著者
斉藤 優理 伊藤 貴之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本報告では,タイトルなどのメタデータに依存せず,楽曲の雰囲気に基づいた楽曲提示インタフェース「MusiCube」を提案する.MusiCube とは,楽曲を立方体内部に散りばめ,サイコロを転がすようにして,さまざまな角度からユーザの嗜好の傾向を眺めることができるインタフェースである.ユーザの嗜好を考慮した楽曲提示の仕組みとして,人間の評価に基づいて嗜好を学習し,提示へ反映する対話型進化計算を用いる.
著者
中村 愛実 小川 克彦 秋山 美紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.118, pp.115-120, 2008-11-22
参考文献数
8

インターネットは中高校生にとって身近な存在となった.しかし、学習面での利用に関しては学習教材の検索・著作権・保管や共有の面で課題が生じている.キーワードのみに依存する検索エンジンでは、自分の欲しい教材を見つけるための言葉を見つけにくく、また、コンテンツの著作権の扱いが不明確であることから気に入ったサイトや素材の保管・共有を自由にできない.本報告では、教材の発見を容易にする独自の教材共有タグにより、キーワードを入力することなく直感的に教材を発見できる感覚検索バー、好きな情報を取捨選択して個人保管かつ自由に共有することのできる個人ノート (資料集) を具備した学習教材プラットフォーム (学実ねっと) のコンセプトを提案し、システム概要を述べる.Recently, junior and high school students often take a chance to use the internet for leaning. However, there are many difficulties in searching, copying and sharing learning materials. They cannot find appropriate keywords for searching services. There are no practical rules in copying materials for sharing them each other. This report proposes an information-sharing platform called "Manamin Net" to solve the problems by using intuitively search functions and sharing materials with information tags.
著者
和崎 春日 上田 冨士子 坂井 信三 田中 重好 松田 素二 阿久津 昌三 三島 禎子 鈴木 裕之 若林 チヒロ 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 望月 克哉
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「グローバル化時代における中下層アフリカ人の地球的移動と協力ネットワーク」現代社会において、グローバライゼーションを生きるのは、北側社会や特別なアフリカ人富裕層だけではなく、「普通の」アフリカ人たちが、親族ネットワーク等を駆使して、地球を広く縦横に生き抜いている姿が、本共同研究から析出された。その事実を基礎にした外交上の政策立案が必用になってくることを、本共同研究は明らかにした。
著者
砂原 俊彦 堀尾 政博 橋爪 真弘
出版者
長崎大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

バングラデシュの首都ダッカにおける過去20年間の気象データとコレラやその他の下痢症患者数のデータベースを構築した。このデータを用い、降雨量および気温と患者数の関連を時系列統計解析を行なって調べた。その結果、週平均降雨量の増加によりコレラ患者数は14%増加し、コレラ以外の下痢症は5%増加することが明らかとなった。逆に、平均降雨量が減少してもコレラ患者数が増加することも明らかとなった。森林環境を好むマラリア媒介蚊Anopheles dirusのベトナムの森林伐採地における分布を、高解像度の衛星画像と標高データから得られる地被覆および地形の情報を利用して解析した。一般化線形モデルにより、この蚊が森林から20km程度の範囲では自然林に依存していないこと、深い谷があるような地形に多いこと、ゴムの植林地は生息に不適だがカシューナッツの植林地は好適であるらしいことが明らかになった。この地域のAn. dirusは森林から農地へと生息環境を移行させており農薬に用いられるピレスロイド系殺虫剤への抵抗性の獲得が懸念される。都市環境で人工容器を主な発生源とするネッタイシマカに媒介されるデング熱動態の数理モデルを、マイクロソフトエクセルをベースにして開発した。気温、湿度、降雨量が蚊の発生源の数や蚊の生存率、蚊の体内でのウィルスの潜伏期間に影響するというメカニズムを微分方程式で表した。容器の数などを未知のパラメータとし、適当な初期値を代入したモデルに現実の気象データを入力し、計算されたデング患者と現実のデング患者との差が最小になるように未知のパラメータを決定するSimplex法をプログラムに組み込んだ。このモデルを用いてデング熱患者を最小にする殺虫剤噴霧のタイミングを計算したところ、先行研究で示されたものとは異なり患者数のピークよりも前が最適であると結論された。
著者
尾崎 正峰 高津 勝 内海 和雄 上野 卓郎 坂 なつこ 岡本 純也
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

グローバル化が進む情勢下で、さまざまな変容を遂げてきている現代のスポーツについて、イギリス、ドイツ、オーストリア、アイルランド、オーストラリア、そして日本を研究対象として、各国・地域のスポーツの歴史・社会的な考察を行った。その結果、第一に、現代のグローバル化の進展が逆にナショナルな(あるいは、ローカルな)「伝統」を呼び起こしていること、第二に、コミュニティの紐帯の変容が言われる中、ローカルな場のスポーツを通して、新たなコミュニティ意識の形成の胎動が見られることが明らかとなった。
著者
猿渡 俊介 森川 博之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-8, 2010-08-26

ネットワーク化された物理オブジェクトを有機的に組み合わせていつでもどこでも必要なサービスを即座に構築することができる.このような,仮想空間だけでなく,実空間全てがプログラマブルになった世界がコンピューティング・ネットワーキング技術の目指すべき未来であろう.実空間のプログラマブル化は徐々に実現されつつある.携帯電話に組み込まれた各種センサを利用したスポーツアプリケーション,センサが組み込まれたリモコンを利用したテレビゲーム,いつでもどこでも撮影した動画像を瞬時に共有可能なマルチメディア共有サービス,マルチホップ無線通信を用いて電力やガスの自動検針を行うスマートメータなどは,センサ,コンピュータがネットワークを介して有機的に連携した結果として実現されている.実空間のプログラマブル化の最終形態に向けては,ワイヤレス技術の更なる技術革新が不可欠である.携帯電話や無線 LAN の登場によって加速化されたモバイル端末の発展により,ワイヤレス技術は新しい局面を迎えている.東京大学森川研究室では,無線通信の新しい応用分野の創出を目指すと同時に,電波政策などの俯瞰的な視点からも研究を進めている.本発表では,1 フロア当り数十の無線センサノードで実現される地震モニタリングアプリケーション,超低消費電力な無線待ち受けを実現するウェイクアップ無線通信方式,ロボットなどの機械を制御するために往復数ミリ秒以内の高速なデータの送受信を実現するリアルタイムワイヤレス,広範囲・高密度に電波の利用状況を収集する分散スペクトラムセンシングを紹介する.The next generation of computing and networking technologies will enable us to instantly build a useful service when we need it: the service is built by organically combining programmable networked physical objects. We are already enjoying services using the programmable networked physical objects, and the services include exercise applications using sensors embedded in a mobile phone, video games using sensors embedded in a remote, multimedia sharing services enabling us to instantly share fresh pictures and movies with our friends, smart meters automatically checking electricity consumption and gas consumption with wireless ad hoc networks. The services are realized by combining sensors and computers with networks. Towards the final form of the programmable networked physical objects, wireless communication technologies must be technically innovated furthermore. The wireless communication technology moves forward to a new phase by the progress of mobile devices, such as cell phones and WiFi PCs. We are widely studying not only the new application area of wireless communication, but also spectrum management policy. This presentation introduces our studies: earthquake monitoring composed of dozens of sensor nodes on a floor, wakeup wireless realizing super low power listening, real-time wireless enabling submilliseconds round trip time for machine-to-machine communication, and distributed spectrum sensing collecting spectrum usage information from densely placed sensor nodes.
著者
道正 泰弘 村 雄一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.14, no.28, pp.393-398, 2008-10-20
被引用文献数
1 5

A case study on various concrete recycling system in demolition of a thermal power plant was carried out from viewpoint of cost and environmental impact. In the study, one of the life cycle impact assessment method developed by Japanese national project "Life-cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling (LIME)" was introduced for the evaluation of effectiveness of the recycling system compared to only reusing for roadbed gravel and/or backfilling material. In this study CO_2 emission, crude oil consumption, land use for waste disposal and use of natural aggregate are evaluated.
著者
湊山 梨紗 野池 賢二 鈴木 泰山 徳永 幸生 杉山 精
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.5, pp.1-6, 2010-11-27

本稿ではピアノ譜を対象として適切な譜めくりタイミングの推定法を提案する.音楽演奏では演奏中に楽譜をめくる "譜めくり" が必要となる.この譜めくりを行うタイミングは演奏曲や演奏者によって異なると考える.しかし,具体的にどのような要因が譜めくりタイミングを変化させているのかは明らかでない.そこでまず,楽譜構造における時間軸方向の音符密度に着目した推定法を考案した.本推定法では,楽譜のページ末尾に休符などによって打鍵を行わないときに譜めくりが行われることから楽譜上で時間軸方向に音符の少ない箇所を抽出し,その長さをもとに譜めくりタイミングを推定する.また,本推定法を用いて被験者実験を行い,推定した譜めくりタイミングと演奏者が望むタイミングとを比較し,推定手法の評価と考察を行った.その結果,推定した譜めくりタイミングが演奏者の望むタイミングと概ね一致したことなどから,本推定法が有用である見通しを得た.This paper proposes an estimation method of page-turning point for piano score. Page turning is necessary for performing music, and page turning point varies according to performer and score. However, what influence for page turning point is unapparent. So, we propose an estimation method which considering density of notes on time series based on score structure. We also conducted an experiment to evaluate this method by comparing estimated point with performer preferring point. Results from this experiments showed that proposed method is useful for estimating page turning point.
著者
国井 秀伸 瀬戸 浩二 野中 資博 森 也寸志 相崎 守弘 石賀 裕明 野村 律夫
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

高度汚水処理法・直接浄化法の開発と,底質処理法(無害化・資源化)の開発を行い,流域統合管理の視点を加えて,流域の管理の違いが水文循環過程に与える影響を評価した.さらに,科学的・普遍的な立場もふまえて,汽水域生態系モニタリングのシステムを研究・開発・構築し,さらに地域と一体となった汽水域の生態系保全活動を行うことを目的に,地域住民との連携による汽水域長期モニタリング法を検討した