著者
平野 伸夫
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

温暖化対策の一つとして考えられているCO_2の地中貯留に関連して,秋田県奥奥八九郎温泉を対象に,現在でも活発に生じている炭酸カルシウム堆積物の 1)微生物代謝による生成2)溶液化学反応による生成 について検討した.その結果,1)に関しては微生物の存在は認められたものの,それが炭酸カルシウムの生成に結びついている確証は得られなかったが,2)に関しては温泉水中のFeイオンが炭酸カルシウムの生成に影響をおよぼしている可能性を見いだした.このFeおよび炭酸カルシウムに必要なCaはと地下の安山岩-玄武岩から供給されていると考えられ,このような岩質の場にCO_2貯留をおこなえば岩石化が促進される可能性がある.
著者
塩崎 美穂
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-9, 2003-03-10

The modern Japanese public day nurseries were formed for the lower strata of society after Kome-Sodo (Popular uprising against increasing the price of rice, 1918) as one of social services. In preceding historical studies on the early childhood care and education, the formation of the public day nurseries is considered to be "enlightenment" by governing classes. Most certainly, the nursery services aimed to support workings of the proletariat and reform poor families as the enlightenment, but in actual practices, nurses groped for "education" which deal with lives of the children who suffered extreme poverty (they were different from children of Kindergartens which the upper-middle classes used). Besides, the nursery services were great help to the parents in poor, and saved lives of children. The public nursery services had big significance of existence.
著者
加納 修
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

王の滞在地の特徴は、ゲルマン国家によってかなりの相違が見られる。メロヴィング王国ではしだいに農村の宮廷が好まれるようになっていったのに対して、西ゴート王国とランゴバルド王国では王は都市に住み続けた。これに対して、宮廷組織については、相違も見られるが、興味深い共通点も確認される。とりわけ、王国建設直後のゲルマン人の王たちが、王に従属する非自由人に重要な任務を委ねていたことである。こうした統治の手法は、既存の勢力、ローマ人貴族やゲルマン人有力者層の勢力拡大を抑制する目的を持っていたと想定される。
著者
星野 和子
出版者
早稲田大学日本語研究教育センター
雑誌
講座日本語教育
巻号頁・発行日
vol.第26分冊, pp.127-144, 1991-03-25
著者
福田 恵子 藤井 麻美子 深谷 直樹
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近赤外分光法による脳機能計測において、測定信号に含まれる姿勢変化等の外乱や感情等の情報を含む皮膚血流の影響を大脳皮質血流から分離する計測法に関する研究を行った。まず、提案する2種類の補正信号を用いる皮膚血流変化の影響の補正手段に関して、シミュレーション及びファントム実験により、有効性を確認した。また、手段の実現に適した信号の変調・復調方式を提案し、その動作をファントム実験にて確認した。また、生体計測においては、皮膚血流の補正信号を測定対象信号と同時に計測し、測定対象信号に含まれる外乱の影響を確認した。
著者
横山 茂樹 高柳 公司 松坂 誠應 大城 昌平 金々江 光生 東 英文
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.125-128, 1995-05-31
被引用文献数
12

足底部を氷水で冷却することにより, 同部の感覚を低下させることが, 立位姿勢調整及び歩行運動にどのような影響を及ぼすか検討した。対象は健常男子15名とし, 足底部を冷却する前後で, 立位時の重心動揺と歩行時の床反力を測定した。重心動揺の指標として, 重心動揺面積, 重心動揺集中面積, 重心動揺実効値とし, 床反力では垂直・前後・側方分力のピーク値及び足圧中心軌跡における側方への重心動揺振幅を検討した。立位時の重心動揺において, 冷却の前後では各測定値とも有意に増大した。しかし, 歩行時の床反力の各ピーク値及び側方重心動揺振幅に有意な差は認められなかった。以上のことから足底部からの感覚情報人力減少は立位調整に大きな影響を与えるが, 歩行運動においては影響が少ないことが推察された。
著者
芦部 洋子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.413, pp.82-86, 2009-06

左上:濃い味の「ロッソのカルボナーラ」(980円)。左下:軽い味の「マルゲリータ」(1050円)。
著者
平島 崇男 中村 大輔 苗村 康輔 河上 哲生 吉田 健太 大沢 信二 高須 晃 小林 記之 臼杵 直 安本 篤 Orozbaev Rustam Svojtka Martin Janák Marian
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

本研究課題では、世界で最も冷たい超高圧変成帯であるキルギス、最も温かい超高圧変成帯であるチェコ、その中間型である中国東部に分布する超高圧変成岩を対象とし、地下60-100kmでの流体活動の実態を明らかにし、超高圧変成岩の上昇駆動に関与する深部流体の役割の解明を目指した。超高圧時の温度が1000Cを超えるチェコの研究では、超高圧変成岩が上昇中に減圧部分溶融し浮力を獲得したことを見出した。超高圧時の温度が800C以下のキルギスや中国では、超高圧時でもローソン石・クロリトイド・Ca-Na角閃石等の含水珪酸塩が安定であり、ローソン石などは減圧時に脱水分解し周囲に水を供給していたことを見出した。
著者
山敷 潤子 照井 健 平井 裕一 長谷川 範幸 田村 美智子 石黒 敦 須田 俊宏 保嶋 実 庄司 優 蔦谷 昭司
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.3503-3506, 2002-12-10
被引用文献数
4 3

症例は30歳,女性. 2000年12月,腹痛のため近医で検査を受けたところ,低K血症が判明し当科紹介となる.低Mg血症,尿中Ca及び尿中prostaglandin E<sub>2</sub> (PGE<sub>2</sub>)正常という結果のため, Gitelman症候群とBartter症候群との鑑別診断に苦慮した.サイアザイド感受性Na-Cl共輸送体遺伝子(TSC遺伝子)の解析を行ったところ,エクソン16にヘテロ接合体を認めGitelman症候群と確定することができた.
著者
根岸 正光
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.13-18, 2006-05-26
被引用文献数
3 1

Since 2001 the author has been compiling university rankings for "The University Rankings," an annual publication by the Asahi Shimbun Company, based on statistical surveys on the ISI citation databases of Thomson Scientific. In this report, the historical developments in these 6 years are reviewed, and a new method of calculating number of papers and citations introduced for the 2006 edition is described with some related problems which are involved in these bibliometric statistics.
著者
澤田 一彦
出版者
滋賀大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

3D映像や組み立て自在の粒子模型を活用し,いかにすれば科学的思考力を高めさせることができるのかを実践で明らかにし,その有効性を検証することを研究の目的とした。3Dは,映像に現実味を持たせることに長けている。3Dによる資料提示は,一度に多くの生徒に注目させる必要があり,以下の点で偏光方式が適していた。●偏光による3Dは,アナグリフ方式と異なり,生徒の色盲・色弱に配慮する必要がない。●偏光による3Dは,片眼の生徒には2Dとなり,新たな差別を生まない。●コンテンツの投影・作成は,安価,簡単に導入できる。自作のマジックテープによる組立て自在な発泡スチロール球は,友だちと考えを交流ながら体験的に理解させることに長けている。従来のものと比較して,次のような利点があった。●みんなからよく見えることは,討論に適している。●価数にあたるマジックテープで組立てることにより,実在の物質を生徒が容易に作成できる。これらの教材を単発的に使用せず,次の点に留意して授業を設計し,関心・意欲を喚起する学びの誘い,生徒の考えを揺さぶる言葉がけ,驚きのある体験のしかけ,明らかにしたことを確かにする場面を構成した。●生徒の持っている知識,概念,イメージの誤謬,半わかりを明らかにして,生徒の科学的思考を高める。●予想や考察をモデルや文章でかかせて,生徒の科学的思考を高める。●的確な指示,考える観点を絞らせるような具体的な発問をして,生徒の科学的思考を高める。●生徒が考えを交流したり,練りあう場を設けたりして,生徒の科学的思考を高める。●学習内容を焦点化して,授業のねらいを明確にして,生徒の科学的思考を高める。成果と課題をまとめるにあたって,授業者による観察と質問紙調査を行った結果,図や文章では表現しづらい粒子概念の定着が図られ,発展的な内容に関して好奇心を満足させている生徒の変容が明らかになった。
著者
柏 大 藤木 直人 谷本 茂明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.13, pp.1-6, 1999-04-19
参考文献数
9

無線ネットワークの発達や携帯端末の小型化により、モバイルコンピューティング環境が整備される一方で、広域バックボーンネットワークの高速化、広帯域化も進んでいる。今後、様々なリソースがネットワーク上から利用できるようになることを考えると、リソースの持ち運びを制限されたモバイルコンピューティング環境下では、広域ネットワーク上のリソース利用によって快適性が更に向上すると考えられる。本稿では広域ネットワーク上のリソースを利用するために必要な、所望リソースを発見し、利用するためのリソースナビゲーション手法を提案する。更に、プロトタイプシステムの構築により提案手法の具現化イメージを示すとともに、実際の利用場面を想定したシミュレーションを行うことにより、ナビゲーションの的確性に関する有効性を示す。
著者
尾形 邦裕
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は人の持つ高度な運動スキルを解明し,ロボットの新たな運動制御法を確立することにある.本研究では,高度な運動スキルとして他者の身体を扱う動作に注目し,これを解析するために甲野善紀に実験協力を得た.そして片手で人を引き上げる動作,人を押す動作,竹刀で相手の姿勢を崩す動作など様々な動作の計測解析を行なってきた.そして各動作において動作の成否を分ける重要な運動特徴を抽出した.これらの運動特徴の有効性を検証する必要がある.そこで,片手で人を引き上げる動作及び押し動作において力学モデルを導出し,動力学シミュレータによってそのモデルの妥当性を検証した,その結果,いずれにおいても動作の主体者のみならず,受け手の運動も重要でありことが分かり,甲野は受け手に任意の運動を誘導することで少ない労力でタスクを成功させていることが分かった.本研究では,押し動作に注目し,解析から得た運動特徴に基づくロボットを開発した.押し動作では腕部の高剛性と全身を活用した瞬間的な加速度変化が重要であることが動作解析の結果から分かっている.腕部の高剛性は多関節筋の拮抗が重要な役割を果たしていると考えられ,これを実現するために空気圧人工筋をアクチュエータとして用いた.このロボットを用いた押し動作の実験の結果,受け手の運動誘導が確認され,運動特徴に基づくロボットの有効性が確かめられた.本研究で開発したロボットは運動特徴の重要な点を実装したに過ぎず,複雑な人の身体において運動特徴が重要な役割を果たしていることを正確には示していない.そこで,運動特徴をコツという簡易な表現にまとめ,このコツを人に教示することで動作に変化が生じるかどうかを検証した.実験の結果,コツの教示による主体者の運動に統計的に有意な変化が確認できた.このように,人の運動解析から重要な運動特徴を抽出し,その再現性,工学的応用などを示すことができた.

1 0 0 0 OA 芸妓唱歌

著者
日山豊次郎 (吐香情史) 著
出版者
北立館
巻号頁・発行日
1888
著者
関 良明 藤木 直人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.75, pp.17-24, 1993-08-27
被引用文献数
2

組織における知識の共有促進を目指して,コンピュータと通信ネットワークを利用したシステムの研究開発を進めている.その一環として,適用領域を単一グループ,単一サーバに限定したノウハウ蓄積システムFISHを構築し,2年間の利用実験を進めてきた.その結果,ネットワーク環境の進展に伴う分散環境への適用について,さらに検討を要することがわかった.本論文では,情報の有効範囲/ジャンル/用途等が同一な情報群,複雑なグループ構成,グループ構成と独立に構築されるネットワーク環境の3層に対応できる分散型ノウハウ蓄積システムGoldFISHの検討結果を述べる.Our research focuses on knowledge propagation in organizations. To cope with this issue, we developed FISH, which stands for Flexible Information Sharing and Handling system. FISH was designed to provide cooperative information sharing in a group work context and to support know-how information propagation. Based on the results from a two-year FISH experiment, adaptation to the following three layers; (1) information groups, (2) organizational structure, and (3) network environment came to be key issues. This paper presents design and method arguments on GoldFISH which consists of distributed servers.