著者
高木 裕 石田 美紀 番場 俊 逸見 龍生
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

2015年4月25日に、京都国際マンガミュージアム、京都精華大学国際マンガ研究センターとの共催で国際シンポジウム「ANIMEのアイデンティティ:表現・物語・メディア」を開催し、アニメの〈声〉の表現様態と、そこに立ち現れる主体の擬似的な経験の特質について事例報告をもとに、討議と行った。アニメの場合、〈声〉の源となる仮想の身体の生成には、それに呼応する観客・視聴者・聴取者においても〈声〉の経験が不可欠であることを確認した。
著者
増田 正孝 佐々木 真人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.195-199, 2010-03-05 (Released:2020-01-18)
参考文献数
14

2つの導体を1ミクロン付近にまで近づけると,古典的な電気力,量子電磁力学で予測されるカシミール力と呼ばれる力の他に,素粒子標準理論を越えるような未知の力がはたらいているかもしれない.導体間の力をねじれ秤を用いて測定し,素粒子標準理論を越えるような未知の力の探査を行った.未知の力に対して得られた実験的制限及び余剰次元モデルの一つに対して行った検証に関して述べる.
著者
末田 啓二
出版者
学校法人 甲子園短期大学
雑誌
甲子園短期大学紀要 (ISSN:0912506X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-21, 2021-03-15 (Released:2021-05-29)
参考文献数
19

人口の高齢化が加速度的に進む中で、高齢者の在宅介護に関する取り組みはわが国においては喫緊の社会的課題である。 本稿では高齢者介護の現状を概観し、家族介護に伴う心理的ストレスの背景に触れ、これまで提起されてきたストレスへの対応モデルを紹介し、ストレス軽減効果の研究を通して、介護ストレスが介護うつなど介護者の心身の不調や病気をもたらすだけでなく、時には介護者の生きがいやレジリエンスを強化したり、心理的安定へと向かう効果を持つ側面も存在することを指摘した。 介護ストレスの軽減効果はストレスのpositiveな側面を強調した介入によって、効果はより高まることが示唆された。
著者
黒川正宏著
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
1982
著者
宮本 忠吉 仲田 秀臣 大槻 伸吾 伊藤 剛 中原 英博
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.233-242, 2022-06-20 (Released:2023-04-09)
参考文献数
21

本研究は,システム生理学的研究手法を用いて週一回の高強度インターバルトレーニングが呼吸化学調節系のフィードバック制御機能や心形態・心機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的と した.対象は健常男性7名.トレーニング前後で最大酸素摂取量(VO2max)及び心形態の測定評価を行った.また安静時,低強度,高強度運動時の各々の条件下にて,呼吸化学調節フィードバック系をコントローラ(制御部)とプラント(制御対象部)の2つのサブシステムに分離した後,定量化し,それぞれの機能特性をトレーニング前後で比較検討した.高強度インターバルトレーニング後のVO2max(+9.5±7.5%)及び左室後壁厚(+17.9±8.6%)はトレーニング前と比較して有意に増加した(p < 0.01).また,トレーニングによって高強度運動時のコントローラ特性曲線のリセッティングが生じ,プラント特性(双曲線)の比例定数の増加及びx軸漸近線の値の減少が認められた(p < 0.05).本研究から,週一回の高強度インターバルトレーニングは最大呼吸循環機能を向上させるだけでなく,高強度運動時における呼吸化学調節系の機能特性を特異的に変化させること,制御部特性の機能的変化が,高強度運動時の換気抑制の主たるメカニズムとして動作していることが判明した。
著者
菱田 雅晴 天児 慧 高原 明生 厳 善平 唐 亮 Wank David 朱 建栄 大島 一二 諏訪 一幸 趙 宏偉 加茂 具樹 小嶋 華津子 福田 円 油本 真理 南 裕子 中岡 まり 岡田 実 鈴木 隆 呉 茂松 毛里 和子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、パラドキシカルな中国の腐敗現象を対象として、1)刺激・行為間の誘引/制約に関するインセンティブ・システムおよび市場体制・行政機構の未発現情況に焦点をあてた制度論に依る実態論分析と2)腐敗学構築のための一般分析ツール開発とその検証・適用の両者から構成される。本年度にあっては、既往年度と同様に、研究分担者、連携研究者および研究協力者等から構成される研究組織(=廉政研究会)を法政大学中国基層政治研究所内に設置し、研究計画の全体調整および班別研究組織体制の再確認を行った上で、各種腐敗現象のビジネス領域との関わりに焦点をあてることを本年度課題の核として設定し、各国・地域における経済腐敗、不正ビジネスの構造の検討を行なうこととした。併せて、中国的腐敗の具体的個別事案の事例蒐集を進めると同時に政治社会学的手法に基づく腐敗関知度/寛容度に関する広範なアンケート調査を実施すべく調査票の設計等準備作業を本格化させた。また、中国の腐敗現象に関わる事案、データを中国内外から広く蒐集し、事例研究を進めると共に党・国家による反腐敗のさまざまな法律、制度規定類を併せ蒐集分類することで、公権力の行使に関わる公務員、党幹部らの内部昇任、賞罰制度、登用制度、各級党組織間の関係、更には、“党政関係”(党と行政機関との関係)、“党企関係”(党政機関と市場諸組織・アクター間の関係)等々のあらゆる組織内規定、規則、ルールを検討した。これらの作業を通じ、腐敗現象そのものをどのように把捉すべきか、腐敗研究の原点を再確認することができた。
著者
玉井 顕 鳥居 方策 榎戸 秀昭 松原 三郎 三原 栄作
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.160-166, 1987 (Released:2006-11-10)
参考文献数
17
被引用文献数
6 6

近年,相貌失認という術語は熟知相貌に対する失認のみを意味するものとされているが,相貌失認患者はほとんど常に未知相貌の弁別・学習障害を有しており,未知相貌の弁別・学習能力が正常な相貌失認の症例は,これまでに5例1), 4), 11), 13), 16) が報告されているだけてある.この論文に報告したわれわれの症例は,上記のような解離を有する 6 例目 (本邦では初めて) の相貌失認症例である.頭部 CT scan の所見では,しばしば相貌失認発現と関連する右後頭葉内側面の障害はなく,後頭葉内側面のまぬがれた右後大脳動脈外側枝の閉塞がもっとも疑われた.本症例で観察された臨床面での特徴的な解離が CT 所見で認められた例外的な病巣部位と関連する可能性があり,興味深い症例と思われる.
著者
Hiroyuki MATSUYAMA Masakatsu TAIRA Maki SUZUKI Eiichiro SANDO
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1666-1670, 2020 (Released:2020-12-05)
参考文献数
47
被引用文献数
4 8

Populations of large mammals have been dramatically increasing in Japan, resulting in damage to agriculture, forestry, and ecosystems. However, their effects on tick-borne diseases have been poorly studied. Here, we focused on the relationship between Japanese spotted fever (JSF), a tick-borne disease caused by Rickettsia japonica, and populations of large mammals. To explore factors that affected the area in which JSF cases occur, we used generalized linear mixed models (GLMMs). We demonstrated that the expansion of the area of JSF occurrence can be predicted by deer density and geographical factors, which is likely due to differences in landscape structure. However, the associated models have limitations because of the lack of information about the distribution of vectors and reservoirs. To reduce the risk of humans contracting JSF, potential reservoirs should be confirmed.
著者
中川 暢彦 阪井 満 村井 俊文 末岡 智 篠塚 高宏 藤田 恵三 露木 琢司 中島 広聖
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.113-117, 2018 (Released:2018-08-01)
参考文献数
14

症例は74歳の男性.深夜に急激に生じた腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部膨満を認め,上腹部に腹膜刺激症状を認めた.腹部造影CT検査では,横行結腸に著明な浮腫性肥厚と周囲脂肪識の濃度上昇を認めた.NOMIによる腸壊死を疑い,緊急手術を施行した.術中所見では,肝彎曲部からの横行結腸および間膜に著明な浮腫と発赤を認めたが,壊死や穿孔の所見は認めなかった.肉眼的に正常な回腸末端から横行結腸中央部までの右半結腸切除術を施行した.病理組織学的検査では静脈を主体にリンパ球浸潤を認め,一部では静脈閉塞も認めた.動脈には炎症所見を認めず,enterocolic lymphocytic phlebitis と診断した.術後経過は良好で術後第9病日に退院し,以降再発は認めていない.今回,稀なenterocolic lymphocytic phlebitis を経験したので報告する.
著者
中野 貴文
出版者
中世文学会
雑誌
中世文学 (ISSN:05782376)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.5-15, 2022 (Released:2023-06-09)