著者
菊地 雅子 野澤 智 佐藤 知美 西村 謙一 金高 太一 櫻井 のどか 原 良紀 山崎 和子 横田 俊平
出版者
一般社団法人 日本小児リウマチ学会
雑誌
小児リウマチ (ISSN:24351105)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.26-31, 2014 (Released:2020-12-15)
参考文献数
10

当科では,若年性線維筋痛症 juvenile fibromyalgja:JFM)に対して,環境分離を主軸とする入院治療 を行ってきた.入院の適応は,重症例もしくは社会的因子が病状に強く影響している場合である. 入院では,規則正しい生活と院内学級通学,リハビリテーションが治療の中心であり,同時に環境調 整(家族や学校との面談)を進め,必要に応じて薬物療法を併用する. 2001年3月~2012年12月までの期間に,当科で入院加療したJFM患児32例について,その効果と 実際について検討した.結果は,臨床症状と重症度において,退院時のステージが17例(53%)で改 善し増悪は1例のみだった.また,入院中9例(31%)に圧痛点の減少があり,うち6例(19%)は退 院時に圧痛点が消失した.入院時に不登校の患児は25例(78%)で,うち9例(36%)が退院後3か月 の時点で登校可能となった. 入院治療による多面的なアプローチは,JFMの症状改善に有効と考えられた.
著者
川村 淳浩 佐藤 由雄 及川 洋 長沼 要 山根 公高 高木 靖雄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.909-914, 2011 (Released:2011-09-01)
参考文献数
9

国土交通省「次世代低公害車開発実用化促進事業」における対象車種のひとつとしてトラック用水素エンジンシステムの研究開発に取り組んだ.高い比出力と低NOx性能を高効率に獲得するために採用した高圧水素ガス筒内直接噴射弁等の各種要素技術や多気筒水素エンジンでの取り組みと,得られた成果や課題等について報告する.
著者
佐藤 幸子 数野 千恵子 西島 基弘
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.111-116, 2008-04-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1

タイム(Thymus vulgaris L.)を加熱したときの香気成分の挙動を検討した。フレッシュタイムの香気中に,炭化水素類(α-thujene・α-pinene・camphene・β-myrcene・carene・limonene・γ-terpinene・cyrnene・caryophyllene),アルコール類(1-octen-3-ol・linalool・borneol)およびフェノール類(thymol)の14成分を確認した。GC-MSによる香気成分の構成割合は,加熱によってフェノール類のthyrnolが増加傾向を示し,加熱温度が香気成分の揮散に影響していることが推察された。GC-O分析によりフレッシュタイムの香気成分は,初めにα-thujeneとα-pinene,次いでlinaloolとborneol,最後にthymolを順次感じられることがわかった。タイムの香気成分を構成割合とFD-factorにより総合的に検討した結果オーブン加熱では樹木様の香り,電子レンジ加熱では青葉様の香り,真空加熱では甘い青葉様の香りが特徴的であり,加熱方法によりそれぞれの特徴的な香りを食材に賦香することできると考えた。
著者
佐藤 実
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.371-402, 2000-12

The purpose of this paper is to put into some kind of logical order blockprinted editions of the early Qing period scholar Liu Zhi 劉智's Tian-Fang Dian-Li 天方典禮 and Tian-Fang Zhi-Sheng Shi-Lu 天方至聖實錄 that were transmitted to Japan and examine the conditions under which the Islamic works written by Muslims of the late Ming / early Qing period were circulated and handed down.The oldest extant edition of Tian-Fang Dian-Li was published by Yang Fei-lu 楊斐菉 in 康煕 49 (1710) and that of Tian-Fang Zhi-Sheng Shi-Lu was published in Cheng-du 成都 by Huan-chun-tang 還淳堂 in 道光 7 (1827).There are three different extant editions of Tian-Fang Dian-Li: the Tong Guo-xuan, Dian-nan 滇南 and Jiang-zhang-tang 絳帳堂 editions. There was also a Huan-chun-tang edition, as seen in a preface by Huan-chun-tang's Ma Da-en 馬大恩 appearing in the Dian-nan and the Bao-zhen-tang 寶眞堂 Huang-chun-tang edition.There are two different editions of Tian-Fang Zhi-Sheng Shi-Lu: The Huan-chun-tang and Zhen-jiang Mosque editions. The list of Islamic literature contained in the Tong-zhi 同治 13 / Guang-xu 光緒 1 (1874) printings of the latter is important for knowing about publication of that genre during the late Ming / early Qing period.After many Islamic works written by Muslims at that time were published by Ma Da-en in Cheng-du during the Dao-guang 道光 era (1830s and 40s), similar publication continued during the Tong-zhi era (1860s) in Yunnan 雲南, and then by Yuhaiting 余海亭 in Cheng-du. Therefore, in southeast China, the publication of Islamic books followed a route from Cheng-du to Yunnan, then back to Cheng-du, with Ma Da-en playing the pioneering role.In addition, Islamic works preserved in Zhen-jiang and Guang-dong 広東 became very valuable after the loss of many books due to the Muslim risings of the Tong-zhi era.Finally, the author points out that there is no evidence that the works of Liu-Zhi were published or printed by either the Shan-xi 陝西 or Shan-dong 山東 Schools.
著者
佐藤 五郎
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.13, pp.23-38, 2017

筆者は、"日本語パートナーズ"(以下、NP)教務支援担当として、2014年度より継続的に、NP の学校訪問や、E メール等を通じたコンサルティングなどを行ってきた。日本語教師ではないNP に対し、どのような支援をすべきか試行錯誤を続ける中で、「任期中一度もコンタクトのないNP とのつながりをいかに確保するか」「NP のニーズに合った情報を適切なタイミングでいかに提供するか」という二つの課題が明らかになった。そこで、2016年度は4期に対して、筆者の個人ブログによる情報提供を開始した。ブログへのアクセス数、NP からのコメント、ブログ利用状況に関するアンケート調査の結果から、当ブログの有用性が認められ、そこで紹介した活動が授業でも実践されていることがわかった。同時に、「NP のニーズに合った情報の提供」「カウンターパート(タイ人日本語教師)との対話を促す手立て」という課題も浮き彫りになった。
著者
助川 隆俊 佐藤 裕二
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.261-262, 2015-03-17

大規模な組合せ最適化問題の例として、数字をヒントに敷き詰められたマスを黒マスと白マスに塗り分けて絵を出すパズルゲームであるピクロスを用いる。ピクロスの問題の形式は正方形であることが多く、全部で2のn^2乗(nは問題の幅)パターンの塗り分け方が存在するが、効率的な解法のアルゴリズムが存在しないため進化計算(GA)を適用する。通常のGAを問題に合わせた交叉や突然変異を用いてある程度の大規模なピクロスの解を求める。さらに、局所探索や部分解を用いた様々な手法によりサイズの大きなピクロスの解を求める。
著者
佐藤 直樹 ロイ キンシュック
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.24(第24回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.161-166, 2010 (Released:2011-08-12)

木質系資材は堆肥化過程において時間がかかるという問題が指摘されている。これまでに堆肥化装置の利用や大規模な堆肥化により時間の短縮をする研究が行われているが,普及という点で課題が残る。そのため本研究では,木材チップと落ち葉に,発酵鶏糞,米糠,菜種油粕を副資材として加えた原料に,発酵促進剤として木酢液や廃糖蜜を利用することで,小規模で機械を使わない木質系資材の堆肥化時間短縮の有用性を検討した。その結果,堆積物内の温度が堆肥化に必要な温度まで上昇した。また,発酵促進剤を加える事により温度が維持された。廃糖蜜を利用した区は,3ケ月でC/N比測定試験,4ヶ月で幼植物試験において完熟したと判定できた。
著者
南 広子 佐藤 知子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
no.20, pp.15-21, 1974-03
被引用文献数
1

"冷凍食品の利用の現状を消費者の立場からアンケート調査を行なった結果を要約すると,冷凍食品を利用したことがある者は全体の91.3%であった。冷凍食品を利用する動機は「簡便だから」をあげるものが62.2%あり,調理上の簡便さが調理担当者の関心のまとになっている。利用年数は1968年頃から利用しでいる者が多い。冷凍食品の購入時の目当となるものは,まず第1に新しさを選ぶという態度がみられ,製造年月日をあげる者が45.0%,メーカーを目当にする者は26.5%であった。利用冷凍食品の種瀬は主として,鮮魚貝類,調理冷凍食品のコロッケ類,シューマイ,エビフライが最も多い。保存については,その都度冷凍食品を購入する者が大多数で,冷凍食品のメリットである保存の必要性は,あまり重要視されていないようである。解凍方法は大部分のものがメーカーの標示通りに解凍し,成功している。解凍方法の工夫においては,極く少数の者がヘアードライアーを利用している者があった。利用回数は週に1~2回の者が多く,味に対する評価は「おいしい」「まあまあ」「普通」の者が大部分であった。好んで食べるのは10代から20才までの若年層に多い。冷凍食品を利用することに満足している者と不満としている者とがほぼ同数あった。冷凍食品は今後益々伸びて行く傾向にあると思われるので,日本人の食生活の中における,これらの食品の利用方法を食生活改善の面から指導する上で,今回の調査が何らかの参考となることを期待したい。"
著者
辰巳 寛 佐藤 正之 前島 伸一郎 山本 正彦 波多野 和夫
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.243-252, 2017-09-30 (Released:2018-10-01)
参考文献数
108

19 世紀フランスの外科医 Paul Broca (1824 ~1880) による Leborgne とLelong の臨床神経病理学的報告は, 今日の「失語症学aphasiology」あるいは「言語の神経心理学 neuropsychology of language」の誕生に大きく貢献した。前頭回の一つ (おそらく第三) , une circonvolution frontale (probablement la troisième) を「構音言語の座 le siège de langage articulé」として推究した Broca は, その領域の部分的損傷により惹起する特異な話し言葉の喪失 perte de la parole をaphémie と名付けた。 Broca の aphémie は, Armand Trousseau (1801 ~1867) によるaphasie/aphasia (失語症) への呼称変更を経て, Carl Wernicke (1848 ~1905) による感覚失語sensorische Aphasie, および伝導失語 Leitungsaphsie の記載, その後の Ludwig Lichtheim (1845 ~1928) の失語図式 Wernicke-Lichtheimʼs AphasieScheme (1884) による古典的失語論の萌芽とともに, 当初 Broca が提唱した言語病理像とは些か様相の異なる「皮質性運動失語 kortikale motorische Aphasie」として位置付けられ, 以後広く認知されるに至った。 Broca の独創的研究から派生した失語学的問題の幾つかは, 現代に至っても決定的解答は得られておらず, 失語症研究の最重要テーマとして存在し続けている。
著者
髙松 俊介 宮川 誠一郎 佐藤 久弥 鈴木 航 西澤 剛 中村 雅美 梅田 宏孝 崔 昌五 加藤 京一 中澤 靖夫 池田 純
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.549-555, 2014 (Released:2014-06-20)
参考文献数
13

The hamate bone, one of the carpal (wrist) bones, has a large uncinate process protruding from the palm side. In sports such as golf and tennis, the hamate bone can break if is subjected to a high external force, such as from the handle of a racquet or club. At our hospital we take X-ray images of the hamate bone from two directions: an axial image through the carpal tunnel and an image at the base of the hamate hook (conventional method). While the conventional method makes it easy to create images of the base of the hamate hook, the patient may suffer pain during image-taking because the hamate bone is pulled to cause radial flexion. We therefore investigated a method of imaging that would create three-dimensional computed tomography (3DCT) images of the base of the hamate hook in which the patient would only have to only rotate the wrist externally and elevate the fore-arm without any radial flexion. Our results suggest that it is possible to obtain images of the base of the hamate hook as clear as those acquired using the conventional method with the patient in a comfortable and painless position taking images at an external rotation angle of 50.3° and a forearm elevation angle of 20.3°.
著者
内藤 理 佐藤 啓宏 工藤 俊亮 池内 克史
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.629-638, 2012 (Released:2012-08-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In recent years, the social network has attracted attention as the system which causes the innovation, and various studies for researchers' networks have been carried out. This paper conducts social network analysis for a researchers' social network based on co-authorship in papers in the journal of RSJ. We investigate the 1,912 papers published from 1983 to 2010, which include 2,736 authors (nodes of the network) and 6,531 co-authorship (edges of the network). The network turns out to have general features as a complex network, such as scale-free structure, small-world structure, and cluster structure. We extract 710 core members from the network and analyze various centrality among them to show that some researchers demonstrate more importance in the network than their degrees. We also apply cluster analysis to the network to find 27 clusters in which researchers have close relationship, and give a coarse-grained representation of the clusters to clarify the adjacency among them.
著者
青木 舜平 西川 祥子 柳原 英人 佐藤 徹哉
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.1006, 2017 (Released:2018-04-19)

局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に伴う磁気光学効果の増大はスピン軌道相互作用の変化に起因するものと考えられている。本研究ではAuナノ粒子のLSPRを用いてCoFe_2_O_4_の磁気異方性の変化させることを目指す。Auナノ粒子が埋め込まれたCoFe_2_O_4_膜を作製し共鳴波長、ファラデー効果の測定をした。結果はファラデー回転角が共鳴波長で大きく変化し、磁気異方性の変化を示唆するものであった。