質量分析システム(Sciex 6500Qtrap)や脂肪酸の分離に優れた極性の高いカラム(SIGMA-ALDRICH SP2560カラム)を実装したガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所QP2010Ultra)を用いて、血漿や各臓器におけるレゾルビンE1をはじめとする脂質メディエーターの解析を行った。次にザイモサン誘発腹膜炎や敗血症を誘発することによって炎症状態となったマウスの血漿、各臓器についても解析することにより、ケマリンの代謝および炎症調節機構における作用部位、基質、標的分子を明らかにしていく予定である。
著者
藤井 亮吏 古屋 康則 棗田 孝晴 田原 大輔
出版者
岐阜県水産研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

無秩序な移植・放流による遺伝的な撹乱の危険性を、イメージしやすく説明するため、カジカ大卵型を対象に、個体群ごとの産卵期の違いを明らかにすることを目的に、産卵実験および河川調査を行った。その結果、環境が異なる河川の個体群は、同じ水温であっても、それぞれ異なる時期に産卵を開始することが明らかとなった。また、産卵開始は最低水温や特定の水温に上昇した時などといった、水温変化の目立ったタイミングとは無関係であると考えられた。これより、カジカ大卵型の産卵開始は、その時の水温ではなく光周期などの他の要因によって、生息環境にあわせて繁殖に最適な時期になるよう決定づけられていると考えられた。
著者
椿 まゆみ
出版者
文京学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

研究は、語彙学習を認知およぶ感情面で取り上げた関与負荷仮説の検証を行う。関与負荷仮説とは、認知および感情面に由来する心的負荷が高ければ高いほど、記憶保持に役立つとする仮説であり、語彙学習を認知およぶ感情面の両方から数値化した形で捉えた画期的な考えである。Hulstijn&Laufer(2001)が最初の実験を行って以来、5件以上の検証実験が行われているが、いまだその仮説の検証はされていないだけでなく、研究手法に疑問が残る。本研究は、その検証を、今まで行われた研究以上に緻密に行うことが目的の1つである。している。まずは、学習成果を混合研究法で質および量的に結果を測定していく。また、負荷を比較的容易に変えることができ、学習者の課題到達のモチベーションが高く、実践では有効活用されているテキストと文字の両方を使ったGraphic Organizersを実験教材とした。以上に加えて、語彙学習を、Multiple Choiceテスト2種類および日本語での意味の確認に測定している。現在のところ、元の研究である博士論文の研究とどのように変えるかの検討を行っているが、当初の予定より時間がかかっている。具体的には、研究デザインの確認や語彙学習測定の目標語彙の検討、英語語彙知識検討、共同学習の成果の測定であり、文献を中心にすすめている。研究デザインでは、元の研究のようにラテン・スクエアを使った場合、研究結果を得にくいので、他のデザインを探している。目標言語の選択や数の検討も行っている。私の博士論文では、また、実験に必要な研究参加者のレベルについてどのレベルにするか、考えている。この研究のもとになっている私の博士論文では英語上級者を対象としたが、今回は参加者のレベルは決定していない。このように研究の準備にかなりの時間をかけて慎重な研究をすすめている。
著者
笠倉 和巳
出版者
東京理科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22 (Released:2016-05-17)

1年目の28年度は、「マスト細胞と腸内共生菌/代謝産物の相互作用を明らかにする」という課題に取り組んだ。食物アレルギーなどI型アレルギー炎症誘導の責任細胞であるマスト細胞に焦点を当て、腸内共生菌が食物繊維などを代謝して産生する短鎖脂肪酸による機能制御機構の解明を目指した。6種類(酢酸、酪酸、イソ酪酸、プロピオン酸、吉草酸、イソ吉草酸)の短鎖脂肪酸について、マウス骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)の脱顆粒応答に及ぼす効果を解析したところ、脱顆粒抑制効果を示す短鎖脂肪酸を見出した。その中で、特に強い脱顆粒抑制作用が認められた酪酸と吉草酸に着目し、その作用メカニズムの解析を行った。酪酸と吉草酸は、IL-13産生も抑制することも判明した。短鎖脂肪酸のトランスポーターや受容体の阻害剤を用いた解析から、酪酸、吉草酸ともにGタンパク質共役型受容体(GPR)、特に吉草酸はGPR109aを介してマスト細胞の活性化を抑制することが示された。最後に、受動的全身性アナフィラキシーにより吉草酸がマスト細胞に及ぼす効果をin vivoで評価したところ、吉草酸投与群ではアナフィラキシーによる体温低下が緩和された。以上のことから、短鎖脂肪酸は、マスト細胞に直接作用しアレルギー炎症を抑制することが示された。
著者
吉武 義泰 尾木 秀直
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本年度の実績としましては、治療効果を的確に予測できる可能性のあるバイオマーカーの探索・同定と、それらの簡易的な検出方法の開発を試みるという一つの目的に関しまして、学術論文としてInternational Journal of Oncology(IF:3.0)に発表することができたことが、一番に挙げられます。さらに、すでに同定したTh1細胞が認識するHLAクラスII (HLA-II)拘束性抗原ペプチドとこれまでのCTLエピトープペプチドとの併用による進行がん患者における抗腫瘍効果の増強を検討しより効果のある口腔癌ペプチドワクチン療法を確立するという目的に関しましても、学術論文としてOncoimmunology(IF:7.6)に発表することができたことを御報告致します。本科研費により研究することができましたことを、深く感謝しております。本研究は私どもだけではなく、東京大学医科学研究所および熊本大学大学院生命科学研究部免疫識別学講座との緊密な共同研究の成果であります。この業績に引き続き、さらに数本の学術論文がでること期待できる考えております。その概要としましては、Cell division cycle associated 1(CDCA1)は口腔癌の予測マーカーと治療のための標的分子になり得ることが判明しました。さらにIMP-3という癌胎児性抗原由来の約40merのアミノ酸配列が腫瘍拒絶の免疫反応の立役者であるkiller T細胞を活性化することが出来、さらにはhelper T細胞も活性化することができことが、口腔癌拒絶の免疫状態を体内に構築することができる可能性が示唆されました。本研究の結果、治療法がないと言われ、だた死を迎えるだけであった頭頸部癌扁平上皮癌患者に対して癌を克服できる光明を見いだすことができた可能性が示唆されました。
著者
山田 昌弘 須長 史生 谷本 奈穂 施 利平 羽渕 一代 土屋 葉
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

本研究では、現代日本社会での夫婦関係のあり方を分析するために、離婚研究者に対するインタビュー調査、及び、30才から59才までを対象とする質問紙調査を東京と大阪で実施した。質問紙調査では、離婚対象者のみの質問を質問票に組み込むことによって、離婚対象者に対するランダムサンプリングデータを得た。分析による知見は、主に三つにまとめられる。一つは、日本の夫婦関係の現状に関してのものである。日本の夫婦関係において、40年前の調査結果と比較しても、一緒に出かけるなど共同行動は相変わらず低調である。これは、セクシュアリティーに関してもいえる。しかし、共同行動が少なく、セックスレスだからといって、夫婦の関係性が希薄だと結論づけることはできない。日常会話や困ったときに助け合うなど、愛情を直接表現し合うこととは別の形での愛情関係が維持されうることが分かった。次に、恋愛感情と結婚生活における愛情が分離している様相が観察された。意識において、恋愛感情と結婚を別立と意識している傾向が強まることが分かった。行動においても、カップルを壊すことなくカップル外の親密関係を作るケースが相当数いることがわかる。以上のように、近年の離婚急増を、「夫婦の愛情関係が変化した」という点に求めるという仮説は成り立たないように見える。むしろ、離婚や結婚をめぐる環境の変化によってもたらされた可能性が高い。データ分析を行うと、離婚経験者には、配偶者への愛情表現や経済力(女性のみ)への高い期待が見られた。つまり、相手が提供できうる能力以上のものを相手に求めることが離婚につながる大きな原因となっている。愛情表現に関しては、その基準が高まったという仮説も成り立ち、今後の検証にまたねばならない。一方、経済力に関しては、近年の男性の雇用の不安定化によって、男性の経済力が落ちている。離婚相手の経済力に不満があったという女性の割合が高いことによっても裏付けられる。近年の離婚急増の一因は、経済状況の変化によってもたらされたものであり、少子化の原因とも重なるものであると結論できる。
著者
粟井 和夫 中野 由紀子 石田 万里
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2014-07-25)

心臓CT受診患者45人を対象に、CT検査前、直後、24-48時間後の末梢血リンパ球を採取し、DNA二本鎖切断修復関連蛋白(γH2AX)の定量を行い、CTにおける被曝の物理的指標(CTDI, DLP, SSDE)とDNAの損傷の程度の相関を検討した。また体の体幹部を模倣したファントムの中心に血液を封入したシリンジを挿入し、それに対してCT撮影を行い、CTDI、DLP、SSDEとDNAの損傷が相関するか否か検討した。臨床検討およびファントムの検討により、DNA二重鎖はCT直後より切断され、その程度はCTの物理線量と相関することが判明した。
著者
久保田 晃弘
出版者
多摩美術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2014-07-25)

2014年2月H-IIAロケットの相乗り衛星として、世界初の芸術衛星「ARTSAT1:INVADER」が高度378kmの太陽非同期軌道に投入された。10cm角、1.85kgの1U-CubeSatのINVADERは、その後軌道上で順調に運用を続け、搭載されたミッションOBC「Morikawa」によって、音声や音楽、詩のアルゴリズミックな生成、チャットボットによる対話といった芸術ミッションを達成した。次いで、同年12月には深宇宙彫刻「ARTSAT2:DESPATCH」(3Dプリントで制作した渦巻き状の造形部を有した50cm立方、約33kgの衛星)を打ち上げ、深宇宙からの宇宙生成詩の送信に成功した。
著者
安田 正大 古庄 英和 山下 剛 岩成 勇
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本年度の業績は多岐にわたる。以下には主な業績についてのみ記す。研究代表者は杉山祐介氏との共同研究により、pseudo-tame な関数という概念を用い、cubing という手法を開発して代数閉体上の任意の代数曲線から射影直線へのいたるところ馴分岐となる射が存在することを示した。応用として、Belyi の定理の正標数類似が基礎体の標数が 2 のときにも奇標数の場合と同様に成立することを示した。研究代表者の安田と分担者の山下剛氏は逆井卓也氏と副代数的 Grothendieck-Teichmuller 群と operad によって定式化される Kontsevich のグラフ複体の関係、柏原-Virgne 問題との関係を勉強した。研究代表者はそれに触発され、いろいろな可換群スキームに対する複シャッフル空間の構造をホモロジー代数や tree を用いて組織的に研究した。特に群が乗法群のとき、複シャッフル空間が深さ1で自由に生成されること、および、乗法群の 2 つ直積のときには深さ1では生成されないことを示し、そこから深さが小さい多重ゼータ値に関する伊原・高尾、Schneps、Goncharov、Gangl・金子・Zagier、井原・落合らによるいくつかの知られている結果の別証明を得た。さらに近藤智氏と共同研究を行い、Drinfeld modular 多様体のモチヴィックコホモロジー上に以前構成していた Euler 系と同じ norm 関係式をみたす元の族を Drinfeld レベル付きの Drinfeld modular 多様体に拡張する仕事に取組み、構成を概ね完成させた。またそれを実現するためにトポスの理論についての基礎の整備を行った。分担者の山下は宇宙際幾何学をRiemannゼータに応用するのを模索し、また高次有理ホモトピー群とAbel-Jacobi写像の関係を研究した。
著者
高島 明子
出版者
滋賀医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順、卵巣の多嚢胞化、男性化の症状または血清中の男性ホルモンの増加などが認められる症候群である。近年になりPCOSにインスリン抵抗性が深く関わっているとの報告がなされて来ている。また、食酢には、インスリン抵抗性を改善効果が認められるとの報告がなされて来ている。そこで7人の患者を対象に600㎎酢酸含有りんご酢飲料の内服を一日一回3か月間行った。HOMA-Rは全例改善し、LH/FSH比も5人に改善が認められ、4人に月経周期の回復が認められた。現在、脂質マーカーなどの変化を調査中である。