著者
シンディ バイシャリ
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

酸化亜鉛(ZnO)と酸化チタン(TiO_2)のコアシェル(core shell)構造を利用した高効率色素増感太陽電池(DSSC)の作製を目指して研究を行った。コアシェル構造は、ディップコーティングで形成したTiO_2膜とZnOナノロッド(NR)、スクリーン印刷で形成したTiO_2粒子とZnO NR,そして数10nm長のZnO NRとTiO_2粒子の混合物からなる3種類である。これらの構造を用いて色素増感太陽電池を作製し、その性能を調べた。
著者
木原 均 フロラ リヱンフェルト
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
遺伝学雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-28, 1934
被引用文献数
26

細胞核の全部又はその一部がその細胞より隣りの細胞へと移動する現象を核脱出(Cytomixis) と呼んで居る。この現象は植物界に廣く存在して居る。筆者等は <i>T.aegilopoides</i>×<i>Ae. squarrosa</i> の花粉母細胞成熟分裂各期を研究の結果 Cytomixis を二つに分類すべきを提唱した。<br>(1) 嚴密なる意味の核脱出(Cytomixis <i>s. str.</i>)<br>(2) 核移住(Kerneinwanderung)<br>(1) 脱出する核物質は核の一小部分にして略一樣に染色し網状構造を示す事なし。これはレプトネマ頃に起る。多くは固定時に於ける人工的産物と認めらる。脱出はある一方向に向つて進む事多し、葯の上(下)端より中心に向ふが普通なり。<br>(2) は核の全部又は比較的大なる部分が隣細胞に移る。移住核(又は移住分核)は網状の構造を有す。との現象はレプトネマより第一分裂メタフェースに至る何れの時期にも見られる。自然状態にて起る現象で、恐らく外的誘因(例へば温度の變化)によつて惹起さるものなるべし。<br>移住核が完全なるゲノムを有する場合(即ち全核の移住せる場合)は移住後と雖も普通の生長を續け、主核と同時に第一成熟分裂を行ふ。その際兩核は同時に核膜を消失して合一し1分裂像を作る。之がためにシンディプロイド核(4x)の形成を屡々見ることあり。移住分核は副核を形成す。副核には大小ありて、その數は1母細胞につき1-5個を算ふる事あり。移住後の副核の運命は追求容易なり。一路退化の道程を辿るも甚だ複雜である。その模樣は挿圖に明示されである。<br>純粹種(<i>T. aegilopoides</i>)に於ても兩現象は發見された。併し後者では(2)は稀れである。
著者
角田 忠信
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.252-271, 2005-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
五福 明夫 永井 伊作 永谷 圭司
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

人間が生活する環境において移動マニピュレータが対象物を探索・把持することは,現在のセンサ技術では,非常に困難である.そこで本研究では,対象物にデバイスを取り付け,このデバイスとロボットに搭載したマーク認識デバイスが通信を行うことで,対象物の識別と位置の確認を行うシステム(インテリジェントマークシステム:IMS)を構築し,さらに獲得した情報をもとに,移動マニピュレータによる対象物の把持・運搬の動作の実現を目指した研究を行った.IMSは,環境に存在する様々な物体に貼付し,それぞれのIMSは識別コードを記憶することが可能である.このIMSから発信する情報を,ロボットに搭載したマーク検出デバイスにより獲得することで,対象物の認識を行うことができる.平成15年度には,平成14年度に作成したプロトタイプのマークを,2cm角の基板上に搭載し,小型のマークを実現した.また,マーク検出デバイスについては,多数の物体に貼付した識別コードの中から特定のグループまたは特定のマークだけを呼び出し交信する機能を実現した.また,このマーク検出デバイスを小型移動マニピュレータに搭載した.さらに,マークの位置認識を行うため,マーク検出デバイスには,視野の広い全方向カメラと,視野の比較的狭いハンドアイシステムを利用したステレオ視システムを導入した.以上に示した通り,本申請研究の2年目には,環境内や対象物体に貼られた小型の複数のIMSとロボットが通信を行う基本システムが完成した.さらに,このシステムを利用し,環境に固定されたIMSとロボットの通信によるロボットの自己位置の推定,環境中の障害物に貼られたIMSとの通信による,障害物の位置認識,さらに,対象物に貼られたIMSによる対象物の把持動作を実現した.
著者
深澤 大輔
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.48, pp.57-60, 2005-07-10

本報では、半蔵金について概観した。今後、被災後の生活と空間の実態調査を行いたいと考えているが、内容を要約すると以下の3点となる。(1)半蔵金は豪雪・過疎・超少子高齢集落である。(2)マキ集団が発達し、その相互扶助により生活機能が維持されてきたと言えるが、現在は殆ど機能していない。(3)新しい地域生活維持機構の創設が求められる。以上のことを踏まえ、今後、この栃尾市半蔵金をはじめとする山古志村・川口町などの中越地震被災地における中山間地農村の復興に当たる必要がある。
著者
和田山 正
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.63-69, 2010-06-05 (Released:2010-07-30)
参考文献数
7

圧縮センシング(compressed sensing)は,スパース信号に対するサンプリング理論である.ランダム線形測定過程により得られるサンプル信号からの原信号の再現可能性,計算量の少ない再現アルゴリズムの構成が圧縮センシングの重要な研究テーマとなっている.本解説では,Candes-Taoらによる原信号完全再現のための十分条件について解説を行う.
著者
郭 裕之 綱島 均 西 恭一 本庄 孝司 坂井 卓爾
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
交通・物流部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, no.9, pp.89-92, 2000-12-12

Several methods are proposed for investigating the complex traffic flow. However, the dynamics of vehicle and the driver's characteristic, which are important factor for the traffic flow analysis, are not considered enough so far. This paper describes a new concept for simulating complex traffic flow by multiagents. The agents are considered as a kind of artificial life (A-Life) and they behave based on their own knowledge independently. Drivers, vehicles, roads and traffic environment, which are essential elements in our simulation, are defined as the agents. The vehicle agent combined with a driver agent works based on driver's region of sight and their own characteristics. The road agent communicates with the vehicle agent responding velocity, position of the vehicle. The effectiveness of our new method for modeling the traffic flow is shown by simulation study.
著者
大塚 昌孝 中原 新太郎 小西 善彦 千葉 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.36, pp.15-20, 1996-05-17
参考文献数
6
被引用文献数
5

軽量・安価な移動体衛星通信用アンテナとして, フィルム基板と平面樹脂板を用いて無給電素子付き円形マイクロストリップアンテナを構成した平面アレーアンテナを提案する. アンテナ中心にロータリジョイントを配置し,また天頂角θが30°≦θ≦65゜のカバレージエリアで所望の利得9dBiを実現し,かつサイドローブをできるだけ低減するために,素子配列として,アンテナ中央に素子アンテナのない8素子の方形配列を採用した.L帯で試作したアンテナではカバレージエリア内の最低利得9dBi以上,衛星軌道面のサイドロープレベル-7dB以下の特性を得ている.
著者
茨木 俊夫
出版者
埼玉大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1986

本研究は自閉症研究の世界的業績のひとつである、ノースカロライナ大学TEACCH(Teaching and Educating Autistic and Communication Handicapped Children and Adults)部のスタッフによって開発された『心理教育プロフィール』を、日本の自閉症や発達障害をもつ子どもの教育上の指針として利用できるように、「日本版」として標準化することを目的としている。研究期間は昭和61年度から昭和63年度にわたる3ケ年である。本研究代表者は、すでに『自閉児・発達障害児教育診断検査』の翻訳版、翻訳改訂版を作成し、検査用具も基本的セットを独自に開発してきたが、このたびの科学研究費補助金により、全国規模の資料の収集と分析を実施することが出来、昭和62年度には、標準化された『自閉児・発達障害児教育診断検査』(日本版)を完成し、出版することができた。さらに昭和63年度には、図版などを含む、標準検査用具も完成させることが出来た。最終年度の課題は、自閉症の鑑別診断に用いられている『自閉症評定尺度(CARS:Childhood Autism Rating Scale)』とPEPの病理尺度を比較し分析することであったが、相互作用の分析などを通じて、PEPの実施場面を利用してCARSの評定を行なう方法を開発することができた。今後の課題としては、次第に多くなっている青年期・成人期の自閉症者のための心理教育プロフィールを作成することがある。これについては、本研究によって作られた全国の協力ネットワークを生かし、新たなプロジェクトを作って、全国規模の養護学校・授産施設などの協力のもとに研究を進めていくつもりである。なお、本研究をすすめるにあたり、ノースカロライナ大学医学部のエリックショプラー教授をはじめとするTEACCH与スタッフが毎年来日し、貴重なディスカッションによってさまざまな刺激を与えていただいたことに、深甚の感謝を表する次第である。
著者
松尾 雅嗣
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

峠三吉資料については日記及び書簡の電子画像を、既に完成済の資料目録と統合し、資料画像目録として整理する作業を進め、予定より完成は遅れているが、来年度には完成の目途が立った。但し、日記、書簡については個人情報の問題が絡むので、研究成果として一般公開することは困難であり、画像つき目録を広島大学文書館など信頼できる機関に寄託し、研究者の用に供することも検討中である。また、原民喜資料についても自筆資料に関して同様の作業を進めたが、資料目録の整理に手間取り、進捗度合いははかばかしくない。これと並行して、海外での同様の試みについて情報を収集する一環として、「西部戦線異状なし」で知られる作家エーリッヒ・レマルクの資料を収集・保存するドイツ・オスナブリュック市のエーリッヒ・レマルク平和センターを訪問し、戦争文学資料の保存、目録作成、電子画像化の実態について情報を収集した。同時にオスナブリュック大学を訪れ、文学、歴史学研究者と空爆により市街の大半を失った同市の戦争被害にかかわる文書史資料の保存と電子化について意見を交換した。これに加えて、原爆により多くの死者を出した旧広島一中の生存者、遺族の手記集である『ゆうかりの友』の原資料を含む原民喜の甥、原邦彦の関連資料目録を完成し、『「ゆうかりの友」関連原邦彦資料目録』として刊行した。資料の電子画像化は完了し、現在画像目録の編集中である。具体的な研究成果ではないが、定年退職後の研究代表者の本研究を神戸大学の宇野田尚哉氏に引き継いでいただけることとなった。
著者
中野 善達
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学リハビリテーション研究 (ISSN:09178058)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.29-30, 1991

アメリカ合衆国の障害児教育は、1970年4月13日に制定された障害者教育法(Education of the Handicapped Act:EHA)に則って展開されている。画期的といわれる一般法律第94-142号「すべての障害児の教育に関する法律(1975年)」にせよ、早期教育を規定した一般法律第99-457号 ...
著者
宇佐美 龍夫
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.153-169, 1976-01-30 (Released:2008-05-30)