著者
宍戸 周夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.632-633, 1999-06-15

米コンパックコンピュータは, 2年に1度開催するプライベートショー「INNOVATE FORUM (4月13日〜14日, 米ヒューストン)」で新戦略「NonStop eBusiness」を発表した. e-businessはIBMの専売特許と思われていただけに, コンパックの突然の競合宣言は大きな話題を集めた. しかしその直後に戦略を発表したエッカード・ファイファー社長兼CEO(最高経営責任者)自らが辞任, 米企業経営者の業績に対する責任の厳しさを改めて思い知らされた.
著者
松本 透 水谷 長志 尾崎 正明 市川 政憲 田中 淳 中林 和雄
出版者
独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本年度は、平成11-12年度の調査を引き継ぎ、主に以下の調査・研究を行った。1)ドイツを代表する日本美術研究家であるイルムトラウト・シャールシュミット=リヒター氏を招聘し、平成10-11年に、同女史をゲスト・キユレーターとして当館ほかの協力のもとにドイツ2都市で開催された「もう一つの近代-日本の絵画1910-1970」展の反響や受容について報告を受け、今後の海外における近代日本美術の紹介のあり方について協議するとともに、当館が開催した「未完の世紀-20世紀美術がのこすもの」展等について意見交換を行った。また、別途来日した国立エルミタージュ美術館アジア部アレクセイ・ボゴリューボフ氏(日本美術担当学芸員)を招いて研究会を開き、ロシアにおける日本美術研究の現状・態勢について口頭発表いただき、意見交換を行った。2)BHA(Bibliography of History of Art}などの文献検索年鑑誌、『東亜美術史』(独)、Japon Pluriel(仏)をはじめとする学界報、および前年度までに収集した単行書、学位論文、展覧会図録等について目録化のための入力を引きつづき行った。3)研究成果報告書の作成を行った。
著者
鈴木 順 馬場 輝幸 飛鷹 洋一 樋口 淳一 加美 伸治 内田 智士 高橋 雅彦 菅原 智義 吉川 隆士
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.7, pp.1-8, 2010-01-20
参考文献数
21
被引用文献数
1

クラウドコンピューティングでは、サービスの実施状況にあわせた性能スケールアップが求められる。しかし、計算システムの性能を大きく左右するメモリは各コンピュータに個別に搭載されている以上の拡張は困難である。本稿では、PCI Express (PCIe) にフラッシュメモリコントローラを直結した PCIe 型 Solid State Disk (SSD) を我々の開発した PCIe over Ethernet 技術、ExpEther でネットワーク接続し、これを仮想メモリに割当てる事でシステムメモリの拡張を実現した。SSD へはイーサネット越しに Direct Memory Access (DMA) による高速低遅延データ接続が行え、これをスワップデバイスとして用いることで、ソフトウェアとハードウェアとも市販のままで簡便にメモリ拡張が可能となる。これを用いて実機により、データベースのベンチマークで 2 GB のローカルメモリに対して 10 GB の DB サイズを取っても十分なシステム動作が得られる事を確認した。For cloud computing, computer infrastructures need to provide computing resources adaptively, in accord with the resource utilization. Resources include, however, local memories that cannot exceed the amount loaded to each computer. We present a method for adaptively attaching a PCI-Express-based solid state disk (SSD) to a computer and expand its local memory using virtual memory system. We use PCI Express (PCIe) over Ethernet technology "ExpEther", to interconnect a computer and an SSD via a standard Ethernet. The data transfer between the local memory of the computer and the SSD is performed with direct memory access (DMA). Assigning an SSD to a computer as a swap device allows the local memory of a computer to be expanded without any change to current software or hardware. With our proposed method, we are able to achieve a database benchmark output maintaining its performance even when 10-GB database size is loaded to a 2-GB local memory system.
著者
姫岡 とし子 中川 成美 池内 靖子 松本 克美 立岩 真也 二宮 周平 松井 暁
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、1、労働概念が男性の多い有償の経済労働を中心に組み立てられ、2、職業/家事、正規社員/パートなどジェンダー問でさまざまな境界線が引かれ、3、労働法も中立ではなく、4、労働研究がジェンダーの構築に関与している、という多様な意味合いで、労働がジェンダー化されていることを出発点とした。そして概念、制度、労働分担、働き方、セクシュアリティなどにいかにジェンダーが組み込まれているのかを、その変容過程も含めて考察し、また分析するために、歴史、社会学、法学、政治学、経済学、表象の分野で学際的な研究を行った。本研究では、労働の脱ジェンダー化に向けての提案も行った。本研究の過程で、「労働のジェンダー化」シンポジウムを開催し、制度面と表象面の2つの側面から、買売春やアンペイドワークなど、従来の労働概念に含まれていない労働も含めて考察した。その成果は、『労働のジェンダー化-揺らぐ労働とアイデンティティ』として平凡社から2005年に公刊されている。労働のジェンダー化は、家族と密接に関連している。家族については、歴史的観点から、日独の近代家族の形成と現在における家族の個人化について考察し、未完に終わったととらえた資本制と家父長制をめぐる論争に関して、性別分業がなお存在しつづけている理由とそこから誰が利益を得ているのかが検討された。家族法では、女性差別撤廃条約の視点から民法改正がなされる必要性が指摘された。また教育現場のセクシュアルハラスメントに関して、当該機関に環境配慮義務のあることが指摘された。表象については、アングラ演劇をマスキュリニティ構築のパフォーマンスとして読み解いている。
著者
阿部 定範
出版者
慶應義塾大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

新鮮手術材料を用いた検討では、新鮮胃癌細胞を対象とした時のカットオフ濃度である30μg/mlにおける抑制率(IR_<30>)は0.18〜63.5%に分布し平均±標準偏差は35.2±15.3%あった。同一患者から採取された胃癌細胞および脾細胞に対する脂肪親和性陽イオン/Delocalized lipophilic cations(DLCs)の抑制効果は、腫瘍細胞に対しては明らかな濃度依存的な抗腫瘍効果を示したが、脾細胞に対しては有意な細胞障害性は示さなかった。すなわち、DLCsは同一宿主に由来する腫瘍細胞と正常細胞に対しても選択的な毒性を持つことが示唆された。ヌードマウス可移植性ヒト癌株に関する検討では、大腸癌株Co-4におけるDLCsの抗腫瘍効果は7.5mg/kg/日が、14日間腹腔内に投与された群においては対照群と同様な腫瘍増殖が示されたのに対し、浸透圧マイクロポンプを用いて同量が持続皮下投与された群では相対腫瘍重量T/C値の最小値が59.0%と境界的な抗腫瘍効果が認められた。この結果から、DLCsの同等量投与においては持続投与の方が間欠的投与よりも抗腫瘍効果が高いと考えられた。また、CRL1420、St-4、およびCo-4の3株に対して浸透圧マイクロポンプを用いた20mg/kg/日、7日間の持続皮下投与を行った結果、実験期間中の相対平均腫瘍重量T/C量の最小値が42%以下となり有効と判定された。本投与量におけるマウスの衰弱死亡は認められず、体重減少も20%以下であり、本投与法における最大耐容量と考えられた。実際にHT29に対しては40mg/kg、LST174Tに対しては30mg/kgの浸透圧マイクロポンプを用いた連日投与を行ったが、マウスの衰弱死亡が確認され、本投与方法における最大耐容量は20mg/kg/日、7日間の持続皮下投与であると考えられた。
著者
坂田 勝 阿部 博之 大塚 昭夫 北川 浩 宮本 博 青木 繁
出版者
東京工業大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

各研究分担者は当初の計画に従って研究を行い、開口および混合モード負荷を受けるき裂先端の弾塑性変形について解析および実験を行った。宮本・菊池・町田は、先端に巨視的ボイドを有するき裂について微視的ボイドの存在をモデル化したガーソンの構成式を用いて有限要素解析し、き裂とボイドの相互作用および合体について研究した。大塚・東郷は、混合モード負荷を受ける切欠きおよびき裂の挙動について有限要素法解析および実験をおこなった。切欠きについては、モードI負荷成分が大きいときの開口型き裂の発生は限界ボイド率によって予測できるが、モードII成分が大きいときのせん断型き裂の発生の予測は困難であった。き裂についても開口およびせん断型き裂が進展し、J積分による予測が可能なことを示した。坂田・青木・岸本は、混合モード負荷を受けるき裂について有限変形理論に基づく有限要素法によって、き裂先端に一個の巨視的ボイドが存在するモデルについて解析した。ボイドがき裂の鈍化側に存在するときには、き裂先端の塑性ひずみおよびボイド率の増加に寄与し破壊を促進するが、き裂の鋭化側に存在するときは相互作用しないことを示した。北川は、現象論的な構成式を用いないで、微視的なすべり機構を考慮した有限要素法シミュレーションを行って、き裂の開口形状を解析した。共役2すべり系による解析が実験結果とよく一致することを示した。阿部・坂は、有限要素解析およびすべり線場解析を行うとともに実験を行って、モードI負荷をうけるき裂の進展を規制する量として強変形域塑性仕事の概念を、混合モード負荷については一般化き裂開口変位の概念を導入し、これらがき裂の発生および進展を規制するパラメータであることを示した。
著者
田村 光 阿部 定範 杉浦 功一 前田 真悟 池田 信良 小島 正夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.1662-1665, 2006-07-25
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

症例は, 73歳,男性.平成13年11月胆石にて腹腔鏡下胆嚢摘出術施行.術中胆嚢が穿孔し,胆汁が腹腔内にこぼれた.摘出胆嚢は肉眼的に腫瘍を認めなかったため,病理検査は,一割面のみに行われたが,明らかな悪性所見は認めなかった.良性胆嚢と判断されたため,胆嚢は特に保存はされず廃棄された.<br> 平成15年6月臍部痛にて当科受診.腹部エコー, CTにて臍のすぐ尾側の腹直筋内に辺縁不整な腫瘤像を認め,切除生検にて腺癌の転移と診断されたため,入院の上,平成15年8月腫瘍を含む腹壁を切除した.腹膜播種を疑う明らかな所見も認めなかった.組織学的に高分化腺癌の転移と診断された.明らかな原発部位を同定することはできなかった.平成16年1月再度腹壁に再発し, 2月より照射施行(58Gy/41回/29日).一旦腫瘍は縮小したものの,再増悪を認めたため,抗癌剤(CDDP+5-FU)を開始したが軽快せず,全身状態悪化し2004年7月死亡した.
著者
田中 暉夫
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

土壌や根圏に生息する微生物である枯草菌は細胞外に多量の蛋白質分解酵素であるプロテアーゼを分泌する。プロテアーゼの役割は、細胞の周辺にたまたま存在する動植物の破片やその細胞内容物に含まれるタンパク質をアミノ酸またはペプチドにまで分解し、細胞に取り込まれる形にするものと考えられる。しかし、枯草菌は必要な時にだけ、すなわち、栄養が不足した時にだけプロテアーゼを分泌する。本研究は、このような制御のメカニズム解明を試みた。その結果、グルタミン合成酵素が細胞内の栄養(窒素源)状態を感知し、その制御下にある種々の転写制御因子をコントロールしてプロテアーゼの産生を制御しているという結論を得た。
著者
キヤンベル ニツク 定延 利之 柏岡 秀紀
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究のはじめに「対話構造」、「アクティブ・リスニング」を主なテーマとして、招待講演や国内および国際会議での発表を多く行った。本プロジェクトにより、新たな技術を得てはいないが、自然音声対話に関しての合成と認識手法に関して理解を深めることが可能となった。また本研究はEUのプロジェクトであるSocial Signal Processingに影響を及ぼした。さらに大規模マルチモーダルコーパスを数カ国の大学と協力して収録し、ウェブページhttp://www.speech-data.jp/nick/mmx/d64.htmlにそのデータベースを掲載した。最後に本研究で開発された画像処理モジュール、音声処理モジュールを含み、簡単な会話が可能なロボット"Herme"を完成させた。"Herme"は現在アイルランドに展示されており、ロボットとの対話音声コーパスの収録を行っている。
著者
北村 有紀子
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 (ISSN:13446622)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.45-57, 2005-03-20

This study aims to investigate how the Jewishness is portrayed in Anita Brookner's seventeenth novel, Visitors. The protagonist, Dorothea May, is "English," and her late husband, Henry, and his relatives are "Jewish." However, it is Dorothea who is mentally the outsider. Moreover, after a dream about a sunless vision of Heaven, which is reminiscent of a painting by L.S. Lowry, Dorothea starts to seek for another Heaven in the sun, i.e., the Israelite vision of the Old Testament. It is clear that Dorothea possesses both "Englishness" and "Jewishness." This contradictory situation of Dorothea's identity could be explained as characteristic of Brookner's diasporic British-Jewish writing.
著者
小野 幸子 阿相 英孝 杉井 康彦 安川 雪子
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

シリコンを始めとする半導体基板, GaAsに代表される化合物半導体基板,さらにアルミニウム,チタンなどの軽金属基板上に,既存のフォトリソグラフィー技術を用いずに,物質固有の自己組織化能を最大限に活かした湿式プロセスで,規則性を持つナノ・マイクロ構造体を容易かつ高精度に作製するプロセスを開発した。
著者
小川 泰右 山崎 友義 池田 満 鈴木 斎王 荒木 賢二 橋田 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.461-472, 2011 (Released:2011-04-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

It is ideal to provide medical services as patient-oriented. The medical staff members share the final goals to recover patients. Toward the goals, each staff has practical knowledge to achieve patient-oriented medical services. But each medical staff has his/her own sense of value that comes from his/her expertness. Therefore the practical knowledge sometimes conflicts. The aim of this research is to develop an intelligent system to support externalizing practical knowledge, and sharing it among medical staff members. In this paper, the author propose a method to model the sense of value of each medical staff as his/her understanding about medical service workflow, and to obtain the practical knowledge using the models. The method was experimented by an implementation of knowledge-sharing system base on the method and by its trial use in Miyazaki University Hospital.
著者
今中 哲二 川野 徳幸 木村 真三 七澤 潔 鈴木 真奈美 MALKO Mikhail TYKHYY Volodymyr SHINKAREV Sergey STRELTSOV Dmitri
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

旧ソ連での原子力開発にともなって生じたさまざまな放射能災害について、現地フィールド調査、関係者面談調査、文献調査、関連コンファレンス参加といった方法で実態解明に取り組んだ。具体的には、セミパラチンスク核実験場の放射能汚染、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染、マヤック原爆コンビナートからの放射能汚染、原子力潜水艦事故にともなう乗組員被曝といった放射能災害について調査し、その結果を論文にまとめ学術誌に投稿するとともにホームページに掲載した。