著者
加藤 和弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

東京都およびその近県にある11の緑道で、緑道内の鳥類相と緑道の植生構造、緑道周囲の都市化の程度の関係を調査した。緑道内の鳥類相の場所による違いは、緑道周辺の都市化の程度にも影響を受けていたが、緑道内と隣接部における植被の発達の程度、特に上層の植被の発達の程度によってよく説明された。但し、緑道内外の下層植生が発達していない場合には、出現する鳥類種が限定され、アオジ、ウグイス、シロハラなどの下層植生や地表を利用して採食する森林性鳥類は出現しなくなる傾向が認められた。また、緑道内で記録された鳥類個体の多くは、移動する場合には緑道に沿った形での移動が多いことが示された。
著者
小倉 協三 小畑 充生 古山 種俊
出版者
東北大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

中等度好熱性細菌B.stearothermophilusのファルネシルニリン酸(FPP)合成酵素については 1.部位特異的変異の導入 2.耐熱性変異型FPP合成酵素の大腸菌内での大量産生 3.熱処理と2段階のクロマトグラフィーによる精製の系を確立した。この系を用いてプレニルトランスフェラーゼに特徴的な7つの保存領域ミ内のアノ酸について変異型酵素を作成し、それらの触媒機能の変化を精査し、新規なC-C結合形成反応の触媒機能獲得の有無を調べた。領域VIIに保存されているArg-295をValに置換した変異型酵素R295Vの酵素活性はほとんど変化しなかったが、非アリル性基質イソペンテニルニリン酸(IPP)に対するKm値が野生型のFPP合成酵素のそれの約1.5倍に増大した。同様の変化がC末端のHisをLeuに換えたH297Lでも認められた。この変化はプライマー基質をジメチルアリルニリン酸(DMAPP)にした場合さらに顕著になり、変異体のKm値は約3倍となった。さらにCys-289をPheに換えたC289Fでは10倍になった。領域VIに保存さているモチーフDDXXDのAspの変異体、D224A、D224E、D-2251、D228Aはいずれも触媒活性が激減したが、反応速度論的解析では、基質に対するKm値はIPP、GPPのいずれに対しても大きな変化はなかった。D288Aのみが例外で、IPPに対するKm値が野生型の10倍にもなった。領域VIの下流に保存されているLys-238の変異体酵素K238AおよびK238Rはいずれも触媒活性には大きな変化はなかったが、IPPに対するKm値がそれぞれ4.2倍5.1倍になった。これらの変異体酵素はいずれもIPPに対するKm値が増大しているのでホモアリル性の基質に対する特異性が特に変化している可能性がある。これらの変異体酵素の人工基質ホモログに対する基質特異性の精査は今後の課題である。
著者
荒木 宏之 三島 悠一郎
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ハイドロタルサイト(HT)とゼオライトを併用したHT/Zeリン回収法の開発を目的として吸着材の吸着特性、2つの吸着材の共役的脱着試験、脱着液からのリン回収試験、下水を用いた実証的な試験を行った。HTの一種であるナノサイズ層状複水酸化物(NLDH)とガラス粉末ゼオライト(GZe)のリン及びアンモニアの吸着特性を明らかにした。脱着試験からNLDHとGZeの1つの脱着液で共役的な脱着再生が可能であることを明らかにし、約9割のリンを脱着液中へ回収可能なことを示した。リン回収試験結果と併せて考慮すると、吸着したリンの81%を回収できることが分かった。実証試験では実廃水でもリン回収可能なことを示した。
著者
尾崎 美和子
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

これまでの我々の研究から、統合失調症関連遺伝子ニューレグリン(NRG)は50Hz付近から100Hz間の周波数刺激により膜貫通ドメインのすぐN末側で蛋白切断を受け細胞外に切り出されることが解っている。実際に、統合失調症患者の血液サンプルを用い、分泌型NRGの血中量と遺伝子多型を解析することにより、統合失調症患者では、その発病と改善に分泌型NRGの量が関与していることを明らかにした。また統合失調症患者の分泌型NRG量の変動が発病と関連があること、発病の際、前頭前野や聴覚野における50~80Hz付近の神経活動消失や乱れが観察されることから光計測系で分泌量と神経活動を同時計測し、その結果を脳刺激にフィードバックする仕組みを構築しようとしてきた。そのため必要な蛍光物質を様々な角度から合成、スクリーニングを行った結果、脳機能(神経活動)を高感度で検出できる温度感受性色素を得ることができた。神経活動変化に伴う細胞内カルシウム濃度変化が発熱・吸熱反応を引き起こし、その変化を蛍光強度変化計測することにより検出するシステムである。一方、NRGの蛋白分断と分泌を追跡するための新規プローブの合成にも成功し、両者を同時観測可能なところまできた。また、脳深部の計測を可能にするため、バンドル化した光ファイバー表面に色素を塗布することにより脳深部に於ける光計測をミリセカンドの時間分解能、20~50マイクロメータの空間分解能で計測できるシステムとし、同時に光刺激も可能となった。実際に脳スライス、動物個体に応用することによりそのプロトタイプの評価を行っている。
著者
平野 伸夫
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

温暖化対策の一つとして考えられているCO_2の地中貯留に関連して,秋田県奥奥八九郎温泉を対象に,現在でも活発に生じている炭酸カルシウム堆積物の 1)微生物代謝による生成2)溶液化学反応による生成 について検討した.その結果,1)に関しては微生物の存在は認められたものの,それが炭酸カルシウムの生成に結びついている確証は得られなかったが,2)に関しては温泉水中のFeイオンが炭酸カルシウムの生成に影響をおよぼしている可能性を見いだした.このFeおよび炭酸カルシウムに必要なCaはと地下の安山岩-玄武岩から供給されていると考えられ,このような岩質の場にCO_2貯留をおこなえば岩石化が促進される可能性がある.
著者
加納 修
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

王の滞在地の特徴は、ゲルマン国家によってかなりの相違が見られる。メロヴィング王国ではしだいに農村の宮廷が好まれるようになっていったのに対して、西ゴート王国とランゴバルド王国では王は都市に住み続けた。これに対して、宮廷組織については、相違も見られるが、興味深い共通点も確認される。とりわけ、王国建設直後のゲルマン人の王たちが、王に従属する非自由人に重要な任務を委ねていたことである。こうした統治の手法は、既存の勢力、ローマ人貴族やゲルマン人有力者層の勢力拡大を抑制する目的を持っていたと想定される。
著者
福田 恵子 藤井 麻美子 深谷 直樹
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近赤外分光法による脳機能計測において、測定信号に含まれる姿勢変化等の外乱や感情等の情報を含む皮膚血流の影響を大脳皮質血流から分離する計測法に関する研究を行った。まず、提案する2種類の補正信号を用いる皮膚血流変化の影響の補正手段に関して、シミュレーション及びファントム実験により、有効性を確認した。また、手段の実現に適した信号の変調・復調方式を提案し、その動作をファントム実験にて確認した。また、生体計測においては、皮膚血流の補正信号を測定対象信号と同時に計測し、測定対象信号に含まれる外乱の影響を確認した。
著者
平島 崇男 中村 大輔 苗村 康輔 河上 哲生 吉田 健太 大沢 信二 高須 晃 小林 記之 臼杵 直 安本 篤 Orozbaev Rustam Svojtka Martin Janák Marian
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

本研究課題では、世界で最も冷たい超高圧変成帯であるキルギス、最も温かい超高圧変成帯であるチェコ、その中間型である中国東部に分布する超高圧変成岩を対象とし、地下60-100kmでの流体活動の実態を明らかにし、超高圧変成岩の上昇駆動に関与する深部流体の役割の解明を目指した。超高圧時の温度が1000Cを超えるチェコの研究では、超高圧変成岩が上昇中に減圧部分溶融し浮力を獲得したことを見出した。超高圧時の温度が800C以下のキルギスや中国では、超高圧時でもローソン石・クロリトイド・Ca-Na角閃石等の含水珪酸塩が安定であり、ローソン石などは減圧時に脱水分解し周囲に水を供給していたことを見出した。
著者
澤田 一彦
出版者
滋賀大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

3D映像や組み立て自在の粒子模型を活用し,いかにすれば科学的思考力を高めさせることができるのかを実践で明らかにし,その有効性を検証することを研究の目的とした。3Dは,映像に現実味を持たせることに長けている。3Dによる資料提示は,一度に多くの生徒に注目させる必要があり,以下の点で偏光方式が適していた。●偏光による3Dは,アナグリフ方式と異なり,生徒の色盲・色弱に配慮する必要がない。●偏光による3Dは,片眼の生徒には2Dとなり,新たな差別を生まない。●コンテンツの投影・作成は,安価,簡単に導入できる。自作のマジックテープによる組立て自在な発泡スチロール球は,友だちと考えを交流ながら体験的に理解させることに長けている。従来のものと比較して,次のような利点があった。●みんなからよく見えることは,討論に適している。●価数にあたるマジックテープで組立てることにより,実在の物質を生徒が容易に作成できる。これらの教材を単発的に使用せず,次の点に留意して授業を設計し,関心・意欲を喚起する学びの誘い,生徒の考えを揺さぶる言葉がけ,驚きのある体験のしかけ,明らかにしたことを確かにする場面を構成した。●生徒の持っている知識,概念,イメージの誤謬,半わかりを明らかにして,生徒の科学的思考を高める。●予想や考察をモデルや文章でかかせて,生徒の科学的思考を高める。●的確な指示,考える観点を絞らせるような具体的な発問をして,生徒の科学的思考を高める。●生徒が考えを交流したり,練りあう場を設けたりして,生徒の科学的思考を高める。●学習内容を焦点化して,授業のねらいを明確にして,生徒の科学的思考を高める。成果と課題をまとめるにあたって,授業者による観察と質問紙調査を行った結果,図や文章では表現しづらい粒子概念の定着が図られ,発展的な内容に関して好奇心を満足させている生徒の変容が明らかになった。
著者
尾形 邦裕
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は人の持つ高度な運動スキルを解明し,ロボットの新たな運動制御法を確立することにある.本研究では,高度な運動スキルとして他者の身体を扱う動作に注目し,これを解析するために甲野善紀に実験協力を得た.そして片手で人を引き上げる動作,人を押す動作,竹刀で相手の姿勢を崩す動作など様々な動作の計測解析を行なってきた.そして各動作において動作の成否を分ける重要な運動特徴を抽出した.これらの運動特徴の有効性を検証する必要がある.そこで,片手で人を引き上げる動作及び押し動作において力学モデルを導出し,動力学シミュレータによってそのモデルの妥当性を検証した,その結果,いずれにおいても動作の主体者のみならず,受け手の運動も重要でありことが分かり,甲野は受け手に任意の運動を誘導することで少ない労力でタスクを成功させていることが分かった.本研究では,押し動作に注目し,解析から得た運動特徴に基づくロボットを開発した.押し動作では腕部の高剛性と全身を活用した瞬間的な加速度変化が重要であることが動作解析の結果から分かっている.腕部の高剛性は多関節筋の拮抗が重要な役割を果たしていると考えられ,これを実現するために空気圧人工筋をアクチュエータとして用いた.このロボットを用いた押し動作の実験の結果,受け手の運動誘導が確認され,運動特徴に基づくロボットの有効性が確かめられた.本研究で開発したロボットは運動特徴の重要な点を実装したに過ぎず,複雑な人の身体において運動特徴が重要な役割を果たしていることを正確には示していない.そこで,運動特徴をコツという簡易な表現にまとめ,このコツを人に教示することで動作に変化が生じるかどうかを検証した.実験の結果,コツの教示による主体者の運動に統計的に有意な変化が確認できた.このように,人の運動解析から重要な運動特徴を抽出し,その再現性,工学的応用などを示すことができた.
著者
能年 義輝
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

抵抗性誘導剤(プラントアクチベーター)は植物の免疫力を活性化することで病害防除効果を発揮する薬剤である。植物免疫を司るホルモンであるサリチル酸(SA)に糖を付加して不活性化するサリチル酸配糖化酵素(SAGT)を阻害すると免疫応答を増強できる。そこで本研究ではシロイヌナズナのSAGTを用いたSAGT阻害剤の標的ベース探索を行った。東京大学創薬機構が保有する約21万個の化合物から、SAGT阻害剤12個の同定に成功した。それらはシロイヌナズナ培養細胞の免疫応答を活性化した。現在、植物体への抵抗性誘導能と阻害定数の同定を進めている。植物における機能が証明されたものを特許化し、実用化の可能性を検証する。
著者
小寺 敦
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

出土資料に関する研究会・学会に参加し、新発見の出土文献の史料的性格に関する研究を進めた。日本国内外の研究機関を訪問し、遺跡調査や資料調査・収集を行った。これらの諸活動の成果として、「ゆずり」のような日常的行為が、王権を思想的に支える要素として取り込まれていく過程を明らかにした。これは家族のように「普通のもの」として認識されているものが、いかに「宗法制」という社会秩序に化するか解明することに繋がる。
著者
管 宇
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

In year 2014, the application of identification over obstacles by applying terahertz technique was explored. None of the existing identification techniques have quite met the needs of acquiring coded information behind the package material or obstacles as well as keeping low cost and good countability. Terahertz (THz) radiation can penetrate many commonly used packaging materials, making it suitable for nondestructive and noninvasive inspection and imaging. Such identification tag operating at THz-wave region is expected to be a solution to practical industrial need.I started this research work by the development of a novel design of surface metal antenna worked in THz-wave region, continued from my last year’s study. Followed by that, I came to an idea of developing a printable THz-barcode system with a dielectric coating layer on the back-side to the common barcode system to construct an etalon cavity, which should operate behind a layer of packaging. This allows us to read the image of a barcode using THz radiation even when the dimensions of the low-frequency beam are larger than the width of the bar. Due to the cheap price of the ink applied for printing barcode patterns, low-cost of such system is also achieved. By demonstrating the superior performance of my design, I have published a paper on international journal and presented it in an international conference held in USA.
著者
錦織 良 加藤 功一
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

歯科および整形外科の領域では、間葉系幹細胞(MSC)移植による骨組織の再生治療が盛んに研究されている。そのような治療をいっそう効果的に行うには、不均質なMSC 集団の中から骨分化能の高い細胞をその表面マーカーを利用して予め選別し、細胞品質を管理することが治療に有効であると考える。そこで本研究では、未分化状態のMSC に発現する表面マーカーと、分化培養を行なった後の骨分化の程度との相関を調べ、それによってMSC の予見的表面マーカーを同定することで、MSC の品質管理に応用するための方法として、オンチップ・セル・ソーティング法および、MSC の予見的マーカーとして候補となる表面マーカー/抗体を多数選び出し、これらの可能性を調査した。マイクロアレイの作製には、アルカンチオール自己組織化単分子膜のプラズマパターニング法を用いた。10種類程度の抗体を1種類ずつスポットに固定した。多種類の表面マーカーに対する多種類の抗体を配列固定した小さな抗体チップ(チップ)を作製した。そのチップ上に細胞を播種することによって、それぞれの表面マーカーを発現する細胞を抗体を固定化したスポット上に播種しソーティングを行った。抗体に対応した表面マーカーを発現した分化前のMSCの表面抗原発現パターンを簡便に分析評価することができた。また、文献を調査することでMSCに特異的に発現する予見的表面マーカーの候補が明らかになった。スポットに捉えられた細胞の数を数えることで、定量的な評価が可能であることが示唆された。抗体チップを用いることで、細胞表面に発現する各種マーカーをチップの使用により迅速に分析することが可能になった。この手法によって、再生医療におけるMSCの品質管理に関する研究が加速されるものと期待される。なお、代表者は文部科学省の専任義務のポジションに変わったため規則上科研の研究継続が出来なかった。
著者
内尾 英一
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

抗アデノウイルス作用を持っている可能性のある薬物のアデノウイルス増殖抑制作用をin vitroで解析した。アデノウイルス増殖抑制効果が見られた薬剤はザルシタビン,スタブジンおよびGRGDSPペプチドであった。抗ヒト免疫不全ウイルス薬では核酸系逆転写酵素阻害薬のみが有効であった。GRGDSPペプチドは吸着阻害作用による効果を示した。これらの薬剤がヒトのアデノウイルス結膜炎への安全な治療点眼薬である可能性が示された。
著者
樋口 敬二 茅 陽一 川那部 浩哉 半田 暢彦 松野 太郎 中根 千枝
出版者
中部大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1994

地球環境科学の基本的な考え方、各学問分野において推進すべき研究課題、そして推進方策について6WG(研究基盤、気候システム、物質循環、生態システム、人間活動、総合技術)とそれを総括する総括WGを設けて検討を行った。7月から2月にかけて、計35回のWG会合を開催し、以下の結果を得た。(1)地球環境科学の定義としては、「人類の生存基盤である地球環境の理解を深め、人間活動の影響によって損なわれた地球環境の維持・回復に関連する諸問題の解決に資する総合的・学際的科学であり、そのために大気、海洋、陸域、生態系に関わる地球環境変動のメカニズムを解明するととともに、人間活動と地球環境の相互関係を踏まえて、影響の予測及び対応策に関する研究を行い、環境調和的な人間活動の在り方を考究するものである」と定義するのが適当と考えられる。(2)主要な研究課題としては、現象の総合化、対応策の総合化などに基づいたものが重要であり、各研究課題はa)人間活動や社会システムの変化による地球環境の変化を解明する視点、b)人為的な地球環境変化による自然や人間社会への影響を解明する視点、c)人間活動と自然現象との相互作用から地球環境保全の方策を探る視点の3視点を基にしたものに分類できる。たとえばa)に該当する一般的課題としては、人間活動の拡大や社会システムの変化による地球環境負荷の増大に関する研究、人為的環境負荷の増大による地球環境の変化に関する研究、地球環境の環境変化を引き起こす社会システム及び自然システムの解明に関する研究が考えられる。(3)推進方策として最も重要なのは、既存の研究ネットワークをもとにプロジェクト型の研究を推進する中核的研究機関の設立である。また、同時にプロジェクトの実施体制の改善、人材の流動化、国際共同研究の一層の推進と主としてアジア・太平洋地域でにおける持続的な研究とデータの蓄積を図ることが最も重要であるという方向が示された。
著者
永野 智久
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

オープンスキル(競技中に環境が絶えず変化し予測が困難な状況で発揮される運動スキル)を要する特定のスポーツ状況において、競技者のパフォーマンスを左右する予測能力に重要な視覚的手がかり(Visual Cue)を明確にするためのフィールド実験を実施した。特にサッカーのペナルティーキック状況において、ゴールキーパーとキッカーの双方を被験者とし、同時に視線移動パターンを記述し、予測に重要な情報を特定した。
著者
池田 佳子
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、個人差に起因する要素の中でも、学習目的でないインフォーマルな学習実践、たとえば日々の生活の中や課外活動の中で偶発的に起こるインタラクションを通して実現する学習の有無、またその実践の具体的な内容が要因解明の鍵となると考え、その「個人差」の実態とありかの解明を目指すものである。さまざまなインフォーマルな学習者の相互行為場面を考察したが、その中でもICTを介して活動する場面、特にPBL(Project Based Learning)場面に着目し、その中で学習者らがどのような偶発的な学びを展開するのかを考察した。
著者
鹿島 薫 那須 裕郎 奥村 晃史 本郷 一美 高村 弘毅 吉村 和久 小口 高 西秋 良宏 茅根 創 三宅 裕
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、これまで研究の遅れてきた中東および中央アジアにおける平野、盆地、湿地、湖沼などの陸地域における現地調査を行った。これらの地域では多数の遺跡が立地しており、それらを手がかりとして、最新の分析探査手法を用いながら、環境変動の実態を明らかとすることができた。そして地球環境が短期(10~100 年オーダー)で急激に変化してきたという事実とそれが遺跡立地に与えた影響を検証し、それらの結果から今後の地球環境の変動予測への応用を行った。