著者
荒井 祓彦 芝田 次男 永倉 充
出版者
明治大学
雑誌
明治大学科学技術研究所紀要 (ISSN:03864944)
巻号頁・発行日
vol.24, pp."1-1"-"1-8", 1985

The effect of the partial substitution of Co for Fe on magnetic properties of Nd-Fe-B alloys have been investigated by a powder metallugical method. The curie temperature in this system increase with the increase of Co content, while the loop squarness of demagnetization curves are deteriorated when the concentration of Co is more than 14 at%. E. P. M. A. data suggest that excessive Co in this system produces a new magnetic phase in the Nd rich region.
著者
(魏) 何晏 撰
出版者
慈眼
巻号頁・発行日
vol.[2], 1600
著者
大田 伊久雄
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.28-40, 2008-07-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

ポーランドの国有林は,我が国とほぼ同じ約700万haの面積を持つ,ヨーロッパで最大規模の国有林である。これを管理する組織LP(国営企業「国有林」)は,政府からは独立した非営利の経営体であり,森林法に定められた目的に従って国有林の管理を任されている。LPにおける国有林管理は,徹底した現場重視の姿勢に特徴があるが,硬直したピラミッド型組織にも見える職階体制とのギャップが興味深い。本論文では,中央総局・地方局・森林区という3つのレベルにおける国有林管理業務の実態調査を通して,ポーランド国有林における森林管理の全体像の把握を試みた。さらに,LPによる国有林管理の優れた点および成功要因を探り,加えて現在直面する問題点および組織に内在する課題について考察した。近い将来に解決すべき課題を残しつつも,LPは安定した組織体制のもとで国有林を管理経営している,と結論づけることができる。
著者
鈴木 二正 西山 由真 芳賀 高洋 大川 恵子 村井 純
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.21-37, 2015-12-09

慶應義塾幼稚舎の小学2年生(児童数36名)のクラスでは,子どもたちの情報活用能力の向上を目標として,1年生のときから児童1人1台のタブレット端末を導入して授業実践を行ってきた(2013年9月~現在).学習におけるICT活用が特別なことではなく,ごく自然に,新しい文房具の1つであるという感覚を養い,ICTを思いどおりに使いこなせるようになることを期待している.タブレット端末は標準的かつ一般的な機能・アプリ等を選定し,直観的な操作・軽量性(機動力)等タブレット端末の特性を生かした学習における活用方法を模索している.加えて,共同研究者である慶應大学の学生とともにプロジェクトチームを構築し,授業記録・授業解析を行っている.一方,慶應義塾幼稚舎では10年以上前から情報科を設置して情報教育を行ってきたが,本実践により情報科の内容を精選していく必要性も感じている.本稿では,特に小学1年生時に行った計18時間の授業実践とアンケート調査等から,学習に対する児童の理解や意識の変容,学習スタイルの変容,児童のICTスキルの向上等を検討する.
著者
善如寺 俊幸
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-44, 2015 (Released:2017-05-29)
参考文献数
23

常用漢字,旧日本語能力試験4〜1級漢字を含む2800余字から成る「漢字系統樹表2800」(漢字2800字の関係図表)を提示し(会誌第7号付録「漢字系統樹表2800」を参照),その仕組みや見方さらには意義,利用法などについて述べる。
著者
渡辺 博芳 高井 久美子
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.64-74, 2015-12-09

情報基礎科目において,簡単なWebサイト構築の学習を対象として,反転授業を実践した.この反転授業は,(a)事前学習は講義ビデオを用い,授業時間内に講義はいっさいしない,(b)授業はコンピュータ教室で行い,授業の最初に提示された課題に各自が取り組む,(c)事前学習に取り組んでこなかった学生は,授業中に講義ビデオを視聴するところから学習活動を開始するという形で実践した.従来の授業時間中に講義を行う方法での授業実践と比較して,課題の平均得点と修得試験の平均得点が有意に高く,我々の実践した反転授業が効果的であることを示した.
著者
鈴木 聡 笹島 康明 小方 博之 槻舘 尚武
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-166, no.5, pp.1-8, 2016-01-14

コンピュータを利用した学習環境において,アニメーションを伴う CG キャラクタ (身体化エージェント) を教育エージェントとして導入する試みが数多く試みられており,教育エージェントの振る舞いによる学習者への影響も検討されている.一方,身体化エージェントの社会的役割がユーザに与える影響についても議論が進んでいる.本研究では,身体化エージェントの要素として外観と言葉遣いに着目し,教育エージェントについてそれらが誘発する社会的役割が学習者に与える影響について実験により検討した.特に,マンガなどでみられる,実際にそのような言葉遣いをする人間は稀であるにもかかわらず特定の社会的役割を誘発する言葉遣いである役割語に着目し,役割語と外観の対応が学習に与える影響に注目した.学習への影響は顕著にはみられなかったものの,教育エージェントに対する印象や学習内容の把握への影響が示唆された.この結果をもとに,教育場面における身体化エージェントの設計指針について論じる.
著者
小山 孟志 藤井 慶輔 陸川 章 有賀 誠司
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.276_3-276_3, 2016

<p> 本研究はバスケットボール選手の試合中における高強度運動について、心拍数を指標に定量化することを目的とした。大学男子バスケットボール選手(延べ27名)を対象に、選手の胸部に心拍センサーを装着し、試合開始から試合終了までの心拍数を計測した。最大心拍数の測定には漸増負荷測定時の最大値を採用した。試合に10分間以上出場した選手のデータを用いて、出場時間に対する最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合について検討した。その結果、最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合は49.1 ± 26.0%であり、その時間は540.5 ± 341.0秒であることがわかった。ポジション別に比較すると、ビッグマンはペリメーターに比べて最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合が低いことがわかった。出場時間の約半分が高強度であるこの割合を、試合を想定した練習・トレーニングでも考慮するべき可能性がある。</p>
著者
鈴木 孝仁
出版者
The Japanese Society of Plant Morphology
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-38, 1995 (Released:2010-06-28)
参考文献数
28

真菌の二形性とは、一つの菌株が環境条件によって二つの異なる栄養増殖形態を示すことである。そのうち、単細胞性の酵母と、細胞の連なった菌糸との間で可逆的におこる二形性についての研究では、パン酵母やカンジダ酵母での分子遺伝学的諸法を適用した報告がなされるようになり、遺伝的制御を受けていることが分かってきた。形態形成や分化のモデルとして、最近の知見について総説する。
著者
中野 和典 千木良 純貴 中村 和徳 矢野 篤男 西村 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.III_87-III_92, 2012
被引用文献数
2

畜舎排水を処理するフルスケールの多段鉛直流式人工湿地について運転開始から2年間の水質モニタリングを行い,汚水処理施設としての性能を評価した.運転開始1年目の人工湿地の水質浄化性能は水温に依存する季節特性を有していたが,2年目には水温の低い冬季の浄化性能が有意に向上し,年間を通した浄化性能の安定性が向上した.これは,人工湿地の水質浄化性能が運用開始から1年間は発展途上にあり、運用から1年を経て気候条件に適応した頑健性を発揮するようになることを示唆するものである.2年目の年間汚濁負荷量と年間平均除去率により求めた各水質項目の浄化性能原単位は、BODでは26.2g/m<sup>2</sup>・d、SSでは21.0g/m<sup>2</sup>・d、TKNでは1.60g-N/m<sup>2</sup>・d、TNでは1.55g-N/m<sup>2</sup>・d、TPでは0.36g-P/m<sup>2</sup>・dであった.
著者
田中 祥人 山田 浩之
出版者
Ecology and Civil Engineering Society
雑誌
応用生態工学 = Ecology and civil engineering (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.91-101, 2011-12-31
参考文献数
29

2006年に北海道北部に国内で 2 基目となるハイブリッド伏流式人工湿地が設置された.自然の浄化能力を応用したこの湿地は,浄化能力の高さが認められ,最近注目を集めている.しかし,その処理水は依然として高い環境負荷を持っていることが考えられ,それが流入する河川の生物生息場環境の悪化が懸念される.この人工湿地だけではなく水系全体として浄化機能を発揮し,更なる環境との調和を展開するためには,その処理水の流入河川の生物の生息場所を悪化させないように,河川の浄化能力に適した処理水の負荷量に設定される必要がある.しかし,そうした高負荷の処理水が流入する小河川での水環境や生物相に関する報告は限られていることから,まずはその処理水の影響について事例を蓄積しておく必要がある.そこで,本研究では人工湿地の処理水が流入する酪農地域の小河川で水環境および生物相の実態を把握し,さらに生残実験によって処理水が水生生物に及ぼす影響について検討することを目的とした.生物相・生息場所環境調査の結果,処理水の流入する下流区間ではその上流区間と比べて DO 濃度が低く,NH<sub>4</sub><sup>+</sup> 濃度,COD 濃度が高いことがわかった.また,出現する生物種は少なく,極めて貧弱な生物相であることがわかった.下流区間のみで低酸素の環境に耐性をもつユスリカ科の一種が優占していたのも特徴的であった.調査地近隣に生息しているオオエゾヨコエビ,スジエビ,ドジョウの 3 種を対象に生残実験を行った.その結果,各種の生残率は上流と比べて下流区間で低くなった.各種生残率と環境変量に対して相関分析を行った結果,各種生残率は DO 濃度,NH<sub>4</sub><sup>+</sup> 濃度,COD との間に強い相関が認められた.これは有機物の酸素消費に伴う DO 濃度低下と NH<sub>3</sub> 毒性の影響によるものと考えられた.対象河川の生物種が少なかったのは,人工湿地運用前の有機汚濁の影響が大きいと考えられる.しかし,生残実験結果から処理水流入にともなう溶存酸素低下やアンモニアの毒性など,運用後も生物の生存を制限する要因が残存していることがわかった.今後は酪農雑排水に起因する有機汚濁の生物相に対する影響や生物の耐性をさらに詳しく調べるとともに,物質収支解析などの定量評価に基づいて,処理水放流による自然河川の変化を予測できるようにする必要がある.それらを踏まえて,河川の浄化能力に収まる処理水の負荷量が設定されることが望まれる.