著者
森永 茉里 赤井 秀行 坂井 武司
出版者
九州ルーテル学院大学人文学部心理臨床学科
雑誌
心理・教育・福祉研究:紀要論文集
巻号頁・発行日
no.22, pp.63-74, 2023-03-31

今日の小学校教育では,通常の学級における特別な教育的支援の重要性が高まっている。しかし,小学校教員の特別支援学校教諭免許状の取得率は10%程度であり,特別支援教育の専門性を背景とした指導や支援の実現に課題があると考えられる。そこで本研究では,小学校第1学年の学習内容である加法と減法に焦点をあて,通常学級で使用される教科書と知的障害者用教科書の比較を通じ,通常学級での算数科指導における支援への示唆を得ることを目的とする。加法と減法の学習手順に即し,①場面の把握,②立式,③演算の3つの観点からそれぞれの教科書を比較及び分析した結果,①操作によって場面を動的に捉えさせる指導,②学習をスモールステップで進める指導,③演算手順の中の視点の移り変わりに配慮した指導,という3つの指導上の工夫が,通常学級においても学習支援として機能する ことが明らかになった。

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著者
菊池 昌弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.2057-2058, 2002-07-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
加茂 文吉 松下 宗一郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.2, pp.123-131, 2023-02-01

一般的に10人程度といったグループでのレッスンが行われているエレクトリックギターの授業クラスでは,個々の学習者の状況を正確に把握し,的確なアドバイスを与えることは容易ではない.授業内における録画あるいは録音では事後の評価に時間を要することに加え,機材の管理コストが授業運営における大きな負担となってしまう.そこで本研究では個々の学習者に腕時計型運動センサデバイスを装着させることで,レッスン内の演奏運動を全て記録し,演奏技量獲得の様子を可視化するシステムの開発実験を行った.ギター演奏技巧としては,音楽表現における重要な基礎技巧の一つであるアクセント付きコードストローク奏法を取り上げ,学習者の利き腕側での運動信号から演奏リズムの正確さ,アクセントの鋭さ,及び演奏運動の形態をPC画面におけるシンプルな操作にて評価することができる.音楽系専門学校における各1時間計5回にわたるギターレッスンクラスへの適用実験を行った結果,17名の学習者における技量獲得の状況を客観的に可視化することができた.また,数値データによる振り返りにより教育者と学習者が演奏技量に関する情報を共有することにつながった.
著者
関口 正宇 斎藤 豊 高丸 博之 松田 尚久
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.475-482, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
17

近年,直腸NETを中心に大腸NETを治療する機会が増えている.その結果,大腸NET治療後対応の重要性も益々高まってきている.しかし,追加治療やサーベイランスといった大腸NET治療後対応については,コンセンサスが得られていない項目が多く,日常臨床で苦慮する場面も少なくない.追加治療に関しては,粘膜下層にとどまる1cm未満の大腸NETについて,内視鏡的切除後に,脈管侵襲,NET G2,切除断端のどれかのみが陽性となってしまった場合に,特に外科的根治術の侵襲の大きい直腸において,追加手術をすべきかどうか悩む場面も少なからず経験される.サーベイランスについては,どのような対象にどのような方法で検査を進めていくか,質の高いエビデンスに基づくプログラムが世界的に存在していない状況にある.本稿では,大腸NET治療後対応(追加治療,サーベイランス)について,現状の問題点も含めて概説した.
著者
古田 治彦 久保 誼修 堀内 薫 小渕 匡清 白数 力也
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.81-87, 2000-04-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
16

For surgical correction of masseteric muscle hypertrophy, Obwegeser-Beckers method, removal of the exostoses at the mandibular angle, is usually performed. However, it is difficult to obtain satisfactory esthetic results by this conventional method. In this paper, a new surgical technique to easily obtain good esthetic results is reported. This technique can remove exostosis at the mandibular ramus without damage to the inferior alveolar neurovascular bundle and surrounding tissue.The method is as follows:1. A Lindemann bar is used to cut through the exterior cortical plate of the ramus and the area of the antegonial notch. Then, a bone saw is used to cut through the cortical plate on an oblique line.2. A splitting chisel is directed and driven inward to the osteotomy line. The exterior cortical plate of the mandibular ramus is removed, and so, this portion has thin, facial esthetics which are improvable.
著者
大井 一浩 井上 農夫男 金子 真梨 道念 正樹 松下 和裕 山口 博雄 戸塚 靖則
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR JAW DEFORMITIES
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-7, 2010-04-15 (Released:2012-03-02)
参考文献数
26
被引用文献数
1

The purpose of this study is to evaluate the incidence, risk factors and postoperative nausea and vomiting (PONV) in patients who underwent orthognathic surgery.The subjects were 139 patients aged 17-52 years (47 males and 92 females) who underwent orthognathic surgery in the Hokkaido University Hospital from January 2001 to December 2003. Ninety-four Sagittal splitting ramus osteotomy (SSRO), 34 Le Fort I osteotomy and SSRO (Le Fort I+SSRO), and 11 surgically assisted rapid palatal expansion (SARPE) were performed. Anesthesia was maintained with sevoflurane and nitrous oxide in oxygen. There were no cases of maxillomandibular fixation. The factors investigated included age, gender, type of surgery, amount of bleeding, operation time, anesthesia time, anesthesia induction drugs, fentanyl dose and incidence of PONV. A statistical study was performed using logistic regression analysis to confirm the statistical significance among age, gender, amount of bleeding, operation time, anesthesia time, difference of anesthesia induction drugs, fentanyl dose, and incidence of PONV. A Chi-square test for independence was used to confirm the statistical significance between the type of surgery and incidence of PONV. Differences were considered significant for a P<.05.Nausea was observed in 44.6% females and 17.1% males. The incidence of nausea was significantly higher in females. A significantly higher amount of vomiting was observed in 23.5% of Le Fort I+SSRO compared with 7.4% of SSRO and 9.1% of SARPE. Statistically significant differences for vomiting were also noted in the operation time and anesthesia time.
著者
吉田 滋
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.215-221, 2019-04-05 (Released:2019-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2

2017年はまさにマルチメッセンジャー天文学元年ともいうべき年であった.LIGO実験による重力波観測と電磁波対応天体の同定に続いて,ニュートリノ観測でもブレークスルーが起きたのである.我々IceCube実験が検出した高エネルギー宇宙ニュートリノ事象の到来方向を世界中の望遠鏡・宇宙観測衛星が直ちに追観測して,初めて対応天体候補が同定された.宇宙線放射天体がどこにあるのかさえ不明であった状況を一変させたのである.ニュートリノは弱相互作用にしか関与しない素粒子である.ある種の不安定な粒子がより安定な粒子に崩壊するときに伴って放出される.ベータ崩壊が良い例だ.このような「特殊な」素粒子であるニュートリノがなぜ高エネルギー宇宙の理解に本質的な役割を果たし得るのであろうか.高エネルギー現象を引き起こす動力源のエネルギー輸送の一端は陽子や原子核から構成されるハドロン粒子,すなわち宇宙線が担っている.その最高エネルギーは1020 eVにも達するのだ.こうした極限の環境下では超高エネルギー陽子は周囲のガスや光と衝突し,π中間子やK中間子といった不安定粒子を生み出す.これらの中間子が電子やミューオンに崩壊する際にニュートリノも生成されるのだ.いわば宇宙には天然の加速器が存在し,極めて高いエネルギーに加速された陽子や原子核ビームが光子やガスの海に注入され素粒子反応を引き起こしている.素粒子実験で人工的に作り出している状況が宇宙ではより巨大なスケールで実現していると考えられている.この「宇宙加速器」の加速能力は桁違いである.地上最大の粒子加速器であるLHCは陽子を1013 eVまで加速する.しかし宇宙線の最大エネルギーは1020 eVだ.宇宙といえど,これほどの加速能力を簡単には実現できそうにない.この機構を理解する有力な手段は,加速器の「現場」で起きる粒子衝突から生じる産物を直接測定することだ.この産物の中でも,ニュートリノは電荷を持たず,したがって磁場によって軌道が曲げられることもなく,光も通過できないような厚い雲をも突き抜けて,地球まで直進してくる優れたメッセンジャーである.しかもニュートリノは中間子を生成できる宇宙線ハドロン粒子がなければ生まれない.ニュートリノ放射天体イコール宇宙線加速器でもあるのだ.2013年にIceCube実験は初めてこの高エネルギー宇宙ニュートリノを発見し,宇宙加速器の現場でニュートリノが作られていることを実証した.観測データから,加速器天体が満たすべき条件が明らかになっている.しかし具体的な候補天体同定にはこれまで至っていなかった.マルチメッセンジャー観測手法を2016年に導入し観測を継続した結果,2017年9月,ついに候補天体の同定に成功したのである.同定された天体TXS 0506+056はブレーザーと呼ばれる特殊な銀河で,中心にある巨大ブラックホールの重力を動力源とするプラズマのジェットが我々の銀河方向に吹き出している活動銀河核(AGN)である.高エネルギーγ線天体の多数を占め,高エネルギー宇宙の主役の一角を占める.検出した宇宙ニュートリノのエネルギーは約2.9×1014 eVであり,この天体で陽子が少なくとも1015 eV以上に加速されたことを物語る.電波からγ線にいたる広大なエネルギー帯で取得された電磁波観測データから1014 eVを超えるニュートリノ放射を説明するには,幾つかの自明でない仮説が必要なことが明らかになった.これを手がかりに宇宙加速器天体の駆動機構を理解するデータを積み上げることが次のステップである.
著者
石場 光朗
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.653-656, 2021 (Released:2021-09-10)
参考文献数
4

原子力システムを含む重要インフラシステムでのサイバーセキュリティ脅威が顕在化している。また,原子力以外の産業分野では,システムの連携や新規ソフトウェアの脆弱性を利用したサイバー攻撃の脅威が次々と出現し,産業・制御システムを含めたサイバーセキュリティ対策が喫緊の課題になっている。ここでは,他産業分野での動向および対策状況も踏まえ,システムベンダーでの立場から原子力施設におけるサイバーセキュリティ対策について解説する。
著者
神野 満里奈 福原 義久
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.135-143, 2021-08-23

舞台照明の配色や配置、変更のタイミングなどは、専門の技術者の感性に依存している。本研究では、照明の調光・調色およびその配置を、曲調や歌詞の特徴を基に決定することで、曲のストーリーに沿った照明演出を自動生成することに成功した。具体的には、歌詞の特徴ベクトルから適切な照明色を選択し、曲調を用いて照明色の配置を決定する。また、極性値を用いて歌詞の内容から明度の設定などをおこなう。これにより個人の感性に依存しない安定した舞台照明演出が実現できる。
著者
Tetsuo KAWAKAMI Simon L. HARLEY
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
pp.230131b, (Released:2023-04-25)

Boron isotope compositions were measured in kornerupine and tourmaline from lenses consisting primarily of kornerupine, plagioclase and corundum. The lenses occur within hornblende-gneiss or along the boundary between this gneiss and an amphibolite lens at Akarui Point in the Lützow-Holm Complex, Prince Olav Coast, East Antarctica. The peak metamorphic conditions have been estimated to be ~ 800-900 oC and ~ 8-11 kbar. The δ11B compositions of kornerupine, which is interpreted to have been a stable phase at the metamorphic peak, are -11.6 ± 0.4 to -7.8 ± 0.5 ‰ and -9.8 ± 0.3 to -6.1 ± 0.2 ‰ in two different samples. Grains of prograde tourmaline included in kornerupine and corundum yielded δ11B = -2.1 ± 0.3 to +0.6 ± 0.3 ‰, and the secondary tourmaline replacing kornerupine yielded δ11B = -4.6 ± 0.2 to -3.7 ± 0.2 ‰. Therefore, the isotopic fractionation between kornerupine and tourmaline, △11BTur–Krn (= δ11BTur - δ11BKrn), of the average prograde tourmaline and average host kornerupine is +6.7 ± 1.5 ‰, which is interpreted to indicate isotopic equilibrium at the metamorphic peak on the basis of previous studies of isotope fractionation between tourmaline and minerals of the kornerupine-prismatine series. The δ11B values obtained on prograde tourmaline are between whole rock δ11B of MORB and mantle rocks and of some sedimentary rocks, and are similar to the δ11B of blackwall tourmalines that crystallized during the decompression stage following high-pressure metamorphism. We infer that the syn-metamorphic B-bearing fluid present in the kornerupine-plagioclase-corundum lens is likely sourced from a mixture of sedimentary, mafic and ultramafic lithologies in a subduction setting. The metabasic and meta-ultramafic lenses found in Akarui Point could be interpreted as the remnant of mixing zone of Ediacaran to Cambrian subduction channel.
著者
Fumiko Higashino Tetsuo Kawakami Tatsuro Adachi Masaoki Uno
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
pp.230131a, (Released:2023-04-21)
被引用文献数
1

This paper reports multiple fluid infiltration events during retrograde metamorphism in the Sør Rondane Mountains, East Antarctica. Pelitic gneisses from southern part of Perlebandet have cordierite-biotite intergrowth rimming garnet, implying that garnet breakdown occurred by fluid infiltration. Using the Raman peak of CO2 in cordierite and Cl-bearing composition in biotite, this study revealed that the cordierite-biotite intergrowth was formed in equilibrium with one-phase CO2-Cl-H2O fluid. The intergrowth texture is cut by thin selvages composed of Cl-bearing biotite, suggesting Cl-bearing fluid infiltration. Since andalusite is exclusively observed in the selvage, near isobaric cooling path is presumed for the pressure-temperature (P-T) path of these post-peak fluid-related reactions. The inconsistence with counter-clockwise P-T path reported from northern Perlebandet is probably due to the granodiorite/leucocratic granite bodies beneath the studied metamorphic rocks. In order to understand the tectonic evolution at the final stage of Gondwana amalgamation, therefore, effect of hidden igneous rocks needs to be taken into consideration.
著者
木本 眞順美 寺本 あい 渕上 倫子
出版者
岡山県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

近年、我が国においてはエビアレルギー患者の増加が目立っている。欧米では、既にエビのアレルゲンとして筋肉繊維を構成しているタンパク質であるトロポミオシンが唯一同定されているが、日本においては、その研究は進んでいない。平成13年度は、本研究課題の計画に従って、順調に実験を進め、試験したすべてのエビアレルギー患者血清において唯一トロポミオシンがアレルゲン成分として同定された。さらに、本アレルゲンに対する特異的なモノクローナル抗体を作製し、これらを利用してトロポミオシンの微量定量法(サンドイッチELISA)を確立した。平成14年度は本アレルゲンの低減化の試みの一環として、調理操作によるトロポミオシンの除去方法を検討した。この際、前年度に開発した測定系の有効性が確認された。新鮮エビを沸騰水中で10分間煮ることにより、エビに含まれるトロポミオシンの約9割が浸出液中に溶出され、この操作がエビのアレルゲン性の低減化に一つの手段として利用し得ることが示唆された。さらに進んだ低減化を図るためにはトロポミオシンのアレルゲン性の解明が必須となる。従って、次いで、日本人が常食している車エビトロポミオシンをコードするcDNAのクローニングを行い、トロポミオシン全長ならびに数種のペプチドを大腸菌において発現させた。これら組換え型タンパク質のアレルゲン性は患者血清を用いるイムノブロット法により検討した。得られたcDNAクローンは284個のアミノ酸残基からなる全翻訳領域を含んでいた。また、トロポミオシン全長を含む組換え型タンパク質は天然型トロポミオシンと同じ強度で患者血清中のIgE抗体と交叉性を示した。さらに、トロポミオシン全長を3分割、6分割したペプチドとの交叉性を検討した結果、トロポミオシンのエピトープはポリペプチド鎖上の全域に点在し、少なくとも4〜5個の領域の存在することが示唆された。
著者
菊池 豊 中川 郁夫 樋地 正浩 八代 一浩 林 英輔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1171-1177, 2002-11-15

地域間相互接続実験(RIBB)は,JGNにより地域網を互いに接続することにより,地域のインターネット活動への相乗的な効果を与えることを目的とした研究開発活動である.本稿ではRIBBの活動についてまずその概略を示す.そして,RIBBでの活動でも特に活発な,地域イベント動画像の全国配信の実証実験について述べる.さらに,これらを通して,JGNが地域インターネット活動に与えたインパクトについて解説する.
著者
倉沢 愛子 内藤 耕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

経済大国化しつつあるインドネシアにおけるテレビ放送について「公共性」と「商業主義」という観点から多角的に分析した。具体的には公共放送が定義づけられた2002年放送法制定をめぐる調査と研究、民放における公共性の確保をめぐる調査、公共広告放送やニュースの分析、地方局の現状に関する調査をおこなった。公共性がうたわれつつも、テレビ放送が商業的利益の追求や政治的動員のために利用される現状が明らかにされた。
著者
新井 卓二
出版者
学校法人 山野学苑 山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.19-24, 2022 (Released:2023-03-31)

「健康経営」に取り組む企業は年々増え、2021年度は上場企業の約1/3が取り組む経営戦略となっている。普及に伴い、企業での取り組みにかかわらず、社会への効果も見えるようになってきた。そこで、地方自治体である山形県上山市と宮崎県日向市の取り組みと、地方創生として地方自治体の健康経営向けサービスを支援している林野庁の取り組みを取材し、紹介するものである。具体的には、山形県上山市では「クアオルト」という考え方を、宮崎県日向市ではワーケーションを地方創生として健康経営向けサービスを展開している先進事例が示された。