著者
高林 久美子
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.119-129, 2007-11-10 (Released:2017-02-08)

Ambivalent sexism theory suggests that there are two forms of sexism : hostile sexism toward non-traditional women and benevolent sexism toward traditional women. Based on the finding that the threat to self motivates self-affirmation, which leads to stereotyping and prejudice, this study investigated how that threat had an impact on the two above-mentioned forms of prejudice toward women. In study 1, it was predicted that, under the threat, hostile sexists among the male participants were less likely than the nonsexist male participants to evaluate a career-woman favorably on a warmth dimension. This hypothesis was supported. In study 2, it was predicted that, under the threat, the benevolent sexists among the male and female participants were more likely than the nonsexist participants to evaluate a homemaker-oriented woman favorably. On the contrary, when the less benevolent sexist male and female participants felt threatened, they were less likely than the sexist participants to evaluate the women favorably on a warmth dimension. The possibility that the way of expressing gender-prejudiced attitudes became diversified was discussed.
著者
滝沢 正仁 大島 創 山本 浩司 高橋 秀喜 北 真吾
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.2_29-2_38, 2017-09-30 (Released:2017-12-22)
参考文献数
29

高速道路の可変式道路情報板には,危険回避やルート選択に役立つ情報が表示される.近年,グローバル化や高齢化社会への対応策として,シンボル活用の機運が高まっているが,情報板シンボルには,わかりにくいものが存在する.また,媒体特性や環境特性を考慮したデザイン指針や評価手法も定められておらず,改良への手がかりが乏しい.そこで本稿では,情報板シンボルのわかりやすさに関する,「造形の基本的取決め」,「評価手法」,「改良の手がかりとなるデザイン指針」の導出を目的に検討した.まず,情報板の特性を道路標識や一般シンボルとの比較から整理し,取決めと評価手法を導いた.次に,提案した評価手法を用いて,取決めに基く代替案と現行シンボルの理解度調査を実施した.以上の結果から,取決めの妥当性を確認し,デザイン指針として,「車の造形を高評価のもので統一」,「熟知性の高い図材を用い,図材間の因果関係や,主体と客体を明確化」,「熟知性が低いまたは高速道路の文脈と関連付けが困難なシンボルは意味内容の見直しも検討」を導いた.
著者
冨田 浩輝 黒澤 和生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101242, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】骨格筋への振動刺激は脊髄内の介在神経細胞を活性化し,シナプス前抑制により筋緊張を抑制する事が知られている.シナプス前抑制機能は,痙縮と深く関与している事が示唆されており,条件刺激と試験刺激を異なる筋に対して実施する方法により検討されている.しかし,振動刺激における筋緊張抑制効果において,条件刺激と試験刺激を異なる筋に対して実施した報告は少ない.また,この条件において,異なる振動周波数を用いて筋緊張に及ぼす影響を検証した報告はない.本研究の目的は,膝蓋腱や大腿二頭筋腱に異なる周波数の振動刺激を負荷し,同側ヒラメ筋のH波に及ぼす影響を明らかにする事である.【方法】対象は下肢に神経障害の既往のない健常成人男性42名であり,被験筋はヒラメ筋とした.すべての対象者には膝蓋腱と大腿二頭筋腱に振動刺激(80Hz,100Hz,120Hz)を負荷する2条件を設定し,誘発筋電図(日本光電社製)を用いて,安静時と振動刺激中,振動刺激直後,振動刺激終了5分後のH波とM波の最大振幅比を算出した.振動刺激装置には,旭製作所製WaveMakerを使用した.本研究における統計処理には,統計解析ソフトウェアSPSS18を使用した.各条件内における時間経過の検討として,反復測定一元配置分散分析を行った.尚,有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に則り本研究を実施した.研究に先立ち,所属機関の倫理委員会において承認を得た.全ての対象者には事前に本研究の内容やリスク,参加の自由などの倫理的配慮について口頭および文書で説明し,書面にて同意を得た.【結果】膝蓋腱への振動刺激では,80Hzの周波数において,振動刺激中の最大振幅比が,その他の値と比べ有意に低値を示した.100Hzの周波数においては,振動刺激中の最大振幅比が安静時と比べ有意に低値を示した.また,振動刺激直後は振動刺激5分後よりも有意に低値を示した.120Hzの周波数においては,振動刺激中の最大振幅比が,振動刺激直後と振動刺激5分後と比べ有意に低値を示した.大腿二頭筋腱への振動刺激では,80Hzの周波数において,どの間に関しても有意差は認められなかった.100Hzの周波数においては,振動刺激中の最大振幅比は振動刺激直後と振動刺激5分後において有意に低値を示した.また,振動刺激直後の最大振幅比が振動刺激5分後の最大振幅比と比べ有意に低値を示した.120Hzの周波数においては,安静時と比べ振動刺激中と振動刺激直後で有意に低値を示し,振動刺激中は,安静時と振動刺激5分後と比べ有意に低値を示した.また,振動刺激直後は,安静時と振動刺激5分後と比べ,有意に低値を示した.【考察】今回,条件刺激と試験刺激を異なる筋に負荷し,膝蓋腱や大腿二頭筋腱といった異名筋への異なる周波数の振動刺激が,ヒラメ筋H波に及ぼす影響を検証した.本研究では,膝蓋腱への100Hz以上の振動刺激では,振動刺激中のH波は安静時よりも低値を示すが,振動刺激終了後は脊髄興奮性が上昇し,同側ヒラメ筋のH波を促通するという先行研究を支持する結果となった.しかし,80Hzの振動刺激においては,振動刺激中のヒラメ筋H波は有意に低値を示し,振動刺激直後も有意差は認められなかったが,最大振幅比は低値を示した.これは,膝蓋腱への80Hzの振動刺激は,ヒラメ筋H波を抑制した事が示唆され,Ericらの報告における,振動刺激が脳卒中後の足関節底屈を伴う下肢の異常な同時収縮を調整する可能性について支持する結果となった.更に,大腿二頭筋腱への振動刺激では,80Hzの周波数では,ヒラメ筋H波の抑制は得られず,大腿二頭筋に緊張性振動反射は生じなかったことが予想される.しかし,100Hz以上の周波数では,振動刺激中のH波の抑制が生じ,120Hzでは振動刺激終了直後でもH波の抑制が確認された.このことから,緊張性振動反射を誘発するには100Hz以上の周波数が必要であり,より強く筋収縮が誘発される事で,拮抗関係にある筋に対する抑制効果が増大する事が示唆された.【理学療法学研究としての意義】本研究において,振動刺激とシナプス前抑制は深く関与していることが明らかとなった.また,120Hzの振動周波数で大腿二頭筋腱へ振動刺激を負荷する事が,同側ヒラメ筋の筋緊張抑制に有効であることが示唆された.更に,振動刺激には,電気刺激同様の効果が期待できることが示唆され,その効果には振動周波数が深く関与していることが明らかとなった.今後,振動刺激が筋緊張に及ぼす影響や,その他の治療方法との比較などさらなる検討が必要であると考えられるが,本研究により,振動刺激が痙縮に対する有効な治療手段として臨床応用することや,家庭でのホームエクササイズの一つとして活用していく事が期待できるのではないかと考える.
著者
猪股 貴志 谷口 憲彦
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.22-27, 2020 (Released:2021-02-02)
参考文献数
14

陸上競技における近年の日本人短距離選手の活躍は目覚ましく,本年に開幕が迫ったオリンピック・パラリンピックの 舞台でのその活躍が大いに期待されている.彼らが着用する短距離用陸上スパイクや義足用のスパイクソールでは,アスリー トの力を如何にロスなく路面へ伝達することができるかが大きなポイントとなる.本稿では,CFRPを用いた短距離用スパイ クソール,現在開発中の新しいスプリントシューズの設計事例に加え,義足アスリートの動作解析に基づくスポーツ義足用ス パイクソールの設計事例について紹介する.
著者
高木 信
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.1-13, 1992-12-10 (Released:2017-08-01)

『平家物語』の「剣巻」は、『愚管抄』的な認識と似て、宝剣が海底に沈んでも王権は安泰であると主張するものとして位置付けられる。また構造的には、アマテラス・宝剣を<聖なるもの>として形象化する。ところが、スサノヲに退治されたヤマタノヲロチが復活し、宝剣を奪うことにより、王権の正統性は奪われてしまう。このことは覚一本の<カタリ>のなかで実現されるのであり、他の諸本は「王権の物語」としての自らを維持しようとするために様々な不整合を抱え込むことになる。
著者
辻村 憲雄
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.253-261, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
参考文献数
22

1958年7月,海上保安庁の測量船「拓洋」は,赤道海域に向かう途中で,米国がビキニ環礁で実施した水爆実験によって発生した核実験フォールアウトに遭遇した。当時船上で採取した雨水から観測された全β放射能と甲板に設置したNaI(Tl)シンチレーション検出器の計数率及び全β放射能と線量率の関係についての計算結果を基に,その単位面積当たりの全β放射能を2.0 TBq km−2,乗員の外部被ばくによる実効線量を100 µSvに満たないと推定した。
著者
Takashi Omoto Junichi Asaka Takamasa Sakai Fumihiko Sato Nobuyuki Goto Kenzo Kudo
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.627-634, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
37
被引用文献数
5

Opioids are widely used for the treatment of moderate/severe pain in cancer and noncancer patients. In this study, we searched for safety signals for a wide variety of opioid-related adverse events (AEs) in elderly patients by disproportionality analysis using the Japanese Adverse Drug Event Report (JADER) database. Data from the JADER database from April 2004 to May 2018 were obtained from the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency website. Safety signal detection of opioid-related AEs in elderly patients was defined using the relative elderly reporting odds ratio (ROR). Among the analyzed AEs, opioid-induced neurotoxicity (OIN) was assessed based on the time to onset using the Weibull shape parameter. The following safety signals were detected in elderly patients: respiratory depression, somnolence, hallucinations, akathisia and OIN. Fentanyl, tramadol, oxycodone and morphine exhibited a large relative elderly ROR for OIN. The median time to onset of OIN of transdermal fentanyl, oral tramadol, oral oxycodone and oral morphine was 13.5, 6, 9, and 6 d, respectively. These opioids were classified as early failure types using the Weibull distribution. Our results showed that elderly patients who are administered opioids should be closely monitored for AEs, such as respiratory depression, OIN and akathisia.
著者
中澤 渉
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.151-174, 2013-07-25 (Released:2014-07-28)
参考文献数
29
被引用文献数
7 2

本稿の目的は,中学時代の通塾が,その後の高校進学に及ぼす多様な効果を推定しようとすることにある。通塾は日本人の間でありふれたものになっているが,その教育的効果に関する知見は様々である。一般的に,通塾するかしないかはランダムに振り分けられるのではなく,教育に価値を置く高い階層の出身者ほど通塾する傾向があると思われる。したがって,確かに通塾と進学校進学の間に単純な相関はあるだろうが,それが真の塾の効果なのか,階層を反映した疑似相関なのかの区別がはっきりしない。仮に回帰分析で,階層変数による共変量統制を行っても,通塾と,回帰分析で考慮されていない個人の異質性の間に相関があれば,推定値は誤っていることになる。さらに,塾の効果は誰にとっても同じではないと予想されるが,これまでの分析は効果の異質性を考慮していない。こうした問題点を乗り越えるために,反実仮想的発想に基づく傾向スコア・マッチングを用いた因果効果分析を適用した。その結果,通塾する傾向があるのは,親学歴が高く,関東地方のような都市部出身者で,きょうだい数が少なかった。また通塾の効果は一様ではなく,男女で対照的であった。男性は,通塾する傾向がある人ほど通塾が進学校進学の可能性を高め,女性は逆に通塾しない傾向がある人の進学校進学の可能性を高めていた。最後にこの結果の解釈を提示し,傾向スコア・マッチングの限界と意義について検討した。
著者
山階 芳麿 真野 徹
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.147-152_3, 1981-12-25 (Released:2008-11-10)
参考文献数
5
被引用文献数
14 22

沖縄島北部の通称ヤンバルと呼ばれている丘陵地帯に,地上を歩くクイナの1種が居る事は少し前から知られていたが,山階鳥類研究所の真野徹外数氏が環境庁の鳥類標識調査事業の一環として国頭郡奥間において,1981年6月18日から7月7日にかけて調査を実施し,そのクイナの成鳥及び幼鳥各1羽の捕獲に成功した。これら2羽については,各部を詳細に調べた後,足環をつけて捕獲した元の場所に放した。又これより前にフエンチヂ岳附近の林道脇にて拾得された1個体を名獲市の友利哲夫氏が標本として保存していたが,これも今回捕獲したものと同種である事がわかった。これら3個体は羽色がRallus torquatus及びその亜種に似ているが,嘴と脚が赤色でやや大きく,それに比例して翼と尾が長くなく,又最外側の初列風切羽はそれ以外の初列風切羽より短いなどの点が異なるので,今迄に発見された事のない新種のクイナと断定し,ここに新種として記載する。
著者
浜根 大輔 齋藤 勝幸
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2017年年会
巻号頁・発行日
pp.60, 2017 (Released:2020-01-16)

日本各地の砂金・砂白金について記載鉱物学的な調査を進めている中で,北海道から複数の本邦初産および希産鉱物を見出したので,ここまでに得られた内容を報告する。特に,元江鉱(yuanjiangite),自然鉛(native lead),金-銀-錫鉱物,トロフカ鉱(tolovkite),ラウラ鉱(laurite),トラミーン鉱(tulameenite),イソフェロ白金鉱(isoferroplatinum)について報告する。
著者
三井 一希 佐藤 和紀 渡邉 光浩 中野 生子 小出 泰久 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45052, (Released:2021-09-07)
参考文献数
5

本研究は,児童同士の交流に着目したプログラミングの学習の場を,休み時間等の授業時間外に設定した実践を行い,その有効性と交流の実態を調査した.結果,提示した課題を教師が介入することなく,児童だけで達成することが概ね可能であることが示唆された.また,教師が指導する学習形態よりも児童だけで学ぶ学習形態を好む児童が有意に多いことが示された.さらに,児童同士の交流の実態を調査したところ,児童は事前のプログラミング技能の差に関わらずに他者と交流を行い,課題を達成している可能性が示唆された.
著者
梶野 洋一
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.44, pp.132-134, 1993-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

初夏まきキャベッ生育前期の食葉性害虫による被害と結球重との関係を検討した結果, 被害許容水準は定植後30日~35日の被害程度指数で35前後と推定された。しかし, どの程度の結球重を栽培目標にするかによって被害許容水準は変動した。各害虫の食害程度に重み付けをすることによって, 被害程度指数と寄生幼虫密度との間に有意な関係が認められた。
著者
Chih-Chien Chang Shu-Chih Yang Stephen G. Penny
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.2022-006, (Released:2022-01-20)
被引用文献数
2

A regional hybrid gain data assimilation (HGDA) system is newly developed using Weather Research and Forecasting model (WRF). The WRF-HGDA augments an ensemble-based Kalman filter (WRF-LETKF) with information from the variational analysis system (WRF-3DVAR) by combining their gain matrices. The performance of WRF-HGDA is evaluated by assimilating the GNSS radio occultation (RO) observations from the FORMOSAT-3/COSMIC (FS3/C) and the FORMOSAT-7/COSMIC2 (FS7/C2) under an Observing System Simulation Experiment (OSSE) framework. The results demonstrate that the variational correction improves the WRF-LETKF, with the equal-weighted WRF-HGDA outperforming its component DA systems in the moisture and wind fields when only conventional observations are assimilated. Assimilating additional RO data from FS7/C2 further improves the WRF-LETKF and WRF-HGDA systems. Although the variational correction for the mid-level temperature causes degradation in the WRF-HGDA analysis, this can be alleviated by adjusting the combination weight to include more flow-dependent information in WRF-HGDA at these levels. Further tuning of the static background error covariance used in WRF-3DVAR also brings some improvement in the WRF-HGDA wind analysis. Our results imply that a well-tuned variational system is critical for the accuracy of the regional HGDA analysis.