著者
小川 朝生
出版者
独立行政法人国立がん研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

化学療法の発展に伴い長期的な予後が期待できるようになった一方、化学療法後に慢性的に中枢神経系有害事象(認知機能障害)が生じる可能性が指摘されるようになった。この認知機能障害はchemo-brainと総称される。しかし、認知機能障害と化学療法との関連性、その機序に関する検討は未だ途上である。そこでわれわれは、化学療法前後を通して、脳構造画像の変化を非侵襲的に評価する測定系を構築し、抗腫瘍薬と脳機能との関連性、療養生活の質(QOL)との関連の検討を開始した。症例の集積は予定通り進み、追跡調査が終了次第、解析を行う予定である。
著者
東野 正幸
出版者
鳥取大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

本研究はモバイルエージェントのデバッグの困難性を軽減するシステムの構築を目的としている。モバイルエージェントとはネットワークに接続された計算機間を移動できる自律的なソフトウェア部品である。モバイルエージェントは、自律的に計算機間を移動可能であることから、自律性に基づいた柔軟なシステム構築が可能となる反面、ネットワークやソフトウェアの規模が大きくなるにつれて、どの計算機でどのような処理を行っているのかを把握すること難しくなり、バグの原因特定が困難となる課題がある。当該年度では、モバイルエージェントのバグ原因の特定を支援することを目的として、モバイルエージェントの軽量化と、モバイルエージェントに関連する様々なパラメータを組み合わせてシステム内からバグの疑いのあるモバイルエージェントを検索を行うシステムの構築を検討した。モバイルエージェントの軽量化に関して、モバイルエージェントは移動時にプログラムコードを持ち運ぶことから通信量や移動時間が増加し、そのオーバーヘッドが大きくなる場合がある。デバッグが困難となる環境、すなわちソフトウェアとネットワークの規模が大きい環境においては、モバイルエージェントのデバッグ時に必要な情報を収集する際にも、このオーバーヘッドがデバッグの効率上の問題となる。そこで、モバイルエージェントの移動時の通信量の削減手法を提案し、その効果を確かめた。また、モバイルエージェントが持つ特有の性質である移動性に着目して、モバイルエージェントの検索に必要となるパラメータを検討し、そのパラメータを用いて大規模なネットワーク内から効果的かつロバストに当該モバイルエージェントを見つけ出すための通信プロトコルの課題を分析した。また、提案デバッガのテストベッドとして、モバイルエージェントを用いた分散型e-Learningシステムなどの具体的なアプリケーションの試作を進めた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1581, pp.8-14, 2011-03-07

「日本の成長を担うべき製品の成長を規制が妨げているのかどうか検討する必要がある」。3月6〜7日開催の規制仕分けの舵を取る蓮舫・行政刷新担当大臣は、視察に訪れたエリーパワー(東京都品川区)のリチウムイオン電池工場で、こう語った。 次代の基幹産業として呼び声の高いリチウムイオン電池。これが今回の規制仕分けの目玉の1つに選ばれた。
著者
Kuroi Kunisato Okajima Koji Ikeuchi Masahiko Tokutomi Satoru Terazima Masahide
出版者
National Academy of Sciences
雑誌
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (ISSN:00278424)
巻号頁・発行日
vol.111, no.41, pp.14764-14769, 2014-09-29
被引用文献数
23 5

生体タンパク質反応の鍵となる「揺らぎ」検出に成功 -新規薬剤探索の新指針に期待-. 京都大学プレスリリース. 2014-10-03.
著者
吉田 光演
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、ドイツ語指示詞der、英語this/that、定冠詞der、日本語指示詞コソアに着目し、先行研究の検討とWeb上のデータの比較を通じて、それらの意味の共通性と相違を考察し、次の点を明らかにした。(1)発話場面の直示と文脈照応の機能は指示表現という点で統一的に把握できる。(2)近接・遠距離の対立はドイツ語では明示的ではなく、近接と非近接のdieser, derの対比がある。(3)日本語のソ系とドイツ語derは、距離と無関係に話者の視点に応じて指示対象が変動する。それは、話者が直接に操作できない間接的参照視点が介在する変項解釈や、人称代名詞との対比で話題転換を導入する役割を果たす。
著者
石田 晴美
出版者
文教大学大学院情報学研究科
雑誌
IT News Letter
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-2, 2012

「2 番じゃダメなんですか?」2009 年の国の事業仕分け第1 弾「スーパーコンピューター開発」での蓮舫参議院議員の質問をご記憶の方も多いだろう.国の事業仕分けの原型は2002 年に地方自治体で始まった.国の事業仕分けは提言型政策仕分けと形を若干変えたが,地方自治体の事業仕分けは年々増加している.本稿では自治体の事業仕分けの現在の動きを紹介する.
著者
八木 久義 酒井 徹朗 大橋 邦夫 山本 博一 門松 昌彦 堺 正紘 有馬 孝禮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究によって、文化財修理用資析調査及び需要予測、高品位材の市場調査及び供給能力の予測、フィールド分布調査を整理した上で、分布台帳を作成するとともに、必要資材量について検討し、檜皮の剥皮実験を行った。その結果、1.文化財建造物の保存にとって修理技術者の育成と修理用資材の確保が不可欠であること、2.建造物文化財は、既指定数が増加傾向にあり、修理件数は必然的に増加すること、3.修理用資材を木材に限定した場合、その需要に対して重要な材は、樹種では、ヒノキ、スギ、マツ、ケヤキ、クリであり、材質等では大径材、高品位材、特殊材であること、4.一般市場に出回る木材は、規格材の生産に止まり、文化財修理に必要な木目の細い木目の詰んだ材は既に確保が困難な状況となっていること、5.大径材等については、天然林において修理用資材を採取出来る立木の確認が必要であり、これらの立木を育成できる森林を確保し、そのための育林方法の確立を図る必要があること、6.大径木のフィールド分布調査によると文化財修理用資材の安定的確保と言う観点からみて、大学演習林では十分な資源量とは言えないこと、7.供給サイドからはアカマツが資源として厳しい状況にあること、8.修理用資材の供給源の確保や整備を行うためには、修理用資材に求められる形質を明らかにし、立木の状態で選別できる基準を設定する必要があること、9.大経木のフィールド分布調査の対象を国有林や公有林に広げる必要があること、10.文化財の修理用資材確保を目的とした備林を設定する必要があること、11.文化財修理の資材調達の困難さの実状を社会的に明らかにし、森林所有者とともに、林業、木材業界全体の協力体制を大学演習林が率先してモデルを構築することが必要であり、それらを基礎に大学演習林を中心にして地域の関係者との体制作りへと進むべきであること、が明らかになった。
著者
森 英樹
出版者
福井県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、意味変化を分析する際に語彙的視点と構文的視点という2つの視点を想定することによって、同一構文の意味変化であっても、視点の違いによって文法化と見なせたり語彙化と見なせたりすることを示した。日本語と英語等の他言語における命令形表現を中心に、共時的・通時的データを収集・分析し、ケーススタディとして国内外での学会発表や論文を通して本分析の妥当性を検証した。本研究の成果は、今後、構文の概念を重視する認知言語学、構文化を扱う最新の意味変化理論といった関連分野における研究として発展させることができる。
著者
奥野峻弥 浅井洋樹 山名早人
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2014-DBS-159, no.12, pp.1-6, 2014-07-25

従来,著者推定研究は小説に対する著者推定を中心に研究が行われており,推定対象を限定した,少人数に対する著者候補者群が取り扱われてきた.これに対し,我々はマイクロブログを対象にした,不特定多数の候補者群に対する著者推定の提案を行った.その際,精度向上のためマイクロブログ特有の叫喚フレーズに対する正規化手法,および計算量削減のため推定に必要となるメッセージ数を削減する手法を提案してきた.本稿では,より多くのマイクロブログ利用者を対象にした著者推定を行う上での問題点,特に学習用データとテストデータの取得期間の差異が精度に与える影響について検証し,学習用データの取得期間が精度に与える影響を小さくする手法を提案する.実験では Twitter ユーザ 10,000 人に対して著者推定を行い,Precision@1 で 0.535,MRR で 0.602 を達成した.

1 0 0 0 OA 書評

出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.2_131-2_140, 1991-11-01 (Released:2009-03-31)
著者
持田 徹 垣鍔 直 堀越 哲美 桑原 浩平 窪田 英樹 松原 斎樹 くわ原 浩平
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

世界の二大指標であるISO-7730のPMV指標と,ASHRAE(米国暖冷房空調学会)の基準であるSET^*指標の長所・短所を整理した。そして,平均皮膚温およびぬれ面積率と心理量の関係を,熱伝達論および人体の温熱生理特性から検討し,椅座の被験者実験の結果から,新しい温冷感の評価法を提案した(持田・桑原・窪田・長野)。また,屋外における夏服と冬服の着用実験から,著者らが提案した日射の影響を組み込んだSET^*が屋外においても適用可能であることを確認すると共に,屋外熱環境評価のための新しい温熱指標として予想温冷感ETSを開発した。札幌・名古屋での温冷感・快適感申告データから,SET^*の温冷感中立域・快適域を決定した(桑原・堀越・持田)。汗による水分吸収により着衣の電気抵抗が変化すると考え,着衣面の電気抵抗を測定することにより吸汗量を推定する方法を実験により検討した。また同方法を用い,軽装時において,冬期と夏期に40℃に曝露したときの胸部,上腕部,大腿部の局所の放熱過程を測定した結果,皮膚面の受熱量は着衣の表面温度が低下し始めてから,冬期の実測では約10分,夏期の実測では約6分遅れて低下することを確かめた。(垣鍔)。さらに,人体と環境との対流熱交換量を正確に算定するために,椅座・立位時の対流に関与しない面積(非対流伝熱面積)の実測を行った。姿勢による部位別の対流伝熱面積の違いを明確にし,対流伝熱面積を考慮した立位と椅座時の平均皮膚温算出用の重み係数を提案した。全体表面積に比し,対流伝熱面積が小さいほどHardy-DuBoisの平均皮膚温との差が大きいという姿勢に依存する特性を示した(松原)。

1 0 0 0 IR 瀬川深論

著者
和田 勉
出版者
九州産業大学国際文化学会
雑誌
九州産業大学国際文化学部紀要 (ISSN:13409425)
巻号頁・発行日
no.58, pp.1-11, 2014-09
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.23, pp.248-249, 2007-08-20

本研究は、大学生を対象に、携帯メールで、立場の異なる相手から4種類の感情(怒り、罪悪、悲しみ、喜び)を生じる内容のメッセージを受け取った際に、どのようなメディア(携帯メール、PCメール、電話、手紙、対面)を使って返信をするかを調べた。さらに、どのようなメディアを使ったとき、自分の生じた感情を相手にどの程度伝わると思っているか、についても分析した。その結果、学生が、返信の際に使用するメディアと自身の感情がより伝わると思ってるメディアの間にずれがあることがわかった。
著者
村田 厚生 早見 武人 山本 豪志朗
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では,ドラーバーの安心感を高めるための警報システムの人間工学的設計基盤技術,居眠りによる自動車事故防止のための基盤を確立し,ドライバーの反応の正確さ・迅速さを保証するための触覚警報提示方法を同定した。また,ベイズ推定,多項ロジスティック回帰モデルを用いた居眠り予測ロジックを提案し,運転シミュレータを用いた検証実験によって, 90-96%の高い予測精度を得た。
著者
A.K.
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会雑纂 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.106, pp.11-16, 1931-01
著者
中嶋 貞雄
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.79-92, 1968-11-20

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