著者
金 冑錫 高見沢 実
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.1-9, 2007-10-25
参考文献数
11
被引用文献数
1

今まで、密集市街地の改善のための数多い取組みがあったにもかかわらず、その成果は目立たない状況である。そして、一定の成果をあげている韓国の「住居環境改善事業」制度を考察する。その制度の調査・分析は大きく3つの観点で行う。まず、社会的な位置づけとして制度の導入背景と過程を、制度上の特徴としてインセンティブや支援等の制度内容を、そして、制度運用の特性として関係者役割などを考察する。また、事例分析を通じて、この制度の成果があげられた理由としては多世帯住宅という供給住宅の類型と容積率のインセンティブねらう建築事務所の積極的な役割が重要であったのを明らかにした。
著者
真尾 朋行 奥富 秀俊 梅野 健
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.383-394, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
12

概要. カオスを定量化する指標として,リアプノフ指数が一般的に用いられる.一方で,リアプノフ指数と同等の指標として情報理論の観点から提案されたカオス尺度は,データのみから計算できることを利点とするが,リアプノフ指数と差があることが報告されており,カオスの判定に注意を要する場合がある.本稿では両者の差について情報理論的に解釈するとともに,その差分を修正したカオス尺度について提案する.
著者
井上 隆 谷口 聡 桂 春作 榎 忠彦 野島 真治 濱野 公一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.667-670, 2003
参考文献数
5
被引用文献数
1

症例は5歳8ヵ月の女児.4歳4ヵ月時に強アルカリ(オルトケイ酸ナトリウム溶液)を誤飲した.その後,合併した食道狭窄に対して4歳6ヵ月時よりバルーン拡張術を合計20回施行したが拡張の継続は得られず,根治術として開腹で食道亜全摘術を施行した.食道再建は非開胸下に大彎側胃管を後縦隔経路で吊り上げ,頚部で食道胃管吻合を施行した.術後はまだ1年3ヵ月と短期間ではあるが,大きな合併症もなく一般生活も支障なく送れており,経過は良好である.
著者
田中 清文 松原 義治
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.12, pp.1883-1887, 1976
被引用文献数
6

カリオフィレン[1]とクロロ酢酸類(モノ,ジおよびトリクロロ酢酸)の等モル混合物に水を加えるか,あるいは加えないで室温~100℃で2~32時間かきまぜて水和反応を起こさせた。その結果,4種のアルコール類(収率最高75%)が得られ,物理定数,IR,NMRおよびMSの測定結果からそれらは,β-カリオフィレンアルコール(カリオラン-1-オール)[1a],ジヒドロネオクロベン-4β-オール[1b],ジヒドロカリオフィレン-4-オール[1c]およびジヒド揖クロベン-9β-オール[1d]であることを確認した。通常[1a]が主生成物として得られ,特定の条件下その生成比は72%を示した。[1b],[1c]および[1d]は文献未載の新規セスキテルペンアルコールである。
著者
小前 憲久 日比野 康英 菅野 延彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.119, no.10, pp.763-772, 1999
被引用文献数
15

The spectral karyotyping (SKY) method is a novel molecular cytogenetic technique which simultaneously discerns entire chromosomes. In order to elucidate the origins of micronuclei induced under hyperthermic conditions in human lymphocyte culture, peripheral blood cells were cultured at 40°C or 42°C for 3-24 h, using the cytokinesis-block method with cytochalasin B. The induced micronuclei were identified by the fluorescence in situ hybridization (FISH) and SKY methods. At 42°C for more than 6 h, the frequency of occurrence of micronuclei in binucleated cells rose with increasing incubation time. By the FISH method, 83.3% of micronuclei induced in 24 h culture at 42°C were shown to be positive for the human centromeric probes. By the SKY method, each micronucleus induced under the hyperthermic conditions was identified unequivocally and shown to contain a specific chromosome. These results suggest that the micronuclei induced under the hyperthermic conditions in human lymphocyte culture contain chromosomes which do not migrate to the poles at the anaphase of the cell cycle because of the breakdown of the spindle apparatus.
著者
佐藤 克之 勝又 達哉 青木 克己 野田 伸一 Muhoho Ngethe D.
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 Tropical medicine (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.81-85, 1987-06-30

ビルハルツ住血吸虫症の流行地であるケニア国クワレ地区ムワチンガ村において,住民によく利用されている水系から,特に利用頻度の高い2ヶ所(Site 6, Site 19)を選び,水中セルカリア密度の日内変動をセルカリオメトリーにより測定した.測定は,メトリフォネートによる集団治療と水道水供給とを組み合わせたコントロール対策実施の前後2回にわたって行なった.(1983年11月及び1984年8月)Site 19では,コントロール対策実施前には,90リットルの水から合計567隻のセルカリアが検出され,水中のセルカリア密度は正午をピークとする日内変動を示した.コントロール対策実施後6ヶ月経た時点でも,90リットルの水から354隻のセルカリアが回収され,水中セルカリア密度は13時をピークとする日内変動を示した.このことから,Site 19では正午から午後1時にかけて感染の危険度が最も高く,早朝や夕方は低いことが考えられる.また,コントロール実施後でも、まだ感染の危険が相当残っていることが明らかとなった。一方, Site 6ではコントロール対策実施前に180リットルの水から2隻のセルカリアが検出されただけで,コントロール実施後には,セルカリアは回収されなかった。このようにもともとセルカリア密度の低い水系では,本実験で用いたセルカリオメトリーでコントロール対策が住血吸虫症の伝搬に及ぼす効果について評価することは困難と思われる.住血吸虫症コントロール対策が感染の危険度の減少に及ぼす効果を判定する際に,セルカリオメトリーを用いた場合の問題点について考察した.
著者
井上 長太郎
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
氣象集誌. 第1輯
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.154-174, 1897
著者
古閑 美奈子 藤井 まさ子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.320-330, 2021-05-15 (Released:2021-06-03)
参考文献数
31

目的 本研究では,食品群の中でもっとも食塩摂取量が多い調味料に注目し,調味料を使用した料理の摂取状況を明らかにすることを目的とした。方法 平成26年山梨県民栄養調査で得られた20歳以上の503人のデータを用いた。食塩を含む調味料の摂取状況については,調査票の内容に基づき使用頻度の多いしょうゆ,塩,味噌,めんつゆ,ケチャップ,ソース,マヨネーズ,顆粒和風だし,固形ブイヨン,中華だし,ドレッシング,ルウの12種類を抽出し,食塩摂取源調味料とした。調味料の食塩摂取量は,世帯の総摂取量,案分比率より個人ごとの調味料の摂取量を算出し,日本食品成分表を使用して食塩量を求めた。料理区分は,ご飯類,めん類,汁物類,焼き物類,炒め物・揚げ物類,煮物類,和え物類,その他の8区分に分類した。朝食・昼食・夕食別の料理ごとの食塩摂取源調味料の摂取者割合および寄与率を算出した。また,年齢階級と料理ごとの食塩摂取源調味料の摂取者割合の関連,料理ごとの食塩摂取源調味料からの食塩摂取量の関連を検討した。結果 1日の食事で食塩摂取源調味料を摂取する者の割合は,しょうゆ86.3%,塩84.5%,味噌73.4%,顆粒和風だし69.6%であった。食塩摂取源調味料を使用した料理を摂取する者の割合は,和え物類84.5%,汁物類74.2%,焼き物類67.0%,煮物類67.0%であった。料理ごとの調味料摂取をみると,汁物類に味噌を使用する摂取者割合は67.8%であった。年齢階級と料理別の食塩摂取源調味料の摂取者割合の関連については,汁物類および和え物類は,年齢階級が上がるにつれ,摂取する者の割合が有意に増加した(P<0.001)。炒め物・揚げ物類および焼き物類は,年齢階級が上がるにつれ,摂取する者の割合が有意に減少した(P<0.001, P=0.028)。年齢階級と料理ごとの食塩摂取源調味料からの食塩摂取量との関連は,年齢階級が上がるにつれ,和え物類からの食塩摂取量が有意に増加している(P=0.008)一方,炒め物・揚げ物類からの食塩摂取量は年齢階級が上がるにつれ有意に減少していた(P<0.001)。結論 本県において,食塩摂取源となる主な調味料を摂取する者の割合について年齢階級別にみると,汁物類,和え物類は年齢が上がるほど有意に増加した。一方で,焼き物類,炒め物・揚げ物類は若年者の摂取が多かった。年齢別に食塩摂取源調味料の摂取に違いがあることを踏まえて,調味料の使用量を減らす啓発をすることが重要であることが示唆された。
著者
山田 卓也 福田 吉治 佐藤 慎一郎 丸尾 和司 中村 睦美 根本 裕太 武田 典子 澤田 亨 北畠 義典 荒尾 孝
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.331-338, 2021-05-15 (Released:2021-06-03)
参考文献数
29

目的 本研究の目的は,地域在住自立高齢者に対する膝痛改善教室(教室)が医療費の推移へ与える効果を検討することであった。方法 2015年1月から2月の間に山梨県都留市A地区在住の自立高齢者を対象に非ランダム化比較試験として4週間の教室を実施した。本研究の分析対象者は,教室の介入群で教室のすべての回と最終評価に参加した28人と,教室の非介入群で再調査にも回答のあった70人のうち,死亡・転出者と対象期間に社会保険に加入していた者を除外し,医療費データの利用に同意が得られた49人(介入群20人,非介入群29人)とした。医療費データは,2014年1月から2018年12月の傷病名に関節症のコードを含む医科入院外レセプトとそれに関連する調剤レセプトの合計を用いた。教室開催前の2014年を基準とする2015年から2018年までの各年の医療費の変化量を算出し,その間の医療費の推移に及ぼす介入の効果を線形混合効果モデルで分析した。結果 医療費の変化量の推移に対する教室の効果(調整平均値の群間差:介入群−非介入群)は,対象全期間を通じて有意差は認められなかった(全期間−5.6千円/人,95%CI:−39.2-28.0)。各年では,2015年9.3千円/人(95%CI:−39.6-58.3),2016年−2.0千円/人(95%CI:−44.4-40.5),2017年−10.3千円/人(95%CI:−42.5-21.9),2018年8.2千円/人(95%CI:−39.1-55.4)であり,介入による有意な医療費抑制効果は確認されなかった。結論 今後は介入プログラムや対象人数を増やすなどの改善を行ったうえで,引き続き検証する必要がある。
著者
SunYoun Lee Takahiro Ito Kohei Kubota Fumio Ohtake
出版者
Association of Behavioral Economics and Finance
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.11, no.Special_issue, pp.S22-S26, 2018 (Released:2019-04-10)
参考文献数
17

This paper estimates the effects of childhood experiences of wearing school uniforms at a public elementary school for 6 years on behavioral traits in adulthood. The school uniform experience can be endogenous if preferences and characteristics of the school and parents are involved in the decision of schools to implement school uniforms. To examine the effect of school uniforms, we exploit the exogenous variation in the expansion of the apparel industry across regions which the Japanese government used as a catalyst in stimulating the economy and the regional variations in prefectural governors’ initiatives for enhancing regional profitability, both of which are found to affect the adoption of school uniform policies. We first find that the childhood experience affects the formulation and development of an individual’s personality traits that are characterized by self-esteem and self-efficacy. Second, it increases reciprocal inclinations, inequity aversion, pro-social tendencies, and preferences for the government’s redistribution policies. We discuss the reasons behind the consequences of school uniforms on noncognitive traits and social preferences, with a focus on an individual’s perception of similarity with others formulated by the childhood experience as an important determinant that affects the behavioral traits.
著者
Kosuke Takeuchi Masatoshi Nakamura Hironobu Kakihana Fumiko Tsukuda
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
International Journal of Sport and Health Science (ISSN:13481509)
巻号頁・発行日
pp.201829, (Released:2019-04-24)
参考文献数
37
被引用文献数
2 15

[Purpose] The purpose of the present study was to investigate static stretching and dynamic stretching protocol.[Methods] 138 coaches of 21 different sports completed a self-reporting questionnaire. The questionnaire was split into four sections and contained fixed-response questions. Section One identified participant demographics. The second and third sections required the participants to detail the static and dynamic stretching they used. The fourth section of the questionnaire identified how participants learned about stretching.[Results] There were 126 coaches using static or dynamic stretching, while 12 coaches did not. Thirty-nine coaches used only static stretching, 10 coaches used only dynamic stretching, and 77 coaches used both types of stretching. The purposes of static stretching were to increase flexibility and to prevent injuries. The purposes of dynamic stretching were improvement of performance and prevention of injuries. The duration of one bout of static and dynamic stretching in a warm-up were 21.8 ± 13.2 and 22.1 ± 16.2 seconds, respectively. A common way to learn about stretching was participation in training sessions.[Discussion] Coaches should use SS for a greater length of time to achieve their purposes. The results of the present study showed gaps between evidence and practice.
著者
曽我部 真裕
出版者
朝日新聞出版
雑誌
Journalism
巻号頁・発行日
no.355, pp.67-74, 2019-12-10
著者
水谷 瑛嗣郎
出版者
情報法制学会
雑誌
情報法制研究 (ISSN:24330264)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.141-143, 2020

「査読あり」と誤設定したものを「査読なし」に訂正。