著者
田中 純
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究では次の4点について、それぞれを有機的に関連づけながら研究を展開し、成果を得た。1.アビ・ヴァールブルクが精神形成をおこなった19世紀後半のハンブルクの文化的環境を、特にドイツでも有数のユダヤ人銀行家一族であるという彼の出自に注目しつつ、調査・分析し、主にイタリア・ルネサンスの美術を対象とした研究に結実していくヴァールブルクの思想形成過程を資料に即して考察した。2.ヴァールブルクの著作や書き残したメモに基づいて、その図像学的方法論を再構成し、同じ美術作品を主題とした諸研究にも目を配ることによって、ヴァールブルクの方法の独自性を検証した。3.ヴァールブルグ研究所におけるパノフスキーをはじめとする図像学研究を方法論的な見地から検討し、個別の美術史的分析ではなく、方法論的な次元においてヴァールブルクの思想との比較をおこなった。これとともに、図像学が学問的な言説として制度化されるプロセスを、1920〜30年代のドイツとその後のロンドンを中心とするヴァールブルク学派の活動のなかに辿った。4.ヴァールブルクの思考をルートヴィッヒ・クラーゲスの『魂の敵対者としての精神』などにおける議論と比較し、ジークムント・フロイトやカール・グスタフ・ユングの精神分析を視野に収めて、イメージと記憶、あるいは近代における「古代の再生」といった問題を中心に、世紀転換期から1930年代にいたる時代のドイツ文化圏の思潮について、イメージ論の観点から思想史的な分析をおこなった。これによって、クラーゲスもその一端を担ったバッハオーフェンの母権論思想復活の動向をはじめとする、この時代のドイツ思想における神話的イメージの大きな役割が見出された。また、ヴァールブルクの思想とヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』との比較対照を通じて、このいずれもがその背景にゲーテ自然学、とくに形態学の思想をもっており、同時代の思想に幅広く同一傾向の見られる点が明らかとなった。
著者
井上 如
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.978-985, 1993-11-01

図書館間での相互利用が展開する三段階過程,「相互貸借」,「コンソーシャム」,「ネットワーク」は,方向性を持った三段階の図書館業務,すなわち「収集」,「整理」,「利用」と呼応しながら進化している。すなわち,「相互貸借」は「利用」の共同化であり,「コンソーシャム」は「利用」のみならず「整理」をも含む共同化であり,「ネットワーク」は更に「収集」までを含む図書館業務の全過程の共同化である。第二段階が第一段階からevolveするのに対し,第三段階への進化は第二段階に内因があるのではなく,技術の進歩など環境変化に左右される。従って,図書館にとって第二段階と第三段階との間には越え難い溝がある。それを,「所有とアクセス」の矛盾,「単館」の論理と「群館」の論理の矛盾として提示した。次いで種々のコピー概念をオリジナルとの対応から整理し,その結果を博物館,美術館をも含む相互利用にあてはめて,貸借を基本とする博物館/美術館に対し,図書館では複写が基本である理由を,図書館が保有する刊本のduplicateという性質に求め,更にこの性質が,利用者にとっては,読みとは無関係に刊本の疑似所有を可能ならしめ,図書館にとっては,相互利用の三段階を貫くことによって,越え難いとした溝を重層化によって埋める可能性をはらむものであることを述べた。
著者
有馬 晋作
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-14, 2008-03-07

2007年1月、宮崎県は官製談合事件の出直し選挙により元タレントの東国原知事が誕生した。保守王国宮崎で、無党派層の多くの支持を得た新知事は、全国的な注目を集めた。当選直後、議会はオール野党であり、行政手腕も未知数で県政運営を不安視する声もあった。だが、知事の県外への高い発信能力によって観光面の成果も現れはじめ、県民の高い支持も得ている。その行政運営は、選挙で掲げたマニフェストを用いたマネジメントを導入しようとしている。そこで本稿は、東国原県政の半年間の特色を、マニフェストをキーワードに分析する。
著者
高橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.507, pp.17-21, 2007-01-19
被引用文献数
1

少子化が進む現代、出生率は低下し続けているが、逆に子供一人にかける親の期待と関心は増え続けている。しかし一方で、核家族化、地域社会の崩壊による"お母さんたち"の孤立化は、児童虐待などの新たな問題を引き起こしている。本研究における調査の過程においても、幼い子供を持つ母親たちからは、初めての育児のなかで、常に不安と焦りと孤独を感じているという声は非常に多く聞かれた。本研究では孤立化する母親たちを繋ぐネットワークとしてSNSを構築し1年間にわたって実際に運用をしながら、子育てに悩む母親達の交流を通じて子供たちの健全な育成にITシステムの側からアプローチを試みたものである。
著者
船越 徹 積田 洋 高橋 大輔
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.503, pp.129-136, 1998
参考文献数
14
被引用文献数
6 1

The purpose of this study is to clarify how people understands the structure of interior spaces. We made reviews for existing methods of cognitive maps, but it's difficult to analyze the spatial understanding by those methods, I.e. Image-Map, Sign-Map and Element-Recall Method. Therefore, we developed new cognitive map "Puzzle-Map Method", and applied to the interior spaces of 7 typical planning hospitals. As a result, it's very important to understand the interior spaces of hospitals that the clear structure from entrance spaces to derivation spaces, effective relationships between elements and each space.
著者
赤澤 堅造 奥野 竜平 金 寛 彼末 一之
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

近年,筋萎縮性側索硬化症,運動ニューロン病など,進行性で,かつ死に至る神経・筋系疾患が多く見られ,その診断,治療のため運動ニューン個数・サイズ分布の計測手法の開発が非常に強く望まれている.本研究では,等尺性随意収縮時の筋電信号を用いて,運動ニューロンの個数およびサイズ分布を推定する新しい理論を提唱し,筋電信号発生のモデルの構築とモデル解析により,推定法の妥当性と推定誤差を明らかにし,臨床診断への適用可能性を示すことを目的とした.本研究では,運動ニューロンの個数およびサイズを推定を以下の通り遂行した.(1)筋電信号発生モデルの構築サイズの異なる多数の運動ニユーロンからなる筋電信号発生のモデルを構築する。運動ニューロンのパルス発射パタンを与えて、筋電信号(時系列信号)をモデルにより作成した。(2)運動単位発火周波数の計測独立成分分析を用いた運動単位活動波形のデコンポジションプログラムの開発を行った.等尺性収縮時の多チャンネル筋電位信号を対象とし,運動単位の同定と運動単位発火周波数を算出した.その結果,収縮レベルの増加に伴い,運動単位発火周波数が増加することを示した.
著者
村越 行雄
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.A7-A35, 1992-03-20

"Reference and Definite Descriptions" (1966) の中でドネランによって主張された確定記述における指示的使用と属性的使用の区別という考えは, それ以前のストローソンの "On Referring" (1950) の批判を通して, リンスキーの "Reference and Referents" (1963) を手掛かりとしながら浮かび上がったものであるが, またそれはそれ以後のクリプキの "Speaker's Reference and Semantic Reference" (1977) とサールの "Referential and Attributive" (1979) において批判対象となったものでもある。その意味から言うと, ドネランの主張を中心に, 彼が批判対象としたストローソン, リンスキーの両主張そして彼を批判対象としたクリプキ, サールの両主張との比較検討を行なうことは, 単にドネランの主張のみならず, ストローソン, リンスキー, クリプキ, サールのそれぞれの主張をも明確にさせる結果となり, また各主張の比較を言語行為論的・語用論的視点から検討することにより, それぞれの主張における確定記述と話し手の指示の関係をより一層明確にさせ, 最終的にストローソン-リンスキー-ドネラン-クリプキ-サールの過程が話し手の指示に関する一つの歴史であることを浮き彫りにさせることにもつながるのである。
著者
別府 哲
出版者
岐阜大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

別府(1994)は後方向の指差し理解を検討する中で、自閉症児も健常児と同様、一定の発達年齢(発達年齢1歳以上)になれば指差した方向を振り返る事は可能であること、しかし共有伝達行動(大人に指差された方向を自分も指差しながら、振り返って大人を見る)に見られる他者認識は、健常児と比較して自閉症児の弱い点で在ることを指摘した。それでは自閉症児はどのようなレベルの他者認識を持っているのか。その点を観察による他者の「振る舞いとしての理解(麻生1980)」側面から、検討することが今回の目的である。そして対象としては、通常1歳頃に見られる、他者の情動を変化させる行動(からかいtease)に焦点を当て、それが在る時期に頻発した自閉症児N児一事例を取り上げる。方法としては、保母の日誌、母親の連絡帳、月1回程度のビデオ記録(3歳0カ月から6歳7カ月迄)から、(1)N児自身の喜びや不快等の情動表出場面、(2)母親・保母・他児がN児に対して喜びや不快の情動表出を行った場面、を取り出し分析した。取り出した場面は計531場面となる。ア・からかい行動の発達:からかい行動を「他者の予期を認識しその意図的操作を含む行動(James&Tager-Flusberg,1994)」と定義すると、N児の場合は「追い掛けられるのを期待して逃げる」形で出現した。最初は、N児自身が相手を叩くことで相手がプレイフルな情動に基づいて追い掛けてくれるのを楽しんでいたのだが、途中から相手がプレイフルな情動であるかどうかと無関係に相手の行動のみを求める行動に内容が変容して行った。これを「自分の特定の行動→(相手の特定の情動→)それに基づく相手の行動」と言う、一義的な随伴性の理解による他者理解に基づくからかい行動と考える。イ・指差しの理解との関連:N児の場合、指差し理解の成立がアで述べた一義的な随伴性の理解による他者理解に基づくからかい行動出現の時期と一致し、そのレベルの他者理解との連関が想定された。
著者
村上 和弘
出版者
愛媛大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

2006年8月、10月、そして2007年3月の3回にわたり、対馬市にて現地調査および資料収集にあたった。8月の調査は「対馬アリラン祭」を中心に参与観察および関係者への聞き取り調査を行なった。この「対馬アリラン祭」は対馬における日韓交流行事の象徴的存在であるが、それだけに日韓関係の影響を受けやすい。この年は春先にかけて来島韓国人観光客の行動が全国ネットのTVニュースや新聞で取りあげられたこともあり、特に、これら全国規模で流通するマスメディア言説への反応に注目しつつ調査を行った。10月は「対馬アリラン祭」との関係を念頭に、厳原八幡宮例大祭の参与観察を行なった。この両者は同じ地区で開催されており、地区住民にとってはともに屋台や出し物が出る「ハレの日」であることには変わりない。しかし、前者が「日韓友好」のイベントであるのに対し、後者は神社の祭礼であり、その性格付けはかなり異なる。そこで、特に対韓感情および郷土意識に注目しつつ、調査を行った。2007年3月は、昭和20年代を中心に資料収集を行なったほか、当時の貿易に関わる様相について関係者にインタビューを行なった。このほか、昨年度に引き続き、対馬に関連する学術論文・調査報告書の調査収集を行なった。また各種基礎資料、特に交通手段・ルートの変遷に関する資料の調査収集に努めた。この過程で対馬における観光開発関連も収集を行った。これらの文献資料と聞き取りデータとを照合しつつ、地域の全体像を明らかにするための作業を進めた。なお、今年度までの成果の一部は論文として『国際交流センター報』に発表したほか、2本を投稿中である。
著者
小松 秀雄
出版者
神戸女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

現代都市における祭礼の持続と変容に関して理論と実証の両面から研究を試みた。理論面では、文化的再生産論と都市社会学の下位文化理論の研究を深め、現代都市において祭礼を支える組織と技能が世代から世代へと受け継がれていく過程を再検討した。また実証面では、横浜の日技神社例大祭(お三の宮大祭)と神戸の生田神社例大祭(生田祭)に関して、組織と技能の文化的再生産(伝承)という視点から参与観察してデータを集めた。また、組織と技能の文化的再生産に焦点を当てて、文化的再生産が成功している都市の祭礼(名古屋地区の半田祭など)の資料も併せて収集してみた。これらの理論研究と実証的調査に基づいて、1997年に『横浜お三の宮大祭の社会学的研究-現代都市における祭礼-』(文部省科学研究費補助金による中間報告書)、「横浜お三の宮大祭の文化的再生産」(神戸女学院大学論集)を発表した。『横浜お三の宮大祭の社会学的研究』は、横浜の日技神社例大祭(お三の宮大祭)の調査結果をまとめたものである。祭礼の歴史と現在の祭礼の社会過程を論文の形でまとめると同時に、多種多様な祭礼の文書資料と写真を集めたもので適当に編集して、、祭礼のダイナミズムを直に感じ取れるように試みた。また、「横浜お三の宮大祭の文化的再生産」は、文化的再生産論の視点から横浜のこの大祭を再検討した理論的な研究成果である。祭礼は人々の組織形成能力と身体技能によって支えられ、実践される。そのような組織形成能力と身体技能は、主に地域社会と家庭における教育と訓練を通じて養成され、上の世代から下の世代へと受け継がれていく。それがまさしく文化的再生産と呼ばれる仕組みであり、論文では横浜お三の宮大祭における文化的再生産の仕組みを解明してみた。
著者
和田 尚明 渡邊 淳也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、言語系統的に全く異なる言語である日本語と、英語をはじめとする主な西欧諸語の時制現象における相違点・類似点を指摘・考察した。特に、(1)これらの言語の時制現象を統一的に扱える時制理論として、時制関連領域に属する助動詞・アスペクト・モダリティ・証拠性ならびに話者の主観性が反映したモデルを確立し、(2)主観的要因によって大きな影響を受けるいくつかの言語環境において、これらの言語の時制現象がどの点で共通し、どの点で異なるかを示した。
著者
堀内 成子 有森 直子 三橋 恭子 森 明子 桃井 雅子 片桐 麻州美 片岡 弥恵子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1.健康な初産婦10例に対して、一夜の終夜脳波を測定した結果、産褥5、6週までは、夜間の途中覚醒率が20%前後を示したが、産褥9週・12週においては夜間に中断された睡眠と、中断されない睡眠とが混在した。夜間において母親の途中覚醒は、こどもの足の動きと同期していた。こどもの慨日リズムは12週までに形成していた。産褥期の母親の睡眠リズムと子育てに焦点を当てて研究活動を行った。2.18組の母子を対象に行った24時間の睡眠日誌の分析からは、生後5週から12週までのこどもの睡眠・覚醒に関するパラメータの変化は、母親の同一時期のパラメータと同様の変化を示した。就床時刻は平均0時53分であり、生活が夜型にシフトしていた。夜間の覚醒時間について生後5および6週は、9週から12週に比べ、有意に長く、覚醒回数も多かった。産褥3ヵ月における母子の睡眠覚醒の推移は、同調した動きを示していた。3.7組の母子を対象に行ったアクチグラフの結果から、産褥3週から12週までの母親の夜間途中覚醒は、こどもの睡眠・覚醒の慨日リズム形成と関係していた。4.入眠前のリラクセーションを図る意味での、腰痛のある妊婦を対象に足浴の効果を見た。その結果、足浴行った実験群においては、就寝前に対する起床時の痛みの強さが軽減していた。5.子育てにともなう情緒については21人の初産婦の面接から、産褥4週以内の子育てに対しては<閉塞感のある生きにくさ>を特徴とし、育児生活そのものは<既成概念と現実のズレ>が多く、時には<暗い迷路>へとつながることもあった。育児の適切さについて<確信がもてない>毎日であり、<焦燥感や不全感>を持ちやすいことも語られた。睡眠リズムの変化に適応できないと同時に、子育てに強く困難感を抱いている事例の分析が今後の課題として残されている。
著者
伊東 剛史
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

文化の制度化を論じるにあたり重要な課題は、多種多様な人々が文化的な体験や科学知識をいかに解釈し、それが彼らの社会生活のなかでどんな意味を持ったのかを理解することである。具体的に、今年度は、人工的に構築された動物園の「自然」が、どのように文化的な資源として整備され、利用されたのかを分析し、その成果を積極的に国内外で発表してきた。まず、動物の収集活動がイギリス帝国のネットワークに依存していたことを明らかにする一方、動物園を帝国的な制度として一面的に分析する研究を批判した。近年、帝国史研究に関連して、動物園は植民地を「他者」として差異化したり、植民地支配を正当化したりする帝国的制度であると論じる研究がある。しかし、申請者は、見物客の日記などの一次史料を体系的に分析し、このような解釈は還元論的であり、動物園のもつ多面性を捉えることはできないと主張した。さらに帝国のイデオロギーよりも、自然神学的な世界観の方が影響力を持っていたことを明らかにした。「自然」の状態に置かれた動物を観察することで、それぞれの種固有の特徴が理解され、創造主に対する畏敬の念とともに、理性の力が高まると考えられたのである。こうした教育理念は、動物学者、教育家、教師らが作成した教科書や参考書によって具体化し、広められた。しかし、当時の子供の日記や手紙からは、彼らが与えられた知識を自由に活用しながら、子供独自の様々な楽しみを生み出し、自然を理解していたことがわかった。これは、動物園の教育理念が失敗に終わったということではなく、むしろ、動物園が文化的制度として整備され、様々な目的のために利用されるようになったことを示している。また、動物園を介して科学知識が日常生活に組み込まれていく過程には、科学者だけでなく、様々な人々の主体的な関わりがあったことも明らかにした。