著者
山内 拓真 根本 さくら 長野 恭介 中村 祥吾 斉藤 勇璃 宇田 朗子 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

本論文では,与えられたゲームシーンに対し自動的にBGMを選曲するシステムについて述べる.本システムは,RPG自動生成システムの一部として機能することが想定されており,自動生成されたゲームシナリオが入力されると,各ゲームシーンの感情状態に合致したBGMをデータベースから選択する.まず,既存RPGにおける各シーンにユーザが感情状態をタグ付けして訓練データを作成する.各シーンに付与されているBGMの音響特徴量を算出し,ニューラルネットワークを用いて,その音響特徴量と各シーンの感情状態の対応関係を学習する.シーンの感情状態を表す指標にはHevnerが定義した音楽心理カテゴリを用いた.予めBGM候補となる楽曲群データベースを用意し,それらの音響特徴量を算出しておく.ゲームシナリオで指定されたシーンの感情状態がニューラルネットワークに入力されると,対応する音響特徴量が得られ,音響特徴量の類似した楽曲がBGM候補群の中から選択される.現在,RPG自動生成システムに組み込んで全体動作を確認しており,被験者実験の準備を進めている.
著者
中村 隆之 宮田 一乘
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.24-31, 2018-08-20

地形リズムアクションゲーム「アオモリズム」は,ハードウェアとしては60インチの低解像度リアプロジェクタと23インチの高解像度LCDを重ねた2画面構成の筐体,ソフトウェアとしてはオーソドックスな音楽ゲームをベースとしつつも青森県と北海道の地形が殴り合うアニメーション演出等の特徴があるアーケードゲームである.東京ゲームショウ2013における展示を皮切りにCEDEC2014での展示,および青森県の宿泊施設,同県内の博物館での9カ月の長期展示を行った.本論文では,作品の位置付けとコンセプト,開発および展示の結果を示す.また解像度とサイズの異なる2画面構成により離れて見る客と近づいてプレイするプレイヤに異なる体験を与えられたことを中心に,得られた知見を述べる.
著者
大野 直紀 土屋 駿貴 中村 聡史 山本 岳洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.929-940, 2018-03-15

音楽動画の印象に基づく検索や推薦,音楽動画の類似判定のためには,音楽動画の印象推定に関する技術が必須となる.しかし,音楽に対する印象評価や映像に対する印象評価に関する研究は多数なされている一方で,音楽と映像が組み合わされた音楽動画に対する印象評価の研究は十分になされていない.我々は,音楽と映像の印象がどのように音楽動画の印象に影響するのかを調べるため,「音楽のみ」「映像のみ」「音楽動画」の3つの関係性に着目し,これらに対する8印象軸の印象評価データセットを構築した.また,それらを分析することで,音楽と映像の印象評価の組合せによる音楽動画の印象推定の可能性について検討を行った.またデータセット内の音楽動画の音楽と映像を任意に合成した音楽動画を生成し,印象評価を行ってもらうことで,音楽印象と映像印象の組合せが音楽動画の印象とどのように関係しているのかの分析を行った.その結果,音楽と映像の印象を組み合わせることによる印象推定の可能性があること,また各印象によって印象の組合せ方が異なることを明らかにした.
著者
片岡 葵 村木 功 菊池 宏幸 清原 康介 安藤 絵美子 中村 正和 伊藤 ゆり
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.682-694, 2021-10-15 (Released:2021-10-06)
参考文献数
21

目的 2020年4月に改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例が施行された。現行の法律や条例では,喫煙専用室や飲食可能な加熱式たばこ喫煙専用室を認めている他,客席面積や従業員の有無で規制の対象外となる,客席での喫煙が引き続き可能な飲食店(既存特定飲食提供施設)が存在するため,飲食店の禁煙化に地域差が生じる懸念がある。また日本では,路上喫煙防止条例がすでに多くの自治体で施行されているため,店舗外での喫煙が困難となり,店内の禁煙化が妨げられる可能性がある。本研究では,既存特定飲食提供施設を対象として,法律や条例施行前の飲食店の屋内客席喫煙ルールと施行後のルール変更に関する意向を把握し,法律や条例制定による屋内客席喫煙ルールへの影響を地域ごとに検討することとした。方法 東京都,大阪府,青森県の20市区町村で営業している飲食店6,000店舗に対し,2020年2~3月に自記式質問紙調査を実施した。調査項目は,法律や条例の施行前および施行後に変更予定の屋内客席喫煙ルール,業種,客席面積,従業員の有無,客層や客数,禁煙化に関する不安,国や行政に期待する内容とした。解析は,屋内客席喫煙ルールを「全面禁煙」「分煙」「喫煙可」に分け,変化の推移を割合で算出した。解析対象は既存特定飲食提供施設とした。結果 回答は879店舗より得られ,既存特定飲食提供施設は603店舗であった。分煙・喫煙可能から禁煙化にする予定の店舗は,東京都で5.2%(3/58),大阪府で23.1%(31/134),青森県で17.2%(57/326)であった。現在すでに全面禁煙であり,法律や条例施行後も変更予定がない店舗を加えると,法律や条例施行後に全面禁煙となる予定の店舗は,東京都で46.6%(55/118),大阪府で49.6%(113/228),青森県で48.6%(125/257)であった。結論 既存特定飲食提供施設において,分煙・喫煙可能から禁煙化にする予定の店舗は17.6%(91/518)であった。禁煙化に踏み切らない背景として,顧客数や売り上げ減少への不安,喫煙者からのクレームなどの懸念が考えられるため,禁煙化による営業収入の変化についての知見の蓄積を行うとともに,店内を禁煙にした場合の喫煙者への対応や,公衆喫煙所などの環境整備が禁煙化の促進に必要と考える。
著者
山田 成臣 岩本 千鶴 中村 真梨枝 添田 美里 坪井 洋 狩野 宏 浅見 幸夫
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.25-31, 2016 (Released:2016-04-12)
参考文献数
20

プリン体を多く含む食品の過剰摂取は高尿酸血症の原因となる。腸管におけるプリン体の吸収を低減することで,血清尿酸値の上昇や高尿酸血症の悪化を抑制できる可能性がある。我々は乳酸菌によるプリン体の吸収低減の可能性を検証した。初めにプリン塩基がプリンヌクレオシドよりも吸収されにくいことから,プリン塩基への分解能が高い菌株として Lactobacillus gasseri PA-3(以下 L. gasseri PA-3)を選抜した。また,L. gasseri PA-3 が少なくともアデノシンと AMP を取り込むことを確認した。更に in vivo における L. gasseri PA-3 とプリン体(アデノシンまたは AMP)の同時投与試験で L. gasseri PA-3 のプリン体吸収低減効果を明らかにした。最後に血清尿酸値が 6~8 mg/dL の被験者を対象に L. gasseri PA-3 含有ヨーグルトの摂取試験を行った結果,L. gasseri PA-3 摂取時の血清尿酸値の変化量が対照群よりも有意に低く,ヒトでの有効性も確認された。これらの結果より,L. gasseri PA-3 は腸管においてプリン体の吸収を低減させ,適切な血清尿酸値の維持の一助になると考えられた。
著者
仲宗根 敏幸 又吉 亮 宮本 昇 後藤 新平 平野 惣大 牧志 祥子 中村 博幸
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.151-158, 2021

神経節細胞腫(GN)は,交感神経系または副交感神経系の神経節から発生すると考えられているまれな良性神経腫瘍である。3歳の時,副腎と右眼窩周囲骨に腫瘍を認め,神経芽腫(NB)Stage Ⅳと診断された。化学療法後,腫瘍を切除し,副腎の神経節芽腫(GNB)と眼窩周囲骨のGNの病理組織学的診断を得た。腫瘍は初発から21年後に頭蓋内硬膜で再発し,生検組織からGNと診断された。顎骨内のGNは,24年後に左側下顎,27年後に右側下顎で明らかとなり,切除された。病理組織学的には,腫瘍は成熟した神経節細胞で構成されていた。さらに,免疫組織化学で腫瘍細胞は,vimentin, S-100,neurofilament,Anti-Glia Fibrillary Acidic Protein (GFAP)およびsynaptophysinに対して陽性であり,α-Smooth muscle actin(α-SMA)およびCytokeratin AE1/AE3に対して陰性であった。Ki-67 labeling index (LI)は1%であった。最終診断としてGNであった。本症例は,一連の臨床経過から副腎腫瘍であったNBが両側下顎骨に転移し,長期経過をたどってGNとして発生した非常にまれな症例である。
著者
佐藤 雅彦 中村 豊郎 沼田 正寛 桑原 京子 本間 清一 佐藤 朗好 藤巻 正生
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.274-282, 1995-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
3 1

和牛がなぜおいしいかを解明する一助のために,銘柄牛とされる5種類の和牛の香気および呈味成分について検討した.理化学的分析の結果は以下のとおりである.(1) 赤肉部の分析では,ペプチドの分子量分布,ヒスチジン関連ジペプチドおよび核酸関連物質に銘柄による顕著な差は認められなかった.全アミノ酸量およびグルタミンは飛騨牛で多く,松阪牛で少なかった.(2) 脂質の分析では,いずれの銘柄牛もほとんどHPLCにおける保持時間(Rt)55分以降にピークが存在し,そのピークパターンは類似していた.脂質の融点は,神戸牛,米沢牛および松阪牛で低く,前沢牛および飛騨牛で高かった.(3) 加熱香気分析では,加熱後の牛肉試料中の脂質含量に差はないが,回収された香気画分の量,香気画分中の窒素化合物において前沢牛が多く,香ばしいことが予想された.また,官能基別分類では,酸類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類に銘柄による相違が認められ,これらは脂質に由来する化合物の差が現れていると考えられた.
著者
中村 順一 大庭 美香 甲斐 郷子 吉田 將
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.79-80, 1992-02-24

自然言語では、一つの意味内容を表現するために様々な形式の表現を用いることが可能である。しかし、個々の発話状況においては、そのすベてが自然なものとは限らない。「太郎が花子を手伝った」は、太郎や花子が話者よりも目上であれば、「太郎さんが花子さんを手伝われた」の方が自然である。このような現象を扱い、機械翻訳システムや自然言語インタフェースなどの出力文をより自然なものにするためには、統語論・意味論上の処理だけではなく、語用論的な処理も必要である。本報告では、特に敬語などの待遇表現に注目し、話者、聴者、動作の関係者の間の関係に従って自然な待遇表現を用いた文を生成するモデルについて報告する。待遇表現としては、尊敬語・謙譲語・ていねい語を対象とし、登場人物間の身分的上下関係を与えることによりこれらを選択する。選択の対象は、「行く/参る/いらっしゃる」などの動詞、「φ/ます」の動詞語尾表現、「ぼく/わたし」、「太郎/太郎さん」などの人の呼び方、である。文生成には語彙機能文法(LFG)の考え方を用い、待遇表現の選択に関する規則性を個々の語彙記述中の制約として記述する。
著者
小山 謙二 中村 亨 西尾 修一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, 1998-07-15
著者
中村 晃 安田 源
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.795-798, 1979-11-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1
著者
津山 孝人 中村 将太 乗冨 真理 Radka Vladkova
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.128, 2017

<p>環境ストレスは光合成を阻害する。低温や乾燥により炭酸固定速度が低下すると光は過剰になり、葉緑体で活性酸素の生成を引き起こす。活性酸素は各種タンパク質および脂質を酸化し、光合成を不可逆的に阻害する。植物は光合成電子伝達反応を制御することで過剰光を安全に処理する。光合成電子伝達反応のうち、チラコイド膜における酸素還元反応は、その能力が被子植物よりも裸子植物の方が高い。酸素還元反応はフラボプロテインFlvによって触媒される。同タンパク質はらん藻から裸子植物まで保存されている。本研究ではまず、酸素還元反応の能力の評価法を確立するために、らん藻<i>Synechocystis</i> sp. PCC 6803のFlv1欠損株を作製した。酸素還元能は、暗適応後の試料に飽和光パルスを照射して誘導されるクロロフィル蛍光の強度の変化(蛍光減衰)により評価される。蛍光減衰は、野生株よりも欠損株の方が遅かった。これは、蛍光法により酸素還元能を正しく評価できることを示す証拠となる。一方、被子植物の酸素還元反応は小さいが、光化学系Ⅰ循環的電子伝達の能力は高い。裸子と被子、どちらの光合成制御が過剰光処理に有利かを議論する。</p>
著者
林 徳之 中村 聡一 吉川 弘正 安部 恒之 小林 博
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.7-13, 1994-05-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

We examined the role of olfaction involved in schooling of Japanese sea catfish Plotosus lineatus, and attempted to elucidate the relationship between the sensitivity to an aggregating pheromone and bodylength in reference to a reduction of the school size with growth in Japanese sea catfish. Behavioral test of preferenCe for sea water which had held their own school were carried out on 97 fish (42 to 235mm in total length), using filtrated sea water or sea water which had held another school as a control. The catfish discriminated and selected the sea water holding their own school. However, anosmic fish no longer discriminated their holding sea water, suggesting that this preference leading to a school was established by olfaction but not other sense organs including taste. No distinct change in the preference with fish growth was recognized. However, larger fish especially maturing females tended to show a lowered preference. This suggests that reduction in the constituent members of the school with growth in Japanese sea catfish was dependent upon breakaway from menace of predators or upon dispersal of maturing females from their school to avoid incest breeding.
著者
中村 元
出版者
心編集委員会 平凡社(発売)
雑誌
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.147-160, 1968-11