著者
有賀 誠 松元 雅和 伊藤 恭彦 上原 賢司 施 光恒 田上 孝一 松井 暁
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

現代世界は、不可避的にグローバル化が進む世界である。そうした流れの中で、国民国家という枠組みでは解くことのできない環境問題等の課題が数多く出現している。このとき注目されるのは、「コスモポリタニズム」という歴史ある思想である。本研究は、「コスモポリタニズム」を、現代的な課題に応答可能なものとしてアップデートすることを目指している。
著者
高瀬 克範 内山 幸子 手塚 薫 江田 真毅 増田 隆一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

千島列島の先住民である千島アイヌの起源地は,南サハリンもしくは南千島である可能性が高いことを考古学的な検討を通して明らかにした。また,千島アイヌは,15世紀に成立した当初,千島列島ではなく南カムチャツカを本拠地としていたが,18世紀初頭にカムチャツカの利用をほぼ停止し,千島列島に本拠地を移したことも明らかにした。千島列島ではもともとカムチャツカ起源の陸獣を多量に利用していたわけではなく海洋資源に大きく依存していたため,カムチャツカ撤退以後も千島列島内の経済に大きな変化は生じていなかったことが,動物骨の検討から予測された。
著者
小黒 一正
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、勤労世代と引退世代との間の政治的な力関係により、将来の成長を促す政府投資(例:科学技術・研究開発)と公的年金の配分割合が変化する「世代重複モデル」を構築し、「余命投票方式」への移行可能性の分析を行った。その結果、次のことが明らかとなった。まず、人口動態が変化する状況の下での「選挙制度」の重要性や、「余命投票方式への移行可能性」である。また、一定条件の下、「現行の投票方式」から「余命投票方式+地域別選挙区」や「余命投票方式+年齢別選挙区」に移行可能であることも分かった。
著者
本田 ゆかり 投野 由紀夫 野口 芙美
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

JFスタンダードは国際交流基金によって開発されたCEFRに基づく評価基準である。現在、その準拠教材開発と普及が進められている。JFスタンダードに基づく教育では、コミュニケーション能力を到達基準として能力記述文に沿った指導が行われるが、言語機能が優先され、どのような語彙や表現に注目すべきかというような点が曖昧になりやすい。そこで本研究では、タスク遂行に必要な語彙や表現を体系的に示すとともに語彙項目の重要度を明らかにしたい。能力記述文に紐づく語彙や表現の中でも学習優先度を意識し、過剰な重複や見落としを避けることができれば、効率よく学習を進めることができる。
著者
渡辺 政隆
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

サイエンスライティングをサイエンスコミュニケーションの主要な実践として位置付け、効果的なライティング作法とその教育法を探求した。実施にあたっては、大学院生等を対象としたライティング講座を実施し、「魅力的なサイエンスライティングのポイント;初心者が陥りやすい罠;想定する読者・媒体;専門用語の“ほぐし方”」といった観点から講じ方に関する基礎データを収集した。その成果は専門のウェブサイトを設けて公開した。
著者
田口 真二
出版者
熊本県警察本部科学捜査研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

目的刑務所等に収容されていない一般の男性に対して,未遂を含む性暴力の加害経験について自己報告研究を行い,性暴力の加害経験を持つ者の要因構造が,加害経験がない群と等質であるか異質であるか,あるいは連続性があるかについて実証的に検討した。方法(1)質問紙の内容■性暴力加害経験についてのスクリーニング質問■男性用性的欲求尺度(田口ら,2007)■新性格検査(柳井ら,1987)■性犯罪神話尺度(湯川・泊,1999),平等主義的性役割態度スケール短縮版(鈴木,1994),女性に対する敵意(大渕ら,1985)■性行動やメディア興奮度など。(2)調査対象者18歳以上の男性785名(東北地方から九州地方に居住する会社員319名,公務員205名,学生213名,その他48名)のデータを収集した。平均年齢34.1歳(SD=13.09,18-69歳)。(3)手続き平成18年7月下旬から8月上旬および平成19年7月下旬に調査協力者を介して個別に配布する宿題調査並びに大学での集合調査を行った。調査票は無記名。回収率は40.4%であった。結果と考察加害経験を持つ者151人(以下、加害群)の要因構造を検討し、「性的欲求」「性格」「女性認知」「性行動」の4因子からなる因子分析モデルが構築された。加害群から得られた因子分析モデルを使い,加害群と非加害群の2母集団同時分析を行った。群間に等値制約を置かないモデルで十分な適合度が得られたので,確認的因子分析モデルが非加害群にも適用できることが示された。両群のモデルにおいて因子不変が成立しているので,加害群と非加害群は質的な構造が同じといえる。以上から,加害群と非加害群は,質的構造は同じであるが因子の推定値が異なる,すなわち連続性があるということができる。性暴力行為すなわち広義の性犯罪を加害者として経験した群とそうでない群が異質ではなく連続性があることが確認されたことは,大学生や一般人を対象とした性犯罪研究の正当性を裏付けるものである。今後,性犯罪研究の分野における一般人を対象としたアナログ研究の進展が期待される。
著者
斎藤 成也 藤尾 慎一郎 木部 暢子 篠田 謙一 遠藤 光暁 鈴木 仁 長田 直樹
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2018-06-29

リースしているサーバー(すさのを)および国立遺伝学研究所のスーパーコンピュータを用いて、現代人ゲノムの解析環境をととのえた。2018年度に購入したサーバー2台(うみさちとやまさち)を用いて、古代人や公開されている現代人ゲノムや動植物ゲノムデータの格納をおこない、それらデータの解析環境を整えた。季刊誌Yaponesianの2020年はる号、なつ号、あき号、2021年ふゆ号を編集刊行した。新学術領域研究ヤポネシアゲノムのウェブサイトを運営した。特に今年度は英語版を充実させた。2020年6月27-28日に、立川市の国立国語研究所にて総括班会議と全体会議をハイブリッド方式で開催した。2021年2月15-17日に、国立遺伝学研究所と共催で「ゲノム概念誕生百周年記念シンポジウム」をオンラインで開催した。2021年3月2-3日に、 「第2回くにうみミーティング」(若手研究者育成の一環)を開催し、公開講演会もオンラインで実施した。2021年3月19-21日に、佐倉市の国立歴史民俗博物館にて全体会議と総括班会議をハイブリッド方式で開催した。
著者
加藤 昌志 加藤 正史 大神 信孝 矢嶋 伊知朗
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研医工連携研究では、まず、単波長の低周波音の曝露装置(低周波音刺激装置)を作製した。次に、実験研究により、低周波音が健康障害(平衡・運動機能障害)を誘発する閾値を提案するとともに、作用機序と内耳前庭にある標的部位(耳石・耳石膜)を特定した。また、内耳前庭の培養組織を用いて、迅速に低周波音の健康リスクを評価する技術を開発した。一方、疫学研究により、低周波音の健康影響をヒト(ヤングアダルト)で評価した。最後に、耳石膜のHeat Shock protein 70分子の発現を高めることで低周波音に由来する平衡・運動機能障害を予防できる可能性を、動物レベルで提案した。
著者
尾崎 俊介
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、アメリカの一般大衆の間で広く読まれている自己啓発本について、それがどのような経緯で誕生し、どのような発展・多様化を遂げて今日に至っているかを明らかにするものである。自己啓発本を出世欲・金銭欲といった低レベルな欲望を刺激するハウツー本として捉えるのではなく、より良い生を生きたいと願う普遍的な人間の願望に根差す文学ジャンルとして捉え直し、その存在意義を改めて問うことを試みる。
著者
西国領 君嘉
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

日本舞踊家初代吾妻徳穂の舞踊活動におけるアーカイブ化を目的とし、初代徳穂の「春藤会」「夫妻会」「定式舞踊研究会」「アヅマ・カブキ」「徳穂三趣の会」の公演プログラムをはじめとする文献、吾妻流関係者や舞踊界で親交のあった舞踊家や演奏者へのインタビューを行なっている。これまでの調査では、渋谷区に所在する吾妻流事務所を訪問し、保管されている過去資料の閲覧しながら、初代徳穂の義娘であり二代目吾妻徳穂の実母である吾妻花舟氏にインタビューをし、資料の収集と倉庫の整理を行なうことが、本研究の主軸であった。ここで得た情報から、その他のルートへ派生し調査の枠を広げていた。しかし、当該年度は新型コロナウイルスによる自粛と、花舟氏の高齢化と体調不良により、これまでのような調査は行えなかった現状がある。研究計画では、国内の調査と並行して、アヅマ・カブキの調査のため、米国とヨーロッパを訪問する予定であったが、それも叶わなかった。その中でも本年度は、清元梅吉氏から第1回アヅマ・カブキのインタビュー調査、明治大学教授神山氏から第2回アヅマ・カブキの資料を拝借することができた。これまでの調査では、舞踊の参加者からしか話を伺えなかったが、梅吉氏のインタビューにより、演奏者という違う立場の人物からアヅマ・カブキを知ることができた。また、神山氏の資料は、第2回アヅマ・カブキに発つ初代徳穂への激励の電報や、米国各市の市長などとのやりとりを綴ったスクラップブックであった。このスクラップブックについては、初代徳穂の親交を知る花舟氏にインタビューしながら調査を進めなければ難しいものであるため、先述の理由から進行が滞っている。令和3年度は最終年度にあたるが、まだ資料の収集と調査が足りていないように感じている。
著者
那須野 悟
出版者
九州工業大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

気体放電現象は真空度や放電管の形状等によりじつに多彩な放電パターンを呈することが知られている。非常に古くから知られている例としては、グロー放電にみられる縞状の明暗パターン(striations)がある。これらの縞模様は陽光柱と呼ばれる空間領域に電荷の流れ方向に沿って現れ、定存波的なものと進行波的なものとがあることが知られている。また現れるパターンは電荷の流れの方向ばかりではなく、電荷の流れと垂直方向にも縞状や六角状の空間パターンが形成されることが最近確認されている。このように気体放電系は、多彩な時空構造を自己組織するパターン形成系として非常に魅力的な物理系であるが、これらの時空構造が如何にして自己組織的に形成されるかという物理的メカニズムについては未だ完全には解明されていなかった。本研究ではまず流れに沿った方向の時空パターン形成現象とそのダイナミクスに焦点を絞り実験的研究を行い、その結果以下のことが明らかとなった。(1)気圧、放電電流等の制御パラメータに対して相図の作成を行い、どのような条件でstriationあるいはその他のパターンが現れるのか調べた。striationは混合分子ガス、純粋分子ガス(窒素)、希ガスのいずれでも生じることが明らかとなった。(2)窒素では非常に空間的に一様なstriationが生じるのに対して、混合分子ガスや希ガスではstriationの明暗のコントラストが陽光柱の陰極側から陽極側にいくにしたがい指数関数的減衰を示す。(3)各気体においてstriationの空間周期は与えられた制御パラメータに対して唯一決まる。(4)striationの間隔は、放電電流とともに増加し、気圧に対してはべき的依存をすることが明らかとなった。さらに、各気体に対するべき指数の定量的結果を得ることができた。(5)また、現在測定した時系列データからリアプノフ指数スペクトラム求めることにより系の動的安定性の解析を行っている最中である。分岐のタイプに関する詳細な測定も進行中である。
著者
上岡 玲子 廣瀬 通孝 増田 敦士 村上 哲彦
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では複数の周波数帯のRFIDタグを糸にして布に織り込んだハイブリッドRFIDテキスタイルの自動織技術を実現し,広域空間内において人および移動体の位置検出を効率的に実現するため,布の特性を活かしたインタフェースの設計,位置検出システムを効率的に実現するためのマッピング生成装置の開発,およびハイブリッドRFID環境での位置検出の評価を行い,実用化の実現可能性について知見を得た.
著者
冨田 知世
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本研究は、事例県のある進学高校において、1990年代に確立された実践が「進学校」として取るべき実践のセットとして制度化され、その後も当該校に受け継がれる様子と、他校にも普及する様子を、教師という個人レベルのアクターの行為に着目して明らかにすることを目的とした。事例校で構築された実践を制度と捉えた時に、制度の確立という過程に本年度前半は焦点を絞り分析を進めた。分析に用いたデータは1990年代に事例校に勤務していた教師数名に対するインタビューデータである。1990年代に事例校で確立した実践は「進学校」として取るべき実践のセットとしてその後の時代の当該校や他校に影響を及ぼすような実践として制度化されたが、分析の結果、以下のことがわかった。当時、事例校ではあらゆる教育活動が合格実績の向上と関連しているのだという論理が教師の間で主観的に構築されたということ、同時に普段の授業における実践と合格実績が関連しているという論理について統計手法を用いて可視化できたこと、これらが実践の技術的合理性を高め、実践の制度化に寄与したことがわかった。この分析の成果は、2015年9月の日本教育社会学会で発表をし、2015年度東京大学大学院教育学研究科紀要に発表した。また本年度後半は、他校・他県と比較した際に、1990年以降、事例校卒業生の合格大学の特徴やその趨勢的特徴がどのような点にあるのかを『サンデー毎日』に掲載された難関大学合格者数情報より分析した。加えて、1990年代に事例校が所在する県で実施された県教育委員会主導による「学力向上施策」の背景を行政資料等から明らかにした。
著者
松香 敏彦
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

これまでの学習および知識形成に関する認知科学・心理学の研究は多くの場合、個人内でかつ短期間で完了するものが研究の対象とされていた。しかし、本研究では実際には学習や知識形成は個人内で完了するものではなく、他者とインターアクションを介し、他者の知識の影響をうけながら発展してゆくと考え、行動実験と計算機シミュレーションを用いて検証した。その結果、一見無駄だと思われる情報、冗長な情報、社会的・経済的規範から異なる情報・価値を保持することによって汎化能力の高い知識の獲得することが示された。
著者
松木 直章
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

小型犬で頻発する壊死性髄膜脳炎(NME)の家系調査、病態解析ならびに治療研究を実施した。家系調査ではNME発症個体を含むパグ犬の3家系ならびにNME発症例のいないパグ犬の1家系について、脳脊髄液中のグリア線維性酸性蛋白質(GFAP)あるいは抗GFAP自己抗体をマーカーとして保因犬を割り出した。その結果、NMEの発症因子は常染色体劣勢遺伝形式で遺伝する可能性が示された。病態解析では、NME症例の脳脊髄液中にGFAP-抗GFAP複合体が特異的に存在すること、抗GFAP抗体にはIgGのみでなくIgAが存在し、健康犬の血液中や糞便中にも抗GFAP-IgAが存在すること、NME症例ではアストロサイトのトランスグルタミナーゼに対する自己抗体が存在することが明らかとなった。治療研究ではNME症例に対して3種類の免疫抑制療法を用いた前向き研究を実施したが、生存期間や神経症状スコアには治療法による有意差が認められなかった。
著者
張 雪斌
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

台頭する中国がどのように文化と情報を活かして自国の影響力の拡大を試みているのかは、世界規模の注目を集めており、様々な評価がなされてきた。しかし、言語と資料の制限により、中国のパブリック・ディプロマシー(PD)の実施過程と実施主体の組織構造の多くは未だブラックボックスにある。本研究は中国政府と中国のPDに携わる準政府アクターの組織的、経済的基盤を調査、分析することで、近年中国のPD政策の立案・決定・実施のダイナミズムを実証的に解明する。
著者
長田 陽一
出版者
京都光華女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

発達障害(自閉症スペクトラム、AD/HD、学習障害等)は、中枢神経系に高次の機能障害が推測されるものの、今のところ原因を特定できず、時に「目に見えない障害」と言われる。このような発達障害(者)の特徴は、しばしば「障害」をその人のpersonalityに帰属させる傾向を生じさせている。発達障害(者)における、個人的特性と「障害」の区別の困難性は、とりわけ発達障害者との関わりがなかった者にとっては、しばしばpersonalityに関する偏見やレッテル貼りの一因となっていることが考えられる。これらを踏まえ、従来なされてきた本質理解(原因追及)とは異なる観点から、発達障害という言葉(概念)を隠喩(メタファー)として捉えなおし、その諸作用を検討することを目的とした研究の一環として、当該年度は以下の研究を実施した。「発達」や「障害」の概念における、近代以降の目的論的な人間観の影響について文献収集および検討を行った。それぞれの隠喩(メタファー)は、近現代人の価値観(人間主義的、個人主義的、合理主義的、あるいはロマン主義的)と密接に関連している。しかし、近現代人の価値観を客観視する際に、より広範囲な進化の視点がどうしても必要であり、これをこれまでの研究と繋ぎ合わせるための新しい座標軸を検討しているところである。
著者
太田 昌博 高畑 雅彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

生体内の様々な臓器にリン酸カルシウム結晶(ハイドロキシアパタイト)が沈着する『異所性石灰化』のメカニズムは未解明であり治療法も確立されていない.本研究では,日常診療においてよく遭遇する腱や靭帯に生じる異栄養性石灰化を研究対象とし,“慢性炎症による軟部組織の石灰化抑制機構の局所的な破綻”という観点からメカニズムの解明を目指す.異所性石灰化が誘導される動物モデルを用いて,局所で炎症回路(炎症アンプ)が誘導されること,さらにIL-6シグナルの慢性的賦活化により,生体内の石灰化を抑制するピロリン酸(PPi)代謝制御機構が破綻し,異所性石灰化が誘導されることを証明し,治療法開発の研究基盤を確立する.