著者
小西 守周
出版者
神戸薬科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

高脂肪低炭水化物食(ケトン食)により、肝臓でのケトン体産生が誘導され、前進に置けるエンルギー代謝が影響を受けることが知られている。このケトン食飼育時の肝臓においてFgf21の発現が誘導されることから、ケトン食飼育時に置けるFgf21の役割についてノックアウトマウスを用いて検討した。今回の結果より、ケトン食は白色脂肪組織を通じて全身のインスリン抵抗性を惹起することが明らかとなった。さらに、Fgf21がこの白色脂肪組織におけるインスリン感受性の減弱を誘導することを明らかにした。
著者
川北 晃子
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

人工呼吸器関連肺炎( VAP)は気管内挿管・人工呼吸器管理の患者に、人工呼吸開始後48時間以降に新たに発症した院内肺炎である。VAPを口腔ケアにより予防するために、さまざまな取り組みがなされているが、これまでの口腔ケアに加えてポビドンヨードの局所投与を行うことにより口腔咽頭の細菌数をどの程度の時間減少させることができるかをreal time PCR法を用いて直接測定する。その結果をもとに新たな口腔ケア方法を確立し実際にVAPの頻度を減少させることができるかを明らかにする。
著者
田畑 泉
出版者
独立行政法人国立健康・栄養研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、まず身体トレーニングは低い強度でも高い強度でも疲労困憊に至るまで行えば、ミトコンドリアの新生の機序に関係のある核内蛋白質として注目されているPGC-1α(peroxisome proliferator-activated receptor γ coactivator-1)の骨格筋での発現には差がないこいことを明らかにした。しかし、この高強度・短時間トレーニング後のラット血中乳酸濃度は11mM以上に上昇し、疲労困憊に至るような運動であると考えられる。したがって、健康増進のための運動処方としては用いることができない。そのため高強度・短時間運動トレーニングを健康増進のための運動処方として用いるためには、より少ない運動セット回数でもある程度の効果が得られることを確認する必要がある。また、容量依存的に増加するか否かについても検討はなされていない。そこで、次に、SD系ラットに体重の18%の重りを負荷した、20秒間の水泳運動を3回,9回,14回、各セット感に10秒間休憩を挟み1日1回5日間行った場合の前肢筋epitrochlearisのPGC-1α発現を見た。その結果、疲労困憊に至らない3回の高強度間欠的運動トレーニング後のPGC-1αの発現量は、従来、運動トレーニングとしてPGC1α発現の最大刺激と考えられてきた疲労困懲に至る14回の間欠的トレーニング後のものと差はなかった。さらに、PGC-1αの発現の機序に関係していると考えられているAMPK活性は3回の間欠的運動後でも高い値であることが明らかとなり、PGC-1α発現は、AMPK活性が、それほど高くなくても、充分に高くなることが明らかとなり、さらにヒトを対象としても疲労困憊に至らないような最大下回数の高強度短時間間欠的運動トレーニングが効果的である可能性が示唆された。
著者
岩井 將
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012

本年度は、膵臓におけるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の分布と、その役割についてACE2欠損マウスを用いて検討した。1)膵臓におけるACE2およびMasの発現と局在:野生型マウスの膵臓を採取し、ACE2およびMasのmRNA発現をリアルタイムRT-PCR法により検討すると、これらが膵臓においては、心血管に比して多く含まれていることが判明した。さらに、免疫染色にてACE2とMasそれぞれの局在を調べると、ACE2は膵臓のランゲルハンス島に限局して発現しており、しかもグルカゴンと共存することが分かった。一方、Masの発現はランゲルハンス島よりも外分泌細胞に多く染色された。マウスを絶食させた後膵臓のACE2発現を調べると、絶食によりラ氏島のACE2は増加することが分かった。Mas発現はほとんど変化しなかった。2)絶食時の膵ホルモン分泌に及ぼすACE2欠損の影響:上記の結果から、ACE2が膵ホルモン分泌に関わる可能性が考えられたため、ACE2欠損マウスを用いて絶食を行い、その時の血中インスリン及びグルカゴンの濃度変化を計測し野生型マウスと比較検討した。野生型マウスにおいては、絶食24時間目から48時間目にかけて血中インスリンは著明に低下した。一方血中グルカゴンは絶食24時間目に増加が認められた。これらに対し、ACE2欠損マウスでは絶食後のインスリン低下が野生型マウスよりもさらに著しく、また血中グルカゴンは絶食前においてすでに高値でありまた絶食によっても変動しなかった。3)絶食後の再摂食による膵ホルモンの変動とACE2の役割:マウスを24時間絶食させた後、再摂食をさせると、1時間後には野生型マウスでは血中インスリン分泌が増加し、グルカゴン分泌は低下する。ACE2欠損マウスにおいては、血中インスリンは再摂食によって増加したが、血中グルカゴンレベルは再摂食により、著明に増加するという反応が認められた。これらの結果から、膵臓においてACE2はラ氏島に限局して分布し、グルカゴン分泌細胞に共存して存在して血中グルカゴンに分泌に重要な役割を果たすと考えられる。Masについては、その分布から現在のところは特定の役割を推測することができなかった。このような膵組織ACE2/Masの意義に関しては、今後さらに詳細な検討が必要である。
著者
稲葉 昭英 吉武 理大 大久保 心 吉田 俊文 大橋 恭子 夏 天 小正 貴大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大規模な公共利用データを用いて貧困低所得層の世代的再生産に関する計量分析を行った。その結果、ひとり親世帯の子(中学3年生)の教育アスピレーション(進学期待)が低く、成績が悪く、勉強時間が少ない傾向がみられた。とくにこの傾向は父子世帯の子に大きかった。多変量解析の結果、母子世帯の子に見られる差異は所得の低さからほぼ説明されえたのに対して、父子世帯の子に見られる差異は所得からは説明されえなかった。
著者
黒川 信重 水本 信一郎 盛田 健彦 斎藤 秀司
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

ゼータ関数の統一理論に向けての研究を行った。黒川は圏論的研究,斎藤は数論的研究,盛田は解析的研究,水本は代数的研究,をそれぞれ行った。各分担者の研究内容は次のとおり。黒川はゼータの圏論的研究のために,圏のラプラス作用素のスペクトルを詳しく調べ論文に発表した。とくにラプラス作用素の半正値性とスペクトルの漸近分布の結果を得た。圏のラプラス作用素は圏の対象間の射の個数を成分にもつ対称行列であり,そのスペクトルの研究はゼータ関数論を含む広域な観点から興味を持たれている。黒川はセルバーグゼータ関数の研究も行い,スペクトルの重複度の明示公式を得た。さらに,代数系のゼータ関数に対する一般理論を構築した。水本はゼータ関数の関数等式の中心における零点の位数に関する精密な研究を行い,論文に発表した。とくに,そこにおける零点の位数の非有界性などに顕著な結果を得た。盛田は2次元ビリヤードのゼータ関数の解析接続を行った。斎藤は代数的サイクルを中心とする数論的代数幾何学の研究を行った。これらの研究によってゼータ関数の統一の枠組みができあがった。
著者
小秋元 段 黄 正夏 李 載貞 李 章姫
出版者
法政大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近世初頭に日本で始まった活字印刷(古活字版)の起源は、朝鮮活字版にあるとする説と、キリシタン版にあるとする説が対立している。近年ではキリシタン版起源説が有力になりつつあるが、その根拠には疑問とすべき点が多々ある。本研究では、韓国の活字版研究の最新の成果を踏まえ、朝鮮活字版から日本の古活字版への連続性を究明し、日本の古活字版の起源が朝鮮活字版にあることを明らかにした。
著者
山本 郁男 宇佐見 則行 井本 真澄 宇佐見 則行 井本 真澄
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

我々は、これまでマリファナ(大麻)の薬理および毒性に関して、三大主成分(カンナビノイド)、THC(tetrahydrocannabinol)、CBD(cannabidiol)、CBN(cannabinol)の代謝を中心に報告してきた。本研究においては、シクロヘキサン環を酸化して芳香環化に関与するCYP19(アロマターゼ)によるTHCの代謝を検討した結果、代謝物の1つが8-ヒドロキシCBNであることを同定した。そこで、CYP19が芳香環化と同時にCBNのヒドロキシル化に関与することを示唆した。一方、CYP19によってTHCとCBDからCBNが形成されることをGC/MS方法によって確証した。さらに、これらのカンナビノイドのステロイド代謝(CYP19と17β-HSD(17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素)によるアンドロステロン(AND)、テストステロン(TES)およびエストロン(E1)の代謝)に及ぼす影響を検討した。その結果、CYP19によってエストラジオール(E2)へのTESの代謝においてTHC、CBDおよびCBN(50μM)が、それぞれ16、60、46%阻害することが判明した。一方、CYP19によるTESのAND、およびE1のE2への代謝は、THC、CBDおよびCBNによってそれぞれ約20%阻害された。したがって、本研究において、カンナビノイドが性ホルモンの代謝に深く関係していることが明らかとなり、内分泌かく乱作用が示唆された。
著者
寺井 誠
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、5~6世紀の新羅・加耶に特徴的な考古資料(鉄鐸・角杯など)や習俗(鍛冶具副葬など)を基に、日本列島での新羅・加耶系渡来文化の受容のあり方について検討し、以下を明らかにした。1)新羅の文化要素の中には、新羅の中心地ではなく周辺地域のものが伝わっている。2)新羅・加耶系の渡来文化は、畿内ではなく、北部九州や岡山、北陸など地方で多く見られる。3)6世紀後葉から7世紀の北部九州では、大規模開発に慶尚南道西部の旧加耶地域の集団が関わっている可能性がある。以上の成果から、畿内の影響を受けずに地方が独自の対外交渉を行っていたことを確認することができた。
著者
大庭 重信
出版者
(財)大阪市文化財協会
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

最終年度となる平成15年度は、韓国西部地域を中心に遺跡踏査を行ったほか、これまで収集した資料の解析を行った。その結果、以下のような知見を得るに至った。日本列島と比較した場合、朝鮮半島での初期農耕の多様性の要因は、畠作の比重の高さにある。このような見通しのもと、これまで調査された耕作遺構、出土穀物種子遺体や遺跡の立地条件を分析した結果、朝鮮半島南部地域における青銅器時代の畠作農耕を、1)河辺沖積地などの畠作適地でアワやコムギなどを主用作物としつつ多品目の作物を栽培する規模の大きな畠作、2)丘陵末端で水田稲作を主体としながら、これに付随して小規模かつ少数品目の作物を栽培する畠作に大別した。南部ほどイネ栽培の比重が高く、北部にいくほど畠作物の比重が高くなるという地域差は、具体的には気候や立地などの自然環境に応じて、水田稲作と2つの畠作の形態が複合的に展開した結果ととらえられる。また、生育不適な北部地域や内陸部で出土するイネ資料は1)での陸稲栽培、中世の農書を通じて朝鮮農業の大きな特徴とされる乾燥地農業と湿潤地農業の融合は、2)で歴史的に進行した可能性が指摘できる。さらに、弥生時代になって北部九州を中心に出土する畠作物種子遺体は、2)の畠作が朝鮮半島南部から伝播した可能性がある。一方、青銅器時代前期には、高地に立地する集落で焼畑農耕が行われたという説がある。現地踏査を行った結果、これらの遺跡は総じて四周を低地に囲まれた独立丘陵に立地し、眼下の平地には水田・畠作適地が存在し、必ずしも丘陵での焼畑に限定する必然性はない。逆に、狩猟・漁労などの生業活動とともに農耕は平地側で行われた可能性が高く、初期の畠作農耕は総じて低地部を中心に展開したと考えられる。以上の本研究で得られた成果は、学術雑誌に投稿する予定である。
著者
松崎 秀夫 財満 信宏 岩田 圭子 小川 美香子 辻井 正次 瀬藤 光利 土屋 賢治 伊東 宏晃 間賀田 泰寛
出版者
浜松医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2009

自閉症者血清中の脂質VLDL分画の低下から(1)自閉症者血清中の脂肪酸解析、(2)脂肪酸所見に基づく自閉症動物モデルの確立とその解析、(3)動物モデルを用いた新規自閉症治療法を検討した。その結果、VLDL分画の低下に関連の深い脂肪酸としてω6脂肪酸を含む6種類の脂肪酸を見出した。ついでCD38KOマウスに自閉症者同様の血清中脂質VLDL分画・ω6脂肪酸の低下を認め、血中ω6脂肪酸の低下を出生直後に補うと社会認識行動の修復につながることを見出した。VLDLR-Tgラットにも多動と組織中のアラキドン酸の欠乏が示された。
著者
浅野 真司 向所 賢一 位田 雅俊
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アクチン結合タンパク質であるエズリンは,細胞内で膜タンパク質と細胞骨格とを有機的に連結して,上皮細胞の頂端膜や神経組織の形態形成に働く。近年になって,エズリンが特定の膜輸送タンパク質や接着分子の細胞表面へのターゲッティングに関わることが明らかにされた。本研究では,エズリン遺伝子を改変したノックダウンマウスなどを用いて,主に動物個体におけるエズリンの上皮組織構築,上皮輸送調節や,神経細胞の突起形成やネットワーク形成における役割を検討した。その結果,エズリンが腎尿細管におけるリンの再吸収や,胆管細胞における胆汁の修飾や流量調節,また神経細胞における突起形成に関わることを見出した。
著者
下田 慎治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

胆管細胞は自然免疫リガンドと疎水性胆汁酸の暴露により細胞内酸化ストレスが亢進するとともにAE2発現が低下し、IL-6やケモカインの産生が亢進した。胆管細胞でのAE2発現をsiRNAで落としても同様であった。またAE2発現が低下した胆管細胞周囲には自己免疫細胞が有意に遊走することも明らかになった。IFN-gの存在で更にAE2発現が減弱した。またこのようなPBC模倣環境では胆管細胞の老化を認め、一連の現象は細胞老化関連分泌現象であることが示唆された。病理的に検討した結果、PBC胆管では酸化ストレスが亢進しAE2発限低下を認めた。またPBC胆管の中でも胆管炎活動性が高いほどAE2発現は低下していた
著者
仲谷 正史
出版者
慶應義塾大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2016-04-01

H28年度の研究では、バイノーラル録音方式で得られた耳に近接した音響刺激を複数種類集め、その中で代表的な聴覚刺激の主観評価を行った。当初の予想では、これらの聴覚刺激により、聴取者はリラックスし心地よく感じると考えていた。しかし、被験者実験の結果、これらの刺激を聴取するとむしろ覚醒度が高まり、かつ不快に感じることが明らかになった。この理由は2つ考えられる。1つ目は、聴覚刺激そのものが不快であるという理由である。素材音の中には金属板を擦過した音や、ホワイトボードにペンで書いた時の「鳴き音」を採取したが、これらの音源は不快と判断されやすい。2つ目の理由として、身体に近接した空間(ペリパーソナルスペース)を物体が横切るように感じられるため、危険を察知する何らかの機構が働いた可能性がある。一方で、集めたバイノーラル音源の一部において、鳥肌感を高い頻度で誘起する刺激を見つけることができた。音響刺激における鳥肌感の研究は主に音楽聴取時に得られる鳥肌感の研究が多く、刺激の聴取時間は数十秒から数分にわたる。今回見いだすことができた鳥肌感を引き起こすバイノーラル音源は長くて30秒程度であり、聴取してからわずか数秒で鳥肌感を生起することができる。このことより、音楽聴取によって得られる鳥肌感とは異なるメカニズムでその主観効果が得られている可能性が考えられる。この点については、H29年度に詳細な検討を進めてゆく考えでいる。加えて、バイノーラル記録した素材音を利用して、聴覚と身体感覚に訴えかける多元質感メディア作品の制作を行った。作品制作の際には、MAX/MSP上で制作支援システムを構築した上で、現代音楽作品を制作した。学会における研究者向けの芸術展示、ならびに一般の方向けにそれぞれにおいて作品展示を行った。
著者
高野 佐代子
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

歌声や発話に関わる声の高さの調節には声帯の長さと張力が深く関わっており、声を高くする際には甲状軟骨の声帯付着部と輪状軟骨の声帯付着部が互いに離れる方向へ運動が生じている。この変化は輪状甲状関節の運動によることが知られているが、この関節運動が回転運動のみなのか、滑走運動も行っているのかについては一致した見解が得られていなかった。また上下方向の滑走運動により声の高さに影響を与えるという理論モデルもあるが、実際の計測結果の報告はない。これまでに輪状甲状関節の運動を詳細に調べるために、MRIを用いて十分な解像度を得られるように撮像装置の改良や撮像方法の開発を行ってきた。本年度は特に3次元パターンマッチングプログラムを作成し、得られたMRIデータから半自動的に正確な位置を推定した。その結果、甲状軟骨はhighでは上方への移動に加え、前方への移動が見られ、また左右方向への移動回転も確認された。輪状軟骨はhighで上昇し、後方への回転に加え、後方への移動も見られた。輪状甲状関節の上下の滑走は0.5mm以下と小さく、前後方向の滑走に比べると影響は小さいと考えられる。前後方向の滑走には左右差が見られ、最大約1.2mmの運動が確認された。以上の結果から、関節の滑走が起こらないとする従来の報告と異なり、中音域における輪状甲状関節の運動は、輪状軟骨の回転と滑走からなると考えられた。これらの結果をMaveba2005において発表した。今後は被験者の数および発声の範囲を増やして関節運動を計測し、、雑誌論文に投稿する予定である。
著者
猪子 芳美 河野 正己 清水 公夫
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

「研究の目的」睡眠中、舌筋(特にオトガイ舌筋)が弛緩することで舌根沈下が起き、睡眠時無呼吸のトリガーとなることが知られている。本研究は、覚醒時のオトガイ舌筋をトレーニングで強化させることで、睡眠中の筋弛緩を減じ、無呼吸の発生を抑制させることによって睡眠時無呼吸の重症度を減少させる新たな治療方法の構築および臨床への応用を目指す。「研究実績」①舌の筋力測定と分析:夜間のいびきや日中の眠気から睡眠外来に睡眠時無呼吸を疑い来院した患者に対して研究の協力を依頼し、舌圧測定器を用いて舌の筋力計測を行なった。その後、終夜睡眠ポリグラフ検査を行なった。舌圧(舌の筋力)と睡眠時無呼吸の重症度の解析を行ない、舌筋のトレーニングが必要な対象者の選択を行なった。②舌筋のトレーニング:舌圧値(舌の筋力)が健常者に比べて低下し、睡眠時無呼吸の検査データとの関係から舌の筋肉トレーニングが必要と思われる対象者に対し、研究の必要性を説明し、同意を得られた者について研究を継続した。トレーニング前のデータ収集としてウオッチパッドを用い、睡眠の簡易検査を施行することによってトレーニング前の状態を把握した。その後、対象者の筋力に応じて、適切な舌トレーニング器具(ペコパンダ)を選択し、ペコパンダを用いた毎日のトレーニングを開始した。トレーニング後に再度、ウオッチパッドを用いて睡眠の簡易検査を行い、トレーニングの成果を評価し、その結果について国内外学会において発表を行い、研究論文の投稿を行う。
著者
朴 培根
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

大韓民国政府は日本による韓国併合の法的効力を認めず、大韓帝国と大韓民国との間では法的断絶のない継続性があるという見解を持っている。「大韓民国が締結した多数国間条約の効力確認」に関する韓国外務部の説明資料によれば、大韓民国は大韓帝国と同一の国際法主体として、同じ国家の内部で国体、政体および国号が変更した場合であるという。また、韓国の制憲憲法はその前文において大韓民国が1919年に樹立したという。韓国政府のこのような見解は、1919年以来韓国には国家の要素としての実効的政府が存在したことを前提にしているように思われる。その「政府」とは、中国上海でできた「臨時政府」にほかならない。しかし、臨時政府の成立の経緯、統治の実体、国際社会からの承認及び外交関係の実績等の点に照らしてみれば、それが国家の要素たる実効的政府であったかに関しては疑問が残る。その論理的帰結は、大韓帝国は国家として消滅し、旧大韓帝国の領土は日本の領土になり、その国民は日本国民になったこと、そして大韓民国は日本から独立した新生国ということになるだろう。にもかかわらず、韓国は大韓帝国と大韓民国とは法的に同一であるという態度を堅持しているし、国際社会においても条約の承継と関連して両者を法的には同一のものとして扱う事例も見られる。近年のバルト3国の例でみるように、50年以上も他国の一部として併合されたと思われてきた国家も、国際社会によっていわゆる「復活した国家」として認められる場合もある。大韓帝国と大韓民国の国家的同一性を認めることが、国際社会の法的安定性を著しく害することなく、韓国の民族的・国民的名誉と自尊心を回復させ、外国による支配がもたらした不当な結果を是正する道と認められる場合には、韓国にも「復活した国家」としての地位が与えられる余地はあると思われる。
著者
松田 浩珍 野村 義宏 吉川 欣亮 好田 正 折戸 謙介 田中 あかね 松田 研史郎
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

難治性炎症性疾患において、末梢組織に存在するマスト細胞が局所病態発現に関与するが、内在する起炎性物質は多種にわたり、放出動態に動物種を含め物質特異性を有する。これら起炎性物質は血中に放出された後、遠隔部位で病態誘導する場合があり、近年マスト細胞活性化症候群という新たな概念が提唱されている。本研究では、マスト細胞の活性化と病態発現部位について、組織微小環境を背景に疾患および動物ごとの機能性物質を同定し、多種類の動物を対象とする獣医領域において未だ十分に解明されていない難治性炎症性疾患の病態解析と再定義をすることによって、病因と病勢評価につながる新たな診断法および治療薬の開発を目指す。1.マウスの皮膚をコラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼおよびDNaseを含む酵素消化液で処理、シングルセル化した細胞懸濁液を染色して得られたKIT/FcεRI陽性分画をセルソーターにて単離し皮膚マスト細胞の単離に成功した。また、消化管寄生虫感染により腸管マスト細胞の増殖を誘導し、その単離を試みた。ソーティングによりNaphthol AS-D陽性の腸管マスト細胞を得た。これら皮膚および腸管マスト細胞に加え腹腔内マスト細胞、骨髄由来培養マスト細胞を材料としてラベルフリー定量ショットガンプロテオミクスによる網羅的なタンパク質比較解析を実施、現在その解析中である。2.transient receptor potential (TRP) A1が相対的酸素変化をセンシンシングすることを突き止めた。3.マウスのマスト細胞トリプターゼ欠損マウスの作成に成功した。4.未熟児網膜症モデルにおいて、網膜の異常血管誘導因子の同定に成功した。この研究成果はJournal of Clinical Investigationに掲載された。5.ウマ蕁麻疹症例の末梢血中において、高濃度のマスト細胞トリプターゼの測定に成功した。
著者
蒲生 郷昭 石川 陸郎 加藤 寛 樋口 昭 中里 寿克 高桑 いづみ 久保 智康 阪田 宗彦 浅井 和春 上参郷 祐康
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.実地調査初年度に調査できなかった石上神宮(天理市)蔵の鼓胴5点と鞨鼓、厳島神社(広島県宮島町)蔵の鶏婁鼓と振鼓、朝護孫子寺(奈良県平群町)蔵の二ノ鼓と三ノ鼓と鶏婁鼓、丹生都比売神社蔵和歌山県立博物館(和歌山市)寄託の鼓胴3点、東京国立博物館蔵の壱鼓と二ノ鼓、神谷神社(坂出市)蔵の鼓胴、福岡市美術館蔵の鼓胴、紀州徳川家旧蔵国立歴史民俗博物館現蔵の壱鼓と鞨鼓、国立音楽大学楽器学資料館蔵の三ノ鼓、鞨鼓の調査を行った。調査内容は初年度と同じで、熟覧、計測、写真撮影、X線写真撮影などである。2.研究初年度の調査と併せて、合計21機関が所蔵する57点の雅楽打楽器を調査することができた。その結果と文献資料にもとづき、音楽学の側面からは、楽器ごとに歴史、名称、用法などを考察した。そして、とくに壱鼓、二ノ鼓、三ノ鼓をめぐっては、その名称と規格の関係についての定説に問題があることが分かった。美術史学の側面からは、品質、形状・製作技法、保存状態、などを明らかにし、製作時期を推定した。3.研究成果報告書の編集と刊行報告書刊行のために、計測結果を法量表としてまとめ、楽器1点ごとのセクション図または見取り図を作成した。さらに美術的所見と、楽器の種類ごとの音楽的考察をまとめた。その結果は、B5判164ページの報告書となった。
著者
小塩 達也
出版者
名城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

大型車両の荷重データを分析し,過積載車両の実態とその影響を把握する方法について検討した.車両の積載状態をパターンマッチングおよび各種制限値を判断して空車・積載・過積載に分類する方法を提案した.また,積載状態を判定した自動車荷重データを軸重の3乗和が損傷に比例するとした疲労損傷モデルに適用し,車両群全体がもたらす疲労損傷全体に対して,空車・積載・過積載の車両群のそれぞれの影響度を試算した.