著者
アグレバンテ ジョセフィン 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.527-532, 1991
被引用文献数
7

エタノール及びエチレン処理による追熟バナナの軟化,呼吸,ペクチンメチルエステラーゼ,ポリガラクチュロナーゼ活性の効果と全ペクチン,水溶性ペクチン全量の変化について検討した.果皮色の着色,全可溶性固形物(全糖として)と酸度も同様に測定した.エタノールはバナナの追熟を促進したが,エチレンより効果は少なかった.エチレン及びエタノール処理とコントロール果実の呼吸ピークは貯蔵後4, 8, 11日に各々見られた.果実はCO2ピークのすぐ後で可食熟度となり,この時の処理区の硬度はコントロールと同じようになった.果実が軟化するにつれて,ポリガラクチュロナーゼ活性は増大し,全ペクチンは減少,水溶性ペクチンは増大した.ポリガラクチュロナーゼ活性はクリマクテリック前期で低く,クリマクテリックで増大し,後期で前期の17~18倍に達した.コントロールは追熟が遅く,ポリガラクチュロナーゼ活性は処理果実よりも常に低かった.ペクチンメチルエステラーゼ活性と硬度の減少との関係は少なかった.全可溶性固形物は追熟中20~22%に増大し,その増大はエチレン処理で最も早く,コントロールで最も遅かった.硬度は各区においてわずかに増大した.
著者
大瀧 友紀
雑誌
第21回日本救急看護学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-09-03

はじめに外傷において、アシドーシス・凝固異常・低体温は死の三徴と言われている。低体温時、生体はシバリングを発動させ熱産生を行うが、シバリングによる熱産生は酸素消費の増大、臓器への酸素供給低下、二酸化炭素増加、嫌気性代謝の促進に繋がる。死の三徴が予後に影響するとしながら、外傷患者の保温に関する看護研究はされておらず、外傷の死亡例に低体温が存在した報告、死の三徴を呈した事例の死亡率は急増するという医師の報告のみがある。今回、外傷による出血性ショックを呈した患者に対し、体温放散のメカニズムを捉えた選択的保温を行う事が、低体温予防とシバリングの抑制を可能とするのか試みた。目的外傷による出血性ショックを呈した患者の低体温予防とシバリング抑制における、積極的四肢末梢保温と選択的保温の効果を明らかにする対象及び方法出血性ショックを呈した転落外傷患者に対し、①末梢保温として、両手・両足を不織布で覆い常時保温し、②選択的保温として、顔面・胸部の発汗の拭き取りを行った。測定する体温は、①深部温の指標として鼓膜温の測定②外殻温の指標として腋窩温の測定を、共に15~30分間隔で測定とした。 分析は、測定した核心温・四肢末梢温の差とシバリング発生の有無、受傷後の時間経過と共に、バイタルサインと交感神経症状を収集した上で、生体反応と体温の関係を分析する。結果患者は病院搬入時から冷汗が著明で、多発骨折により1700~2700ml程の出血が推定された。輸液・輸血の急速投与によって循環動態は維持されたが、救急外来搬入30分後の介入開始時、腋窩温は35.8℃、鼓膜温は35.9℃まで低下している状態であった。介入開始後経過は、左胸腔ドレーンの挿入(冷汗+)→挿管(プロポフォール使用)→CT検査30分間→X-P検査15分間(下半身露呈)→初療室に戻り持続プロポフォール開始→下肢創部の洗浄・シーネ固定→右胸腔ドレーン挿入(→冷汗+)→MRI→ope出棟、と経過した。四肢末梢保温を開始し30分が経過したCT前の時点で、鼓膜温・末梢温とも36.2℃まで上昇し、CT・X-P検査中も体温は維持できた。下肢洗浄の実施によっても体温低下を見ず、36.7℃まで上昇し「暑い」と訴えたため、四肢末梢保温を終了した。四肢末梢保温終了後、36.4℃まで低下した。核心温・末梢温は終始0.3℃以上の格差を認めなかった。考察四肢末梢保温の実施によって、低体温とシバリングの抑制を可能とした要因を検討した。熱放散に対する四肢末梢保温の効果:四肢末梢保温は、体温移動の血流依存特性と熱放散の放射の特性に対する介入であったと考える。これは、鎮静剤や生体反応による動静脈吻合の拡張作用によって促進された熱放散と、低下した四肢末梢を通過した際の冷却された血液の潅流による核心温低下を防いだためと考える。蒸発に対する選択的保温の効果:蒸発の特性から、四肢末梢保温が加湿による熱放散の抑制と、気化熱・凝縮熱による加温効果を発揮したと考える。また、体幹部・頭部の汗の拭き取りが、生体の汗腺数・発汗量・皮膚血流量を捉えた介入となり、蒸発による熱の放散を減少させることに繋がったと考える。冷覚に対する四肢末梢保温の効果:体温喪失・体温冷却が著しい状態の中、処置・検査によって低温環境に長時間さらされたが、体温低下、特に末梢温低下を見ずシバリング発生も抑制した。これは、手足には冷線維(冷受容器)が多く存在しており、これらが感知する寒冷情報や皮膚温低下情報が、四肢末梢保温により減少し、体温低下を予防するための予測制御機能を抑制したと考える。
著者
Kohmei Halada Masanori Shimada Kiyoshi Ijima
出版者
The Japan Institute of Metals and Materials
雑誌
MATERIALS TRANSACTIONS (ISSN:13459678)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.402-410, 2008-03-01 (Released:2008-02-25)
参考文献数
9
被引用文献数
38 59

Forecasts up to 2050 are made of consumption of the following metals: Fe, Al, Cu, Mn, Zn, Cr, Pb, Ni, Si, Sn, rare earths, Mo, Li, Sb, W, Ag, Co, In, Au, Ga, Pt and Pd. The forecasts are based on the linear decoupling model of the relation between per capita metal consumption and per capita GDP. The models of each metal are applied to the economic development model of BRICs and G6 countries. According to these forecasts, the overall consumption of metals in 2050 will be five times greater than the current levels, and demand for metals, such as Au, Ag, Cu, Ni, Sn, Zn, Pb and Sb, is expected to be several times greater than the amount of their respective reserves. Demand for Fe and Pt, which is considered to be optimistic about the resource exhaustion, will also exceed the current reserves. Urgent measures are needed to find alternatives from common resources and to shift into sound materials circulation society.
著者
Shoko Kawai Kazuaki Fukushima Makiko Yomota Akito Fukuda Sho Fujiwara Masaru Tanaka Taiichiro Kobayashi Keishiro Yajima Yukio Hosomi Akifumi Imamura
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
pp.JJID.2020.1009, (Released:2021-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
8

Coronavirus disease 2019 (COVID-19) and influenza may infect a person simultaneously; hence, adequate measures must be prepared for the next winter in Japan. In preparation for the future, this study aimed to clarify the rate of influenza coinfection in patients with COVID-19 in previous winter. We conducted a retrospective study of the medical records of 193 patients diagnosed as having COVID-19 between January 31, 2020, and April 23, 2020, in a single hospital. We measured the rate of coinfection with COVID-19 and influenza. We found no patient was coinfected with influenza using rapid diagnostic testing. The occurrence of coinfection with influenza and COVID-19 seems to be rare in the past winter in Japan.
著者
大谷 弘 古田 徹也 一ノ瀬 正樹 片山 文雄 石川 敬史 乘立 雄輝 青木 裕子 佐藤 空 野村 智清
出版者
東京女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

現代のように多様な価値観や情報が溢れる時代においては、我々の実践的文脈を離れた理性の明証性に訴えるような(通俗的な)個人主義的啓蒙思想は説得力を欠く。個人主義的啓蒙思想の理念に訴えるのでもなく、また権威に盲従するのでもなく、我々の実践に根差した形で思考し行為することの意義を徹底的に考える哲学としての常識哲学は、今日ますますその重要性を高めている。本研究の目的は、これまで十分に検討されてこなかったこの常識哲学の展開を哲学と思想史の両面から明らかにし、その洞察と限界を見極めるとともに、それを通して現代の我々が様々な問題について思考する際に常識の果たすべき役割を明らかにすることである。
著者
林 明子 西沼 行博 谷部 弘子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.30-40, 2007-03-31 (Released:2017-04-30)

本研究では,日本語の普通体会話における発話末の表現形式とその韻律的特徴に焦点をあて,統語レベルの表現形式とそれを音声として表出した場合の両側面から,若年層男女の日本語運用の一断面について考察した.都内の大学で学ぶ19歳から29歳の日本語母語話者110名を対象に,説明場面での会話文作成と音声表出実験を行った結果,統語レベルの表現形式のヴァリエーションについては,統計的に有意な男女差は見られなかったが,韻律的特徴には,有意な男女差が認められ,女性は場面によって韻律的特徴を使い分けている様相が明らかになった.
著者
中尾 美知子
雑誌
岩手県立大学社会福祉学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Social Welfare, Iwate Prefectural University (ISSN:13448528)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.41-50, 2010-03-01

本稿は、韓国の流動する人口移動を概観し、国際結婚を具体事例として定着の実態と支援策を検証することを目的とする。送り出しと受け入れ両面から描き出した流動の様態からは、在外同胞の還流が特徴として浮かび上がった。他方、農村地帯の深部に日を転じれば、フィリピン、ベトナムからグァテマラに及ぶ10カ国以上の結婚移民者の暮らしが営まれる文字通りの「多文化社会」の現出を見出すことができる。これらの現状を踏まえて韓国政府は外国人政策の基本法「在韓外国人処遇基本法」を制定した。サービス伝達体系の中枢として「結婚移民者支援センター」が整備され、就労支援を始めとする定着支援が動き出している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1249, pp.130-133, 2004-07-05

「オリンピックの放映権交渉は日本でも今後、公開入札にしたい。応札しますか」——。NHK、民放キー局、CS(通信衛星)デジタル放送会社のスカイパーフェクト・コミュニケーションズなど日本のテレビ局幹部は昨年暮れ、国際オリンピック委員会(IOC)幹部にそれぞれ日本で密かに呼び出され、こう打診を受けた。
著者
打本 弘祐
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学社会学論集 (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.119-147, 2012-03

This is the third part of my project on spiritual care theory. Waldemar Kippes, a Catholic Father from Germany, has developed spiritual care theory in Japan based on his Christian faith. What is spiritual care theory of Kippes? Among his proposed six human dimensions in the theory, Kippes emphasizes that spiritual care providers relate mind, spirit, and soul to their professionally specialized areas of care. To create a better medical care team, it is important for spiritual care providers and healthcare professionals to distinguish the dimensions proposed by Kippes. In addition, in this paper I discuss the relationship among soul, spirit, and mind, and explain the consequences to other dimensions in care work. Kippes theory also offers suggestions for professional development programs. And one great characteristic of the proposed programs for care providers is a requirement of learning philosophy and religion. In this paper, I further elaborated upon definitions of "spiritual care" and "pastoral care" by Kippes. Today the word "Kippes" among spiritual care specialists in Japan is synonymous with spiritual care, pastoral care, and religious care. In Kippes theory, we must pay particular attention to Japanese cultural, religious and historical contexts.
著者
藤田 正 岸田 麻里
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
no.15, pp.71-75, 2006-03

大学生の日常生活における学習課題の先延ばし行動とその原因の関係を明らかにするために、大学生142名を対象に、予備調査に基づいて作成された先延ばし行動の原因調査項目と学習課題先延ばし傾向尺度(「課題先延ばし」と「約束への遅延」より構成)を実施した。先延ばし行動の原因調査項目を因子分析した結果、「興味の低さによる他事優先」、「先延ばし肯定・容認」、「課題困難性の認知」の3因子が見いだされた。次に、学習課題先延ばし傾向とその原因の関係を調べるために両者の相関を検討した。その結果、課題先延ばしと「興味の低さによる他事優先」、「課題困難性の認知」の間に正の有意な相関がみられた。また、約束への遅延と「興味の低さによる他事優先」の間に有意な正の相関がみられた。これらの結果から、大学生の学習課題先延ばし行動の原因として最も大きな影響をもたらすものは、課題に対する興味の低さにより他事を優先して行うことであると結論づけた。

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著者
メリディス著 繁野政瑠訳
出版者
冨山房
巻号頁・発行日
1938
著者
繁野天来(政璃)編
出版者
冨山房
巻号頁・発行日
1903