著者
橋本 修二 福富 和夫 市川 誠一 松山 裕 中村 好一 木原 正博
出版者
日本エイズ学会
雑誌
日本エイズ学会誌 = The journal of AIDS research (ISSN:13449478)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-42, 2000-02-20
参考文献数
13
被引用文献数
4

緒言: 日本におけるHIV/AIDSの将来予測を行った。なお、凝固因子製剤によるHIV感染は検討の対象外とした。<BR>対象及び方法: 1998年末までのエイズサーベイランス報告、HIV感染報告の捕捉率、新しい抗HIV治療の受療者割合、AIDS発病の潜伏期間を基礎資料として, HIV感染者時点有病数とAIDS患者累積数を2003年末まで予測した。<BR>結果: HIV感染者時点有病数は日本国籍では1998年末で7,300人と推計され、2003年末で15,400人と予測された。外国国籍では1993年以降一定という仮定の下で700人と予測された。AIDS患者累積数は日本国籍では1998年末で925人と報告されており、2003年末では3,300人と予測された。外国国籍では1998年末で361人と報告されており、2003年末では900人と予測された<BR>。結論: HIV/AIDSの2003年末までの将来予測値を示した。
著者
中村 強士 Tsuyoshi Nakamura
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.133, pp.17-27, 2015-09

子ども虐待や貧困問題がクローズアップされていることをふまえて,貧困と育児ストレス,育児ストレスと虐待,そして貧困と虐待との連関については研究が進められてきている.しかし,乳幼児期の貧困とこれらの連関については十分な検討がなされていない.本研究では,乳幼児期の貧困問題の構造を明らかにすることを目的にした名古屋市内の大規模質問紙調査の結果から,保育所保護者における貧困層の養育態度について分析する.その結果,第1に,貧困層は他階層に比べて保育所利用を消極的にとらえていること,第2に,所得が低くなれば「同じことの繰り返し」「解放されたい」「我慢している」という育児ストレスを抱えやすく,そのストレスの発散方法として「ついついあたった」「ついつい叩いた」「厳しく叱った」という養育態度になること,第3に,200名を超える保育所利用者が「世話に関心ない」と答えていることの諸点を確認できた.
著者
新屋 勝啓 中村 泰行 山岡 成光 西 和彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2Yin514, 2021 (Released:2021-06-14)

近年,「あおり運転」の摘発数は減少傾向にあるが,依然として社会問題となっている.「あおり運転」の摘発に はドライブレコーダーの映像が重要な証拠となっている。 本稿では,自動車後方にエッジデバイスを設置し,後方ドライバーのあおり運転を検出及び警告するシステムの中でも,限定的なリソースの中でいかにあおり運転を高精度に認識するかに言及する 。
著者
守屋 正彦 藤田 志朗 程塚 敏明 勝木 言一郎 井川 義次 水野 裕史 木村 浩 山澤 学 小出 真理子 秋山 学 柴田 良貴 沖松 健次郎 入口 敦士 大久保 範子 菅野 智明 渡邉 晃 伊藤 たまき 中村 玲
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

調査期間中に進めてきた東アジアに展開する儒教美術の表象の研究は最終年度で、釈奠における孔子表象の研究を中心としたものに考察対象を絞り、国際会議を行った。国際会議は筑波大学国際会議室を会場に、2018年1月26日に開催し、杜正勝(台湾中央研究院院士)、陳芳妹(台湾大学教授)、James McMullen(Oxford大学名誉教授)、關信子(美術史家)による発表を受けて、これまでの研究成果を研究代表者、分担者が行い、その成果報告は『「釈奠-東アジアの孔子祭典を考える」報告論文集』(2018年3月31日)として刊行し、東アジアにおける儒教美術研究の横断的な研究基盤形成への端緒を開いた。
著者
渡 仲三 黒野 保三 石神 龍代 平松 由江 堀 茂 中村 弘則 馬渕 良生 堀田 康明 石榑 克範
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.310-314, 1982-03-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
4

The acupuncture points are quite important in Oriental medicine. They have been known for about 3, 000 years. However, the points have not been ascertained morphologically to date.In this experiment, the acupuncture points such as Hoku (LI-4), Taichong (LV-3) and one of the auricular points, which were at first obtained morphologically using a Rydoraku point-searching apparatus (12V, DC), and then needled perpendicularly with acupuncture needle No. 30, staining the tip of the needle with carbon black ink to mark the point localizations.Small pieces of skin were marked with ink cuts and fixed with 10% neutralized formalin, and then serial paraffin sections were made for light microscopical observations.The acupuncture points seemed to be the places at which the electric resistance was usually lower than at other non-acupuncture points.Non-acupuncture points with high electric resistance were also taken for the control (Fig. 7).From the light microscopical observations of the acupuncture points, a special complex was found (Figs. 2, 3, 4, 5, 6). It was composed of a nerve fiber running horizontal to the surface of the skin, some blood and lymph vessels and a small amount of collagenous fibers.These elements seemed to be a plexus forming a complex, and the complex was usually located within the subcutaneous tissue.On the other hand, such complex had not been observed at the non-acupuncture points so far (Fig. 7).In summary, it is postulated that the acupuncture points seem to be in some way related to the nervous elements, the vascular system and collagenous fibers.Fig. 1. A schematic illustration of acupuncture points, postulated by Niboyet (1979).Fig. 2. Histological view of the acupuncture point of Hoku (LI-4) in the left foreleg of the mouse.X70Fig. 3. At the point of Hoku (LI-4) in the right foreleg of the mouse, one can also see a complex of nervous elements (N) and the vascular system (V). X70Fig. 4 This light micrograph also shows a complex of nervous elements (N) and vascular system (V) in Taichong (LV-3) of the left hind leg of the mouse. X150Fig. 5. There is also observed a complex of the nervous elements (N) and vascular system (V) in Taichong (LV-3) of the right hind leg of the mouse. X150Fig. 6. A complex of the nervous elements (N) and vascular system (V) is also observed in an acupuncture point of the mouse auricle. X150Fig. 7. A complex of the nervous elements and vascular system is not observed in the non-acupuncture point area of the mouse foreleg. X70
著者
中村 勇太 原 亮一 北 裕幸 田中 英一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.138, no.2, pp.107-115, 2018-02-01 (Released:2018-02-01)
参考文献数
39
被引用文献数
1 1

From growing interests in the environment issues, promotion of photovoltaic power generation (PV) is accelerated in the world. Meanwhile, rapid chargers (RCs) for popularized electric vehicles are being installed in urban areas. These two trends in distribution system might cause severer voltage fluctuation problems. On the other hand, a RC can provide the reactive power support, which is capable of voltage regulation. Based on this viewpoint, this paper proposes a new framework of voltage regulation, in which the reactive power compensation by RCs is actively utilized. The proposed voltage regulation method combines two different control functions with consideration for over-compensation avoidance. This paper ascertains the validity of proposed voltage regulation method through numerical simulations.
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
中村 浩明 岡本 高志 山本 友紀 加藤 太郎 五十嵐 進 伊藤 大起 古野 薫 横井 秋夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0998, 2007 (Released:2007-05-09)

【はじめに】顎関節症患者の顎関節だけを一時的にアプローチしても、また症状が元に戻ってしまうことを多く経験する。今回、顎関節に疼痛、違和感を訴えている患者を、疼痛増強主訴である歩行から関連を捉え、足部からのアプローチを行い、良い結果が得られたので報告する。【症例紹介】26歳、男性。理学療法士。診断名:左顎関節症、変形性頚椎症。18歳頃より左顎関節に違和感出現。25歳に総合格闘技で、右足部にアンクルホールドを極められ左顎関節症状が悪化。その後、全身体調不良となった。主訴は、口を開けるとクリック音がして痛い。左顎が常に重だるく違和感がある。よく顎を鳴らしたくなる。両足首に不安定感があり歩行中、歩行後に全身に違和感、疲れやすさがあるとの事であった。【理学療法評価および治療】Passenger Unitへアプローチを座位から行い、顎関節へのメカニカルストレス軽減を狙ったが、歩行するとLocomotor Unitの不安定性から身体が崩れてしまう傾向があり、良い治療結果が残せなかった。特に本症例の場合、疼痛、違和感が増強するという訴えは、歩行時のLoading Response~Mid Stance、Mid Stance~Terminal Stanceにかけて著名であった。Loading Response~Mid Stanceでは距骨下関節が過回内し、Ankle Rocker機構機能不全、また、Mid Stance~Terminal Stanceでは横足根関節が過外反しForefoot Rocker機構機能不全の状態がみられた。その機能不全状態を、足部からのテーピングにより各Rocker機構が機能的に作用する環境に整えた。【結果】テーピング後は、下顎が真っ直ぐ下制するようになり、顎関節の疼痛、違和感の消失。開閉の最終時の左顎関節のクリック音が消失した。歩行時も前方への推進力が発揮できるようになり、全身状態も楽であるとのことであった。【考察】歩行時に違和感を訴えたLoading Response~Mid Stance、Mid Stance~Terminal Stanceは、荷重期の特に下肢の支持性、推進力の維持、下肢と体幹の支持性が必要な相である。これらの相に必要な骨での支持は、足部ではRocker機構の事を指し、身体のアライメント、軸の形成には不可欠であると考えられた。各相でLocomotor Unit、または、Locomotor UnitとPassenger Unitのアライメント、軸形成を足部から同時に図ったことにより、顎関節へのメカニカルストレスは開放され疼痛、違和感が消失したと考えられた。【まとめ】顎関節症患者を足部からコントロールし、姿勢アプローチをした。特に主訴であった歩行時の足部Rocker機構に注目してアプローチを行なった。軸の形成は、各々の組織が、分化的に働けるような環境を作る意味で重要であると考えられた。
著者
石川 哲也 横田 修一 平田 雅敏 小川 春樹 小笠原 慎一 中村 隆三 吉永 悟志
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.222-229, 2021

<p>大規模稲作を展開する農業生産法人を対象に,多数の作付圃場の毎年の栽培管理や収量を「見える化」するとともに,条件による絞り込みやランクづけ,項目間の関係の図示等を通じて問題点を摘出し,改善提案を行うことを目的として,作付圃場を網羅する圃場別データセットを構築した.茨城県南地域の3法人における2019年の水稲作付圃場をすべて収集対象とした.圃場名や立地ブロック,面積などの基本情報,作付品種や栽培方法などの集計キーとなる情報,移植日や収穫日などの作業情報,肥培管理情報,防除情報を必須項目とし,追肥や防除については,実態に応じて複数回設定した.実証経営体の記録方法に応じて,営農管理システム出力のインポートや手書き日誌の転記によりデータを収集し,収量データは,各実証経営体で使用する収量コンバインおよび営農管理システムを通じて収集した.乾燥ロット別の実調製量等を圃場別に直接収集することは困難なため,乾燥調製データセットとして独立させ,籾摺・選別後の玄米重量および篩選・色彩選別による屑米重量を収集し,乾燥ロット番号を用いて参照する構造とした.収集したデータセットを用いて,全圃場数637筆の24.3%を占める横田農場のコシヒカリ155筆を対象に,推定収量が低かった33筆の要因を解析すると,圃場の立地ブロックと密接に関連する移植順序が,推定出穂期が遅い圃場での収穫日までの積算日射量の減少を通じて影響したと推察された.このように,網羅的データセットの活用により,問題点の特定と改善策の提案が可能になると判断された.</p>
著者
井上 桂輔 中村 悠真 箱守 正樹 豊田 和典 尾形 朋之 石原 正一郎 小川 晋一 神津 文子 高橋 将
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.53-61, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
14

COVID-19に対する理学療法における具体的な評価方法や運動療法を示した報告はない。感染対策を踏まえた運動機能評価に基づき,隔離中から早期に理学療法介入をした経験を報告する。COVID-19による隔離中に転倒及び筋力低下を呈し,理学療法を実施した4症例に,身体接触が少なく,簡便に実施でき,かつ筋力及びバランス能力を反映する運動機能評価を実施した。その結果から運動療法プログラムを作成および他職種と連携して運動療法を行った。早期に自宅退院した1例を除き,3例は急性期病棟転帰時までに運動機能及び日常生活動作能力の改善が見られたが,回復期病棟で継続的なリハビリテーションが必要であった。尚,担当した理学療法士に感染徴候はなかった。COVID-19による隔離中の患者に対して,感染対策を踏まえた運動機能評価及び運動療法を実施する事は,運動機能の改善及び早期から回復期病棟への入院の必要性について他職種との情報共有が可能であり,有効であったと考える。
著者
中村 誠司 篠原 正徳 原田 猛 廣木 朗子 岡 増一郎
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.62-69, 1995-01-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

Sixty dentigerous and 10 primordial cysts were examined clinically and pathologically. Fifty-six of the dentigerous cysts had non-keratinizing epithelium and 9 of the dentigerous cysts had keratinizing epithelium. However, 5 keratinizing dentigerous cysts and 1 non-keratinizing primordial cyst were observed as exceptions.Radiographically, the dentigerous cysts were generally of unilocular round shape with a well-defined border. However, the well-defined border was often lost due to severe infection. In contrast, the primordial cysts were more frequently shown to be of irregular and multilocular shape, and the well-defined border was well preserved even with severe infection. Thus, keratinizing epithelium was suggested to be involved in the formation of irregular and multilocular shape and to be more resistant to infection.Pathologically, non-keratinizing epithelium often showed proliferation, a lacy appearance, and ridge elongation in association with inflammatory cell infiltration. In contrast, such changes in keratinizing epithelium were rarely observed even with heavy inflammation. Interestingly, ameloblastoma-like epithelial proliferation and calcification in the absence of inflammation were partially observed in 6 and 7 cases, respectively, independent of keratinization of epithelium. Thus, odontogenic epithelial cells were suggested to have high proliferative and differentiative activities.
著者
井垣 宏 瀬戸 英晴 福田 将之 [マツ]本 真佑 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.778-789, 2012-04-01
参考文献数
20
被引用文献数
1

近年,住宅設備の電化や家電機器の増加・性能向上を要因として,家庭における消費電力量増加が重要課題となっている.家庭内の省エネ実現を目的として,ネットワークに接続された電力センサ等を用いた宅内の消費電力量可視化するサービスが研究・開発されている.実際に消費電力量の可視化によってユーザの省エネ行動を促進することができるという実験結果も現れつつある.一方で,既存サービスのほとんどは宅内の消費電力量のログを可視化するものであり,ユーザの在/不在や室温,照度といった環境状態に基づいた電力の消費結果と消費の原因の因果関係を後から細かく振り返ることを目的としていない.本研究では,HNSにおいて取得可能な様々なログを組み合わせることで,ユーザが日々の電力消費をより細かく振り返ることができる「電力消費振り返りサービス」を提案する.また,提案サービスを実際のホームネットワークシステム上で実装し,有用性を確認するための評価実験を行った.実験により,提案サービスを用いて「電力消費超過」,「サービス提供不能」,「環境状態無視」といった分類でのユーザの電力浪費行動全てを具体的な根拠に基づいて発見することができた.
著者
池上 洋介 李 昌憲 ブレスデル エレン 中村 仁彦 鮎澤 光 柏木 匠 久保田 奏 吉松 昭洋 中村 優介 井深 祐輝 石川 淳一 洪 舜傑
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.303-308, 2011

In this paper, human muscle tension estimation based on robotics dynamics and its visualization technique was reported. Human muscle tension estimation was obtained by kinematics and dynamics using optical motion caputure data, force plate data and EMG signals. The environment for the motion capture and the calculation flow was explained. The visualization technique was explained. Tai chi, tap dance and drum motion was analyzed, respectively. The obtained findings of the experts' motion technique were reported.
著者
中村 明正
出版者
Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.126-136, 1965 (Released:2007-06-29)
参考文献数
50
被引用文献数
5 1

Histoanato amical structure of the vocal muscles of human adults was investigated and the sensory nerve endings in the vocal muscle were demonstrated by using various staining techniques.According to Goerttler (1950), medial part of the vocal cord consists of two parts, namely, pars thyreovocalis and pars aryvocalis. However, we could not find the muscle fibres which ran from the thyroid cartilage to the vocal ligament. Pars aryvocalis could be divided into the anterior and the posterior parts. The former beginning from the Proc. vocalis of the arytenoid cartilage attached to anterior half of the vocal ligament. The latter ran between middle part of the arytenoid cartilage, and posterior half of the vocal ligament. These two parts crossed each other like a network.Three types of the centripetal nerve endings in the vocal muscle were identified with the modified Bielschowsky's silber impregnation.The nerve belonging to the first type ended in a simple small knob. The nerve of the second type had spiral structure which wound about the muscle fibre like a tendril, and it seemed to be resembled to a muscle spindle, but it was not a muscle spindle. It was not enclosed with a capsule and did not contain intrafusal muscle fibres. The typical muscle spindles were not found in the human vocal muscle. The nerve belonging to the third type consisted of several nerve fibres which ran pararell each other like an ivy.The great majority of these endings were distributed in the middle one-third of the vocal cords. No communicative fibres between these endings and the endformation of the autonomic nervous system were recognized. The nature and significance of these stuctures were discussed.
著者
佐藤 真 中村 一寛 玉手 英利 門脇 正史 遠藤 好和 高槻 成紀
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.131-137, 2013 (Released:2013-08-13)
参考文献数
15
被引用文献数
2

山形県のニホンジカ地域個体群は20世紀前半に一時絶滅したと考えられているが,2009年以降,県内でニホンジカが再び目撃されるようになった.山形県で散発的に出没するニホンジカの出自を明らかにする目的で,県内の村山市,鶴岡市,小国町で交通事故死したニホンジカ4個体のミトコンドリアDNA調節領域の遺伝子分析を行った.その結果,1個体の遺伝子型(ハプロタイプ)が北上山地の地域個体群でみられる遺伝子型と一致した.一方,他の3個体の遺伝子型は,北関東以西の地域個体群で報告された遺伝子型と系統的に近縁であることがわかった.以上から,山形県のニホンジカは,少なくとも南北2つの地域から,別々に進出している可能性が示された.
著者
加来 博 小島 晃 林 孝次 堀井 正清 中村 清文 藤田 〓也
出版者
International Society of Histology and Cytology
雑誌
Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.7-19, 1962-10-20 (Released:2009-02-19)
参考文献数
8
被引用文献数
4 2

The authors studied the kinetics of the intestinal epithelium of mouse, and discussed the problems of cellular proliferation and differentiation.The results obtained are as follows:1. By colchicine method the generation time and mitotic duration of the crypt cell are estimated from the increase in counts of mitotic figures.2. By 3H-thymidine flash labeling autoradiography the authors divided mucosal lining of the crypt into two zones: ‘generation zone’ and ‘PANETH cell zone’. The former comforms to DNA-synthesizing zone and the latter consists of the PANETH cells.3. By pursuit of the label in the generation zone, it is proved that the villus cells go up to top of the villus and fall off into the lumen. Accordingly the life span of the villus cell is estimated.4. The generation time (tG), presynthetic time (tI), synthetic time (tS), postsynthetic time (t2) and mitotic duration (tM) are analysed by means of 3H-thvmidine autoradiography.5. The PANETH cells in the bottom of the crypt fall into the lumen of the crypt discharging their secretory granules.6. The intestinal epithelium consists of the villus cells, the PANETH cells and the generative cells. Only the generative cells are proliferating and supply cells to the other zones.7. These three kinds of epithelial cells constitute three compartments respectively with a settled bulk. The three compartments are bound in a controled balance.8. The cytodifferentiation from the generative cells into the villus cells and into the PANETH cells seems to be determined within a transitional zone, i. e., ‘differentiation zone’. The cells which enter in the differentiation zone during their presynthetic time are determined to differentiate into villus cells or PANETH cells and lose their capacity of DNA synthesis.9. It is infered that at the point of maturation from the generative cell into the villus cell or into the PANETH cell, environmental factors in differentiation zone give decisive influence on the cellular differentiation.10. The 3H-thymidine autoradiographic study on the stomach epithelium of Hamster reveals that the stomach epithelium also has ‘Generation zone’ in transitional portion between the surface epithelium and the glandular cells. The glandular cells in the stomach may be seen as homologous to the PANETH cells in intestinal epithelium from the standpoint of cytokinetics.