著者
楠田 悠貴
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

フランス革命は長きにわたってナショナリズムの影響を受け、また近代世界の出発点としてばかり捉えられてきたために、他国の歴史が革命に及ぼした影響についてほとんど考察されてこなかった。本研究では、フランスにおける史料調査を積み重ね、革命期・帝政期の関連史料を幅広く網羅的に読解することを通して、フランス革命家および反革命家たちが17世紀イングランドの歴史的展開をつよく意識し、教訓を得るべくその解釈をめぐって論争を繰り広げながら自らの革命の進路を選択していたことを明らかにする。偶然の連続として叙述されがちなフランス革命であるが、最終的にこれとは異なる新しい革命像が提示できると考えている。
著者
唐沢 康暉
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

虚血による神経細胞死では、酸化ストレスが重要な役割を果たしている。ラットの虚血モデルにおいて、虚血部位の周囲でMAPキナーゼがリン酸化がおこる。酸化ストレスによる神経細胞死において、シグナル伝達物質、MAPキナーゼの活性化が関与するといわれ、治療のターゲットの一つとして期待されている。 本研究では、酸化ストレスによる細胞死モデルであるマウスの海馬由来のHT22細胞を用いて、MAPキナーゼの活性化を反映するFRET(fluorescence resonance energy transfer)プローブを組み込み、酸化ストレスによるMAPキナーゼの活性化を、可視化、定量化する実験系を確立した。本年度は,ベルギーのSarah-Maria Fendt研究室と共同研究の結果、「脂肪の多い食事をしたマウスは糖を飲んだ後、乳酸が多くでき、人でも、太めの人の方が糖を飲んだ後、乳酸が多く出る傾向がある」ことをしめした。さらに培養細胞、マウスのデータとともに、高脂肪食と肝細胞癌の発生機序の関連を示した論文を出版した( Broadfieldら、Cancer research 2021)。健康なヒトが糖を摂取した後に繰り返し採血をおこなうことで、詳細な血中代謝物およびホルモンの時系列データを取得した。数理モデル解析を行い、個人間および分子間における、代謝物とホルモンの時間パターンに、1)大きさや早さなどの時間成分、2)個人間の時間パターンの類似性、3)個人間の大小関係の時間変化、4)分子間の時間パターンの類似性、の4つの指標があることを示した論文を出版した(npj systems biology and applications 2021, These authors contributed equally: Suguru Fujita, Yasuaki Karasawa.)
著者
門田 修平 Jeong Hyeonjeong 梶浦 眞由美 中野 陽子 川崎 眞理子 中西 弘 風井 浩志 長谷 尚弥 氏木 道人
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

シャドーイング学習には、第二言語習得に不可欠なメタ認知的モニタリングを促進する効果が仮定できる。この効果を、音声を聞いて意味を理解するリスニングと比較・対照することを通して、①学習者のシャドーイング時のメタ認知的活動(モニタリングおよびコントロール)が、リスニング時と比べて高まるのかどうかについて、特に、大脳前頭前野の活動(血中Hb濃度)を近赤外分光法(NIRS)によって検証し、②シャドーイング及びリスニング後に刺激再生法インタビュー(stimulated recall interview)を実施して、学習者の意識的な内省を指標としたメタ認知的活動の質的分析を行おうとするものである。
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
青山 亨
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

14世紀に書かれた古ジャワ語宮廷年代記『デーシャワルナナDesawarnana』(通称『ナーガラクルターガマNagarakrtagama』)の校訂本に基づきローマ字翻字による電子版を作成するとともに、日本語への翻訳をおこなった。また、15世紀に書かれた中期ジャワ語歴史物語『パララトンPararaton』の校訂本に基づきローマ字翻字による電子版を作成するとともに、日本語への翻訳をおこなった。『デーシャワルナナ』はマジャパヒト王国の宮廷詩人プラパンチャが書いた古ジャワ語の韻文98詩編384詩節からなる叙事詩的形式をもった作品である。原題は「地方の描写」を意味する。14世紀後半のハヤム・ウルク王治世期に最盛期を迎えたマジャパヒト王国の繁栄と、13世紀前半成立のシンガサリ王国に遡る王統の系譜を描いており、同時代のジャワの歴史を研究するために最重要な史料である。『パララトン』は15世紀後半に書かれた著者不明の散文の歴史物語である。原題は「諸王の書」を意味する。前半はシンガサリ王国の創建者ケン・アンロックの伝奇的な生涯を描き、後半は元寇の余波で生まれたマジャパヒト王国の成立の過程から、東西王宮の対立に起因する内乱をへて王国の後期までを描く。後代の編纂であり、また、史実からの逸脱が明かな部分もあるが、シンガサリ王国からマジャパヒト王国の末期までを理解するための根本史料の一つである。本研究の成果の一部は、岩波講座東南アジア史の第2巻におけるシンガサリ・マジャパヒト王国の歴史記述に用いられると共に、国際学会における発表の基本データとして利用され、インドネシア史の研究に還元されている。
著者
磯 直樹 香川 めい 北村 紗衣 笹島 秀晃 藤本 一男 藤原 翔 平石 貴士 森 薫 渡部 宏樹 知念 渉
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、現代日本における文化と不平等の関係を、「文化がもたらす不平等」と「文化へのアクセスの不平等」という観点から、理論的かつ経験的に社会学の観点から分析する。すなわち、①文化が原因となる不平等とは何か、②文化資源の不平等な配分とは何か、という2種類の問題を扱う。これらの問題を研究するために、理論的には社会分化論として文化資本概念を展開させる。社会調査としては、関東地方で郵送調査とインタビュー調査を実施し、調査で収集されるデータを、多重対応分析の特性を活かした混合研究法によって分析する。
著者
正田 若菜
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2019-08-30

カリウム(K)の排泄は、腎臓の遠位尿細管に存在するNa-Cl共輸送体(NCC)で調節されている。多量のKを摂取した時のKの排泄制御にはカルシニューリン(CaN)が関与しており、高Kが細胞内のカルシウム(Ca)を増加させ、活性化したCaNがNCCを脱リン酸化する機序が考えられている。しかしながら、高K負荷後どのように細胞内のCaが増加するのか、詳細な機序は不明である。本研究は、高K時にCaの流入経路となり得るNa/Ca交換輸送体(NCX)に着目し、NCX阻害剤や遺伝子改変マウスを用い、急性高K血症時のK排泄制御の詳細な分子機構を解明する。
著者
池澤 聰 片山 成仁 河嶌 讓 山口 泰
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

知性、創造性、芸術、リーダシップ、あるいは特定の学術分野において高い潜在能力を有するギフテッドの人々は学校、職場で不適応など種々の心理社会的機能上の問題を抱える。背景には、彼らが潜在的に高い処理能力を有するだけでなく、様々な感覚的情報も大量に取り込み、強く反応する“過興奮性: Overexcitability”の特徴を有することが想定される。本研究では、ギフテッドの基準を満たす人々及び年齢性別をマッチさせた定型発達者を対象として、認知機能、過興奮性および日常生活機能の関連を検討し、過興奮性および日常生活機能の改善を目指した介入法の開発につながる基礎情報を得ることを目指す。
著者
中村 朗
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

甲幅約210mm、甲長約180mmのタカアシガニ(雄ガニ2尾、雌ガニ3尾)5尾を用い、バイオテレメトリによって、前年度までの行動調査結果の確認と長時間の追跡による生態行動の解明と製作した機器類の性能検証を目的とした。実験は、通算30日にわたって行われた。前年度までの結果を含めて今年度についてまとめると1.移動は、絶え間無く続けられ移動方向は、沿岸に沿って沿岸線と平行しており、移動速度、移動方向はほぼ一定である。2.移動途中にタカアシガニが存在した水深は、70mから430mの範囲にあり、その大部分は、水深200mが中心であった。3.環境温度は、6℃から13℃の範囲であり、水温の変化が行動の変化に影響を与える関係は、見られなかった。4.移動中の環境照度は、0.1から0.01ルクスオーダーであり、水中照度の変化と行動と間に相関は認められなかった。5.移動速度に注目すると、雌雄ともに夕刻6時から朝6時にかけての移動速度が朝6時から夕刻6時までの移動速度に比較して大きく夜行性であることが示唆された。一方、雌雄で比較すると雌の移動速度が、雄の移動速度に比較して1.5から2倍程度大きく雌の移動速度の平均は、おおむね時速5-60mであった。6.タカアシガニを放流してからバイオテレメトリで位置を特定し、その後2週間経過してから移動速度ならびに移動方向を推定して探索すると再度推定位置付近で発見できることが多い。これらの結果は、漁業者の漁獲の際にカニ籠漁が行われると一方向に移動するタカアシガニが籠に捕獲されてしまい、移動方向の後方で操業される一方の底引き漁での漁獲がほとんど無くなる事実と符合する。さらに、漁業者の話によれば底引き漁では、海域によらず親ガニの漁獲の際に小ガニ、稚ガニが混獲される。一方、過去に調査に供したカニの中に抱卵した親ガニも数個体あったことから推定して移動が索餌と産卵を兼ねたものであると考えられた。
著者
奥村 賢
出版者
明星大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本プロジェクトは、「日本映像カルチャーセンター」(1972年設立)所蔵の作品コレクションに再び光をあて、貴重な映像遺産の意義をあきらかにしようとするもので、具体的作業としては映像作品の目録化(カタロギング)の完成に力を集中した。この作業では、既存の 所蔵情報の誤りを正しながら、将来の映画利用の基盤となるより正確かつ有効な作品目録を実現させた。また、重要度の高いいくつかの作品について音声や字幕の日本語化作業も同時並行で実施し、映画上映のさいに活用できる日本語資料も作成した。
著者
木村 徹
出版者
杏林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎臓嚢胞形成が特徴で、最終的に透析を伴う末期腎不全になる場合が多い。またADPKDは腎臓のみならず、肝臓、脳硬膜、膵臓などにも嚢胞を併発する場合がよくみられるが、その詳細は理解されていない。本研究計画では、嚢胞組織でのアミノ酸輸送経路を解明し、それをターゲットとする嚢胞形成抑制薬の開発につなげる研究を行う。
著者
櫻澤 誠
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

まず2020年度(1年目)前半は、沖縄・東京を中心とした広範な史料収集に注力する。そのうえで、以降も史料収集は継続しつつ、2020年度(1年目)後半から2021年度(2年目)には「①沖縄県設置(1879年)から尚泰死去・首里での葬儀(1901年)まで」の検討を行う。続いて、2022年度(3年目)には「②尚典への代替わり(1901年)から沖縄戦(1945年)まで」の検討を行う。さらに、2023年度(4年目)には「③敗戦・占領(1945年)から日本への復帰(1972年)まで」の検討および本研究全体をまとめる作業を行う。
著者
長澤 伸樹
出版者
大阪市立大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

最終年度は、個人論文集刊行にむけた具体的構想を固めることを念頭にしながら、これまでの成果の取りまとめを中心に研究をすすめた。具体的には、1.前年に引き続き「楽市」の地域史的意義を問い直す視点から、(1)織田氏(美濃加納)、(2)後北条氏(武蔵世田谷・相模荻野・武蔵白子)の事例について、それぞれ関連史料の収集・調査研究をおこなった。また、2.中近世移行期における「楽市」の歴史的意義について、これまでの研究成果をふまえて取りまとめをおこなった。その中で「楽市」が、各大名領国の社会情勢や権力自身の支配理念に大きく左右されて成立・変化する性質をもっていたこと。領域支配上の課題解決にむけた合理的かつ現実的対策として、平和の確立や経済特区としてのあり方を一時的に可視化するための、いわゆる法令(文書)を発する大名権力自らの理想の概念であったことを明らかにした。同時に、幕藩体制下の地域社会における記録・評価・伝承という側面からも分析を加えた。その中で、近世において「楽市」はそもそも、社会秩序の変容や市町の存亡にかかわる特別な法令・空間としては認識されていないこと。一方、近世以降も社会的システムとして「役」が継続することから、その賦課を免れようとする在地では、諸役免除という記述の有無にのみ法令の価値を見出し、歴史的事実として書き留められる場合も「市日指定」「市町免許」の制札という形で単純化されていく姿を指摘した。
著者
平川 新
出版者
宮城学院女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

江戸時代は、武士と百姓との身分が厳格な社会であり、兵農分離体制が貫徹した社会だというのが戦後歴史学の通説になっていた。豊臣秀吉による刀狩令以来、百姓は武装解除され、武士以外の帯刀は一部の特権者しか許可されていなかった、すなわち武力は武士の独占するところであり、百姓は武器を剥奪されて耕作に専念する体制になったという理解である。だが本研究によって、江戸時代には初期から幕末にいたるまで列島全域に大量の庶民剣士が存在してきたことを発見し、その存在を確認することができた。そうした実証をふまえて、江戸時代は「庶民剣士の時代」であることを完全に論証することができた。
著者
田中 彰吾 宮原 克典 浅井 智久 今泉 修 村田 憲郎
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は「自己」について解明することを目的としている。脳神経科学の発展を受けて、2000年ごろから「自己」は科学的研究の対象になり、各種の知見が蓄積されてきた。ただし、従来の主要な研究は、行動実験と脳計測の組み合わせで、自己が成立する最小の条件を探求する「ミニマル・セルフ(最小の自己)」に焦点を当てたものだった。本研究では、実験科学的研究の地平をさらに拡大し、記憶・時間性・物語の次元を含む「ナラティヴ・セルフ(物語的自己)」を対象とする。実験心理学、哲学、精神病理学のアプローチを多角的に組み合わせ、物語的自己の理論モデルを構想する。
著者
礪波 亜希
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

先進国の外国直接投資政策は近年、推進から規制へ、経済成長から安全保障へと急激な方向転換をしたが、この背景には投資受入側が外国に対して抱く脅威認識があった。本研究は、外国投資推進・規制制度はいかなる根拠に基づいて形成され、誰にどのように許容され、結果的にどのような影響を及ぼすのかを学術的問いとする。事例研究を研究手法として、国際関係論・国際政治経済学のコンストラクティビスト・アプローチを参照しつつ、物語的政策枠組み(Narrative Policy Framework, NPF)を活用する。事例研究の対象として、EUを含む欧州諸国の投資推進・規制制度、北極域への投資推進・規制制度を検討する。
著者
小柴 朋子 田村 照子 丸田 直美 丸田 直美
出版者
文化女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

災害時における避難所に必要とされる備蓄衣料の検討を目的として、大地震後の実態調査報告書および被災地における聞き取り調査から被災時の衣料供給における問題点を抽出し、救援用衣料について検討した。必要衣服の保温力を検討するため、サーマルマネキンを用いて現在市販されている成人男性用衣服類約150点、靴および靴下6点、幼児用衣服23点の顕熱抵抗を測定した。それらをもとに日本各地の季節別必要Clo組み合わせ服マップを作成、汎用型衣料をデザインして保温力を評価し、備蓄用基準パッケージを提案した。
著者
横山 洋子 茂木 精一郎
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

全身性強皮症は、皮膚および内臓臓器の線維化、血管異常、免疫異常(自己抗体)を特徴とする原因不明の自己免疫性疾患である。我々は、間葉系幹細胞(MSC)から分泌されるエクソソームの膜に多く存在するMFG-E8が皮膚線維化の抑制機序の一部に関わると考え、MSC由来エクソソームおよびエクソソームに含まれるMFG-E8が強皮症の皮膚線維化に関与するのかどうかについて、MSC由来エクソソームおよびMFG-E8 WT/KOマウス由来MSCから産生されるエクソソームを強皮症マウスモデル(ブレオマイシン誘導皮膚線維化マウス、Tight skinマウス)に投与し、皮膚線維化への影響を明らかにする。
著者
田中 昭彦 森山 雅文 安永 純一朗 中村 誠司
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

唾液、血液など採取の容易な検体での解析を行った。今回、細胞から分泌される直径50-150nmの細胞外小胞の一つであるエクソソームはその内部にマイクロRNA(以下 miRNA)含むことが知られており、そのmiRNAに着目し、能動的に分泌されるエクソソーム内miRNAを検出することで、より精度の高い診断への応用を期待した。結果として、血液、唾液、うがい液からmiRNAを検出することが可能であった。疾患特異的な分子の確定にはいたらなかったが、非侵襲的に採取できる唾液やうがい液検体がSS等の口腔内疾患の検査法として有用である可能性を示した。
著者
藤岡 健太郎 新谷 恭明 折田 悦郎 永島 広紀 陳 昊 井上 美香子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

帝国大学農科大学・農学部がどのように形成され、それぞれがどのように教育・研究活動を展開していたのかを解明することが本研究の目的であった。具体的な成果は以下の3点である。①学科・講座・附属施設の設置状況を中心とした帝国大学農学部の形成と展開の過程の解明。②4帝国大学農学部教官履歴データベースの作成と、それを用いた農学部教官人事の特徴の解明。③農学府附属演習林財政と帝国大学財政全体の関係性の解明。