著者
山本 哲也
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演資料集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.9, pp.190-191, 2009-09-12

The new nuclear inspection system established by the Nuclear and Industrial Safety Agency (NISA) came into force in January 2009. The NISA focused on the maintenance program to set up the new system. The new inspection system require the report of the maintenance plan to the NISA, safety verification of the plan by the NISA, collection of deterioration data of facilities, reflection of the data on self check, and online monitor of concerned equipment. Utilities have reported approximately 30 of their maintenance plans to the NISA. The NISA carries the periodic inspections after it check those maintenance clans.
著者
前川 宏一 東畑 郁生 石田 哲也 内村 太郎 牧 剛史 半井 健一郎 龍岡 文夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

(1)土粒子間の連結空隙構造をセメント系複合材料の微細空隙構造モデルに導入し,物質平衡-移動-反応-変形解析に関する数値プラットフォームを開発し,拡張熱力学連成解析を土粒子間隙水の圧力と変形にまで連結させて,地震時の構造-地盤液状化解析と,構造中のコンクリートの過渡的な変性を追跡する多階層連結解析コードを完成させた。(2)コンクリートおよび地盤材料の水分保持能力の温度履歴依存性を実証し,過渡応答時の水分平衡モデルの精度を向上させた。大径空隙でブロックされる水分が高温時に急速に開放される状況が解明され,従来の定説を大きく変える契機を得た。セメント硬化体からのカルシウム溶出と自然地盤における吸着平衡モデルを,水和反応の過渡的状態に対して拡張した。(3)水和生成ゲルおよびキャピラリー細孔内の水分状態からセメント硬化体の巨視的な時間依存変形を予測するモデルを完成させ,分子動力学を適用し温度依存性に関するモデル化の高度化を図った。(4)鋼材腐食生成ゲルと周辺コンクリートのひび割れ進展,さらにゲルのひび割れへの浸入を考慮することにより,様々な条件下でのかぶり部コンクリートの寿命推定を可能にした。(5)飽和及び不飽和地盤中にRC群杭を設置した動的実験を実施し,初期振動状態から一気に液状化する厳しい非線形領域での杭と地盤の応答を詳細に分析した。土粒子構成則と多方向固定ひび割れモデルの結合で,地中埋設構造応答をほぼ正確に解析できることを示した。(7)非線形時間依存変形の進行モデルを弾塑性破壊型構成則の一般化で達成し,時間成分を取り除いた繰返し作用の影響度を、数値解析連動型実験から抽出することに成功した。ひび割れ面での応力伝達機構の疲労特性を気中・水中で実施し,高サイクル疲労に対応可能な一般化モデルを構築し,直接積分型高サイクル疲労破壊解析を実現した。
著者
稲垣 宏
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

胃MALTリンパ腫の免疫グロブリン重鎖遺伝子解析から慢性炎症を基盤に発生するMALTリンパ腫群と慢性炎症の関与が明らかではない群は互いに独立していることを明らかにした。またアジア、欧州、米国間で共同研究を行い、皮膚辺縁帯B細胞リンパ腫は慢性炎症の関与が明らかではない群であること、DAPKおよびp16遺伝子メチル化が高率に認められること、またアジア症例には好酸球の浸潤が特徴的であること、を明らかにした。MALTリンパ腫全体像を最新成果とともに総説に著した。
著者
朱牟田 善治 大友 敬三 山崎 文雄 石田 勝彦
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.4, pp.161-170, 1994-08

1994年1月17日、ロスアンジェルス北方のサンフェルナンドバレー一帯をマグニチュード6.8のノースリッジ(Northridge)地震が襲い、一般建築物やライフライン等に大きな被害が生じた。本文では、その中でも被害の大きかった電力施設に焦点をあて、その被害と復旧について調査、考察した内容について報告する。特に、今回の電力施設の被害を1971年サンフェルナンド地震による設備被害と比較して、耐震設計基準の改訂による効果を確認するとともに、日本の耐震設計基準で設計された電力施設が、今回の地震でもっとも被害を受けたシルマー交直変換所と同程度の地震力を受けた場合、米国の基準で設計された電力施設に比べ、被害が少ないであろうことを示した。
著者
小坂 俊吉 塩野 計司 宮野 道雄 中林 一樹 高野 公男
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.5, pp.275-282, 1995-11

近年の地震災害の調査から、高齢者は健常者と比べて被災しやすく、今回の阪神・淡路大震災でもこの傾向が明らかとなった。一方、わが国の高齢化速度は早く、現在、高齢化社会から高齢社会へと移行しつつある状況にある。したがって高齢者の地震時安全性の確保や地震後の応急生活における良好な環境保持は、今後の防災対策のなかで早急に取り組むべき課題の一つとなってきている。本論は、二つの現地調査報告から高齢化社会における地震防災課題の抽出したものである。第一は、阪神・淡路大震災における高齢者の被災実態報告である。これは、地震によって新たに発生する要介護者の把握と収容の問題、および被災地の老人ホームにおける介護老人の生活確保の問題について検討を試みたものである。第二は、東京に隣接する人口40万都市でおこなった、独居老人と高齢者利用施設における地震防災対策についてのアンケート調査報告である。高齢社会における地震防災の課題を以下のように抽出した。 1) 高齢者が死傷しやすいのは、身体機能の低下によるものだけでなく、居住する住宅の地震に対ずる脆弱性による影響がある。したがって高齢者向け住宅の早急の耐震的改善・公的な高齢者住宅の提供が求められる。 2) 今回の地震では、避難所における生活の質の低下が問題となった。とくにその被害を大きな影響を受けたのは高齢者・障害者といった災害弱者であった。また、防災対策調査からも高齢者の孤独な姿が浮き彫りにされた。災害時の近隣住民の支援は日常生活における相互の交流が不可欠である。 3) 高齢者の救援を的確かつ迅速に行うためには、被災情報の早期収集の重要性が指摘される。さらに高齢者の受け入れを可能にする支援ネットワーク作りが重要な課題となる。
著者
白川 功 稲田 紘 有馬 昌宏 西村 治彦 中野 雅至 東 ますみ 川向 肇 水野 由子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

感染症の爆発的流行を含む災害時の要援護者支援や迅速かつ正確な住民の安否確認ならびに避難所での避難者の医療・看護・介護などを含む生活支援には、機微情報を含む個人情報の事前登録と状況に応じた個人情報の更新が不可欠となる。本研究では、QRコードと地理情報システムと無線通信技術を活用して、避難経路の安全確保も含め、個人情報保護に配慮した避難支援システムを構築し、避難者のストレス軽減を考慮に入れつつ、医療・健康管理データを記録するシステムのプロトタイプも構築して、防災訓練などでの実証実験で有効性を確認した。
著者
鈴木 勇
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

兵庫県内の公立高校および災害NPOが実施する防災教育,および,四川大地震,台湾集集地震,新潟県中越地震被災地の復興への取り組みからわかったことは,防災活動において,我々の暮らす地域を知り,多様な価値を持つ地域住民と知り合うことの重要性である.また,防災活動を通じて外部の人々とつながり,その文脈の中で自分自身を問い直すことの重要性である.つまり,防災教育とは防災についての教育ではなく,防災を通じて社会の一員として,他者を理解することを学ぶことである.
著者
大井 智香子
出版者
中部学院大学
雑誌
中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:1347328X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-15, 2006-03

1995年1月の阪神・淡路大震災の被災地における救援・復興活動にボランティア活動や市民活動の果たした役割は大きく、その活躍を受け国の防災基本計画にもボランティア活動者の受け入れが位置づけられ、ほとんどの市町村が地域防災計画の中でボランティア活動者の受け入れについて触れるようになった。しかしながら、具体的な手順や地域住民との連携など具体策が講じられている地域は少ない。本稿では、2004年台風23号の被害により災害救援ボランティアセンターを立ち上げた3市(高山市、飛騨市、郡上市)における活動と後方支援を行なった県社協の活動を手がかりに、災害時のボランティアコーディネートをめぐる課題と社協の役割について検討する。
著者
蜷川 順子
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、初期ネーデルラント絵画の領域で、完成後一定期間をおいて加筆された肖像のある絵画作品を収集し、それを様々な美術史的観点から考察した。この領域は、中世以来初めての本格的な再現的自然主義を発達させたことで知られる。画面をもう一つの世界の一部として実現し、現実にはない理想や願望を投影するための仮想的な場が求められたものと思われる。加筆肖像は、そのような画面と観者との相互交流の痕跡として理解できる。
著者
戸田 健吾
出版者
千葉工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

より高い完成度で本研究目的を達成するために、18年度中にはメインCPUをVR5500-ATOMとする申請時の制御システムから新システムへの移行を決断した。ここ数年性能向上の目覚しいFireWire/USB接続のカメラおよび高性能小型CPUモジュール((株)ピノー製)を導入し、CAN-Busによる高速かつ信頼性の高い体内LAN環境を実現。さらにビジョンプロセッサボード開発時の資産を生かすことで新たにヒューマノイド搭載型通信規格変換ボードを開発しCAN, i2c, Rs232/485,JTAG, SPI等の種々の通信プロトコルの高速相互変換を可能にした。これにより提案手法の基本制御性能を向上させるとともに、異なるヒューマノイドで制御システム構築する際のハードウエア制限を緩和し、本制御法の性能比較実験を容易にした。研究成果を以下にまとめる。1.従来システムよりも高性能な運動制御を実現しつつ複数のハードウエアに対応可能な新制御システムを開発2.環境認識画像処理アルゴリズム(黒田05,大曽根05)により、ヒューマノイド静止/運動時に関わらず環境を認識3.上記2と同時に自己運動状態を統合的に判断することで運動パターン生成法の切り替えタイミングを検出するセンシングシステム(石井05,井上06)を構築4.上記3により得られる切り替えタイミングにあわせて、各種動作生成手法(朝子05,川田05)をシームレスに切り換える動作遷移(渡邊05)を実現5.また、運動時のモーションスタビライザー(渡辺05)をmorph2へ実機実装するとともに、付随的な安定化制御として受身動作生成法を提案以上により、環境認識と情報センシングに基づく適応運動遷移制御を達成した。この研究成果は今夏にも発刊を待つInternational Jornal of Advanced Robotic Systems, Humanoid Robotsに掲載される。
著者
藤田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, pp.349-350, 1996-03-11

複数の要素プロセッサ上に分散している情報をどのようにして共有するかという問題は、共有メモリをもたない並列・分散システムにおける本質的な問題のひとつである。この問題は通常、放送(broadcast)やゴシップ(gossip)に代表されるような"情報散布問題"として一般に定式化される。情報散布問題は、並列計算機に実装されることによってアルゴリズムの善し悪しがその性能に直ちに反映されるという現実的な側面をもつ一方で、グラフの埋め込み問題や資源のスケジューリング問題などといった理論的な諸問題とも関わり合いをもっている。またラウティングテーブルのサイズを小さくするためのcompact routing法や耐故障性のある情報散布に関する考察、さらには通信技術の進歩に伴って実用化されつつあるcut-through routingやATMなどの新しい情報転送モデル上でのアルゴリズムの開発など、この分野の研究は、近年特に幅広い展開を見せている。本講演では、この分野における過去の研究の流れと最近の動向について概説した後、講演者の最近の成果として、1)ハイパーキューブにおける回路交換モデル上での最適なゴシップアルゴリズム2)バスネットワーク上でのゴシップアルゴリズム3)ハイパーキューブ上でのall-portモデルのsingle-portモデルによる効率のよいシミュレーション方法などについて述べる。
著者
豊田 晃久
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

前年度に実施したプロトタイプOTR検出器のビーム試験において、OTR光を無事観測することはできたものの、二点の問題の存在が明らかになった。一つはレンズおよびカメラの耐放射線性であり、もう一つは点状に分布するバックグラウンドの存在である。これを受けて、我々が今回考案したのが、放射線耐性に限界があるカメラ系をビームラインから遠ざける方法である。カメラ系における放射線場をできる限り下げることで上記の問題を同時に解決することができると期待される。また遠ざける方法として、イメージファイバーを用いてOTR光を伝送する方法を考案した。続いてイメージファイバーの選定を行った。要求されるプロファイル観測範囲は100mmx100mmと大きく、典型的なイメージファイバーの直径(1mm以下)にフォーカスすることは容易ではない。もちろん対物レンズを遠ざければ倍率は稼げるものの、低ガンマ値のビームからのOTR光は大きく広がっていくため、収量的に厳しくなる。イメージファイバーの種類、収束光学パラメータ、スクリーンからの距離の3つの要素のバランスを取ることで、最低照度を確保しつつイメージ範囲も確保できるようなシステムを設計することに成功した。以上に基づいてプロトタイプのイメージファイバー光学を持つOTR検出器を製作し、KEK12GeV陽子加速器においてビーム試験を行った。ビーム強度、垂直および水平ビーム位置、垂直および水平ビーム幅を変えつつ既存のモニターと比較し、収量は若干少ないものの無事OTR光を観測することに成功した。また、ビームからカメラまでの距離およびビームから対物レンズまでの距離を変えつつバックグラウンド量を測定し、チェレンコフ光が主な原因であることを結論付けた。以上の結果を国内外の学会にて発表した。
著者
櫛橋 康博
出版者
東京農工大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

(1) 跳躍運動の計測: ヒトの跳躍動作における地面反力,筋電振幅,ならびに,ビデオ画像による跳躍姿勢を同時計測可能なシステムを構築した.本システムを適用し,腕の影響を考慮した上で跳躍実験を行った結果,地面反力は双峰的な振る舞いを示すこと,さらに画像解析と筋電振幅の結果とより,初めのピークが膝の伸展に,2番目のピークが足首の伸展に起因することが確認された.このことは,膝関節伸展動作中の終期において,重心移動速度の垂直方向成分が小さくなり始める頃に,足首関節がトルクを発生し始めることを意味する.(2) シミュレーションプログラムへの実装: 現段階では,ロボット本体の制御は,位置制御を基本として,目標位置を時系列的に与えることによって行っている.(1)で得られた知見をもとに,足首の駆動開始タイミングを遅延させて計算を試みた.その結果,前半は最大時の2〜4割程度の電流値以下に抑えておき,膝関節が最終角度までの中点を通過する近傍で、最終角度を目標角度として足首関節の駆動を開始することによって,双峰性の地面反力波形が得られたとともに,重心の上昇速度が約1割程度増加することが確認された.(3) 実機の改良: 腰,膝,足首角1自由度からなる3関節脚ロボット実機に足首ロール軸を付加して合計4自由度とした.(4) 定格外駆動PWMユニットの開発: 本研究においては,モータの駆動電圧を定格の1.5倍から2倍程度とする.ラッシュ電流が瞬時電機子最大電流を越えないためのリミッタ部とそれらの稼動状態をコンピュータによって非同期に取り込める回路を基本とする専用のPWMドライブユニットを開発し,その有効性を確認するとともに,今後の実機実験の安全性を向上させ,さらに,アクチュエータの長期疲労と短期疲労など昨年度に提案した概念を実験的に検証してゆくことが可能となった.
著者
井上 直彦 平山 宗宏 埴原 和郎 井上 昌一 伊藤 学而 足立 己幸
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1985

昭和60年度より3年間にわたる研究を通じて, 人類の食生活と咀嚼器官の退化に関する, 現代人および古人骨についての膨大な資料を蓄積した. これらについての一次データと基礎統計については7冊の資料集としてまとめた. ここでは3年間にわたる研究結果の概要を示すが, 収集した資料の量が多いため, 今後さらに解析作業を継続し, より高次の, 詳細な結論に到達したい. 現在までに得られた主な結論は次の通りである.1.咀嚼杆能量は節電位の積分値として表現することが可能であり, 一般集団の調査のための実用的な方法として活用することができる.2.一般集団におけるスクリーニングに際しては, チューインガム法による咀嚼能力の測定が可能であり, そのための実用的な手法を開発した.3.沖縄県宮古地方で7地区の食料品の流通調査を行ったところ, この地方では現在食生活の都市化がきわめて急速に進行しつつあり, すでに全島にわたる均一化が進んでいることが知られた.4.個人群の解析により, 繊維性食品の摂取や咀嚼杆能量が咀嚼器官の退化と発達の低下に重大な影響を与えていることが確認された.5.地区世代別の群についての解析では, 骨格型要因, 咀嚼杆能量, 偏食, 繊維性食品, 流し込み食事などが咀嚼器官の発達の低下に強く関連していることが知られた.6.古人骨の調査では, 北海道, サハリンなどに抜歯風習があったことが知られた. このことと関連して, 古人骨調査が咀嚼器官の退化や歯科疾患の研究のみではなく, 文化と形質との相互関係を知るためにも有効であることが知られた.7.今後の方向として時代的, 民族学的研究, 臨床的, 保健学的研究, 文化と形質の相互関係などが示唆された.