著者
丸 浩一 藤井 雄作 太田 直哉 上田 浩 吉浦 紀晃 田北 啓洋
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では, PCとカメラを活用して市民が身の回りを確実に見守る社会の実現を目指すコンセプトと,暗号化保存によりプライバシーの侵害を回避するためのコンセプトを合わせた新たな防犯カメラシステムのコンセプトの普及を目的とした技術開発および実験を行った.その成果として,プライバシー保護機能を付与した様々な防犯カメラシステムを開発し,本コンセプトの適用形態を大幅に拡大した.また,社会実験を通じた検証を行った.これらの活動により,本コンセプトの大規模な普及への足掛かりを得た.
著者
赤坂 信
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.401-404, 1998-03-30
参考文献数
10
被引用文献数
3 3

ドイツを中心とした郷土保護運動はわが国にもほぼ同時代に紹介されていた。こうした紹介のなかで,何に関心が集中し,制度としての必要性を感じていたのかを明らかにしたい。郷土保護の国際会議に出席した石橋五郎の報告(1912)に寄せて黒板勝美(1913)は郷土保護の有用性(保存による国民の「元気修養の方面」)等について解題するとともにわが国の当時の保存の考え方を批判している。学術上の保存の根拠のほかに「社会人心に感化を及ぼす」伝説の地も保存の対象に加えるべしと黒板の考え(1912)は,後の神武天皇などの聖蹟さがしなどのフィクショナルなものと結びついていった。
著者
大橋 喜隆 川村 隆一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.541-554, 2007-06-30
参考文献数
15
被引用文献数
1

1996年から2004年の夏季に北陸地方でフェーン現象が発現した日を抽出し,中部地方を対象にフェーンとその状況下で形成される熱的局地循環の傾向と, GPS可降水量変動について考察した. GPS可降水量分布は,北陸地方の東部ではフェーンによる大気下層の乾燥傾向を反映するが,西部では太平洋側と同様に高い値を示した.フェーンが発現するような一般風が強い環境であっても,中部山岳域に熱的低気圧が形成される場合には北陸地方で日中に海風や谷風が生じ,フェーンの中断または弱化(フェーンブレイク)が生じる.熱的局地循環に伴うGPS可降水量の日変化は,夏季静穏日と同様にフェーン発現日においても夕方に中部山岳域で極大を示した.北陸地方沿岸域の中で日中にフェーンブレイクが見られる地域では,夕方にGPS可降水量の増加が顕著であり,フェーンに伴う南風と海風の間で水蒸気収束が発生していると考えられる.夜間にはGPS可降水量の高い領域が山岳風下側の新潟県の平野部へ移動する傾向が見られ,熱的局地循環によって山岳上空に輸送された水蒸気が,フェーンをもたらす南から南南西の一般風によって風下側へ輸送されたと考えられる.フェーンブレイクが生じていない事例では太平洋沿岸の可降水量が高く,中部山岳の風上斜面で降水頻度が高くなっており,熱的低気圧も形成されなかった.
著者
植松 光夫 河村 公隆 三浦 和彦 長田 和雄 鵜野 伊津志 向井 人史
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

大気・海洋表層の物質循環過程の定量的解析のため、海洋大気中の気体や粒子の分析法開発・観測・モデル計算を行った。陸起源大気粒子の沈着が含有鉄分により十分に植物プランクトンの大増殖を引き起こす可能性を観測から見出した。西部北太平洋の海洋大気粒子中の窒素や炭素の大部分は有機態であり、いずれも海洋起源であることを解明した。また、モデル、衛星データ等により黄砂が地球を一周半以上も輸送されることを発見した。
著者
矢野 真一郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

筑後川から有明海に流入した淡水の挙動を把握するために,GPS付き漂流ブイを利用したLagrange的観測を実施した.潮汐条件が中潮と大潮,筑後川の河川流量が平水時の55m^3/sから中規模出水時の1,678m^3/sまでの種々の組み合わせ条件下であった,2006年6/7と7/21,2007年7/17と7/28に現地観測を実施した.観測項目は,淡水塊の座標,流速,海洋構造(塩分・水温),水質(濁度・クロロフィルa・Ph),風向・風速である.観測は一潮汐(約13時間)もしくは半潮汐間(約8時間)に連続的に行った.観測結果より得られた主な知見は,以下の通りである.(1)風が弱い時,筑後川から有明海に流入した河川水の南北方向の運動に対しては圧力傾度力が,東西方向にはコリオリカが支配的である.(2)風が弱い時,筑後川から流入した河川水は一潮汐で西へ輸送され,移動距離は河川流量に依存する.特に,出水時は対岸の太良地先まで輸送され,一潮汐で諌早湾まで到達できる.(3)南風が強い場合,表層流が風の影響を強く受け,河川水が東岸に停滞する.次に,水平方向と鉛直方向の乱流拡散係数を推定するために,漂流ブイを複数浮かべる観測と乱流微細構造プロファイラーによる現地調査をそれぞれ4回と2回ずつ実施した.これらの観測結果より,水平乱流拡散係数は河川水の流入などの局所的な条件で異なり,1〜10^2m^2/sのオーダーをとることが分かった.さらに,鉛直乱流拡散係数は成層度,潮汐,潮時により大きく変動し,10^<-7>〜10^<-3>m^2/sのオーダーで変化していた.これらの成果は,有明海における流れの数値シミュレーションで未知のファクターである乱流粘性係数・拡散係数の評価と河川から流入する物質の湾内での輸送構造について,重要な知見を与えたものと考えられ,今後の計算精度の向上に寄与できる.
著者
仲山 英樹
出版者
神戸大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

【研究目的】植物の生産性を著しく減少させる塩ストレスの主要因であるNa^+毒性の分子機構を明らかにするために植物体内のK^+/Na^+輸送系の理解が必須である。本研究は、主要作物のイネに存在するHAK/HKT輸送体がK^+/Na^+輸送に果たしている役割を解明し、HAK/HKT輸送体を活用した耐塩性植物の分子育種を行うことを目的とする。【結果と考察】1. HAK輸送体ファミリーのクラスターIに属するイネHAK輸送体の解析HAK輸送体ファミリーのうち、高親和性のK^+輸送能を有すると推定されるクラスターIに属するOsHAK1, OsHAK5, OsHAK16, OsHAK20, OsHAK21, OsHAK22, OsHAK27の7つのHAK輸送体遺伝子の発現様式を解析した。その結果、OsHAK5は、K^+欠乏やNa^+ストレス下の根において恒常的に発現していたが、葉ではK^+欠乏により発現が上昇した。OsHAK1とOsHAK16はK^+欠乏やNa^+ストレス下の根において発現が上昇した。2. HKT/HAK導入による耐塩性植物の分子育種これまでに、OsHAK5を過剰発現したタバコ細胞の耐塩性が向上することが明らかとなったが、現在、形質転換イネの作製を進めている。Na^+輸送体OsHKT2 ; 1とK^+輸送能を獲得したその点変異体OsHKT2 ; 1S88G、K^+輸送体OsHKT2 ; 2をそれぞれ過剰発現する形質転換イネを作出した。各形質転換イネのT2個体で低K^+(0.3mM)、高Na^+条件(50mM)において水耕栽培を行い、生育を調査した。高Na^+条件では、OsHKT2 ; 1S88G系統とOsHKT2 ; 2系統で他の系統よりも生長率が高かった。このことから、高Na^+条件では、OsHKT2 ; 1S88GやOsHKT2 ; 2が、直接または間接的にイネの耐塩性向上に寄与していることが示唆された。
著者
GARCIADEBLAS B.
雑誌
Plant J.
巻号頁・発行日
vol.34, pp.788-801, 2003
被引用文献数
6 315
著者
大場 正昭 伊藤 一秀 小林 信行 倉渕 隆 菊池 世欧啓 菊地 世欧啓
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、様々な風向時における建物内外の乱流構造について風洞実験と数値シミュレーションにより検討し、局所相似モデルを提案し検証するとともに、開口部到達全圧の推定方法を提案した。得られた知見は次のとおりである。(1)アプローチフローが建物開口部に正対する条件では、建物前面下部に形成される循環流と開口部直上面を下降する気流との相互作用により、下向きの運動量輸送が開口部直前で増大し、流入気流が開口部を急激に下降しながら室内に流入した。開口部の圧力損失係数は流入角と風向角に依存した。(2)建物内外の乱流構造の把握を自的とした風向正面の場合の通風気流に関する乱流モデルの予測精度検証を行った。LKモデル,LK改モデルは、標準k-εモデルでは困難である建物前面下部の大きな循環と流入気流の下降をある程度再現し,流入乱流エネルギーの過大評価を緩和できた。LESモデルは通風量,風速ベクトル,乱流エネルギー,風圧係数等の統計量に関して風洞実験結果とよく対応し,k-εモデルに対し大きな改善が見られた。(3)開口部の流管形状解析から、開口部付近の短い区間での加減速の影響により,この区間の流管形状に大きな変化が生じていることが明らかになった。(4)様々な風向における通風時の乱流構造の把握において,風向角変化に伴う圧力変化について考察し,風向45゜まで全圧が概ね一定,以後低下する原因は風上コーナーでの気流の剥離に伴う乱流エネルギー生産でことが判った。(5)通風の局所相似性の仮定に基づく通風量予測モデルを提案し,妨害気流の横風成分が強い通風気流に対して.局所相似モデルは風向角に依らず一意的に開口部の流入特性を表現できることを示した。(6)壁面近傍の動圧測定値を風圧に加算して、開口部到達全圧を簡便に推定する方法を提案した。今回のケースでは開口部長辺の1/4程度壁面から離れた地点の動圧を用いることが適当であり,全圧の簡易測定結果は直接測定結果とよく対応した。
著者
坪郷 英彦
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中国5県で活躍する草葺き屋根職人の所在調査と、地域ごとの屋根型、技術、道具の違いを調査した。その結果、環境と人の暮らしの立場から山地と平野部の屋根の屋根勾配の違い、千木の有無の違いを明らかにした。近代産業と在来技術の関わりの視点から芸州流と呼ばれる広島県の職人、出雲の職人について、技術の特徴と職人像を明らかにした。
著者
直江 寛明 松田 佳久 中村 尚
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.687-700, 1997-06-25
参考文献数
10
被引用文献数
2

色々な基本場におけるロスビー波の伝播の様相を球面上のバロトロピックモデルの時間積分によって研究した。初めに、理想化した基本場における伝播を調べた。東西一様の基本場が強いジェット気流を持つ場合は、ジェット気流はロスビー波の導波管の働きをする。平均流と東西波数1 (又は2) の重ね合わせで基本流が構成されているときは, ジェットの入口から射出されたロスビー波はジェット気流の入口と出口の間の経度 (西風が強い所) を速やかに東に伝播する。そして、その波はジェットの出口付近で停滞し、そのエネルギーはそこに蓄積する。基本流の東西非一様性が大きいときは、基本流が順圧的に不安定になる。しかし、この不安定は弱いので、伝播の様相がこの不安定の影響を受けることはなかった。一方、基本場からの運動エネルギーの順圧的変換も波のジェットの出口付近での増幅に重要であることもわかった。つまり、ジェットの出口付近での波の増幅は、上流のエネルギー源からのそこへの波のエネルギー伝播とそれに基づくそこでの順圧的変換による増幅と理解される。次に、冬 (12月から2月) の観測データから得られた1か月平均の300hPa面での流れを基本流として、そこでの波の伝播を調べた。1986年の12月の場合、アジアジェットの入口と出口の間を東ヘ伝播したロスビー波はジェット出口付近で進行を妨げられ、その付近に停滞した。1984年1月の場合は、ロスビー波の経路はアジアジェットの出口において北大西洋ジェットに接続する東向きの経路と赤道向きの経路とに分岐した。このようにロスビー波の伝播特性は基本流の分布に強く依存することが例示された。
著者
岡 泰資 須川 修身
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

横風の影響を受けた火炎形状,熱気流性状を把握するために,単一および複数火源を用いた模型実験を実施し,以下の事項が明らかとなった。(1)横風を受け下流側に傾斜した単一火源上の火炎の高さおよび傾斜角度を,発熱速度と横風速度の複合関数で表した関係式を導出した。さらに,火源規模および形状を変化させた実験結果を基に,無次元発熱速度で0.05<Q^*(Q^*rec)<12.75,さらに正方およびアスペクト比が1:6の矩形火源まで適用可能となった。(2)横風を受けた火災プリューム主軸の軌跡をロジスティック曲線で近似した予測式を提案した。さらに横風速度の影響を加味した形でこの軌跡に沿った移動距離と温度減衰の関係を表した関係式を提案するとともに,この温度上昇,外気速度および移動距離を変数として,主軸に沿った温度上昇と熱気流速度の関係式を導いた。(3)横風を受けた熱気流が作り出す温度場の結果を基に,温度で定義したプリューム幅を求め,火災プリュームの断面形状を実験的に明らかにした。さらにこの半値幅を用いて,火源から運ばれてきた熱と横風により上流側から運ばれてきた熱の和として火災プリューム内の温度分布が表現出来ることを示した。(4)2種類のCFDコードを用いて,有風下の火災プリューム性状の再現性を検討した結果,燃焼モデルの適用と火源への発熱速度の与え方を同時に工夫することで,連続火炎領域の高さや火災プリュームの主軸位置をある程度再現できたが,温度減衰性状は計算コードによる違いが著しく,また実測値と異なる結果となった。(5)有風下における複数火源からの火炎および熱気流性状に対して,模型実験の実験結果と比較することで,単一火源上に形成された火災プリューム性状に関する既存の予測式がどこまで適用可能であるかを検討した。
著者
金子 成彦
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

入眠予兆信号とは、人間が眠りに入る少し手前で観察される前兆信号のことで、本研究では、これまで行なってきた入眠予兆現象の研究内容を掘り下げて学理に繋げるための研究を行った。本研究は、センサーの精度に関係する、設計条件、使用条件、外乱要因の把握による設計方法の提案を目的とする部分と、カオス解析、ウェーブレット解析、ケプストラム解析の3つの手法による入眠予兆信号の抽出方法と発生時期の相互比較、および、入眠予兆現象の原理と測定原理を表すことが可能な数学モデルの提案の3つのパートによって構成される。平成20年度は、エアパックセンサーの精度に関する検討、平成21年度は、解析手法間の相関に関する検討、平成22年度は、測定原理を表すことが可能な数学モデルの検討と入眠予兆現象捕捉のための新たな手法の提案を行った。平成22年度の研究成果は、以下の通りである。本研究では、脈波の揺らぎから入眠予兆信号を取得している。ドライバーの邪魔にならない場所で非侵襲で脈波の情報を取得するために、運転席シートの背部に取り付けた空気圧の変化を利用したセンサーを使用している。本年度は、測定原理を明らかにする目的で、脈波伝達経路を表現することのできる伝達関数を求めことに成功した。心臓の拍動が背部大動脈血管伝わる仕組みについて解析可能な動脈網モデルによる脈波伝播シミュレーションを行い、血管内の圧力が筋肉、皮膚、衣服を経由してセンサーに到達するまでの経路について解明することができた。また、昨年度の研究で見つけた新たな処理方法である、「ヒトの眠気をスリープスコアという点数で表現する」方法を被験者数を増やして実施し、成果を論文発表した。
著者
吉井 和佳 後藤 真孝 奥乃 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.127, pp.55-60, 2003-12-21
参考文献数
8
被引用文献数
6

本稿では,実世界の音楽音響信号を対象としたドラムスの音源同定について述べる.このような音響信号に対してドラムスの音源同定を行う上での問題点は,曲ごとにドラムスの音色が大きく異なり,対象曲に使用されているドラムスの正確なテンプレートが事前に用意できないことである.我々は,この問題を解決するために,新しいテンプレート適応手法とテンプレートマッチング手法を提案する.まず,テンプレート適応手法を用いて,各ドラムごとに1つの基本テンプレートを,対象曲中に使用されているドラム音に適応させる.次に,距離尺度を改良したテンプレートマッチング手法を用いて,ドラムスの音源同定を行う.ポピュラー音楽を対象にした音源同定実験の結果,テンプレート適応により,バスドラムとスネアドラムの平均認識率が68%から85%まで改善された.This paper describes drum sound identification for real-world polyphonic musical audio signals. The most critical problem with drum sound identification is that acoustic features of drum sounds vary with each musical piece, and thus we cannot prepare their precise templates in advance. To solve this problem, we propose new template-adaptation and template-matching methods. The former method adapts a single base template model prepared for each drum sound to the corresponding drum sound appeared in the target musical piece. The latter method uses the distance measure that enables the adapted templates to be matched with the corresponding sounds in a mixture of them and other instruments. Experimental results showed that the average accuracy of identifying bass and snare drums in popular music is improved from around 68% to around 85% by the template adaptation.
著者
中地 映司 池田 惣一 金 裕哲 中辻 義弘 堀川 浩甫
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 : quarterly journal of the Japan Welding Society (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.535-540, 1997-08-05
参考文献数
7

The dissimilar materials welded joints of high manganese non-magnetic steel/carbon steel(hereafter refered to as DMW joints), in which weld defects such as hot crack or blowhole are not found, were the good quality. Tensile strength of DMW joints was 10% higher than that of the base metal of carbon steel. In the bend tests, the DMW joints showed the good ductility without crack. Charpy absorved energy at 0 (℃) of the DMW joints was over 120 (J) in the bond where it seems to be the lowest. Large hardening or softening was not detected in the heat affected zone. Fatigue strength of the DMW joints is almost the same with that of the welded joints of carbon steel/carbon steel. As the fatigue strength of the DMW joints exceeds the fatigue design standard curve of JSSC for carbon steel welded joints, the DMW joints can be treated the same as the welded joints of carbon steel/carbon steel of which strength is lower than that of high manganese non-magnetic steel, from the viewpoint of the fatigue design.
著者
小林 章夫 永富 友海 高橋 和久 高岸 冬詩
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

当研究の主たる目的は、文学と教育を関係づけ、文学教育の新しい可能性を探ることである。そのために次の2点の企画をおこなうことにカを注いだ。1.代表者の小林章夫がコーディネーターとなり、上智大学で翻訳の輪講授業を導入した。この授業では、プロの翻訳家の方々に順次講義をお願いし、現在、上智大学においてもっとも人気の高い授業のひとつとなっている。2.現在活躍中の若手作家を少人数のゼミにお招きし、読書をめぐる討論会をおこなった。うち2回についてはあらかじめテクストを決定し、それについての読書アンケートを作成、学生に回答させておいた。討論会の講師としてお招きした作家と議論の対象にした作品は以下のとおりである。 (1)2005年度恩田陸氏『夜のピクニック』 (2)2006年度宮部みゆき氏 (3)2007年度万城目学氏『鹿男あをによし』どの講演会も、学生からの活発な質問と、作家の方々の気さくな受け答えにより、盛況のうちに終わり、読書体験の少ない学生たちの、文学作品への関心を高めるという目的を、十二分に達成することができた。
著者
小沢田 正 中田 瑛浩 久保田 洋子
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

臓器の病変をいかに早期にかつ正確に把握するかは,今や医療診断の中心課題である.CTの発達した現在でも,高い信頼性を要求される臓器組織の確定診断においては生検またはポリペクトミ-による微小組織片の摘出とその組織病理検査に頼らざるを得ない.そこで本研究では,病理学とは全く異なる動力学の視点からの診断を考えた.すなわち摘出された微小組織の一部を用い,病変によって生じた力学特性の変化を検出することによって,その場で短時間に信頼性の高い臓器組織の病変情報を提供し得る新たな診断方法の開発を試みた.以下,本研究により新たに得られた知見の概要を述べる.1)ダイナミックダンパーの原理を応用し,臓器軟組織の動力学的な物性値測定を可能とする動的試験法を開発した.また,この手法を応用したヒト前立腺組織,ラット大動脈組織を始めとする泌尿器科臓器組織の迅速かつ高信頼性を有する新たな臨床病変診断システムの実現に一歩近づいた.2)ごく微小なはりに生体軟組織片をダイナミックダンパーとして作用させ,その振動吸収能を計測することにより逆問題的に生体軟組織の動的物性値評価を行う手法を初めて提示した.これにより,はり質量の百分の一以下,数mg大の超微小生体軟組織片の固有振動数,弾性係数,粘性減衰係数などの動的物性値測定が可能となった.3)シンプルな動的試験法であり大がかりな測定装置を必要とせず,その場で迅速な計画が可能なため,軟組織の臨床診断法として最適であることが分かった.
著者
池田 浩敬 中林 一樹
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.1, pp.125-130, 1999-11
参考文献数
6
被引用文献数
3

The purpose of this study is the production of a knowledge for preparedness of recovery and reconstruction measures. In this case study of the 1995 Great Hanshin-Awaji Earthquake, we estimated the degree of social/economic damage such as the decrease of population, amount of sales, number of shops and factories, manufacturing products and so on after the earthquake by 18 municipal regions that were damaged severely. Additionally we analysed the relationship between those damages and characteristics of local economy and society. As a result, the degree of population decrease is related closely to houses damage ratio, owner-occupied house ratio and low-income ratio. The damage of manufacturing is also related to damage ratio of buildings, but not to productivity. The damage of retail is related to the decrease of population as regional consumers.